生物多様性豊かな島に基地はつくらせない

▼世界に直接訴える
IUCNは、世界160カ国以
上の国々から217の政府や政府
機関、1066のNGOで構成さ
れ、野生生物の保護に大きな影響
力をもつ国際的な自然保護ネット
ワークです。
日まで米
そのIUCNの第6回世界自然
保護会議が、9月1∼
士の関係性の可視化、環境影響に
ついての共通認識の必要性も強調
されました。
稲嶺市長はアニカさんの話を受
▼できることはまだある!
日米両政府を相手に、非暴力に
年以上
そして、一歩踏み込み、勧告が
されていないことを訴えました。
スの結果についての共通認識がな
表明する住民側とでは、環境アセ
を超え世界中の人たちが考え、協
や政治的な立場を取っ払い、国境
い﹂があると確信しています。国
ち が 繰 り 広 げ る﹁ 環 境 の た た か
押ししてきたものの1つに、私た
も続いています。県民の思いを後
よる辺野古のたたかいは
活かされているかどうか、国の環
け、日本政府と、基地建設反対を
境アセスをチェックする協力をI
力できる根拠を、辺野古・大浦湾
﹁環境に影響がない﹂と言って
UCNの専門家に呼びかけまし
テークホルダーであることを認識
のける国の環境アセスは、その結
の自然は示しているのです。
させるものであり、今後IUCN
果を出した専門家の名前さえ公表
た。 こ れ は、 I U C N 自 体 が ス
がどう動くか期待しています。
さ れ な い 問 題 だ ら け の も の で す。
どのようにIUCNに関わっても
地がもたらす環境への影響を明確
分とは言えません。安慶田副知事
ていますが、沖縄県との調整は十
名護市とは協力体制がとれてき
きたいと考えています。
かけ、国際世論を味方につけてい
けるか、前述のIISDにも働き
国内、そして国際社会に訴えてい
▼これからの課題
象徴であり、日本の天然記念物で
に指摘。さらには、IUCNの勧
は、島しょ地域の持続可能な未来
らい、国の環境アセスの不当性を
あ る ジ ュ ゴ ン も 生 息 し て い ま す。
告に言及しました。これは画期的
まだまだやれることはありま
多様性豊かなこの海に基地を建設
す。平和と多様性豊かな美しい私
に向け、沖縄、済州、ハワイの3
知事が協力するグリーンアイラン
たちの島を守りきるまで、あきら
であり、意義あるものであったと
ドパートナーシップ設立の合意書
めません。辺野古や高江に行って
しても﹁環境に影響はない﹂とい
に署名し、県の意思を表明してい
現地の座り込みに参加できなく
▼打開策へ向け前進
取ってきたジュゴン訴訟、IUC
みてください。
特筆すべきは、今回SDCCが
ます。これまで環境NGOが勝ち
IUCNは、私たちの提案を認
ンを起こしてくださることをお願
ても、今後も沖縄の状況に関心を
GOと自治体の協力は、今後の課
いしたいと思います。政府へのプ
寄せ、それぞれができるアクショ
O﹁IISD﹂とパートナーを組
題の1つです。
レッシャーをジワジワと粘り強
Nの勧告など、県としても、もっ
保全、ジュゴンの保護、きちんと
み、ワークショップを実施できた
沖縄地元紙では、IUCNでの
く、共に構築していきましょう。
と活用することができるはず。N
し た 環 境 ア セ ス の 実 施 に つ い て、
こと。稲嶺市長がIISDの﹁対
動きが連日報道されましたが、よ
名護市、そして世界的規模で開発
3回の勧告を日米政府に対して出
立に視点をおいた保全﹂モデルを
り多くの人に知ってもらえるよ
と環境の問題に取り組む国際NG
しています。今回も新基地建設の
使って辺野古問題を提示し、議論
自然豊かな地に生息する固有種の
た め、 島 外 か ら 大 浦 湾 に ダ ン プ
を促すというものです。
古大浦湾の自然の豊かさ、沖縄県
慶田副知事、稲嶺名護市長は辺野
今回、初めて会議に参加した安
強化を求める4度目の勧告を、日
持ち込む計画に対し、外来種対策
た。 対 立 状 況 の 把 握、 分 析、 ス
やコンゴでの事例等が示されまし
つながるのだという視点、ペルー
誘導すると同時に、平和構築にも
とりくみ自体が利害対立や紛争を
タートンさんから、環境保全への
当 日 は、 I I S D の ア ニ カ・
る切実な課題もあります。
をどう調達するか、NGOの抱え
スで続けるには無理があり、資金
また、活動をボランティアベー
キルを持つ人材も必要です。
いくには、それができる高度なス
複雑に絡む問題に対し声をあげて
ばなりません。政治や外交問題が
米両政府に求めました。
民の揺るぎない基地建設反対世論
テークホルダー︵利害関係者︶同
う、国内外にもっと発信しなけれ
カー350万台分を超える土砂を
め、山原と呼ばれる沖縄県北部の
訴えてきました。
国内の環境NGOと連帯しながら
えても間違っていると、一貫して
む多様性豊かな場所。沖縄文化の
20
言えます。
▲ワークショップで、名護市作成のパンフレットを使い、話を進める稲嶺進
名護市長と SDCC の吉川秀樹さん(右)
う国の環境アセスの結論はどう考
む、5300種の海の生き物が棲
湾は、260種の絶滅危惧種を含
辺野古新基地建設予定地の大浦
SDCCは、4回目の参加です。
N G O の 代 表 ら が 参 加 し ま し た。
嶺進名護市長、SDCCなど環境
沖縄からは安慶田光男副知事、稲
ハ ワ イ 州 ホ ノ ル ル 市 で 開 催 さ れ、
10
を世界に向けて直接訴え、米軍基
▲署名を呼びかける SDCC スタッフ
第 1150 号(第三種郵便物認可)
2016 年 10 月 10 日
3
*写真提供/ジュゴン保護キャンペーンセンター
∼ ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)吉川秀樹さんに聞く∼
生物多様性豊かな島に基地はつくらせない
「環境のたたかい」
で国際世論を味方に
9月 16 日、沖縄県民の多くが落胆した。辺野古違法確認訴訟で、県敗訴の判決が
下されたのだ。高江で続く国家権力の暴走、そして国追従の司法判決。私たちは、
腸が煮えくりかえる怒りを新たなバネにし、新基地建設反対をさらに大きな声で訴
えていかなければならない。
9月1日から 10 日まで、国際自然保護連合(IUCN)総会に出席したジュゴン
保護キャンペーンセンター(SDCC)国際担当の吉川秀樹さんに話を聞いた。
(まとめ・新里涼子)
▲記者会見で辺野古新基地建設反対の民意を力説