平成28年後期講座⑥古典文学の世界 第1講義 『平家物語』祇王の歌謡と芸能 日本古典を代表する軍記物語『平家物語』には、ストーリの中に効果的に歌謡や芸能が使われて います。今回は「祇(ぎ)王(おう)」の段を取り上げて、そこに置かれた歌謡と芸能の効果や意味につ いて考えていきます。 第2講義 『平家物語』卒都婆流・月見の歌謡と芸能 日本古典を代表する軍記物語『平家物語』には、ストーリの中に効果的に歌謡や芸能が使われてい ます。今回は「卒都婆流」「月見」の段を取り上げて、そこに置かれた歌謡の効果や意味について考 えていきます。 第3講義 『平家物語』嗄声・千手の歌謡と芸能 日本古典を代表する軍記物語『平家物語』には、ストーリの中に効果的に歌謡や芸能が使われてい ます。今回は「嗄声(しわがれごえ)」「千手(せんじゅ)」の段を取り上げて、そこに置かれた歌謡の効果 や意味について考えていきます。 第4講義 『梁塵秘抄』法文歌の心と言葉 『平家物語』にたびたび引用された当時の流行歌謡の世界観を、今様の集成『梁塵秘抄』のなかの 法文歌(ほうもんのうた)を通して、読み解きます。 第5講義 『梁塵秘抄』神歌の心と言葉 『平家物語』にたびたび引用された当時の流行歌謡の世界観を、今様の集成『梁塵秘抄』のなかの 法文歌(ほうもんのうた)を通して、読み解きます。 第6講義 『梁塵秘抄口伝集』の心と言葉 『梁塵秘抄』を自ら撰集した後白河院が、今様とのかかわりや、今様の魅力について記した『梁塵秘 抄口伝集』巻10を通して、今様を愛唱した人々の世界観を読み解きます。 1 第7講義 『源氏物語』から見る物語文学史 『源氏物語』絵合の巻では、左方と右方に分かれて『竹取物語』『うつほ物語俊蔭巻』『伊勢物語』 『正三位』(いまは残らない)などの物語絵巻の優劣が競われ、『竹取物語』は最古の物語、『うつ ほ物語』は現代の物語として登場します。『源氏物語』の記述を読み解きながら、物語文学史につ いて考えます。 第8講義 『竹取物語』の五つの難題 『竹取物語』の初めの部分を読解します。美しいかぐや姫に、たくさんの男性が求婚しますが、中で も有力な5人の貴公子に対して、かぐや姫は、仏の石の鉢・蓬莱の玉の枝・火鼠の皮衣・龍の首の 玉・燕の子安貝という5つの難題を出します。しかし求婚者の数も難題の数も本来は「3」だったらし いのです。 第9講義 『竹取物語』の「異伝」 物語は語り手が語るものですから、語り手による違い、つまり「異伝(異なる伝承)」がつきもので す。たとえば、「蓬莱の玉の枝」を取りに行ったはずのくらもちの皇子が「優曇華の花」を持って都 へ上ったと人々が噂するところ。これは、物語の語り手がわざと「異伝」を取り込んでいると考えら れます。 第10講義 『伊勢物語』の恋愛 在原業平(825~880)を主人公のモデルとする『伊勢物語』は、125章段の短編から成っています。 その中から代表的な恋愛の話を絵と共に鑑賞します。特に伊勢斎宮や二条后との禁断の恋は『源 氏物語』にも大きな影響を与えました。 第11講義 『伊勢物語』の旅 『伊勢物語』で特に有名な旅は東下り章段です。伊勢(三重県)・尾張(愛知県)、三河(愛知県)の 八橋から駿河(静岡県)の富士山を経て隅田川(東京都)、さらに東北へと旅していきます。 東下り章段を絵と共に鑑賞します。 第12講義 『源氏物語』と紫式部 物語は「古くから語り伝えられてきたもの」というのがタテマエですから、どこかに作者名が表記され ているわけではなく、『源氏物語』も例外ではありません。物語の多くは作者不明です。 ではなぜ『源氏物語』の作者は紫式部と言えるのか、『紫式部日記』から証拠を見つけましょう。 2
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