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JP 2014-9222 A 2014.1.20
(57)【要約】
【課題】バイオサーファクタントを用い、塗布時の感触が良好でかつ安定な水系化粧料を
提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、pHが3以上6以下であり、
粘度(25℃)が2000mPa・s以下であることを特徴とする水性化粧料。
(A)HLBが10以上のポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる界面活性剤の1種
又は2種以上
(B)サーファクチン又はその塩
(C)水溶性有機酸
【選択図】なし
10
(2)
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、pHが3以上6以下であり、粘度(25
℃)が2000mPa・s以下であることを特徴とする水性化粧料。
(A)HLBが10以上のポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる界面活性剤の1種
又は2種以上
(B)サーファクチン又はその塩
(C)水溶性有機酸
【請求項2】
10
(A)成分及び(B)成分の含有質量比((A)/(B))が、4/5以上20以下で
ある請求項1記載の水性化粧料。
【請求項3】
(C)成分が、炭素数3∼8のヒドロキシ酸である請求項1又は2記載の水性化粧料。
【請求項4】
さらに(D)エタノールを含有する請求項1∼3のいずれかに記載の水性化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオサーファクタントを用いた水性化粧料に関する。
20
【背景技術】
【0002】
近年サスティナビリティや環境への配慮から、その構造中に石油由来成分を含まず、生
分解性の高い微生物が産生する界面活性剤、いわゆるバイオサーファクタントの皮膚外用
剤への利用が検討されている。
【0003】
皮膚外用剤に用いられるバイオサーファクタントとしては、サーファクチン、マンノシ
ルエリスリトールリピッド、ソホロリピッドなどが知られており、特にサーファクチンは
、医薬部外品としての配合認可もあり、皮膚外用剤基剤として非常に期待されているバイ
オサーファクタントの一つである。
30
【0004】
サーファクチンは東京大学の有馬らにより命名され、垣内らにより構造決定された枯草
菌(Bucillus subtilis)培養液由来の物質で、環状ペプチドを親水部として持ち、アル
キル側鎖を疎水部として持つリポペプチドである。環状ペプチド中のアスパラギン酸、グ
ルタミン酸に遊離カルボキシル基があり、そのナトリウム塩はアニオン性界面活性剤とし
ての機能を有する。高い界面活性剤としての能力のみならずアクネ菌の生育阻害などの生
理作用も持つことが報告されている(非特許文献1参照)。
【0005】
近年では、皮膚外用剤への応用が進み、例えば、サーファクチン塩を含有し、最終組成
物のpHを6.5∼9.0に調整した皮膚外用剤(特許文献1参照)、サーファクチン塩
40
とカルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを併用し
た保存安定性に優れた皮膚外用剤(特許文献2参照)や、サーファクチン塩とグリセリン
モノ脂肪酸エステルなどを併用した保存安定性に優れた乳液状皮膚外用剤が提案されてい
る(特許文献3∼5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−67647号公報
【特許文献2】特開2003−95853号公報
【特許文献3】特開2003−146827号公報
50
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【特許文献4】特開2003−277220号公報
【特許文献5】特開2003−277250号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】日本農芸化学会2012年大会講演要旨
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1にも記載されるようにサーファクチン塩はpHが弱酸性∼酸
性の領域においては、水に対する溶解性が低下してしまうために製剤中に沈殿を生じたり
10
、界面活性能が低下したりするため、低pH領域で低粘性の水性化粧料を形成することは
困難であった。そのため、サーファクチン塩を含有した水性化粧料には、α−ヒドロキシ
酸などの酸性領域で高い効果を発現するような水溶性有機酸成分を十分量配合することも
困難であった。
従って、本発明の課題は、サーファクチン塩を用い、塗布時の感触が良好で、かつ低p
H領域で安定な低粘性の水性化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者は、サーファクチン塩に種々の界面活性剤を組み合わせて検討した結果
、全く意外にもサーファクチン塩とHLB10以上の特定の界面活性剤を併用した場合に
20
、低pH領域でも低粘性でかつ安定性に優れ、塗布時の感触に優れた水性化粧料が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、pHが3以上6以
下であり、粘度(25℃)が2000mPa・s以下であることを特徴とする水性化粧料
を提供するものである。
(A)HLBが10以上のポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる界面活性剤の1種
又は2種以上
(B)サーファクチン又はその塩
30
(C)水溶性有機酸
【発明の効果】
【0011】
本発明の水性化粧料は、低pH領域での安定性に優れ、低粘性で使用感(伸びの良さ、
さっぱり感)に優れ、化粧品、医薬品などの用途に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に用いられる(A)成分は、HLBが10以上のポリオキシエチレン脂肪酸ソル
ビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群
から選択される1種又は2種以上の界面活性剤である。
40
【0013】
ここで、HLB値とは、油−水系で界面活性剤の両液体に対する相対的親和力の比を表
す指標であり、一般にHLB値の小さいもの(特にHLB3∼6程度)は油に対する親和
性が高く、親油性を示し、油中水型乳化組成物を生成させる傾向にある。HLB値の高い
もの(特にHLB8∼18程度)は親水性が高く、水中油型乳化組成物を生成させる傾向
にある。なお、HLB値は、グリフィン法により容易に求めることができる。
本発明に用いられる界面活性剤のHLB値は、水性化粧料の安定性及び感触の点から1
2以上が好ましく、19以下が好ましく、18以下がより好ましい。また、より具体的に
は、12以上19以下が好ましく、12以上18以下がより好ましい。
【0014】
50
(4)
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本発明に用いられるHLBが10以上のポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンとしては
、例えばポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)(HLB=16.
7)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB=15
.6)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB=1
4.9)、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB=
15.0)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB=
15.0)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(6E.O.)(HLB=1
0.0)、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB=1
1.0)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。
【0015】
10
本発明に用いられるHLBが10以上のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例
えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)(HLB=10.5)、ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油(30E.O.)(HLB=11.0)、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油(40E.O.)(HLB=12.5)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(50E.O.)(HLB=13.5)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O
.)(HLB=14.0)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80E.O.)(HLB
=15.0)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)(HLB=16.5
)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。
【0016】
本発明に用いることができるHLBが10以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとして
20
は、例えばモノラウリン酸ポリグリセリル(HLB=14.5)、モノミリスチン酸デカ
グリセリル(HLB=14.0)、モノステアリン酸ポリグリセリル(HLB=12.0
)、モノイソステアリン酸ポリグリセリル(HLB=12.0)、モノオレイン酸ポリグ
リセリル(HLB=12.0)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル(HLB=10.0
)、モノイソステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB=10.8)、モノイソステアリン
酸デカグリセリル(HLB=13.7)からなる群から選択される1種以上が挙げられる
。
【0017】
これらのうち、製剤安定性、感触の点から、HLBが12以上18以下のポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が
30
より好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油(60E.O.)及びモノイソステアリン酸デカグリセリルから選ばれる1種
又は2種以上がさらに好ましい。
【0018】
本発明の水性化粧料中における(A)成分の含有量は、安定性、感触及び刺激性の点か
ら、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%
以上がさらに好ましく、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量
%以下がさらに好ましい。より具体的には、0.01∼5質量%が好ましく、0.05∼
4質量%がより好ましく、0.1∼4質量%がさらに好ましく、0.1∼3質量%がさら
に好ましい。
40
【0019】
本発明で用いられる(B)サーファクチン又はその塩は、公知の物質であり、バチルス
ズブチリス(Bacillus subtilis)IAM 1213株、IAM 1069株、IAM 1259株、IAM 1260株、I
FO 3035株、ATCC 21332株等のバチルス属微生物により生産される天然系の界面活性剤で
ある。サーファクチン塩としては、サーファクチン構成単位であるアミノ酸由来のカルボ
キシル基の金属塩(ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、
マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等)や有機アンモニウム塩(トリメチルアミン塩、
トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミ
ン塩、トリエタノールアミン塩、リジン塩、アルギニン塩、コリン塩等)等が挙げられる
。これらのうち、市場での入手のし易さの点から、サーファクチンナトリウム(商品名:
50
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カネカ・サーファクチン;カネカ社製)を使用することが好ましい。
【0020】
本発明の水性化粧料中における(B)成分の含有量は、安定性の点から、0.05質量
%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、また、においの点から、5質量%
以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。具体的には、0.05∼5質量%が好ま
しく、0.1∼5質量%がより好ましく、0.1∼2質量%がさらに好ましい。
【0021】
本発明の水性化粧料中における(A)成分及び(B)成分の含有質量比((A)/(B
))は、製剤安定性、感触の点から、4/5以上が好ましく、5/1以上がより好ましく
、20/1以下が好ましく、10/1以下がより好ましい。具体的には、4/5∼20/
10
1が好ましく、3/1∼12/1がより好ましく、5/1∼10/1がさらに好ましい。
【0022】
本発明で用いられる(C)水溶性有機酸としては、直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和
の脂肪酸及び脂環族カルボン酸が挙げられ、これら有機酸の任意の位置に水酸基が置換し
たヒドロキシ酸を好ましく用いることができる。当該水溶性有機酸としては、皮膚刺激性
の点から、炭素数3∼8のヒドロキシ酸が好ましく、より好ましくは炭素数3∼8のα−
ヒドロキシ酸であり、具体的にはグリコール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸
、クエン酸等が挙げられる。また、においの点から、クエン酸がさらに好ましい。
【0023】
本発明の水性化粧料中における(C)成分の含有量は、水性化粧料のpHが前記範囲に
20
ある限り、特に制限されるものではないが、キレート効果や美肌効果の点から、0.05
質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、
8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。具体的には、0.05∼
10質量%が好ましく、0.1∼8質量%がより好ましく、0.1∼5質量%がさらに好
ましい。
【0024】
本発明の水性化粧料のpHは、3以上6以下であることが前記水溶性有機酸を安定に配
合するうえで重要であり、さらに3以上5以下が好ましい。
【0025】
本発明では、さらに(D)エタノールを含有することが使用感(伸びの良さ、さっぱり
30
感)の向上の点から好ましいが、本発明の水性化粧料のエタノール含有量は、皮膚刺激性
の点から、0.1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が
さらに好ましく、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。具体的に
は、0.1∼15質量%が好ましく、3∼15質量%がより好ましく、5∼12質量%が
さらに好ましい。エタノールの含有量が上記範囲内であっても、本発明の水性化粧料は優
れた外観特性(透明性)と安定性を維持することができる。
【0026】
本発明の水性化粧料は、水を主な媒体とする化粧料であり、実質的に油剤を含有しない
化粧料が好ましく、より好ましくは水性化粧料中の油剤の含有量が3質量%以下であり、
さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。当該範囲で
40
あれば、安定性に優れ、界面活性剤によるべたつきがなく、さっぱりとした使用感となる
。
ここで、油剤は、油脂(トリグリセリド)、エステル油、炭化水素、炭素数8以上の高
級アルコール、シリコーン油、フッ素油等の油分へ溶解しやすい成分の総体である。
【0027】
本発明の水性化粧料の粘度(B型粘度計)は、25℃において2000mPa・s以下
が好ましく、更に好ましくは1000mPa・s以下であり、より好ましくは500mP
a・s以下である。粘度がこの範囲であると、伸びが良く、さっぱり感等の感触が良好で
あるため、化粧水(ローション)、水性エッセンス、パック等の製剤として利用しやすい
。
50
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【0028】
本発明の水性化粧料は、前記の必須成分に加えて必要に応じて本発明の効果を損なわな
い範囲で通常、医薬品、医薬部外品、化粧料等に使用されている他の任意の成分、例えば
、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、(A)成分以外の非イオン性界面活性
剤、油分、紫外線吸収剤、防腐剤、保湿剤、ポリマー類、アミノ酸誘導体、糖誘導体、香
料、水、アルコール、増粘剤、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、薬剤等の成分を適
宜配合することができる。
【0029】
本発明の水性化粧料の剤形としては、特に限定されるものではないが、化粧水(ローシ
ョン)、水性エッセンス、パック、水性ゲルなどに適用が可能であり、さらにシート剤、
10
スプレー剤、ムース剤としても適用できる。
また、本発明の水性化粧料は、見た目の美しさから、外観が透明又は半透明であるのが
好ましい。ここで透明又は半透明とは、厚さ5cmのガラス容器に水性化粧料を入れ、目
視観察したとき、見た方向と反対においた12ポイントの文字が識別可能なことを意味す
る。
【0030】
次に本発明の態様及び好ましい実施態様を示す。
<1>次の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、pHが3以上6以下であり、粘度(
25℃)が2000mPa・s以下であることを特徴とする水性化粧料。
(A)HLBが10以上のポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬
20
化ヒマシ油及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる界面活性剤の1種
又は2種以上
(B)サーファクチン又はその塩
(C)水溶性有機酸
【0031】
<2>(A)成分が、HLB10以上19以下、好ましくはHLB12以上18以下のポ
リオキシエチレン脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリグリセリ
ン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である<1>の水性化粧料。
<3>(A)成分が、HLBが12以上18以下のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び
ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはポリオ
30
キシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E
.O.)及びモノイソステアリン酸デカグリセリルから選ばれる1種又は2種以上である
<1>又は<2>の水性化粧料。
<4>(A)成分の含有量が、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、よ
り好ましくは0.1質量%以上であり、5質量%以下、好ましくは4質量%以下、より好
ましくは3質量%以下である<1>∼<3>の水性化粧料。
<5>(B)成分の含有量が、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり
、5質量%以下、好ましくは2質量%以下である<1>∼<4>の水性化粧料。
<6>(A)成分及び(B)成分の含有質量比((A)/(B))が、4/5以上、好ま
しくは5/1以上であり、20/1以下、好ましくは10/1以下である<1>∼<5>
40
の水性化粧料。
<7>(C)水溶性有機酸が、炭素数3∼8のヒドロキシ酸であり、炭素数3∼8のα−
ヒドロキシ酸であり、より好ましくはグリコール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒
石酸及びクエン酸から選ばれる1種又は2種以上である<1>∼<6>の水性化粧料。
<8>(C)成分の含有量が、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり
、10質量%以下、好ましくは8質量%以下である<1>∼<7>の水性化粧料。
<9>さらに(D)にエタノールを含有する<1>∼<8>の水性化粧料。
<10>(D)成分の含有量が、0.1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好まし
くは5質量%以上であり、15質量%以下、好ましくは12質量%以下である<1>∼<
9>の水性化粧料。
50
(7)
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<11>水を主な媒体とする化粧料であり、実質的に油剤を含有しない化粧料であり、好ま
しくは水性化粧料中の油剤の含有量が3質量%以下であり、好ましくは1質量%以下、さ
らに好ましくは0.1質量%以下である<1>∼<10>の水性化粧料。
<12>粘度(B型粘度計)が、25℃において2000mPa・s以下であり、好ましく
は1000mPa・s以下であり、より好ましくは500mPa・s以下である<1>∼
<11>の水性化粧料。
<13>外観が、透明又は半透明である<1>∼<12>の水性化粧料。
【実施例】
【0032】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を詳細に説明するが、これらに限定されるも
10
のではない。まず、実施例及び比較例で用いた試験方法について下記に説明する。
【0033】
〔外観評価〕
厚み5cmのガラス容器に試料100mLを入れ、目視観察したとき、見た方向と反対に
おいた12ポイント文字が曇らずに見えるものを澄明、曇るが識別可能なものを微濁(半
透明)、見えないものを白濁とした。
【0034】
〔pH測定〕
製造直後の各資料をpHメーター(D−51型番:堀場製作所社製)にて、25℃でp
H測定を行った。
20
【0035】
〔粘度測定〕
製造直後の各試料をB型粘度計(ビスメトロン粘度計:型式VS−A1、ローターNo.
3、12回転/分、30秒)にて、25℃で粘度を測定した。
【0036】
〔官能評価〕
成人女性20名の評価パネラーに試料を使用してもらい、使用後に塗布中の重さ(伸び
の良さ)、塗布後の油性感(さっぱり感)に関し、感触が良いと答えた人数で評価した。
なお、外観評価で沈殿が生じた試料に対しては官能評価を実施していない。
【0037】
30
実施例1∼5、比較例1∼3
表1に記載の組成で化粧水を調製し、前記の外観評価、pH測定、粘度測定及び官能評
価を実施した。
【0038】
(1)調製法
各成分を室温にて均一に混合攪拌する。
【0039】
(2)特性
実施例及び比較例の製造直後の官能試験結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の実施例は澄明又は半透明な化粧水を形成し、伸びのよさ、
油性感のなさなど優れた使用感を示した。一方比較例は沈殿を形成し、感触も満足できる
ものではなかった。
【0040】
40
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【表1】
10
20
30
40
【0041】
実施例6∼10、比較例4∼7
表2に記載の組成で化粧水を調製し、前記の外観評価、pH測定、粘度測定及び官能評
価を実施した。
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(9)
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【0042】
(1)調製法
各成分を室温にて均一に混合攪拌する。
【0043】
(2)特性
実施例及び比較例の製造直後の官能試験結果を表2に示す。
表2に示すように、本発明の実施例は澄明又は微濁の化粧水を形成し、伸びのよさ、油
性感のなさなど優れた使用感を示した。一方、比較例は沈殿を形成し、感触も満足できる
ものではなかった。
【0044】
10
(10)
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【表2】
10
20
30
40
【0045】
50
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下記処方例1∼8の保湿化粧水、美白化粧水、ふき取り化粧水及び抗老化美容液を調製
した。これらの水性化粧料は、いずれも安定で感触も良好なものであることが期待される
。
【0046】
【表3】
10
20
30
【0047】
(12)
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【表4】
10
20
30
【0048】
(13)
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【表5】
10
20
30
【0049】
(14)
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【表6】
10
20
30
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の水性化粧料は、低pH領域での安定性に優れ、低粘性で使用感(伸びの良さ、
さっぱり感)に優れ、化粧水、水性エッセンス、パック、水性ゲル等の化粧品として好適
に用いられる。
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(51)Int.Cl.
FI
A61Q 19/08
(2006.01)
A61Q 19/08
テーマコード(参考)
(72)発明者 早瀬 基
神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 株式会社カネボウ化粧品化粧品研究所内
Fターム(参考) 4C083 AA032 AA072 AA112 AB032 AC101 AC102 AC112 AC122 AC172 AC301
AC302 AC392 AC421 AC422 AC431 AC432 AC441 AC442 AC472 AC532
AC582 AC622 AC812 AC842 AD042 AD092 AD212 AD332 AD352 AD411
AD412 AD572 AD642 BB44 CC02 CC04 DD23 DD27 DD31 EE01
EE06 EE07 EE09 EE12 EE16 FF05
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