竜使いかのんちゃんのVRMMO ID:99931

竜使いかのんちゃんのVRMMO
ヴィヴィオ
︻注意事項︼
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DF化したものです。
小説の作者、
﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作
品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁
じます。
︻あらすじ︼
リアルで事故により、失明し、動けなくなった少女がVRMMOで
家族と一緒に自由気ままに竜族の竜召喚士として遊んでいく。
第
第
第
4
3
2
話 │││││││││││││││││││││││││
1
32
24
19
13
7
1
目 次 第
話 │││││││││││││││││││││││││
第
5
話 │││││││││││││││││││││││││
話 │││││││││││││││││││││││││
話 │││││││││││││││││││││││││
話 │││││││││││││││││││││││││
第
6
第
話
かのんの世界は暗くて真っ暗で、声しか聞こえない。それが数年と
続いているのです。小学生の入学式に事故にあって失明し声を出せ
なくなり、足や手を失って寝たきりになったです。そんなかのんにマ
マ達は毎日、会いに来てくれるのです。撫でてくれる感触だけは忘れ
られない。でも、なんの為に生きているのかもわからず、ただの感触
を感じるだけ。そんなかのんの前に一気に不思議な光景が映し出さ
れた。
︻ようこそ、無限の世界へ。特殊パッケージを起動します︼
直に綺麗な白衣を着た女性が現れた。
﹂
﹁柊花音様。ご家族様よりメッセージが届いております﹂
﹁
﹁この世界では昔のように自由自在に動き回り、楽しむ事ができるの
﹂
で楽しんでほしいとのことです。また、ゲームの中で出会えるのを楽
しみにしているとの事です﹂
﹁パパやママたちにあえるのです
﹁やったっ
﹂
で、一ヶ月後にはお会いできるでしょう﹂
﹁は い。彼 等 は ア バ タ ー を 作 成 し て お り ま す。正 式 サ ー ビ ス で す の
?
﹂
?
されたのです。
直に綺麗な金色の髪の毛に赤い髪の毛をした、綺麗な女のが映し出
﹁ん﹂
﹁では、そちらを使用しますね﹂
元の姿なんて、覚えてないのです。
﹁ん、良くわからないからお任せ﹂
タを預かっておりますが、構いませんか
﹁さて、貴方があちらで遊ぶ姿を作成しましょう。お母様達からデー
です。
また会えるだけでも嬉しい。苦しいだけの世界から解放されるの
!
1
1
?
﹂
﹁基本はこれでいいとして、種族はどうしますか
﹁種族
﹁ドラゴン
﹂
﹂
アなどの種族が選べます。また、ランダムでも選べますよ﹂
﹁はい。色々な種族になれます。人間、エルフ、ドワーフ、ヴァンパイ
?
もう辛い思いはしなくていいよね
﹂
﹁えっと⋮⋮ドラゴンはないかな﹂
﹁ドラゴンがいいです
﹁えっと⋮⋮﹂
﹂
きませんが﹂
﹁
﹂
﹁ようは頑張ればかならず取れます
﹁ん、かのんがんばるっ
﹁では、どうぞ﹂
﹂
﹂
出るまで何度もやり直したらいいんですよ。残念ながら、選ぶ事はで
パッケージですから、作り直しが簡単にできます。気に入った種族が
﹁だ、大 丈 夫 で す。身 体 障 害 者 の ⋮⋮ か の ん ち ゃ ん は ケ ア 用 の 特 殊
﹁当たらないかも⋮⋮かのん、運ないです⋮⋮﹂
ださい﹂
﹁えっと、ランダムで一応竜族が出るそうですのでそちらを選んでく
お姉さんが誰かと話してる。
﹁ちょっと待ってくださいね⋮⋮えっと、はい。わかりました﹂
﹁ドラゴン、ドラゴンっ﹂
!
?
ドラゴンがカッコイイの。お話でもあった強いのっ。強かったら、
!
﹁らんだゃむ
!
﹁ドラゴン、ドラゴン、ドラゴンっ﹂
出たのはエルフだった。やり直し。ドワーフ、やり直し。天使、や
り直し。人間、やり直し。人間、やり直し。人間、やり直し。人間、や
り直し。人間、やり直し。ドワーフ、やり直し。エルフ、やり直し。ド
ワーフ、やり直し。悪魔、やり直し。
2
?
かんじゃったけど、種族という所が色々と回っていく。
!
!
?
※※※
﹁でにゃい
﹂
﹂
﹁天使や悪魔がでているんですけどね∼﹂
﹁う∼もう一回っ
﹁ドラゴンっ
﹂
﹁では、次です。スキルを選びましょう。色々とありますよ﹂
﹁ん﹂
リアルを終わらせるまでならやり直せますから﹂
﹁私の時間がないので、続きを説明しますね。次に進んでも、チュート
﹁う∼﹂
﹁えっと、一応ドラゴンですよ﹂
来た。名前は竜人。
ランダムボタンを押すと、額に綺麗な石を持った翼を持つ物が出て
!
すか
﹂
﹁ドラゴン系統ですか⋮⋮えっと、竜属性魔法と⋮⋮あ、お勧めにしま
!
﹁じゃあ、ソロが多くなるかも知れないし、ドラゴンが好きなら⋮⋮眷
属召喚と属性を選んで⋮⋮戦闘系も有った方がいいわね。いえ、ここ
は特化にさせておきましょう。眷属強化と上位召喚、代償軽減くらい
﹂
ね﹂
﹁
﹁おー﹂
面白そう。
﹁職業も召喚士にしておくわね﹂
﹁ん、それでいい﹂
﹁あれだったらまた作り直していいから。クローズβやオープンβが
3
!
﹁ん、お願い﹂
?
﹁竜族を召喚して戦うの。つまり、ペットね﹂
?
終わるまでは慣れる為の専用エリアがあるからね。召喚したモンス
ターが気に入らなければやり直しでもいいからね﹂
﹁ん、よくわからないけど、わかった﹂
﹁まあ、連絡をくれたら教えるからね﹂
﹁ん﹂
﹁じゃあ、楽しんでね﹂
﹁ありが、と﹂
お姉さんが消えると、視界が暗くなってまた暗闇に閉ざされて怖く
なった。でも、次の瞬間には光りのある世界に戻った。中央には大き
な塔があって、回りにはぷよぷよした変なのがいる。きょろきょろと
眺めていると、塔から小さな妖精さんが飛んできた。
﹂
﹁ようこそ、初心者さん。ボクは妖精のノルン。まずは貴女の名前を
教えてくれるかな
﹁かのんはかのんだよ﹂
﹂
﹁かのんだね﹂
﹁ん
ね。まずは何から知りたいかな
﹁しょーかんっ﹂
宣言するだけでいいよ﹂
﹁けんぞーくしょーかんっ
﹂
﹂
﹁召喚だね。わかったよ。それじゃあ、君の場合は⋮⋮眷属召喚だね。
?
︻2週間後︼
出て来たボタンを押すと、トカゲさんだった。やり直す事にした。
﹁ん﹂
ンスターが出現します︼
︻召喚を開始します。ランダムでランク1から10までのランクのモ
!
699072って数字がのってけど、気にしない。ドラゴンが出る
までやるのだー
!
4
?
﹁プレイヤー名、かのんで登録しました。チュートリアルを開始する
!
﹁ていっ
﹂
あとはこのまま進んで次はしょーかん
でた種族はりゅーぞく。りゅ∼じんじゃなくて、りゅーぞくっ
﹂
これはもう、何回もでたっ
﹁しょ∼かん
ランク7のドレイクっ
てつかないと
︻四週間と六日︼
にせどらごんだから、めっ。どらごんっ
!
ジャガーノート。おっきくて金属のドラゴンで、カッコイイのっ
﹁あう
﹂
﹁それは出せないよ。スキル構成が間違ってるから﹂
﹁最大じゃない、です⋮⋮﹂
通の召喚よりランクをあげたから、出たね﹂
﹁おめでとう。眷属召喚に眷属強化、上位召喚によるランク上昇。普
!
ついに出た。りゅーぞくで、しょーかんしたのがランク8で機械竜
!
!
﹂
?
に振ると発動できるとの事。つまり、ニンジャみたいに印を作ればい
習ったのです。次は魔法の使い方。こっちも喋るか手で決めた順番
喋ったり、手を素早く動かして開いたり、消したりしていく方法を
﹁じゃあ、続きを教えるね。アイテムストレージの使い方からだよ﹂
定なの。
ランク8は今、最高なのです。なら、ジャガーノートでやっぱり決
﹁お∼﹂
除されてなければ意味がないと。ちなみに基礎値は5だからね﹂
れるだけだから、出るって扱いとして書かれているんだよ。ロック解
﹁いやいや、あの召喚はあくまでも条件を満たしたらロックが解除さ
﹁嘘つかれた、です
がうまれるスキル構成とアイテムだよ﹂
使い捨て課金アイテムで+1。これが召喚に10ランクが出る確率
﹁眷属召喚で+1、眷属強化で+1、上位召喚で+1、代償召喚で+1、
?
5
!
!
!
!
けるのです。
﹁続きを教えたいけど、ご家族の方がお待ちだよ。もうすぐ正式サー
ビス開始だからね﹂
﹁ん、それなら直ぐいく﹂
﹁了解だよ﹂
妖精さんがかのんを何処かへ飛ばしてくれたです。
6
第
話
妖精さんに飛ばされた先は、大きなお部屋だった。そこで白衣を着
たお姉さんが居た。
﹁やぁ、久しぶり﹂
﹁ん﹂
﹁アバターが少し変わっているね﹂
﹁ん、色変えた﹂
髪の毛の色もランダムっていうのを選んだ。だから、今は長い髪の
毛が柔らかい桃色で、瞳が紫色になっている。
﹁まあ、それも似合っているからいいわね。大まかなのは変えてない
みたいだし﹂
ママ達が作ってくれたのだから、基本的には変えてない。
﹁さて、ご家族がこっちで待っているわ﹂
﹁ん﹂
案内されて、奥にすたっふるーむという扉を開けると、そこで二人
﹂
の人が待っていた。
﹁⋮⋮ママ
﹂
会 社 を 辞 め て こ っ ち に 来 て ほ ぼ 生 活 を こ ち ら に 移 す な ん て
⋮⋮﹂
﹁いいんですよ。娘が優先です﹂
﹁そうですか⋮⋮では、頑張ってください﹂
﹁はい。確か、家も用意してくれているんですよね
?
か
﹁いえいえ、こちらも色々と助かりますから。しかし、良かったんです
﹁ありがとうございます﹂
﹁どうやら問題ないみたいですね﹂
んで抱き着く。ママはかのんの頭を優しく撫でてくれる。
ママの姿は前とは違うけれど、なんとなくわかる。だから、飛び込
﹁そうよ。かのん、おいで﹂
?
7
2
?
﹁ええ、家というか城ですけどね﹂
﹁城ですか⋮⋮﹂
﹂
﹁はい。どうせだから、派手にやろうという事になりましてね。転移
方法はわかりますか
﹁ええ、ちゃんと教えて貰っています﹂
﹁では、開始まで後一時間くらいなので移動しちゃってください﹂
﹁了解です﹂
ママに身体を擦りつけていると、お姉さんがこちらにやってきた。
﹁かのんちゃん、お姉さんはここで帰るから、パパ達の言う事をよく聞
くんだよ。それと、リアル⋮⋮あっちの世界の事はここ以外では内緒
だよ。かのんちゃんは⋮⋮いや、いいか。取り敢えず、内緒にしてく
れたらいいから﹂
﹁ん﹂
﹁良い子だね。じゃあ、後はよろしくお願いします﹂
﹁はい。それじゃあ、いこうか﹂
﹁そうね﹂
﹁ん﹂
今度はパパに抱き上げられると、パパが何かをすると一瞬で別の所
に移動していた。
※※※
大きな物凄く広いお城みたいな所で、そこの王様が居るような所
だった。そこでパパとママはかのんを連れて更に奥にいって、大きな
広間へと入った。天井も回りも無茶苦茶広い。
﹂
﹁ここが新しい家だよ﹂
﹁ここ
﹁ん﹂
8
?
﹁ええ。取り敢えず、ここの水晶に触れてね﹂
?
﹂
ママに言われた通りに触れると、直ぐに何かの画面が出て来た。
﹁
﹁それはこっちで操作するからいいよ﹂
直ぐにパパが何かすると、違う画面が開いて。そこからワープって
書かれた画面へと移動した。
﹁この竜宮城っていうのが、家へと帰るボタンだからね。でも、宿屋の
部屋やママの店からしか使えないからね﹂
﹁ん、わかった﹂
﹁部屋を決める前にチェンジするか﹂
﹁そうね。カノン、姿が変わるけどママ達には変わらないから、安心し
てね﹂
﹁ん﹂
﹁良い娘ね﹂
ママが撫でてくれている間に、パパの姿が翼と尻尾、角が生えた人
の姿に変わった。全部黒色でカッコイイ。それになんか、紫色や黒色
の変なのがパパの回りから出てる。
﹂
﹁どうだ、カッコイイだろう﹂
﹁ん
﹂
きくなっていった。
﹁⋮⋮どらごんっ
﹂
と出ていた。
ンからパパの声が聞こえてくる。パパの前に︽邪竜王・ディザスター︾
変身が終ると、ものすごく大きな黒いドラゴンが居た。そのドラゴ
!
!
﹃そうだドラゴンだぞ
﹄
と、黒い色の変なのがパパの身体から溢れ出して、みるみるうちに大
ママがかのんを連れて下がると、パパが変身のポーズをする。する
﹁はぁ⋮⋮﹂
﹁いいじゃないか。大丈夫だって﹂
﹁あなた⋮⋮﹂
﹁よしっ、もっとカッコイイ姿を見せてやろう﹂
!
﹁んっ
!
9
?
10人ほど竜族と竜人族のそれぞ
かのんはパパに触ってみる。不思議な感触がした。
﹃カノンに早速加護を⋮⋮﹄
﹁職権乱用はやめなさい﹂
﹃だが、別に構わないそうだぞ
れの者に選んで与えるようにと言われたからな。その中に娘がいて
も、問題ないだろう﹄
﹁聞いてみるわ﹂
ママが連絡を入れると、直に返答が来たみたい。
﹁駄目だそうよ。ちゃんと公平にしろって﹂
﹃ちっ、仕方ない。開始時間と同時にするか﹄
﹁それって⋮⋮﹂
﹃問題ないだろう。かのんに入る可能性が高くなっているだけだ﹄
﹁⋮⋮それは⋮⋮うん、駄目だって。加護は謁見に来た時にランダム
に与えるようにとの事﹂
﹃仕方ない。お前も変わってカノンに見せてやるんだ﹄
﹁そうね﹂
ママも姿が変わって、銀色のドラゴンになった。お母さんの前には
︽聖竜・セレスティ︾と表示されていた。
﹁お∼﹂
﹃時間はまだあるから遊びましょうか﹄
﹃そうだな。ゲームが開始したら、遊ぶ時間もないしな。あ、奈々も学
校から帰ったらやるそうだから、二人で遊んでくるといい﹄
﹃そうですね。奈々も心配していましたから﹄
ななはお姉ちゃんの事。会うの楽しみ。
のぼるっ﹂
﹃とりあえず、今はお母さん達と遊ぼうか﹄
﹁ん
ん だ り も し た け ど、マ マ が 回 復 魔 法 と か い う の を し て く れ た の で、
﹂
!
とっても楽しい。
﹄
﹁そうだ、ノートも呼ぶ
﹃ノート
?
10
?
それから、ママとパパをのぼったり、滑ったり、楽しく遊んだ。転
!
﹁ん
くる、ノート
﹃させるかっ
﹄
﹂
トは直ぐにかのんに向かって光線を撃って来た。
おっきな召喚陣が現れて、機械で出来た竜のノートが現れた。ノー
!
さえちゃった。
﹁ふぇ⋮⋮﹂
﹃大丈夫よ。ちゃんと契約していなかったのよね
﹁ん⋮⋮引いて、決めただけ﹂
﹃じゃあ、契約しちゃいましょう﹄
﹁ん﹂
﹃しかし、機械系は操りやすい類なのだが⋮⋮﹄
﹄
﹃いえ、あれでしょ。暴走状態だからじゃないかしら
ガーノートだし﹄
﹃なるほど。じゃあ、かのん操縦席に乗ろうか﹄
?
?
﹁ん
﹂
ター登録を行います。よろしいですか
﹄
﹃召喚者がコクピットに到着した事を確認しました。これより、マス
姿が見える。
と、かのんは吸い込まれるように中に入った。中からはパパやママの
ママの掌に乗せて貰って、ノートの頭の上に移動する。頭に触れる
﹁ん﹂
名前がジャ
でも、パパが弾いてノートを吹き飛ばした。その後、パパが取り押
!
﹄
?
態、自立起動モードを設定します。マスターはどのような形態がお望
﹃承 認 さ れ ま し た。シ ス テ ム を 封 印 し ま す。次 に 武 装 形 態 と 待 機 状
﹁ん。封印、使う﹂
﹃した方がいい。今のままでは意味がないからね﹄
良くわからない。だから、パパ達に相談してみる。
ん。システムを封印し、使用可能状態まで落としますか
ト・オーバードライブはキャパシティーオーバーの為に使用できませ
し た。使 用 者 の キ ャ パ シ テ ィ ー を 確 認。E R R O R。ジ ャ ガ ー ノ ー
﹃データをスキャンします。スキャン完了。マスター登録を完了しま
?
11
!
!
みですか
﹄
﹁ますたぁー
﹂
かのんはかのんだよ﹂
する事になっちゃった。でも、こんなのも楽しくて新鮮だから、とっ
それから、パパとママとの遊びは終わって、ノートと一緒にお勉強
﹃そうだな。やばい事になるかも知れないしな﹄
ず、やっちゃいけない事は最低限教えておきましょう﹄
﹃そうね。でも、出来る限り私達でもやりましょう⋮⋮あ、取り敢え
ないとな﹄
﹃それもそうだな。道徳教育も出来てないから、奈々には色々と頼ま
﹃学習機能がついているし、問題ないでしょ﹄
﹃かみ合ってないようだが⋮⋮﹄
﹁イエス、マイマスター﹂
﹁お友達、ノート、お友達っ﹂
﹃彼女はカノンのお友達ね﹄
テールってのになった。
自立起動モードはかのんと同じ女の子の状態。こっちは銀髪ツイン
は武器の状態はばすたーかのんってのになって、待機状態は髪飾り。
それから、お母さんの言う通りに言うと、全部が終わった。ノート
﹁ん﹂
﹃カノン、お母さんが言うように言うのよ﹄
﹁
定しました。待機状態は⋮⋮﹄
﹃カノン⋮⋮バスターカノンですね。武装形態をバスターカノンに設
?
?
てもいい。
12
??
第
話
︻ゲーム開始時刻五分前となりました。各キャストは準備に入ってく
ださい。繰り返します⋮⋮ゲーム開始時刻五分前となりました。各
キャストは準備に入ってください︼
お勉強していると、アナウンスが流れて来た。パパとママはそれを
聞いて立ち上がる。ちなみにドラゴンの姿じゃなくて、人型だよ。
﹁さて、楽しい娘との団欒は終わりだ。仕事と行こうか﹂
そうじゃないと、お父さんが敵
﹁そうね。ああ、そうそう。この国の名前はドラグニア帝国というの。
だから、選ぶ国を間違えないでね
になっちゃうかも知れないから﹂
﹁ん、わかった﹂
﹁良い子ね﹂
お母さんが撫でてくれる。
﹁でも、覚えられるかな⋮⋮﹂
﹁問題ありません。記録しました﹂
﹁む﹂
﹂
キスをしようとして、弾かれた。
そんな話をしていると、時間が危なくなったのか、パパがかのんに
﹁ん、わかった﹂
て、所属国を選んだら、飛ばしてくれるわ﹂
て設定だから、そこからスタートになるの。後は種族やこの身に応じ
移動できるの最初は中央神殿がプレイヤー、カノン達を呼び出したっ
﹁中央は島で、そこが中立地帯です。そこから船や巨大な橋を通って
陸に存在する国だな。険しい山脈に上層部に存在する﹂
海を超えた先の周りに円形の大陸が存在する。ドラグニア帝国は大
﹁ああ、この世界は中央島が有り、その周りに内海が存在する。その内
﹁中央
﹁というか、最初は中立地帯の中央に飛ばされるんだがな﹂
?
﹁時間ないでしょ。さっさといきなさい﹂
13
3
?
﹁わかった﹂
﹂
急いで出て行ったパパ。ママはどうしたのかな
﹁ママ
﹁ん∼ちょっと待ってね﹂
﹁プレイヤーは神殿に一度召喚されますから、楽しんできてください。
かのんの身体が光っていく。
﹁ん﹂
⋮⋮っと、時間ですね﹂
﹁さ て、こ こ は 中 央 領 域 に 在 り ま す か ら 神 殿 か ら 直 ぐ に こ れ ま す
﹁ん﹂
ならなくてもきてくださいね﹂
﹁ちなみに移動の為にレンタルもやってるから、必要になったら⋮⋮
いっぱいる。
視線の先では角の生えたお馬さんや、恐竜まで、沢山の生き物が
﹁凄い﹂
いきます﹂
んな人に愛玩動物系のペットや戦闘に使えるパートナーを紹介して
﹁ええ、そうですよ。ここではテイマー系やサモナー系の人を始め、色
﹁動物、いっぱい﹂
﹁ここが私の仕事場です﹂
ても広い場所だった。
そこはずっと前にテレビで見た事があるような牧場のようで、とっ
直ぐにママとかのんは光に包まれて、違う所に移動していた。
﹁ん﹂
﹁じゃあ、行きましょうか﹂
んを抱いて立ち上がった。
ママは白衣のお姉さんに連絡をしだした。それから少しして、かの
?
寂しくなったら何時でもここや家に帰ってきていいですからね﹂
﹁ん、わかった﹂
14
?
﹁あっ、そうそう⋮⋮出来る限り、早くお父さんの所に行ってください
ね﹂
﹁ん﹂
返事をすると、視界が切り替わって何処かの大神殿へと到着した。
※※※
﹁おお、異界から来た来訪者よ。我等は貴方達を歓迎します。どうか、
我等をお救いください。現在、我が世界はモンスターの大量発生が起
き⋮⋮﹂
何かを言っているけど、かのんはママに言われた通りにパパの下へ
と急ぐです。てててと、走って最初はママが居る所へと目指す。ノー
背中にある鞍に乗せてくれた。
﹂
﹁決して、到着するまで離してはいけませんからね﹂
﹁んっ
﹁じゃあ、行って来てください。くれぐれも落とされないように﹂
ドラゴンさんがママの言葉に雄たけびをあげた後、直ぐに飛び立っ
15
トは待機状態でもなく、召喚もされていない状態だから、そのまま走
る。直ぐに街の端にある牧場に到着した。
﹁ママっ﹂
﹁いらっしゃい。用意してあるから、こっちに来てください﹂
﹁んっ﹂
ママに案内されたのは牧場の大きな柵の中。そこには大きなドラ
ゴンさんが居た。
﹁はい、これが通行許可書で、こっちをパパに渡してね﹂
︼
︻クエスト、セレスからの密書が開始されます。このクエストによっ
﹂
て所属国が決定されます。受けますか
﹁んっ
?
答えは決まっているので、受ける。すると、ママがドラゴンさんの
!
!
ていく。かのんは必死に掴まってパパの下へと急いだ。
空を飛んでいると、沢山のモンスターに襲われたけれどドラゴンさ
んがブレスを吐いたりして、追い払ってくれた。そのまま大きな山脈
につくと、上昇して雲の上に到達した。
﹁うゎぁ∼﹂
雲の上はまるで海みたいで、お日様の光がかのんを照らしてくれ
る。しばらく上昇していくとお城みたいなのが見えてきた。そこの
バルコニーに到着すると、直ぐに怖いトカゲの兵士さんが現れた。
﹁何用だ﹂
﹁ん﹂
許可書を見せると、直に案内してくれた。連れていかれたのは玉座
﹂
16
の間とかいう所で、パパや他の人が居た。パパの隣には凄く強そうな
人も居る。
﹁セレスティア様の密書を持ってきたようです﹂
﹁うむ。ちこう寄れ﹂
﹂
直ぐに走って近付いて、パパの膝の上に乗る。
﹁なっ⁉ 無礼であるぞっ
﹁陛下っ﹂
﹁よい﹂
﹁パパ、ママから﹂
ださい︼
﹂
パパが手紙を受け取ってくれる。
﹁パパ
そ、そうなの⋮⋮
﹁ええいっ、貴様っ、その方は貴様の父親などではない
﹁っ
﹂
︻クエスト・セレスからの密書が達成されました。報酬を確認してく
﹁う、うむ⋮⋮ご苦労だった。これで其方は我が帝国の者となった﹂
!
?
!
?
その言葉に涙が溢れてくる。
!?
﹁やだっ、やだぁ⋮⋮﹂
﹂﹂
﹁違うぞっ、カノンは私の娘だっ
﹁﹁え
﹁ちょっ、それは困りますってっ
﹂
﹂
﹂
娘に泣かれてどうにかなると思っているのか パパの隣に居た人が慌てる。
﹁仕方ないだろ
それともっ、いたいけな幼い子を泣かせる趣味があるのかっ
﹁﹁﹁はっ
﹂﹂﹂
王
プリンセス
プリンス
姫 を入手しました︼
﹁この子は我が娘だ。皆もそのつもりで行動するように﹂
パパの隣の人が消えて、パパはかのんを撫でてくれる。
﹁わかった﹂
してきますので、進めておいてください﹂
﹂
﹁まあ、仕方ないでけどね。泣く子には勝てません。取り敢えず、対策
﹁すまん﹂
﹁あ∼遅かったか。これは会議物だ⋮⋮﹂
︻特殊クラス: 竜
プリンセス・ドラゴンロード
︻ワールド:特殊クラス、 王 女 及び皇子が解放されました︼
した︼
︻プレイヤー・カノンにドラグニア帝国第一王女の称号が与えられま
﹁いや、ないですけど⋮⋮でもっ、それはちょっと不味いんですよ
!
!
!
!
﹂
?
※※※ 会議室
パパに肩車してもらいながら、お城の探検に出かけた。
﹁よし、いいだろう﹂
﹁肩車っ﹂
﹁さて、カノンは何かしたい事があるか
直ぐに皆が片足をついて、頭を下げてきた。
!
17
!
!
?
﹁で、どうするよ﹂
公平ではないと⋮⋮﹂
﹁起こった物は仕方ないだろう。子供の行動を制限できるとは思えん
かったからな﹂
﹁しかし、色々と問題が起こるのではないか
側のキャラとして扱ってしまえばいい﹂
﹁しかし、クエストを発生させる場合はどうするんだ
?
﹁うむ﹂
﹁徹夜じゃねえか
﹂
仮にも王女なのだから﹂
﹁それって、コミュニティを解放するって事ですよね﹂
れるとなれるようにしよう﹂
﹁緩和する。国の姫などはそうだが、一定人数の集団において認めら
﹁しかし、習得条件は⋮⋮﹂
ね。タイミング的にも問題ないでしょう﹂
﹁なら、王子や王女は開始サービスとして喧伝すれば問題ありません
﹁見聞を広める為に世界を旅して、修行する王女か。まあ、有りだな﹂
⋮⋮メイドをつければいいのではないか
﹁なら、彼女はテストプレイヤー扱いにして、クエストなどは付き人
え、彼女の所ばかりで起こるのは不味い﹂
﹁確かにそうだな。クエストが乱発しそうだ。自動生成があるとはい
ターに組み込むと色々と大変だぞ﹂
彼女のアバ
﹁いや、彼女の場合はほぼこちらで生活するのだからいっその事、運営
?
記憶して、PVなどにも使わせて貰おう。もちろん、回覧は女性のみ
で。男性は女性陣が編集した物を見るように﹂
﹁おっけー﹂
﹁まあ、そうだな﹂
﹁じゃあ、アップデートするぞー﹂
﹁いえっさー﹂
﹁さ∼て、徹夜の準備しますか∼﹂
18
?
﹁えっと、じゃあ⋮⋮彼女はモニターとして採用。そのプレイを観察
﹁頑張れ。残業手当は出す﹂
!
第
話
パパと一緒にお城を探検してたら、パパが大きな扉のある部屋に連
れて来てくれた。そこにはキラキラしたりするいっぱいの宝物が置
﹂
いてある。
﹁パパ
﹁ここは宝物庫だ。カノンに好きな物を⋮⋮あがっ⁉﹂
パパが叩かれて、振りかえるとそこにはハリセンを持った白衣のお
姉さんが居た。
﹁何をする﹂
﹂
﹁何をするとはこっちの台詞なんですけどねえ なんでいきなり国
宝級のアイテムを渡そうとしてやがるんですかね
を連れているプレイヤーが居ますか
﹁だが⋮⋮﹂
﹂
﹁阿保かっ どこの世界にスタートとほぼ同時にエルダードラゴン
﹁そこは強力な近衛師団の隊長各を護衛に⋮⋮﹂
る事になりますよ﹂
﹁確かにそれは必要でしょうが、そんな物を持たせたらPKに狙われ
⋮⋮﹂
﹁い や、ほ ら、第 一 王 女 に な っ た か ら に は そ れ を 証 明 す る 物 を だ な
?
?
﹂
?
﹁わかったっ
ちょっと課金してくるっ﹂
アイテムにしてください。ガチャならまだ納得は出来るでしょう﹂
﹁⋮⋮それは確かにあげるべきですね。いいでしょう。ただし、課金
らな⋮⋮﹂
ちゃんとした⋮⋮カノンが使えるプレゼントをあげられなかったか
﹁む、娘にプレゼントをあげたいのだが⋮⋮ほら、今まで誕生日にも
﹁ん、いい﹂
んでいいよね
ですが、それはこちらで決定します。カノンちゃんも、お姉さんが選
﹁いいですか、確かに報酬としても、照明としてアイテムは必要です。
!
!
!
19
4
?
﹁じゃあ、カノンちゃんはこっちで預かりますね﹂
﹁たのむ﹂
﹁ん﹂
かのんはお姉さんに渡されて、パパは何処かに行っちゃった。直に
お姉さんはにやりと笑って指を弾く。するとかのんの回りに大人の
お姉さん達が現れた。
﹁かのんちゃん、ちょっとお着換えしましょうね∼﹂
﹁そうそう、可愛い女の子はちゃんとした服装をしないとね∼﹂
﹁そちらは頼む。私は彼女に上げる物を探す﹂
﹁はい、主任﹂
﹂
﹁任せてください﹂
﹁しゅにん
﹁はい。あの人はカウンセリングの資格とかも持っていますが、研究
者でもあります﹂
﹁まあ、カノンちゃんのような娘には甘い人ですからね。妹さんを亡
くされて⋮⋮っと、これは言っては駄目ですね。カノンちゃん、出来
﹂
たら甘えてあげてくださいね﹂
﹁ん
ね。
﹁取り敢えず、ゴスロリでいいかな
﹂
﹁ちょっと、この子の髪の毛でそれって心ちゃんじゃ⋮⋮﹂
う﹂
﹁取り敢えず、今は緑色のブラウスと赤色のミニスカートにしましょ
もう渡しておいて好きに着て貰ったらいいわね﹂
﹁そうね。城で過ごす服と旅の間に着る服は変えましょうか。いえ、
いですし普通の服にしましょうよ﹂
﹁耳も尖っていますし、エルフと誤認されるかも。というか、動きずら
う﹂
﹁なら、ワンピースタイプで黒をメインにして白いフリルにしましょ
﹁最初の方ですし、そこまで高価なのは駄目ですね﹂
?
20
?
良くわからないけれど、お姉さんと仲良くなったらいいって事だよ
!
﹁いいじゃない。その方が色々と誤認してくれるわ。だから、後は扇
子ね﹂
﹁こいつ⋮⋮まあ、いいか﹂
色々な服を着れて楽しい。それにお話しできるだけでも、ううん、
見えるだけでも楽しい。
﹂
﹁よし、じゃあ、今度はこれを持ってみてね﹂
﹁ん﹂
﹁どう、重い
﹁大丈夫﹂
青色の扇子みたいなのを渡されたので、色々と振ってみる。開いて
姫 だから、こうなったんでしょうか
﹂
縦に振ると刃になって、切れるみたい。開いて見ると竜の絵が描かれ
ていて、そこから青い炎の竜が飛び出て来た。
﹁この子、召喚士だったわよね﹂
王
プリンセス・ドラゴンロード
﹁竜
の骨を切り出して作られています。扇面は鱗を溶かしてコーティン
﹁鑑定結果はウォータードラゴン、水竜ですね。骨組はそのまま水竜
﹁おそらくね。そういえば、この扇子の素材って⋮⋮﹂
?
﹂
グした牙のようですね。だから、天の部分が少し尖っています﹂
﹁絵は
﹁⋮⋮ランクは
﹂
﹂
!
﹂
やめてっ、読まないで∼
﹁って、何を読んでるんですかーっ
﹁それ、不味い奴っ
﹂
!
!
直に取り上げられちゃった。残念なの。
!
﹁だ、大丈夫。これは儀式魔法だから、流石に大丈夫なはず⋮⋮それ
﹁ど、どうする
﹂
んぷんだけど、絵がかいてあったから、それだけはわかる。
中に仕舞っておく。後は興味があった本を読んでみる。ちんぷんか
なんか、お姉さん達が話している間に赤いのもみつけたから、服の
﹁駄目じゃん
﹁ランクA、国宝級ですねぇ∼﹂
?
?
21
?
﹁水竜の魔石と血の混合液ですね﹂
?
に、私達は何も見なかった。いいわね﹂
﹂
﹁おっけー。始末書じゃすまないかも知れないしね﹂
﹁折檻
﹂
お姉さん達がそんな話をしていると、白衣のお姉さんが戻って来
た。
﹁ちゃんと見てましたよね
げよう﹂
﹁ん、ネックレス
﹂
﹁なら、いいのですけど。さて、じゃあカノンちゃん。君にはこれをあ
﹁は、はいっ﹂
﹁あっ、当たり前ですよっ﹂
?
﹁ちょ、主任っ
﹂
次効果として、使用する竜種に対してのコスト軽減ができます﹂
込まれています。竜族種ならこれで王族と判断できるでしょう。副
﹁ええ。隠蔽効果のあるアイテムです。竜煇石という特別な石が嵌め
?
﹂
!
﹁ごめんなさい
﹂
﹁勘弁してください
﹁あっ、こいつっ﹂
私は関係ありません
﹂
!
!
まで﹂
﹂
﹁残業決定じゃないですかっ
﹁鬼畜だっ
﹂
発行をしてくださいね。一応、こちらがNPCを用意または改造する
﹁では、連帯責任でお二人がカノンちゃんのモニター及び、クエストの
!
﹁どうやら、残業を38時間ほど増やして欲しいようですね﹂
﹁駄目だこいつっ
﹁バレなきゃいいのです。例えバレても私なら、どうにでもできます﹂
﹁それって伝説⋮⋮﹂
!
!
﹁﹁ひぃ∼∼﹂﹂
﹁着せ替え人形にしていたでしょう。ほら、いきますよ﹂
!
﹂
22
?
﹁あ、カノンちゃんはお外でお父さんを待ってようね﹂
﹁ん
!
外に出ると、お姉さん達が消えていった。かのんは言われた通りに
お外で待ってる。でも、暇だからさっき見た絵本の絵みたいに踊って
みる。
﹁あうっ﹂
回っていると、こけちゃった。でも、身体を動かすのも面白いので
﹂
やってみる。遊んでいると、パパがやってきた。
﹂
﹁ただいま。良い子にしていたか
﹁ん
﹂
﹁遊ぶっ﹂
いけないから、カノンはお外で遊んでくるか
﹂
﹁よしよし。っと、もう時間がやばいな。父さんは仕事にいかないと
﹁ん
いをあげるから、それで好きに買いなさい﹂
沢山売ってるから、緊急時にだけ使いなさい。それ以外は毎月の小遣
はガチャ⋮⋮いや、これはいいか。カノン、ここに回復アイテムとか
か。こ れ と ス キ ル 熟 練 度 の 方 も 買 っ て お こ う。六 万 だ ろ。あ と 四 万
い込むか。一ヶ月パーティー全体の経験値2倍が2万で、5倍が3万
﹁よし。取り敢えず、竜族は経験値が低いから経験値アップ系列を買
面が開いて、パパがそこにいろんな文字をかのんの手でうっていく。
パパがかのんの手を握って、色々としていく。何かお店みたいな画
﹁ん﹂
﹁よしよし。じゃあ、ちょっとパパに手を操作させてくれ﹂
?
﹂
かのんはドラゴンさんにママの所まで送って貰った。
﹁ああ、いっておいで﹂
﹁ん、行って来る﹂
おいで﹂
﹁それと四時くらいになれば奈々もくるはずだから、一緒に冒険して
﹁ん
とお母さんの子供だから、大丈夫なはずだ﹂
﹁危ない事もあるかも知れないが、頑張るんだぞ。カノンはお父さん
?
23
!
!
!
第
話
ママの所にもどって来た。でも、ママは忙しそうにしていた。とい
﹂
うのも、お客さんがいっぱい来ていたから。
﹁すいません、馬が欲しいです
﹁こっちは走竜が⋮⋮﹂
﹁付き合ってください
﹂
くる卵ガチャもやっています。どうぞ、お試しください﹂
﹁お金があれば構いません。それとランダムでモンスターが生まれて
!
﹁しゃべれ、る
﹂
﹃なんだい、お姫様﹄
﹁ドラゴンさん、ドラゴンさん﹂
んの所までもどる。
だって、人多すぎて怖い。まともに喋れないし。だから、ドラゴンさ
忙 し そ う に 働 い て い る。か の ん は 邪 魔 に な る か ら、出 て 行 こ う。
﹁夫がいるので無理です﹂
!
﹂
直に高く高く、飛んで行く。雲を超えて飛んだ先の木の上には大き
﹁ん﹂
﹃では、しっかりと捕まってください﹄
﹁それでいいよ﹂
﹃上までは無理ですが、途中までなら﹄
﹁ねぇねぇ、おっきな木の上に行きたい﹂
ある。
中心には大きな大きな木があって、島も大きい。山や森、谷なんかも
ドラゴンさんに乗って、飛び立ったら改めて回りをみる。この街の
﹁ん
﹃お安い御用です。ささ、乗ってください﹄
﹁ん、そっか。じゃあ、人が少ない所に連れて⋮⋮行って⋮⋮﹂
﹃姫様が言葉を理解しただけですよ﹄
?
24
5
!
な黄色い果実みたいなのがいっぱいなっていた。
﹁あれ、食べて⋮⋮みたい⋮⋮﹂
﹃あれですか。流石は姫様。お目が高い。ですが、取りにいくと敵が
くるのでしっかりと捕まっててくださいよ﹄
﹁おーお願い﹂
︻竜王姫のお願いが発動しました。対象の竜族を極大強化します。眷
属強化が発動しました。対象の竜族を強化します。かりすまAが発
動しました。対象を特大強化します。一定値の能力値を超えました。
竜煇石を確認。条件を満たした為、限定進化を発動します︼
﹃力がみなぎってくるぜぇええええええぇぇぇっ‼‼﹄
ドラゴンさんが吠えて、突撃していく。すると大きな木の方からも
大きな鳥さんが出て来た。それに対して、ドラゴンさんはおっきなお
口からビームのようなブレスを吐いて、鳥さんは嵐を起こして防ごう
とする。でも、ブレスが嵐を蹴散らして鳥さんに命中した。鳥さんは
す︼
﹃死に曝せぇえええええええぇぇぇぇぇぇっ
﹁んー届かない。ノート﹂
﹄
を伸ばしたり、ジャンプしたりするけど、届かない。
たぶん、わざと吹き飛ばされた。っと、急いで果実を回収しよう。手
大きな木の枝に降りると、ドラゴンさんは直に飛び立っていった。
!!
25
体勢を崩しながらも、次々と風や雷を放ってくる。でも、ドラゴンさ
んはそれらを翼で作った風で吹き飛ばし、ブレスを吐いて次々にダ
メージを与えていく。
入れ替わるような激しい攻防の中、いつの間にか立ち位置が変わっ
て、ドラゴンさんが大きな木の方になっていた。そして、ドラゴンさ
んが暴風にさらされて木に激突する。
﹃姫様。奴は俺が引きつけておきますから、今の間に回収してくだせ
﹄
がんば﹂
え﹄ ﹁ん
﹃おう
!
︻竜 王 姫 の 応 援 が 発 動 し ま し た。対 象 の 竜 族 を 全 回 復 及 び 強 化 し ま
!
﹁イエス、マイマスター﹂
召喚して、お手伝いをお願いする。自立起動モードで出て来たノー
トが、大砲みたいなのを構えて、黄色⋮⋮黄金の実を打ち落としてく
れる。それをかのんが落下位置で受け取っていく。かのんの身体よ
りも大きな実で、食べごたえありそう。
どうするの
﹂
﹁マスター、アイテムストレージに収納してください﹂
﹁ん
きな林檎を使う事にした。
﹁ドラゴンさん、新しい顔⋮⋮違う。メカの素だよ
﹂
﹂
洞の中は太陽の光が降り注ぎ、大きな碧のはっぱに反射して、水滴
大きな洞があったので中に入ってみる。
いっぱいの林檎を回収して、回りがなくなったので、奥へと進むと
﹁ん
﹁マスター、今のうちです﹂
に行っちゃった。
う駄目かと思った瞬間、鳥さんの身体は影に吹き飛ばされて、更に上
ビームが放たれ、鳥さんは回避しながらこっちにどんどん来る。も
﹁迎撃します。バスターカノン、スタンバイ。標準完了。ファイア﹂
﹁あうあう﹂
ばれたみたいで鳥さんが、こっちにやってくる。
ンさんが必死に飛んでそれを咥えた。でも、投げた事でかのんの事が
林檎を思いっきり投げると外れて下へと落ちていく。でも、ドラゴ
!
苦しそうにしていた。だから、かのんはあるアニメを思い出しておっ
林檎狩りをしていると、ドラゴンさんが鳥さんに虐められてとても
﹁イエス、マイマスター﹂
﹁よくわかんないけど、いっぱい集めよう﹂
林檎を入手しましたと、出た。
すると黄金の実が光となって消えた。すると、視界の片隅に黄金の
﹁ん、収納﹂
﹁えっと、収納でいいはずです﹂
?
が落ちて来る。その水がかのんを頭から濡らした。
26
?
!
﹁ちゅめたい﹂
ペロリと唇を舐めてみるととても美味しかった。これも回収して
おこう。回収しながら更に奥へと進むと大きな100の頭を持つ茶
色いドラゴンさんが居た。
﹁こんにち、は﹂
﹄
﹃竜王姫がこのような所にくるとは。外のフレースヴェルグを倒した
のか
﹁ドラゴンさんが頑張ってくれているよ﹂
﹂
﹄
﹃そうか。して、このような所に何用だ。ここは⋮⋮﹄
﹁遊びに来たの
﹂
﹃む、遊びにか。もしや、我と
﹁うん
?
!
﹁わ∼い
﹂
﹃よかろう。どうせ退屈していた所だ。遊んでやろう﹄
!
﹂
100枚をラードーンより入手しました。特殊報酬:炎
×
﹂
外に出ると、ラードーンさんが火を噴いて鳥さんを追い払ってくれ
﹁ん
﹃では、送ろう﹄
た。
かのんの額にある目が開いて、ラードーンさんから何かが入って来
獄の竜眼を入手しました︼
ラシルの葉
︻守護竜ラードーンと契約しました。以降、召喚が可能です。ユグド
﹃気にするな。我と汝は友だからな。何かあれば助けてやる﹄
﹁ありが、とう﹂
﹃うむ、問題ない﹄
﹁いいの
﹃む、そうか。では、お土産を渡そう﹄
﹁あ、そろそろ帰らないと﹂
も美味しかった。気付けばもうお昼を過ぎて夕方になっていた。
が大きな黄金の林檎を取り出して、切って食べさせてくれた。とって
お話したり、触らせて貰ったりしたりしていると、ラードーンさん
!
?
27
?
!
た。その間に黄金色に光るドラゴンさんが戻ってきて、かのんは乗っ
て帰る事にした。
﹁またね﹂
﹂
﹃うむ。我はここから動けんから強くなったら呼び出してくれ﹄
﹁ん、頑張る
﹃ではな﹄
﹂
﹂
﹁おー、いいの
﹂
﹃えぐりとってやりました。まあ、直ぐに再生しやがったんですが﹄
﹁おっきな翼
﹃姫様、これをお持ちください﹄
元に戻っていく。到着する頃には普通の姿になってた。
地上に向かって飛んで行く。すると、ドラゴンさんの姿がどんどん
﹁またね
﹃では、いきます﹄
!
?
﹁ん
﹂
﹃いえいえ。それではまたよろしくお願いしやす﹄
﹁ん、わかった。貰っとく。ありがと﹂
ね﹄
は十分でさ。それに姫様を乗せたとありゃ、皆に自慢できますから
﹃どうぞどうぞ。俺も前よりもランクアップできましたからね。報酬
?
も、よく考えたら、ここで待ってた方がいいので原っぱでお昼寝する
事にした。
※※※
28
!
ドラゴンさんと別れて、お姉ちゃんを探しに向かう事にする。で
!
﹁おい、なんでユグドラシルが初日の、それも半日で攻略されてんだ
﹂
?
﹁⋮⋮ワタシはワルクナイデス﹂
﹁オレモシラネー﹂
﹁原因は簡単でしょう。竜王姫の竜族に対する絶対命令権とまではい
かないでも、それに準ずる権能ね﹂
﹁まあ、本来はフレースヴェルグが竜族に対する防波堤になり、巨人族
の連中にとってはラードーンが防波堤になる設定でしたが⋮⋮﹂
﹁竜王姫の強化能力と竜煇石による限定進化。さらに黄金の林檎の限
定進化。うん、倒せないでも奮戦できるか﹂
﹁ま し て や、後 ろ に お 姫 様 を 乗 せ て い る ん で す か ら、頑 張 り ま す よ
ねぇ。修正しないとまずいですね﹂
﹁取り敢えず、ヴェズルフェルニルの実装と、上層部への侵入禁止にし
ないといけないっすね﹂
﹁進入禁止はいらんな。そもそも、普通はダンジョンをまともにクリ
アしないとこれない訳で。飛ぶ対策としてフレースヴェルグの配置
﹂
ラードーンとか呼び出すなんて不可能だし、この際対策はヴェズル
フェルニルの実装とドラゴンのレンタルを修行の為に禁止という事
にしましょう。自力で確保するならばともかくね﹂
﹁確かにそうですね。修行という事で、出来る限り竜族には協力しな
いように通達しておきましょう。もちろん、戦争とか例外は別で﹂
﹁そうですね。では、一番の問題は⋮⋮黄金の林檎198個、ユグドラ
シルの葉100枚、ユグドラシルの露が8リットル。これをどうする
かね﹂
﹁ユグドラシルの露が蘇生アイテムでしたよね﹂
﹁ええ、そうよ。黄金の林檎は全回復と進化アイテムね。葉はエリク
29
だったのだが、それでも足りないからヴェズルフェルニルを配置する
煉獄の竜眼とか、結構やば
という事だったしな。これで大丈夫だろう﹂
﹁カノンちゃんへの修正はどうします
い奴なんですけど﹂
﹁修正、します
﹁彼女のデータは⋮⋮おい、明らかに初日のデータじゃねえぞ﹂
?
﹁しないわよ。そんなのやったら、許されないわ。だいたい、まともに
?
サーとかのポーションとかに使う素材よ﹂
﹂
﹁⋮⋮別に放置でいいと思いますよ。子供ですし、多分おやつくらい
にしか思わないでしょう﹂
﹁⋮⋮それもそうね﹂
﹁他の連中に割ったら危ないぞ
﹂
﹁いい考えがあります。子供という事を利用します﹂
﹁おい、まさかとりあげるとかいうなよ
﹂
﹁待ってください
﹁用意しているだろ
﹂
泣 き ご と 言 っ て な い で 実 装 し ま す よ。な
﹁用意していますけど、コミュニティの実装もあるんですよ
﹁そ れ が ど う し ま し た
﹁三日で済む訳ないでしょ﹂
﹁﹁え
﹂﹂
﹂
﹂
それってつまり、空腹度を実装って事ですよね
かにしておけよ。ドロップ強化や経験値増加でもいいけどな﹂
が、能力を落としすぎるのもあれだからステータスアップアイテムと
﹁なにより、俺達の罪悪感がないのもいいな。よし、それでいくか。だ
﹁子供なら喜んで渡してくれるでしょう﹂
﹁確かにそっちの方がいいか﹂
ね﹂
したり、他の食べ物とかと交換するのです。これで、回収出来ますよ
﹁違います。私達が受け取って、林檎のお菓子やジュースを作って渡
?
いといけませんし﹂
﹁そうだな。俺達開発チームだけ残るなんて許されねえ。全員だよな
30
?
に、たった三日くらいの徹夜ですみます﹂
?
﹁大丈夫です⋮⋮応援を要請しました﹂
﹂
﹂
﹁それ、何時きます
﹁二日目
﹁無理だーーー
?
﹁まあ、皆で残って手伝いますから﹂
!
?
﹁ほら、やれる事はいっぱいあります。監視⋮⋮モニタリングもしな
?
!
!
?
!
﹂
﹁どうしてもの人を除いてですけどね。お子さんとか、居る人は仕方
﹂
ないですし。もちろん、母親や夫など別の人が居る人は別ですが﹂
﹁デスマーチの始まりじゃぁあああああああああぁぁぁぁぁぁ
31
?
!!
第
話
草原で寝ていると、身体をゆすられて目を開ける。すると茶色の髪
の毛を肩ぐらいまで伸ばした女の子が居ました。
﹂
﹁カノン、久しぶりですね﹂
﹁ナナお姉ちゃん
﹁ん、カノン﹂
﹁ええ、知っています﹂
奈々お姉ちゃんがステラ
﹁ん∼﹂
い﹂
?
﹁ん﹂
﹂
﹁確か、カノンは召喚士でしたよね
﹁ん
﹂
大丈夫ですよ。まあ、そんな訳でステラかお姉ちゃんと呼んでくださ
﹁ここでは基本的に本名を使うと不味いですからね。ああ、カノンは
?
﹁顔はリアルと同じです。名前はステラですね﹂
お姉ちゃんの姿は魔法使いのような恰好をしている。
﹁はい、そうですよ﹂
?
﹁
﹂
﹁チュートリアルを飛ばしましたね
?
職業1:召喚士︵1︶
称号 :ドラグニア帝国第一王女、ユグドラシル攻略者
種族 :竜族
名前 :カノン
お姉ちゃんからステータスの開き方を押しえて貰って、開く。
﹁わかりました。じゃあ、教えますね﹂
﹁ん、召喚するの、大変﹂
﹂
﹁では、ステータスを見せてください﹂
!
32
6
?
職業2:竜王姫︵1︶
技能1:眷属強化︵1︶、代償軽減︵1︶、かりすまA︵1︶、炎獄の
竜眼︵1︶
技能2:眷属召喚︵2︶、上位召喚︵1︶、竜属性魔法︵1︶、上位隠
蔽︵ー︶
召喚 :機械竜ジャガーノート︵武装形態・バスターカノン、待
機状態・髪飾り、自立起動モード・人型、機能封印︶、守護竜ラードー
ン︵召喚不可︶
装備 :水竜の扇︵武器︶、炎竜の扇︵武器︶。竜族の服︵緑のブ
ラウスと赤色のミニスカート︶。ブーツ。竜煇石のネックレス。
課金 :PT経験値5倍、PT熟練度5倍。
﹂
﹁何をしていたんですか⋮⋮﹂
﹁
﹁まあ、いいでしょう。それより隠蔽をした方がいいですね。色々と
隠さないと﹂
﹁ん﹂
お姉ちゃんに従って、竜煇石についている上位隠蔽で駄目な所を隠
していく。直に綺麗な状態になった。称号とか、職業2の場所も消し
た。
﹁竜王姫⋮⋮かりすまAの習得と竜族に対する強化、命令権ですか。
私の巫女より種の全体に効果があるのは凄いですね。いえ、それ以前
﹂
のこの大量のアイテムが言われた事ですね⋮⋮﹂
﹁お姉ちゃんはなに
﹂
種族は竜族ですよ﹂
とされましたが﹂
お姉ちゃんが頭を撫でてくれる。特殊職
﹁ああ、そうです。林檎とユグドラシルの露とか、渡して貰いますね﹂
?
て言ったら、種族を変えてくれて特殊職も貰えました。頼み事も色々
なって運営の人に両親や妹が竜族なのに、私だけ天使なのは嫌ですっ
﹁ええ。βの時はランダムで天使を引いたのですが、正式サービスに
﹁お∼お姉ちゃんも
﹁種族ですか
?
?
?
33
?
﹁ん、いいよ﹂
﹁後で美味しい料理を作ってあげますからね﹂
﹁おー﹂
楽しみ。お姉ちゃんに全部渡す。
﹁これで頼まれた一つは問題ありませんね。じゃあ、次はパーティー
を組みましょう。今から申請するので参加してくださいね﹂
︻ステラより、カノンにパーティー申請を受けました。受託しますか
︼
﹁ん﹂
︻パ ー テ ィ ー を 組 み ま し た。課 金 効 果 の 経 験 値 5 倍、熟 練 度 5 倍 が
パーティー全体に発揮されました。竜王姫の効果により、竜族のパー
ティー全体が強化されます。竜の巫女により、竜族に対して自動回
復、移動速度上昇、自動障壁が展開されました︼
﹂
﹂
﹂
パーティーを組むと、お姉ちゃんのアイコンが視界の隅に出て色々
﹁ん、お魚
?
な支援アイコンというのが出て来た。
﹂
﹁じゃあ、何かしたい事はありますか
﹁ん∼ご飯⋮⋮
?
﹁ご飯ですか⋮⋮じゃあ、海の幸か山の幸、肉、どれがいいですか
?
﹁んっ
﹂
あります﹂
﹁では、海岸に行きましょうか。っと、その前にちょっとよりたい所が
!
権 限 な ど を ッ は じ め と し た 一 部 の シ ス テ ム 権 限。そ れ に 竜 族 ア バ
運営から頼まれたのは妹のサポートです。代わりにクエスト発行
※※※ ステラ
色々と買ったりしていた。
お 姉 ち ゃ ん と 手 を 繋 い で お 店 に 移 動 す る。そ こ で お 姉 ち ゃ ん が、
!
34
?
ターと竜の巫女という特殊職。これによって私は父と母の子供であ
りながら、継承権は持っていないので王女ではない扱いです。まあ、
このアバターは何を思ったのか、前のアバターである天使の力も持っ
ていますのでそちらを理由としてされているのかもしれません。
これが報酬でサポートの内容としてカノンの持つ危険な黄金の林
檎とユグドラシルの葉などを回収し、それを料理にするように頼まれ
ま し た。決 し て 装 備 な ど に は 使 わ な い よ う に と お 願 い さ れ ま し た。
まあ、聞いた感じでは大変な事になっているようですし、私達姉妹が
運営側になるのは納得です。それにお給料も出るらしいので、カノン
の治療費を遊びながら稼げるのは正直助かります。ちなみに私の年
齢では働けないのでお手伝いという感じです。報酬は妹の入院費か
ら天引きとゲーム内での課金アイテムなので実際にお金を受け取る
訳ではありません。欲しい場合両親の給料に上乗せされるそうです
が。
﹂
ローブ、マント。帽子。どれもご注文通りだ﹂
カ ウ ン タ ー の 上 に 私 が β で 使 っ て い た 装 備 類 が 置 か れ て い ま す。
これらは引継ぎ特典でもあります。本来なら新しいアバターである
この子は使えないんですけどね。
﹁ありがとうございます﹂
﹁着替えるならあっちの試着室にどうぞ﹂
﹁はい。カノン、着替えてくるから少し待っていてください﹂
﹁ん﹂
﹁じゃあ、嬢ちゃんにはジュースとケーキを出しておくか﹂
﹁お願いします﹂
カノンを残して試着室に入ります。このゲーム、面倒な事にちゃん
と 着 替 え な い と い け な い ん で す よ ね。ぱ っ と 装 着 と か 出 来 ま せ ん。
35
さて、現在はある運営側の職員限定のお店に来ています。カノンも
ちゃんと入れます。
﹁で、回収出来たのかい
﹂
?
﹁そっちは大丈夫だ。調理道具のライブキッチンセット。それに杖に
﹁ええ、問題ありません。それで、頼んでいた物は
?
現実と同じような感じです。
先ずは服を脱いで下着姿になり、黒いアンダーウェアを着て、黒い
タイツを履きます。それから、白色の布地に金色の線で描かれた魔法
陣があるワンピースタイプの法衣を着ます。袖口が大きくて和服み
たいな感じです。ここからポシェットがついたベルトをとりつけて、
しっかりと膨れないようにします。太く見られるのは嫌ですし。次
に白色の靴を履いて、白地に金色の刺繍があるマントを着ます。これ
で幅広の大きな白い帽子を被れば、後は杖を持って完成です。
天使の時に着ていた装備ですが、やはりこれが性能もいいので落ち
着きます。杖は天使を象った物だったのですが、今は錫杖でその輪っ
かが蛇が尾を喰らっている物になっていました。いえ、それどころか
良く見たら杖の全体も蛇みたいです。
﹁ちょっと怖い﹂
サービスなのかも知れませんが、はっきり言って蛇とか苦手です。
36
そう思ったら、錫杖が光って私の腕に収まりました。形状は細いリン
グが連なっている腕輪ですね。普段は邪魔なので助かります。
さて、着替えが終わったので試着室を出て店に戻ると、カウンター
に座ったカノンが美味しそうにケーキを口元を汚しながら食べてい
ました。私は隣に座って口元を拭いてあげます。
﹁お∼似合ってるじゃないか﹂
﹂
﹁ありがとうございます。それで杖のデザインはなんとかならなかっ
たのですか
ね﹂
集めて布にしました。その過程で強化アイテムが沢山出ましたから
﹁そうですよ。天使のボスを倒して倒して倒して、倒しまくって羽を
たからな。それ、ボスドロップから作った奴だろ﹂
﹁最大強化でいいじゃねえかと思ったんだが、最初から最大強化だっ
﹁まあ、いいですけど。この装備も強化されているみたいです﹂
るからな﹂
ちゃんにもいいのを渡したんだろ。そっちのお姫様は色々と持って
﹁あ ∼ カ ド ケ ウ ス や ウ ロ ボ ロ ス を 表 し て い る み た い だ か ら な あ。嬢
?
﹁あの動画はやばかったな。ソロの天使が天使を杖で撲殺って﹂
﹁支援系ですから。それと障壁もちゃんと使いましたよ﹂
﹁攻撃にだろ﹂
﹁ええ、攻撃にです﹂
ただの壁として障壁を配置するのではなく、わざと薄くした障壁を
縦に配置して突撃してきた天使を切り裂くトラップにしたりしまし
た。他はレンズのようにした障壁で太陽光を集めてレーザーにした
りですね。
﹁使い方を明らかに間違ってるだろ﹂
﹁仕様状で可能なのですから、問題ありません﹂
﹁座標指定だからなあ⋮⋮﹂
﹁対象の内部にも作れたらいいんですけどね﹂
﹁それはもう、最強の攻撃呪文になるだろ﹂
﹁そうですよね﹂
37
身 体 の 内 部 に 障 壁 を 作 り 出 し て 倒 す 事 は 残 念 な が ら 出 来 ま せ ん。
あくまでも障壁など設置系は何もない開いている空間に使うか、身体
に付属させる使い方しかできませんから。
﹁支援特化︵笑い︶の天使様って呼ばれてたしな﹂
﹁酷い話です﹂
﹂
﹁主任は大笑いしてたぞ。作ったプログラマーは泣いていたが﹂
﹁駄目でしたか
﹁お粗末様。じゃあ、いってらっしゃい﹂
﹁ん。ごちそうさま﹂
うね﹂
﹁そうですか。では、ちゃんと手を合わせて御馳走様っていいましょ
﹁ん、食べ終わった﹂
﹁嫌われダンジョンだしな。まあ、経験値はその分高いんだが﹂
﹁ゾンビとか、本当に止めてください。臭いが酷いです﹂
かったからなあ﹂
たのも事実だしな。今までは殴る以外ではヒール砲で頑張るしかな
﹁いやいや、全然おっけーだ。育成のつらい支援型がそれで楽になっ
?
﹁はい。いきますよ﹂
﹁ん。ありがと﹂
﹁おう、楽しんできな﹂
カノンと手を繋いで外に出ます。直にメニューからマップを他人
には不可視モードで表示させます。これはここ、ユグドラシルタウン
で発行されている観光マップです。武器屋や道具や、宿屋はむろんの
事様々な場所や近場に出現するモンスターの情報をも乗っています。
これは特殊版なのでボスモンスターの出現方法も出ています。更に
は運営側専用のチャット機能にログが流れていきます。
︹ステラちゃん、なんかイベントを起こしてください。今、開発チー
ム手一杯で︺
︺
︹了解です。では、今から海岸に向かうのでそちらで蟹料理をしつ
つ、討伐イベントを怒ますね。シザークラブを出します︺
︹うわぁ、殺る気まんまんだ。まあ、了解。告知はどうする
︹開始時だけで。告知はいりません。突発イベントにします︺
︹わかった。じゃあ、適当に報酬は用意しておく︺
︹お願いします︺
﹂
﹂
﹂
?
﹁なるほど。ところで戦闘をした事はありますか
﹁かのんはないよ﹂
﹁ん
﹂
﹁じゃあ、戦ってみましょうか﹂
事ではないのかも知れませんね。
﹂
確か戦闘したとの既述はあったのですが⋮⋮本人が戦ったという
?
38
?
チャットをしている間に海に着きました。カノンは楽しそうに海
をみています。
﹁おっきな水溜りっ
﹁そうなんですか
﹁ううん。ちょっと前に見たよ
﹁見た事はありませんでしたね﹂
!
﹁ん。ドラゴンさんと空を飛んで、パパの所に行ったの﹂
?
街の門を潜り、街道を横断して防波堤にある階段を上って、降りま
!
す。下は砂浜になっており、所々で魔法使いの人達が大きな一メート
﹂
ルはある巨大蟹、ビッククラブと戦っています。
﹁魔法、綺麗﹂
武器、いない
﹁そうですね﹂
﹁
﹁んっ﹂
﹁さて、武器を出してください﹂
ています。βとは違う事をせつに願いたいです。
は天使が。海に浮かぶ孤島には悪魔が。あえていいますと、殺しにき
原を走るトリケラトプスにアウカサウルス。山の頂上にある神殿に
軍団蜂に軍団蟻。山に生息する巨大な石を投げてくるゴーレムや草
離れると途端に厳しくなります。容赦のない集団で襲い掛かる森の
でしょう。プレイヤーに優しい街なのですが、その半面。街の付近を
後はモンスターの特徴を覚え、対策をたてて狩るという事を学ぶ事
事でしょう。
スターで身体の動かし方やスキルなどの使い方を覚えて欲しいとの
直ぐ復帰できます。開発者の思惑としては、街の回りに配置したモン
⋮⋮死んだ時に負うデメリットが免除されている上に、街も近いので
らったら基本的には即死です。ただ、この街の回りはデスペナルティ
久力がかなり高く、ビッククラブは攻撃力がかなり高いので後衛が喰
ら避けつつ逃げ撃ちすれば倒せます。もっとも、ビックタートルは耐
ビッククラブは横移動しかできないので、相手の行動を気を付けなが
す。更にビックタートルは移動速度が遅いので逃げ撃ちが可能です。
攻撃にはめっぽう強いのですが、その反面。魔法攻撃には弱いので
羅に覆われていて、攻撃すると武器の耐久力がかなり減ります。物理
ここにはビッククラブやビックタートルが出現します。彼等は甲
﹁ええ﹂
﹁ん、そっか﹂
すよ﹂
﹁甲羅が固いですから、魔法を使わないとここでの戦闘はつらいので
?
カノンは青と赤の扇子を取り出しました。
39
?
﹁召喚士でしたよね
﹁ん。これも使う﹂
﹁ん∼
﹂
わかりますか
﹂
﹂
﹁ですが、どうせなら扇子なのですから龍にしましょう。東洋の龍は
﹁ん﹂
﹁魔法攻撃タイプの武器ですね﹂
い匂いが漂ってきました。
そのビッククラブは半分がえぐり取られ、もう半分が炎に焼かれて良
て狙ったのかはわかりませんが、ビッククラブに食らいつきました。
そう言ってカノンが扇を開いて振るうと、青い竜と赤い竜が出てき
?
﹁お∼こう
﹂
これは運営側にしか出来ません。
カノンにネットをリンクさせて、検索した画像の画面を見せます。
﹁こんなのです﹂
?
﹂
エクスマキナ
竜眼ではなく石みたいです。額の物がなければランダムで出て来る
どちらかという白い肌は人形みたいです。額に有るのは私達と同じ
しかし、足は太ももから上が人間と一緒で顔も人間にそっくりです。
ガントレットのような銀色の機械の腕。グリーブのような機械の足。
色の胸元が空いている薄いワンピースに白いミニスカート。両手は
髪の毛をツインテールにした少女が出てきました。彼女の服装は青
直に魔法陣が展開されます。そこからゆっくりと赤い瞳の銀色の
﹁ん、来る﹂
﹁召喚の方を試してみましょう﹂
﹁ん∼
﹁効率が悪いですね﹂
一回で10%くらい消費しています。
りに減っていっています。強力な反面、燃費はかなり悪いようです。
者のイメージのようですね。しかし、使う度にカノンの魔力がそれな
カノンが扇子を振るうと今度は龍が出てきました。どうやら、使用
?
機人種の種族とも思えます。
40
?
?
パーティー画面に彼女の名前であろうノートという名前が増えま
した。それに召喚獣であるマークもあります。視線を向けると名前
の下に召喚獣・機械竜ジャガーノートと出てきています。召喚獣は
パーティーメンバーの一つとして扱われる護衛召喚と一撃だけを
放ったり、回復などをして消える瞬間召喚が存在します。パーティー
に入ると基本的には瞬間召喚が好まれます。パーティーが居ない時
は別ですが、経験値が召喚獣にも分割されて入るからです。他の嫌が
られる理由として、基本的に召喚士は召喚獣を別にすると他のクラス
より圧倒的に弱いからです。それなのに経験値は二人分持っていか
れるからですね。
課金をしていれば誰も文句はいいません。2倍しているなら、減る
量より増加しているからです。
﹁あれ、倒す﹂
﹁イエス、マスター。バスターカノン典開。ファイア﹂
両手持ちの大きなビーム兵器が出現しました。そして放たれる光
線はビックタートルを飲み込んで、跡形も無く消滅させてそのまま海
の彼方へと消えていきました。回りからの視線が痛いです。どうみ
てもこんな所で撃つ兵器ではありません。
﹁どうですか、マスター褒めてください﹂
﹁ん、よくやった⋮⋮﹂
﹁ではありません﹂
﹁あうっ﹂
ハリセンで二人の頭を軽くはたく。このハリセンは何故か竜族特
攻武器になっていましたが、気にしません。
﹁痛い⋮⋮﹂
﹁お前、マスターに何をするっ﹂
敵意を向けてくる少女。取り敢えず、ハリセンで叩いて黙らせま
す。
﹁私は姉ですから、なんの問題もありません﹂
﹁ん、姉ちゃん﹂
﹁し、失礼しました﹂
41
頭を抱えながら蹲るノート。なんでしょう、この妹が増えた感じ
は。まあ、いいでしょう。
﹁取り敢えず、そのバスターカノンは仕舞ってください。過剰な威力
﹂
な上に他の人の迷惑になります﹂
﹁了解です﹂
﹁でも、武器、ある
すし。
﹂
?
赦なく答えてあげます。
互いに見詰め会う二人。二人は揃ってこちらを見て来ますので容
﹁⋮⋮﹂
﹁違う、アイアムお姉さん﹂
﹁⋮⋮マスターが妹かと﹂
﹁ん。自慢の友達、妹﹂
﹁良い娘です。良かったですね﹂
﹁了解。マスターは必ず守る﹂
願いします。それとくれぐれもカノンを守ってくださいね﹂
﹁では、遠距離の敵はハンドカノンで、近距離の敵はビームソードでお
れも物騒な感じです。
ハンドカノンが消えて光るビームソードが現れました。武装はど
﹁ある﹂
﹁近接装備はありますか
と腕が砲になっていました。
ノートの手には銀色の縁がある青色の盾と50センチくらいの手
﹁これでいい
﹂
撃が充実しているのでいいのですが。近づく前に殺ればいいだけで
このパーティー、どう考えても後衛だけですしね。いえ、遠距離攻
いです﹂
﹁じゃあ、それでいいですね。私達はどちらも後衛ですから、盾は欲し
﹁ハンドカノンとシールドカノンなら⋮⋮威力も低いです﹂
?
﹁産まれて的にはノートが妹ですね。ですが、しっかりとしているの
はノートでしょう﹂
42
?
﹁⋮⋮﹂
﹁やった﹂
﹁まあ、どちらもどっちですが﹂
私の言葉で二人はしゃがんで砂地にのの字を書いていきます。次
第に色んな物を書いていくお絵かきに変わっていきました。それを
見た私は周りに天使の力である、モンスターなど設定した者を近づけ
ない祝福の結界を展開して邪魔な者が来るのを排除します。
﹁ふぅ﹂
私は二人を置いて二人が倒したビッククラブやビックタートルを
回収してきます。それから、ライブキッチンセットを取り出して、魔
力をチャージします。その次に大きな大きな鍋をコンロにセットし
て、水魔法のヒーリングウォーターを使って水を溜めます。その後、
着火して湯を沸かします。
次に引き出しを開けると様々な包丁が入っています。そこから、比
較的大きな包丁を選んで取り出します。
回収したビッククラブを取り出して、解体します。甲羅と粗は大き
な鍋に入れて出汁にします。次にライブキッチンセットの冷蔵庫か
ら頼んでおいた野菜類を取り出していきます。先ずは野菜を洗って
か ら 白 菜 を 始 め と し て 切 っ て い き ま す。次 に お 米 を ヒ ー リ ン グ
ウォーターでといで、飯盒に入れて火にかけます。どうせならと、ユ
グドラシルの露を少しだけ混ぜておきます。後、水は蟹の出汁を遣い
ます。別の飯盒で普通のお米を焚きます。
粗や甲羅を取ってから、野菜を大きな鍋に入れて焚きます。後は焼
き蟹や蟹サラダを作っていきます。どれも大量に作ります。カノン
がどれだけ食べるかわかりませんし、保存しておいてもいいので。
カノンが事故にあってから、家事は私の役割となったので小学生高
学年になった私でも既にかなりのものです。
さて、少し手が空いたので、甲羅を綺麗に掃除してお皿にします。
そこにサラダとかを盛りつけます。大きな椅子とテーブルを取り出
して飾っていきます。
﹁うわぁ、凄くいい匂い﹂
43
﹁美少女の料理⋮⋮﹂
﹁食いたい⋮⋮でも、近づけねぇ﹂
﹁結界とか、やべえレベルじゃねえか﹂
﹁というか、普通に装備もやばいよ﹂
外野が集まっているのですが、今は無視します。作業を続けている
と、取っていた料理のレベルが上がって更に効率のよい動き方がわ
かってきました。同時にレシピも浮かんできます。
取り敢えず、レシピは後回しです。今は焚き上がったご飯です。普
通のご飯は寿司酢と混ぜてから放置します。次に蟹のエキスを混ぜ
た奴は水を付けた手に塩を振ってからおにぎりにしていきます。具
は蟹の身ですね。こちらは笹の葉にくるんでいきます。
﹂
﹁ノート﹂
﹁なに
﹂
﹁ちょっと蟹が足りないので取って来てください﹂
﹁了解﹂
﹁かのんは
﹁ええ﹂
﹁私もいいの
﹂
﹁ノートもですよ﹂
﹁ん﹂
﹁手を先に洗ってくださいね﹂
﹁おー﹂
す。
出来たので大きなテーブルに座って、かのんと一緒に食べる事にしま
時間が経つと、ノートが追加で持って来てくれたので追加の準備も
﹁ん﹂
﹁お城でも作っていてください﹂
?
スアップのオンパレードでした。
私は取り敢えず、ある程度食べてから、効果を確認します。ステータ
見 な が ら 食 事 を と り ま す。回 り に は 更 に 人 だ か り が 出 来 て い ま す。
三人でかのんが作った一メートルくらいの精工に作られたお城を
?
44
?
それから、別に出した大きなテーブルとイスを用意して、そちらに
料理を置いていきます。
﹁食べさせて∼﹂
﹁お願い∼﹂
﹁お腹が∼﹂
空腹はまだ感じないはずなのですが⋮⋮そう思ってログを確認す
ると既に実装されていました。そして、クエスト欄に飢えた獣達に食
事を提供せよというのが出ていました。これはつまり、私用の物とい
う事ですか。私もプレイヤーとして楽しんで問題ないという事です
ね。
﹂
﹁では、提供しましょう。一人、一膳1000Gです﹂
﹁高っ
﹁1000Gって、100万円っ﹂
﹁蟹を提供した人は750Gです﹂
円とかには答えません。結界の設定を弄って、お金を支払った人は
入れるようにします。同時に集金箱を置きます。
﹂
﹁お金を支払えば入ってこれます。では、食べたい方はどうぞ﹂
﹁私は支払うっ
﹂
これちょう美味いっ っていうか、なんかステータス
アップしてるんだけど
﹁うまっ
由にお代わり可能です。
お金を支払って中に入った人にはセットを渡します。サラダは自
!
!
﹂
﹁まじかよっ
﹁俺もだ
俺もくれ
﹂
!
ました。
料理を次々に提供していると、カノンが食べ終えたのかこちらに着
ル扱いだったのですね。
はライブキッチンセットですか、そうですか。つまり、これはレンタ
次々と人が入ってきます。これで私のクエストは達成です。報酬
!
す。それとこの結界内ではHPとMPが回復する効果もあります﹂
﹁効 果 時 間 は 結 界 を 出 て か ら 二 時 間 で す。全 ス テ ー タ ス が 上 昇 し ま
!
!
!
45
!
﹁お代わり
﹂
﹂
!
﹁商売じゃ⋮⋮﹂
﹂
﹁可愛い妹が最優先です﹂
﹁シスコンさんだ
﹂
﹂
ます。すると、沖合の海のほうで爆発が起こりました。
人も十分に集まっているので、私はイベントのスイッチを押し込み
﹁さて、このタイミングですね﹂
うな人が居ます。
かはそれを見てなんとも言えない感じになったり、何かを決意したよ
ラゴンが居たり、城にドラグニア帝国の紋章があったりします。何人
カノンも食事を終えて再び砂遊びに戻っています。城の回りにド
ら。
二時間は効果が大丈夫ですし、ログアウトすれば問題ありませんか
し、皆さん食事はだいたい終えていますね。この結界から出なければ
す。しかし、気づいたらお酒とかを持ち込んでいる人もいます。しか
それから少しして食材も無くなったので、ただの焼き蟹とかだけで
※※※
何人か帰っていきましたが、気にしません。カノンが優先です。
﹁ちっ﹂
﹁もちろんです﹂
な
﹁嫌なら別の所に行けばいいんだし。その場合、返金はしてくれるよ
﹁うん、駄目だ。勝てねえ。諦めてならぼう﹂
?
!
﹁そうですが、それがなにか
﹂
﹁この子が優先です。皆さんへの提供はあくまでもついでですから﹂
﹁おい、順番はこっちだぞ
作っていた膳をかのんに渡します。
﹁仕方ないですね﹂
!
﹁なんだ、なんだっ
!
46
?
﹁お∼
﹂
﹂
﹁NPCかよ
﹂
﹁いや、イベントキャラじゃね
﹁って、もしかしてこのバフってあれと戦わせる為の奴
﹁お∼戦い
﹂
ライブキッチンセットを収納して、杖を実体化させる。
﹁何を言っているのか、わかりませんが時間がありませんよ﹂
?
?
﹁多分そうだろ。レイド戦だし﹂
﹂
いや、GMはアイコンがでるから違うな﹂
?
!
﹁というか、GM
﹂
献度毎による報酬。参加者は強制的にレイドパーティに加入します︼
︻イベントクエスト・シザークラブを討伐せよ。報酬:5000G+貢
私はそういいながら、クエストを発行する。
﹁どうか、街を守る為に皆さんのお力をお貸しください﹂
﹁ちょっ⁉﹂
﹁え
までは街が崩壊してしまいます﹂
ラブ達の親であり、子供を倒されて怒り狂っているようです。このま
﹁皆さん、あちらに見えるのはシザークラブです。彼の者はビックク
来ています。
ノートが立っています。沖合には巨大な蟹が現れてこちらにやって
カ ノ ン は 不 思 議 そ う に し て い ま す。そ ん な カ ノ ン を 守 る 位 置 に
?
次々と参加ボタンを押して、私達のパーティに入ってきます。
﹁せっかくのイベントだしな﹂
﹁まあ、参加するしかないよな﹂
て構える。重そうですが。
直にノートが大きなバスターカノンになる。それをカノンが持っ
﹁イエス、マスター﹂
﹁ん、ノート﹂
ださい﹂
で構いませんよ。後はバスターカノンの方で、カノン自身が撃ってく
﹁はい、戦いです。今回は沢山のか⋮⋮こほん。人達が居るので後衛
?
47
?
﹂
﹁ちょっ、なにこれっ
﹁どうしたんだ
﹂
!
﹁料理の事か
﹂
して、直ぐに戻ってきます。
た。すると、相手のヒットポイントが5%くらいなくなりました。そ
可愛らしい声と共に引き金が引かれて、光の奔流が解き放たれまし
﹁えいっ﹂
かのんは何を思ったのか、前に行ってバスターカノンを構えました。
少 し し 人 が 増 え て き ま す。皆 さ ん は ど ん ど ん 準 備 し て い き ま す。
⋮⋮︼
エ リ ア に お り、参 加 し な い 方 は 非 難 し て く だ さ い。繰 り 返 し ま す
思がある者として判断し、レイドパーティに加入されます。既に該当
近付かないでください。また、新しくフィールドに入ると参加する意
した場合、街が崩壊します。イベントに参加したくない方は南海岸に
︻ワールド:南海岸にてレイドイベントが発生しました。討伐に失敗
シザークラブが到達する前に全体のアナウンスが流れた。
﹁そうだな﹂
﹁これならいけそうだな﹂
した。カリスマがひらがななのは間違っていません。
カノンがそう言うと、かりすまAが発動して全体が更に強化されま
﹁ん。戦争のはじまりゅっ∼∼きゃんだ⋮⋮﹂
﹁かのん、こう言ってください﹂
援をかけます。掛けたのは攻撃支援、防御支援、障壁、自動回復です。
錫杖を砂地に打ち付けて大きな魔法陣を展開して、参加者全員に支
ロテクション・エリア。リジェネート・エリア﹂
﹁セイクリッドウエポン・エリア、セイクリドドシールド・エリア。プ
に駄目押しです。
私達のステータス上昇のバフは料理のバフに隠れます。ここで更
﹁いや、そうなのか
何かおかしい気が⋮⋮﹂
﹁いや、この異常なバフは⋮⋮﹂
?
﹁MPなくなった﹂
48
?
?
﹁⋮⋮どうぞ﹂
﹁んっ﹂
ジュースを渡します。他の人も届くかわからないのですが遠距離
攻撃を開始しました。まあ、殆どが届いていません。
﹁もうちょっと近付かないと駄目だわ﹂
﹁そうだな。しかし、機械系の召喚獣か。便利だな﹂
﹁あ∼契約するのが一番楽だしな﹂
﹁正確には契約した後がでもあるけどな﹂
機械系は一度、マスターと認めたら尽してくれますからね。それ以
外の生物は基本的には信頼度が上下します。機械系はあくまでも特
別な者以外、意思がないですからね。つまり、リアルのペットのよう
に世話が大事という事です。
そんな事を思っていると、シザークラブが飛び上がって浜辺に落ち
てこようとしています。私はそれを見て落下地点に沢山設置してや
49
りました。
ドンッという凄い音が響くと、砂煙が巻き起こります。直ぐにそれ
﹂
が張れると、ヒットポイントが半分まで減ったシザークラブが居まし
た。それを見た私はそっと目を逸らします。
﹂
﹁おい、自爆したぞ﹂
﹁馬鹿じゃね
﹁取り敢えず、攻撃するか﹂
﹁なんか痙攣しているし、いいんじゃないか
﹁盾の応援、いらんかもな﹂
ヒットポイントがみるみる減っていきます。
スがアップした魔法使い達による、数々の魔法という暴力によって
私の魔力をかのんに譲渡して、どんどん撃って貰います。ステータ
﹁はいはい、どうぞ。トランスファー﹂
﹁お姉ちゃん﹂
あげたりとこちらに近付けない作戦です。
きます。砂地を沼に変えて動けなくしたり、バインドを使ってしばり
皆が魔法をどんどん撃っていきます。かのんもどんどん撃ってい
?
?
これは不味い。イベント戦闘にしては弱すぎる事になってしまい
ました。私はそっと後ろに下がって、他人には不可視になっている画
﹂
面のとあるボタンを押します。
﹁おい、なんか変だぞ
なんか変形してるんだけど﹂
﹁相手の体力は残り微かです。頑張ってください
﹂
ンが扇子を持ちながら踊り出しています。嫌な予感しかしません。
ジみたいなのがどんどん溜まっていっているんですが。それにカノ
法と回復魔法を与えて回復して貰います。しかし、ノートの下にゲー
しかし、こうなると私もちゃんと仕事をしましょう。ノートに支援魔
いるので、なんとか体勢を整えて攻撃していけるようになりました。
本来の姿じゃなくてもこれですか。ノートが前線で押さえてくれて
す。明 ら か に 強 い で す。流 石 は R a n k 8 の ジ ャ ガ ー ノ ー ト で す。
ノートが精密射撃を行ってハサミを落としたり、盾で弾いていきま
﹁邪魔です﹂
飛ばしてしまいます。
だけで吹き飛びません。それどころか、駆動音が聞こえてくると弾き
さな少女なのですが、砂浜で足を引きずりながら後ろにやられていく
続いて飛んでくるハサミをノートが盾を構えて受け止めます。小
﹁イエス、マスター﹂
﹁ノート﹂
分と違いますね。
ちょっと、ノーマルからハードにモード変更しただけなのですが、随
シザークラブの飛んできたハサミで人がゴミの様に吹き飛びます。
﹁ぎゃぁぁぁぁっ﹂
ハサミを飛ばしてきます。
魔法にさらされるシザークラブの手が増えました。そこから蟹の
﹁ん
?
と速度=威力という事でかあなりの攻撃力になるでしょう。
置いたら駄目なので、ちゃんとバリアとして使います。ですが、重量
今度こそこちらを踏みつぶそうとしてきます。流石に今度は障壁を
皆さんが最後の猛攻をしてきますが、シザークラブは飛び上がって
!
50
?
実際にあっさりと貫通されて大変な事になる⋮⋮と思っていたの
ですが、ノートが足の裏に設置されていたスラスターで飛び上がっ
て、盾を両手で構えたかと思うとその盾が開いて、光を収束させてい
きます。
﹁アヴェンジ・カウンター﹂
盾の間に作られていた複数の穴から極光が迸ってシザークラブを
押し返し、その身体を貫いていました。これにより、無数の穴が開い
たシザークラブは沈黙してしまいました。
︻シザークラブの討伐に成功しました。報酬を配布します︼
他の人が見えないランキングを見ると、カノンと私がトップになっ
ていました。これは不味いのでランキングからは除外しておきます。
まあ、ランキングはシークレット情報なので問題ないでしょうが。
51