米国:ISM景況指数(2016年9月) MRI Daily Economic Points ー企業活動は拡大傾向を維持ー 図表1 65 October 6, 2016 総合指数 評価ポイント (%) 今回の結果 拡大 9月のISM製造業景況指数(総合、10/3日公表)は、51.5と前月(49.4)から 上昇。前月は6ヶ月ぶりに拡大・縮小の分岐点である50を下回ったが、9月 は再び50を上回った。 項目別にみると、前月大幅に低下した新規受注(55.1)、生産(52.8)の反動 増が、全体を押し上げた(図表2)。ドル高進行の一服による輸出の持ち直し が製造業の景況感を下支えしている 。一方、雇用(49.7)は幾分上昇したも のの、16年以降、6月を除くすべての月で50を下回っている。業種別でみて も、50を上回って活動が拡大した業種は18業種のうち7業種にとどまり(前 月6業種)、幅広い業種で50を下回った状態が続いている。 9月のISM非製造業景況指数(総合、10/5日公表)は、57.1と前月(51.4)か ら大幅に上昇。2015年10月以来の高水準となった。 項目別にみると、前月大幅に低下したビジネス活動(60.3)、新規受注(60) が2ヶ月前の水準まで上昇し、全体を押し上げた。また、16年入り後は50付 近で推移していた雇用(57.2)が大幅に上昇。業種別では、50を上回った業 種は14業種と前月(11業種)から増加した。 60 55 50 製造業 45 非製造業 縮小 40 11 12 図表2 13 14 15 前月差の寄与度分解 図表3 (製造業) (非製造業) (前月差、寄与度) (前月差、寄与度) 3 8 2 6 1 4 0 2 -1 0 -2 -2 -3 -4 -4 -6 在庫 入荷遅延 雇用 生産 新規受注 総合指数 16 拡大・縮小業種数 (拡大業種数-縮小業種数) 20 15 基調判断と今後の流れ 10 製造業、非製造業ともに、9月は大幅に低下した前月の反動もあって景況 感が上昇。特に非製造業は、内需の堅調さを背景に底堅く推移している。 一方、製造業では、多くの業種で景況感が50を下回っている(図表3)。 先行きも、堅調な内需に支えられ、非製造業を中心に企業活動の拡大基調 は維持すると予想する。 もっとも、雇用に占める製造業の割合は約8%と小さいとはいえ、製造業の 企業活動鈍化が卸売業や運輸業など非製造業の企業活動にも悪影響を与 える可能性がある。また、大統領選前後で不確実性が高まる場合、企業活 動の下押し圧力となる点には注意が必要だ。 5 0 -5 入荷水準 雇用 新規受注 ビジネス活動 総合指数 製造業 非製造業 -10 資料:米供給管理協会 Copyright (c) Mitsubishi Research Institute, Inc. 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 14 15 16 担当: 政策・経済研究センター 田中康就 TEL 03-6705-6087
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