参考仕様書 - 熊本市ホームページ

熊本城復旧計画策定支援業務委託
(参考仕様書)
第1章
第1条
総則
適用範囲
本仕様書は「熊本城復旧計画策定支援業務委託」(以下「本業務」という)に適用する。
なお、本業務を遂行するにあたっては、本仕様書によるほか一般的な事項については、熊本市都市
建設局制定の「設計業務等共通仕様書」に従わなければならない。
第2条
定義
本業務において、委託者(熊本市)を「甲」、受託者を「乙」とする。
第3条
疑義
乙は、本業務の履行にあたって本仕様書等に明記のない事項又は疑義を生じた場合は、速やかに甲
と協議し甲の指示を受けるものとする。
第4条
資料の収集、貸与及び返却
乙は業務遂行上必要となる資料及び図面等を可能な限り収集しなければならない。また、資料収集
等に要する費用は全て乙の負担とする。
乙は甲に対し、資料収集に関する協力の要請や交付の請求を行うことができる。
乙は貸与された資料を業務完了までに、乙の責任において速やかに返却しなければならない。
第5条
土地立入り
作業実施にあたり第三者の土地に立ち入って調査の必要がある場合には、甲の調査職員の助言を受
け、あらかじめ土地所有者の了解を得るものとし、無益の摩擦や紛争をおこさないよう対応しなけれ
ばならない。
第6条
秘密の厳守
業務上知り得た情報及び資料は秘密事項として厳守しなければならない。特に個人情報の保護に関
し、下記事項を厳守しなければならない。
(1)
乙は、委託業務の内容を目的外に使用し又は第3者へ提供してはならない。
(2)
乙は、委託業務にかかる一切のデータを甲の指定した目的以外に複写又は複製してはならない。
(3)
委託業務の処理に関し事故が生じた場合は、直ちに甲は乙に対して口頭又は電話により通知する
とともに、遅延なくその状況を書面をもって甲に報告しなければならない。
第7条
手直し
乙は、業務完了後といえども、乙に起因する不備が発見された場合には、無償により必要な訂正を
行わなければならない。
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第8条
業務計画
乙は、契約締結後10日以内に業務計画書を提出し、甲と打ち合わせを行うこと。
第2章
第9条
業務の内容
業務の目的
本業務は、熊本地震により甚大な被害を受けた熊本城の早期復旧に向けて、天守閣の優先復旧や文
化財的価値を損なわない丁寧な復旧、観光資源としての早期再生のための復旧過程の段階的公開など、
熊本城復旧の基本的な考え方等に基づき「熊本城復旧基本計画」を策定するにあたって、被災した石
垣・建造物等について、それぞれの被害状況や段階的公開エリアの設定、それらに付随する技術的課
題並びにその他勘案すべき事項を整理・調整し、熊本城を効率的かつ計画的に早期復旧していくため
の手順等の立案を行うことを目的とする。
第10条
計画対象区域、期間
本業務における計画対象区域は原則として、旧城域内の熊本市が管理する区域(以下、
「計画対象区域」
という。)とする。
また対象期間は、概ね20年とする。
第11条
業務内容
本業務における業務内容は以下のとおりとする。
【1】 既往調査の状況整理
【2】 既往調査に基づく区域内建造物・石垣の被害度の作成及びその他判断基準の整理
【3】 上記【1】【2】に基づく石垣・建造物等の改修・建替え優先順位の設定
【4】 上記【2】【3】に基づく城域全体の短中期段階復旧計画素案の提案
【5】 復旧過程の段階的公開エリア等の設定及び仮設計画の立案
【6】 地盤・石垣に関する健全化方針の提案
【7】 概算費用の算定
【8】 全体計画マスタースケジュールの立案
【9】 各種関係機関会議・委員会の出席及び資料作成
【1】既往調査の状況整理
(1)熊本城跡の被害状況の把握と整理
熊本城跡の被害状況をまとめ、今後の作業の基礎資料とする。ただし、甲が行った熊本城跡の被
害状況調査結果を乙に提供する。
対象とする施設としては以下のものとする。
・熊本城跡の石垣
・重要文化財建造物:13 棟
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・復元建造物:20 棟
・便益施設: 18 棟(管理施設、展示施設、休憩所、売店等)
・トイレ:16 棟
【2】既往調査に基づく区域内建造物・石垣の被害度の作成及びその他判断基準の整理
(1)【1】に基づき施設の被害度調査票を作成する。なお、作成に必要な資料は甲が提供する。
(2)優先順位を決める上での判断基準を洗い出し、整理する。
【3】上記【1】【2】に基づく石垣・建物等の改修・建替え優先順位の設定
(1)優先順位を設定し、復旧手順の立案に繋げる。
【4】上記【2】【3】に基づく熊本城跡の短中期段階復旧計画素案の提案
(1)復旧計画素案の提案にあたっては、復旧計画を短期計画・中期計画の視点から、復旧手順となる
復旧の順序、工程及び仮設計画を作成する。ただし、施設等個別の復旧に係る想定期間・工法等
については甲及び甲が別途契約する事業者が提供する。また、復旧計画素案の提案には、原則と
して場内における建築部材の保管庫、石材置き場等の確保計画も含める。
(2)短期計画には、甲が天守閣の早期復旧を目指していることを留意するものとし、短期計画の期間
について、甲は特に指定を行わない。また、中期計画の期間は短期計画期間終期から全体の計画
期間となる概ね 20 年までの期間とする。
(3)短期計画及び中期計画の復旧手順については、計画対象区域を複数の工区に分け、それぞれの工
区毎に工程・仮設計画等を整理したうえで、全体の復旧計画素案に反映したものを提案する。
【5】復旧過程の段階的公開エリア等の設定・仮設計画の立案
(1)短期計画期間内の一定の復旧段階毎の公開エリアの設定、公開時における一般観覧客動線等の公
開方法及び仮設計画等の立案を行う。なお、当該設定等については、甲が天守閣の早期復旧並び
に天守閣エリアの早期公開を目指していることに留意すること。
(2)中期計画における復旧過程の段階的公開エリアの設定、公開時における一般観覧客動線等の公開
方法、仮設計画等の立案を行う。なお、中期計画に限らず復旧過程の公開に係る提案あたっては、
文化財等の復旧過程を行う趣旨、公開が与える様々な社会的・経済的効果を勘案し、単なる修復
過程の公開に留まらない提案を行うとともに、中期計画においては短期計画と連携・連動した設
定となるよう留意する。
【6】地盤・石垣に関する健全化方針の提案
(1)亀裂の入った地盤、緩み・孕みのある石垣の健全化の方法等を提案する。
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(2)健全化の方法については、文化財的価値を損ねないことを前提とし、さらに安全性を高める現代
工法も検討するとともに、その適用箇所を整理する。
【7】概算費用の算定
(1)甲が提供する施設等の修復費用の集計をはじめ、仮設計画や建築部材等確保計画、復旧過程の段
階的公開に係る所要経費について算定し、復旧計画素案の提案に伴う全体の概算費用を算定する。
(2)短期計画・中期計画全体の年次別概算費用を算定する。
【8】全体計画マスタースケジュールの立案
短期計画期間は実際の復旧工程となる実践的なスケジュールを作成し、中期計画においては工区
毎のスケジュール及び仮設計画を踏まえ、出来る限り具体的なスケジュールを作成する。
【9】各種関係機関会議・委員会の出席及び資料作成
(1)計画策定委員会等の開催補助
5回程度を予定。
(2)計画協議
甲の調査職員の指示により、必要に応じて会議等の資料作成を行う。
第12条
成果品
(1)熊本城跡施設被害状況一覧
(2)時期毎の工事ヤード、仮設等の遷移図(A3)
(3)計画工程表
(4)基本計画策定報告書(A4 版)
:500部
(5)基本計画概要版リーフレット(A4 版)
:1000部
(6)その他甲の調査職員が指示するもの
(7)上記の内容が全て納められているデータ(CD 又は DVD)
:5枚
第3章
第13条
その他
照査
(1)乙は業務を施行するうえで技術資料等の諸情報を活用し、十分な比較検討を行うことにより、
業務の高い質を確保することに努めなければならない。
(2)乙は、遺漏なき照査を実施するために、相当な技術経験を有する照査技術者を配置しなければ
ならない。
(3)乙は計画・設計全般にわたり、経済性、施工性、安全性、環境条件に対する適応性、最適な維
持管理を基本として照査を実施しなければならない。
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第14条
提出書類
乙は、業務の着手及び完了にあたって、本市の契約約款に定めるもののほか、下記書類を提出しな
ければならない。(イ)から(ホ)については、契約締結後、5日以内に提出しなければならない。
(イ)着手届
(ロ)業務工程表 (ハ)管理技術者経歴書 (ニ)照査技術者届
(ホ)職務分担表 (ヘ)完了届 (ト)納品書 (チ)業務委託料請求書
(リ)その他調査職員が必要と認めるもの。
なお、承認された事項を変更しようとするときは、その都度承認を受けるものとする。
第15条
管理技術者及び技術者
(1)乙は、管理技術者及び技術者をもって、秩序正しい業務を行わせるとともに、高度な技術を要
する部門については、相当の経験を有する技術者(技術士等)を配置しなければならない。
(2)管理技術者は、業務の全般にわたり技術的監理を行わなければならない。
(3)乙は業務の進捗を図るため、十分な数の技術者を配置しなければならない。
第16条
成果品の提出及び帰属
(1)乙は、成果品の提出に際しては、成果品一覧表を作成の上、業務完了届とともに提出し、甲の
検査を受けなければならない。
(2)成果品に係る権利は、全て甲に帰属することとし、乙は甲に無断でこれを使用、貸与、公表し
てはならない。
第17条
引渡し
成果品の審査に合格後、本仕様書に指定された提出図書一式を納品し、本市の検査員の検査をもっ
て、業務の完了とする。
第18条
その他・特記事項
(1)計画対象区域の大半が国指定特別史跡であることに十分留意すること。
(2)文化財に関連する内容に関しては熊本市、専門委員会委員、熊本市が別途委託する文化財関係
業者と協議すること。
(3)本業務には、建物現況調査・地盤調査・耐震診断は含まない。
(4)その他、本仕様書に定めのない事項については、甲乙協議のうえ決定するものとする。
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