介護動作講習会における脳波計測による心理状態を用いた指導支援

タ イ ト ル : 『介護動作講習会における脳波計測による心理状態を用いた
指導支援システムの評価』
発 表 者 : 穴久保 蔵人(東京電機大学大学院 未来科学研究科 ロボット・メカトロニクス学専攻)
共 著 者 : 鈴木 聡(東京電機大学大学院 未来科学研究科 ロボット・メカトロニクス学専攻)
概
要
近 年 , 様 々 な 教 育 現 場 に お い て e-Learning の 導 入 が 進 ん で い る 。
しかし,技能教育においては指導者ごとの経験・知識などが教育内容・効
果に大きく影響し,教育効果の維持が困難となる。
そのため,指導者による差を減らし,適切な指導を行えるように支援する
システムが必要だと考える。
これまで,著者らは学習者の心理状態を脳波計測によって推定し,指
導を入れるタイミングを自動的に抽出する指導支援システムを開発した。
この指導支援システムを用いて学生を被験者とし,基本的な介護動作
の学習実験を行った。
その結果,指導支援システムを用いることで教育効果を有意に向上
させることがわかった。(N=5,unpaired t-test,p<.1)
本研究では実験環境を実際の介護動作講習会,技能教育タスクを技能
要素の多いシート介護動作,指導者・学習者を介護・医療現場に携わる
方々として指導支援システムの有用性検証を目的とし,評価実験を行った。
講習会は全3回行われ,1回目は講習会後にシート介護動作を行い,
その際に脳波計測を行った。
2 ・ 3 回 目 で は 講 習 会 の 始 め に 自 習 時 間 を 設 け , 2 回 目 は PDF 教 材 ,
3回目は指導支援システムを用いた指導コンテンツを閲覧し,その後脳波
計測しながらシート介護動作を行ってもらった。
学習者の自己動作評価,指導者の技能評価の変化を分析した結果,
指導支援システムが技能動作学習に対して有効であることが確認できた。