詳細版 - 関東経済産業局

RESAS(地域経済分析システム)
を活用した分析事例
新潟県燕市
【詳細版】
2016年3月
関東経済産業局
第 1 項 STEP0
① 人口の推移(人口マップによる分析)
人口ピラミッドを実績値(2010 年)と長期予測(2040 年)で表示することにより、過去
や現在と将来の人口構成を把握する。
燕市の人口ピラミッド(図 0-1-1 参照)によると 2010 年人口の内訳は、年少人口 10,835
人(13%)
、生産年齢人口 50,388 人(61%)、老年人口 20,427 人(25%)となっている。
一方、2040 年の人口の内訳は、年少人口 6,127 人(9%)、生産年齢人口 32,706 人(52%)
、
老年人口 23,780 人(37%)となっている。これらのことから、2010 年以降 30 年で、年少
人口と生産年齢人口割合が合わせて 9%減少し、老年人口の割合は 12%増加することが予想
される。
出典:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
図 0-1-1 燕市の人口ピラミッド
5 年ごとの総人口/年少人口/生産年齢人口/老年人口の推移を確認することにより、現
在と将来人口の推移を人口区分ごとに把握する。
燕市の人口推移(図 0-1-2 参照)によると、総人口は、2000 年をピークに以降緩やかに
減少することが推計される。年少人口は、1980 年以前から減少傾向にあり今後も減少する。
生産年齢人口も 1985 年から減少傾向し、老年人口は、1985 年から 2040 年まで単調増加す
ることが推計されている。
1
出典:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
図 0-1-2 燕市の人口推移
人口増減数の折れ線グラフと、それに対する自然増減と社会増減の寄与度を把握する。
燕市の人口の自然増減・社会増減の推移(図 0-1-3 参照)によると社会増減は 1995 年より
マイナスであり、自然増減も 2004 年より減少に転じている。
出典:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数に関する調査」
図 0-1-3 燕市の人口の自然増減・社会増減の推移
(注:2012 年までは年度データ、2013 年以降は年次データ。)
2
燕市にどこの自治体から人口移動(転入及び転出)が多くあったかを把握する。
燕市の社会増減 From-to 分析(定住人口)転入超過数内訳(全年齢)と、転出超過数内
訳(全年齢)
(図 0-1-4、図 0-1-5 参照)によると、2012 年から 2014 年における全年齢で
の転入内訳は、1 割から 2 割が新潟県長岡市や三条市からの転入超過となった。一方、転出
内訳は、新潟県新潟市の各行政区と東京特別区への転出超過が続いている。
2012年
2013年
2014年
出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」
出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」
図 0-1-4 燕市の社会増減
From – to 分析(定住人口)転入超過内訳(全年齢)
出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」
図 0-1-5 燕市の社会増減
From – to 分析(定住人口)転入超過内訳(全年齢)
3
燕市の社会増減 From-to 分析(定住人口)転入超過数内訳(20 代)と、転出超過数内訳
(20 代)
(図 0-1-6、図 0-1-7 参照)によると、2012 年から 2014 年における 20 代での燕市
への転入内訳は、隣接する新潟県三条市、新潟市西蒲区や長岡市からの転入超過となった。
一方、転出超過は、2012 年、2013 年は新潟県新潟市と東京特別区への転出超過が 10%前
後を占めていたが、2014 年は、東京特別区への転出超過数が減少した。
図 0-1-6 燕市の社会増減
2012年
From – to 分析(定住人口)転出超過内訳(20 代)
2013年
2014年
出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」
出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」
図 0-1-7 燕市の社会増減
From – to 分析(定住人口)転出超過内訳(20 代)
4
②
年齢別人口分布の変化(人口マップによる分析)
燕市の年齢階級別純移動数の時系列分析図(0-2-1 参照)によると、1980 年から 2010 年
にかけて、10~14 歳→15~19 歳、15~19 歳→20~24 歳の年齢階級が転入超過となってい
る。一方、20~24 歳→25~29 歳の年齢階級では、一転して転出超過となっている。
出典:総務省「国勢調査」、総務省「住民基本台帳人口移動報告」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成
図 0-2-1 燕市の年齢階級別純移動数の時系列分析
③ 従業地における産業別従業者数(国勢調査による分析)
燕市の従業地における産業別従業者数(図 0-3-1 参照)によると、産業別に製造業(18,493
人)
、卸売業・小売業(7,947 人)
、医療・福祉(3,557 人)の順で従業者数が多くなってい
る。
出典:総務省「国勢調査
図 0-3-1 燕市 従業地における産業別従業者数
5
2010 年」
④
通勤通学による人の動き(国勢調査による分析)
燕市の通勤通学における人の動き(図 0-4-1 参照)によると、市内に常住する就業者・
通学者は、46,517 人でそのうち市外への通勤通学者は 33.0%を占める。また、市内での従
業通学する者は、46,990 人でそのうち市外からの通勤通学者は、32.4%を占めている。
市内から市外への移動人口は、新潟市(5,714 人)
、三条市(4,820 人)、長岡市(1,994
人)
、弥彦村(988 人)が主な自治体となっている。市外から市内への移動も同様に、新潟
市(6,145 人)
、三条市(3,583 人)
、長岡市(2,475 人)、弥彦村(1,589 人)となっている。
県外へは 65 人、県内からは 60 人が通勤通学で移動しており、燕市における通勤通学者
の流れは、新潟県内が主となっている。
新潟県
燕市
5,714
(12.3%)
市内に常住する
就業者・通学者
4,820
(10.4%)
46,517人
新潟市
市内:31,133
6,145
三条市
市外:15,367
3,583
常住者の33.0%
が市外へ流出
988
(2.1%)
市内で従業通学する者
市内:31,133
弥彦村
1,589
1,158
1,994
46,990人
(4.3%)
市外:15,212
長岡市
従業通学者の32.4%
が市外より流入
1,360
その他県内市町村
2,475
60
65
県外
※( )内は通勤通学率(市内に常住する就業者・通学者に占める
各地域へ就業・通学する者の割合)
出典:総務省「2010 年
国勢調査」
図 0-4-1 燕市の通勤通学における人の動き
⑤
STEP0 のまとめ
燕市の総人口は 2000 年から単調減少しており、生産年齢人口は 1985 年をピークに減少
している。人口増減については、2004 年度から自然減少が拡大傾向にある。1995 年以来、
社会減の総数は年度によって大きく異なっており、2001 年度、2010 年度の社会減数が大き
くなっている。
転出超過状況をみると、全年齢の転入超過状況をみると、長岡市や三条市といった近隣
市町村からの転入が多い。転出超過状況をみると、20 代および全年齢でも新潟市や東京都
23 区特別区といった都市部への転出超過が多くなっている。産業別就業者では製造業が
18,493 人、卸売業・小売業 7,947 人、医療・福祉 3,557 人となっており、製造業の雇用吸
収力が高い地域である。
6
第 2 項 STEP1
① 主要産業の特定(大分類)
(産業マップによる分析)
燕市の産業について「産業マップ(全産業花火図)
」を使い 売上高、付加価値額、従業
者数、取引流入額の各指標をおける「産業別構成割合」を確認し、構成割合が高い大分類
を地域の主要産業として特定する。
燕市における産業大分類別の売上高(企業単位、2012 年)
(図 1-1-1 参照)に占める主要
産業は順に、製造業(2,783 億円)
、卸売業、小売業(1,821 億円)
、建設業(200 億円)と
なった。
燕市における産業大分類別の付加価値額(企業単位、2012 年)
(図 1-1-2 参照)に占める
主要産業は順に、製造業(786 億円)
、卸売業・小売業(269 億円)
、医療・福祉(85 億円)
となった。
燕市における産業大分類別の従業者数(事業所単位、2012 年)
(図 1-1-3 参照)に占める
主要産業は順に、製造業(18,462 人)
、卸売業・小売業(9,165 人)
、医療・福祉(3,031 人)、
となった。
燕市における産業大分類別の取引流入額(取引流入額の図は省略)に占める主要産業は
順に、製造業(54%)
、卸売業・小売業(41%)、となった。
これにより、燕市の主要産業について、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、取引
流入額)における構成割合の高い産業を確認した結果、製造業、卸売業・小売業を主要産
業として特定した。
製造業
卸売業、小売業
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 1-1-1 燕市における産業大分類別の売上高(企業単位、2012 年)
7
卸売業
小売業
製造業
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 1-1-2 燕市における産業大分類別の付加価値額(企業単位、2012 年)
製造業
卸売業、小売業
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 1-1-3 燕市における産業大分類別の従業者数(事業所単位、2012 年)
②
地域の主要産業の特定(生産額、移輸出入収支額)
(地域経済循環マップによる分析)
燕市の産業を、生産額、移輸出入収支額でみると、生産額では、サービス業(681 億円)、
建設業(579 億円)
、公務(355 億円)の順に大きくなっており、金属製品と卸売業、小売
業は、6 位 7 位の 250 億円規模となっている(図 1-2-1 参照)
。
681億円
579億円
355億円
出典: 環境省「地域産業連関表」、「地域経済計算」(株式会社価値総合研究所(日本政策投資銀行グループ)受託作成)
図 1-2-1 生産額(2010 年)
8
移輸出入収支額では、金属製品製造業(200 億円)
、農林水産業(145 億円)
、電気機械(94
億円)の順に大きくなっている。一方で、卸売・小売業の移輸出入収支額はマイナスとな
っている(図 1-2-2 参照)
。
出典: 環境省「地域産業連関表」、「地域経済計算」(株式会社価値総合研究所(日本政策投資銀行グループ)受託作成)
図 1-2-2 移輸出入収支額(2010 年)
③
地域の稼いでいる産業の特定(中分類)
(地域経済循環マップ)
燕市の産業について「産業マップ(全産業花火図)
」を使い 売上高、付加価値額、従業
者数、取引流入額の各指標における「産業別構成割合」を確認し、構成割合が高い中分類
を地域の主要産業として特定する。
燕市における産業中分類別の売上高(企業単位、2012 年)
(図 1-3-1 参照)に占める主要
産業は順に、その他の卸売業(977 億円)、金属製品製造業(849 億円)、鉄鋼業(405 億円)
となった。
燕市における産業中分類別の付加価値額(企業単位、2012 年)
(図 1-3-2 参照)に占める
主要産業は順に金属製品製造業(280 億円)、その他の卸売業(137 億円)、鉄鋼業(125 億
円)となった。
燕市における産業中分類別の従業者数(企業単位、2012 年)
(図 1-3-3 参照)に占める主
要産業は順に金属製品製造業(7,696 人)、飲食料品小売業(2,413 人)、生産用機械器具製
造業(2,144 人)となった。
燕市における産業中分類別の取引流入額(取引流入額の図は省略)に占める主要産業は
順に建築材料・鉱物・金属材料等卸売業(32%)、金属製品製造業(20%)、生産用機械器
具製造業(10%)となった。
燕市の主要産業について、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、取引流入額)にお
ける構成割合の高い産業を確認した結果、中分類では金属製品製造業、鉄鋼業、はん用機
械器具製造業、生産用機械器具製造業、その他の卸売業、飲食料品小売業、建築材料・鉱
物・金属材料等卸売業(取引流入額より)を主要産業と特定した。
9
農業
6,399百万円
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 1-3-1 燕市における産業中分類別の売上高(企業単位、2012 年)
鉄鋼業
金属製品
製造業
はん用
機械器具
製造業
生産用
機械器具
製造業
輸送用
機械器具
製造業
その他の
卸売業
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 1-3-2 燕市における産業中分類別の付加価値額(企業単位、2012 年)
その他
の
小売業
金属製品
製造業
農業
2,095人
その他
の
卸売業
飲食料品
小売業
生産用機械器具
製造業
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 1-3-3 燕市における産業中分類別の従業者数(事業所単位、2012 年)
10
④
中分類別の地域の主要産業の特定(工業統計を用いた分析)
燕市における製造業の製造品出荷額推移(実数)
(構成比)(図 1-4-1、図 1-4-2 参照)
によると 2006 年の市町村合併(吉田町、分水町)による影響を除いた場合、製造業の製造
品出荷額は 2013 年までおよそ 3,000 億円~4,500 億円で推移している。金属製品製造業の
製造品出荷額の割合は、2006 年から微減傾向にある。
出典:経済産業省「工業統計」平成 21 年~平成 25 年 再編加工
図 1-4-1 燕市における製造業の製造品出荷額推移(実数)
出典:経済産業省「工業統計」平成 21 年~平成 25 年 再編加工
図 1-4-2 燕市における製造業の製造品出荷額推移(構成比)
11
燕市における製造業の従業員数(実数)
(構成比)
(図 1-4-3、図 1-4-4 参照)によると製
造業全体の従業者数は、合併の効果を除くと 1991 年から 2002 年まで減少し、その後 2008
年まで横ばいである。製造業の従業者数構成割合をみると、1986 年には製造業従業者数の
6 割を占めていた金属製品製造業であるが、2006 年にかけて構成割合は減少傾向にあり、
2006 年以降は横ばいに推移している。
(百万円)
出典:経済産業省「工業統計」平成 21 年~平成 25 年 再編加工
図 1-4-3 燕市における製造業の従業員数(実数)
出典:経済産業省「工業統計」平成 21 年~平成 25 年 再編加工
図 1-4-4 燕市における製造業の従業員数(構成比)
12
⑤
地域の主要産業の特定(農林水産業マップ等による分析)
燕市における農業部門別販売金額の総額(図 1-5-1 参照)は順に、稲作(48 億円)
、養豚
(2 億円)
、施設野菜(2 億円)となった。
稲作
出典: 農林水産省「農林業センサス」再編加工
図 1-5-1 農業部門別販売金額 総額(2010 年)
(農業マップによる分析)
畜産の農業産出額(
「生産農業所得統計」
(農林水産省))
(図 1-5-2 参照)は順に、鶏(6
億 1,000 万円)
、豚(3 億 4,000 万円)、乳用牛(1 億円)となった。
出典:農林水産省「生産農業所得統計」
図 1-5-2 燕市の農業産出額・畜産(2006 年)(農林水産省統計による分析)
野菜収穫量(
「作況調査(野菜)
」
(農林水産省))
(図 1-5-3 参照)は順に、だいこん(959
㌧)
、トマト(797 ㌧)、キャベツ(659 ㌧)となった。
13
出典:農林水産省「平成 18 年産作況調査(野菜)」
図 1-5-3 燕市の野菜収穫量(2006 年)
(農林水産省統計による分析)
2005 年から 2010 年への林業の総収入の内訳(図 1-5-4 参照)は、林産物販売金額(総額)
は 0 万円から 25 万円に増加している。林業作業請負収入(総額)は 0 万円で推移している。
2005年
林産物販売金額
(総額)
燕市
2010年
林業作業請負収入
(総額)
出典: 農林水産省「農林業センサス」再編
加工
図 1-5-4 林業総収入(総額)
(農業マップによる分析)
⑥ STEP1 のまとめ
これにより、燕市の主要産業について、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、取引
流入額)における構成割合の高い産業を確認した結果、大分類では製造業、卸売業・小売
業を主要産業と特定した。
燕市の主要産業について、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、取引流入額)におけ
る構成割合の高い産業を確認した結果、中分類では金属製品製造業、鉄鋼業、はん用機械
器具製造業、生産用機械器具製造業、その他の卸売業、飲食料品小売業、建築材料・鉱物・
金属材料等卸売業(取引流入額より)を主要産業と特定した。
14
第 3 項 STEP2
①
製造業の他地域との比較
燕市の全産業における製造業の売上高の構成割合は 52.4%で、新潟県平均 23.3%、全国
平均 25.7%と比して高い。
製造業における中分類別売上高の構成割合(図 2-1-1 参照)は、順に、金属製品製造業
(30.6%)
、鉄鋼業(14.6%)
、はん用機械器具製造業(12.4%)となった。
燕市
は ん 用 機 械 電気機械器
器具製造業 具製造業
新潟県
全国
出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工
図 2-1-1 製造業 中分類別売上高 構成割合(2012 年)
燕市の全産業における製造業の付加価値額の構成割合は 58.5%で、新潟県平均 23.6%、
全国平均 23.1%と比して高い。
製造業における中分類別付加価値額の構成割合(図 2-1-2 参照)は、順に金属製品製造
業(35.7%)
、鉄鋼業(16.0%)
、はん用機械器具製造業(9.5%)となった。
燕市
はん用機械
器具製造業
新潟県
全国
出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工
図 2-1-2 製造業 中分類別付加価値額 構成割合(2012 年)
燕市の全産業における製造業の従業者数(事業所単位)の構成割合は 43.1%で、新潟県
平均 19.8%、全国平均 16.6%と比して高い。
製造業における中分類別従業者数(事業所単位)の構成割合(図 2-1-3 参照)は、順に
金属製品製造業(41.7%)
、生産用機械器具製造業(11.6%)、電気機械器具製造業(8.0%)
となった。
15
生産用機械 電気機械器
器具製造業 具製造業
燕市
新潟県
全国
出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工
図 2-1-3 製造業 中分類別従業者数 構成割合(2012 年)
燕市の全産業における製造業の取引流入額の構成割合は 49.4%となっており、新潟県平
均 43.9%、全国平均 36.2%と比して高い。
製造業における取引流入額の構成割合(製造業 取引流入額 構成割合の図は省略)は、
順に、金属製品製造業(41.7%)、生産用機械器具製造業(21.1%)、鉄鋼業(14.7%)と
なった。
製造業について他地域を比較し特化係数としてまとめる、燕市の製造業の特化係数一覧
(表 2-1-4 参照)のとのとおりとなる。
表 2-1-4 燕市の製造業の特化係数一覧
業種
金属製品製造業
鉄鋼業
基準値
燕市構成比①
生産用機械器具製造業
全国構成比②
特化系数(①÷②)
売上高
30.6
13.9
4.4
6.95
付加価値額
35.7
15.9
6.5
5.49
従業者数(事業所単位)
41.7
13.4
7.8
5.35
売上高
14.6
7.2
5.4
2.70
付加価値額
16
5.5
3
5.33
従業者数(事業所単位)
5.2
2.9
2.7
1.93
12.4
4.8
3
4.13
付加価値額
9.5
5.8
4.1
2.32
従業者数(事業所単位)
5.3
5.1
3.9
1.36
売上高
6.9
9.4
5
1.38
付加価値額
8.7
10
6.9
1.26
11.6
9.1
7.1
1.63
売上高
はん用機械器具製造業
新潟県構成比
従業者数(事業所単位)
※金属製品製造業、鉄鋼業、生産用機械器具製造業については取引流入額の特化係数が 1.5 以上となっている。
(取引流
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」、株式会社帝国データバンク「企業間取引情報」を再編加工
入額の数値については省略)
燕市の製造業(中分類)の特化係数一覧(表 2-1-4 参照)のとおり、各指標(売上高、
付加価値額、従業者数、取引流入額)の特化係数が、複数、1.5 以上(特化係数の全国平均
は1)である業種は、金属製品製造業、鉄鋼業、はん用機械器具製造業、生産用機械器具
製造業となった。これらを燕市における主要産業として特定する。
16
②
卸売業・小売業の他地域との比較
燕市の全産業における卸売業・小売業の売上高の構成割合は 34.3%で、新潟県平均 38.4%、
全国平均 31.1%と比してあまり差はない。
卸売業・小売業における中分類別売上高の構成割合(図 2-2-1 参照)は順に、その他の
卸売業(53.7%)
、建築材料、鉱物・金属材料等卸売業(17.4%)、その他の小売業(8.6%)
となった。
建築材料、鉱物・金 そ の 他 の
小売業
属材料等卸売業
燕市
新潟県
全国
出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工
図 2-2-1 卸売業、小売業 中分類別売上高 構成割合(2012 年)
燕市の全産業における卸売業・小売業の付加価値額の構成割合は 20.0%で、新潟県平均
23.0%、全国平均 18.6%と比してあまり差はない。
卸売業・小売業における中分類別付加価値額の構成割合(図 2-2-2 参照)は順に、その
他の卸売業(50.9%)
、その他の小売業(12.0%)、建築材料、鉱物・金属材料等卸売業(9.9%)
となった。
建築材料、鉱物・金
属材料等卸売業
その他の
小売業
燕市
飲食料品
小売業
新潟県
全国
出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工
図 2-2-2 卸売業、小売業 中分類別付加価値額 構成割合(2012 年)
燕市の全産業における卸売業・小売業の従業員数(事業所単位)の構成割合は 21.6%で、
新潟県平均 20.9%、全国平均 21.0%と比してあまり差はない。
卸売業・小売業における中分類別従業員数(事業所単位)の構成割合(図 2-2-3 参照)
は順に、飲食料品小売業(26.3%)
、その他の小売業(19.8%)
、その他の卸売業(19.6%)
となった。
17
燕市
新潟県
全国
出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工
図 2-2-3 卸売業、小売業 中分類別従業者数 構成割合(2012 年)
燕市の全産業における卸売業・小売業の取引流入額の構成割合は 46.0%で、新潟県平均
38.0%、全国平均 43.8%と比して高い。
卸売業・小売業における取引流入額の構成割合(製造業
取引流入額
構成割合の図は
省略)は、順に、建築材料、鉱物・金属材料等卸売業(70.4%)
、その他の卸売業(22.0%)
、
機械器具卸売業となった。
卸売業・小売業について他地域と比較し特化係数としてまとめると、燕市の卸売業・小
売業の特化係数一覧(表 2-2-4 参照)のとおりとなる。
表 2-2-4 燕市の卸売業、小売業の特化係数一覧
業種
その他の卸売業
基準値
燕市構成比①
建築材料、鉱物・
金属材料等卸売業
その他の小売業
全国構成比②
特化系数(①÷②)
売上高
53.7
12.8
10.6
5.07
付加価値額
50.9
11.8
8.6
5.92
従業者数(事業所単位)
19.6
7.4
7.6
2.58
5.4
14
8.5
0.64
8
17.7
14.9
0.54
従業者数(事業所単位)
26.3
27.7
26.4
1.00
売上高
17.4
13.1
31.3
0.56
付加価値額
9.9
8
12.5
0.79
従業者数(事業所単位)
8.7
6.9
6.3
1.38
売上高
8.6
21.4
9.4
0.91
付加価値額
12
28.4
16.3
0.74
19.8
23.5
21.8
0.91
売上高
飲食料品小売業
新潟県構成比
付加価値額
従業者数(事業所単位)
※その他の卸売業、建築材料、鉱物・金属材料等卸売業については取引流入額の特化係数が 1.5 以上となっている。
(取
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」、株式会社帝国データバンク「企業間取引情報」を再編加工
引流入額の数値については省略)
燕市の卸売業・小売業(中分類)の特化係数一覧(表 2-2-4 参照)のとおり、各指標(売
上高、付加価値額、従業者数)の特化係数が、複数、1.5 以上(特化係数の全国平均は1)
である業種は、その他の卸売業となった。これを燕市における主要産業として特定する。
⑤
STEP2 のまとめ
STEP1で主要産業として抽出した産業のうち、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、
取引流入額)における特化係数を中分類別に確認する。その結果、構成比が上位かつ特化
係数が、複数、1.5 以上ある燕市の産業(中分類別)は、金属製品製造業、鉄鋼業、はん用
18
機械器具製造業、生産用機械器具製造業、その他の卸売業となった。これらを燕市の主要
産業として特定する。
⑥
STEP1 と STEP2 のまとめ
STEP1 の売上高や従業員者数などの数値(絶対値)と STEP2 の特化係数(比率)による分
析の結果を 2 次グラフで表示し(図 2-7-1、図 2-7-2、図 2-7-3、図 2-7-4、図 2-8-5、図
2-8-6 参照)産業構造の特徴を把握する。
⑦ -1
製造業
特化係数
売上高(百万円)
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
売上高(百万円)
特化係数(2012)
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 2-7-1 燕市 製造業の売上高と売上高特化係数(企業単位、2012 年)
従業者数(人)
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
特化係数
6
5
4
3
2
1
0
従業者数(2009)
従業者数(2012)
特化係数(2009)
特化係数(2012)
出典:総務省・経済産業省「平成 21 年、平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 2-7-2 燕市 製造業の従業者数と従業者数特化係数(企業単位、2009 年、2012 年)
19
特化係数
付加価値額(百万円)
30,000
6
25,000
5
20,000
4
15,000
3
10,000
2
5,000
1
0
0
付加価値額(2012)
特化係数(2012)
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 2-7-3 燕市 製造業の付加価値額と付加価値額特化係数(企業単位、2012 年)
20
⑦ -2 卸売業、小売業
特化係数
売上高(百万円)
120,000
6
100,000
5
80,000
4
60,000
3
40,000
2
20,000
1
0
0
売上高(百万円)
特化係数(2012)
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 2-7-4 燕市 卸売業、小売業の売上高と売上高特化係数(企業単位、2012 年)
従業者数(人)
特化係数
3,000
4
2,500
3
2,000
1,500
2
1,000
1
500
0
0
従業者数(2009)
従業者数(2012)
特化係数(2009)
特化係数(2012)
出典:総務省・経済産業省「平成 21 年、平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 2-7-5 燕市 卸売業、小売業の従業者数と従業者数特化係数(企業単位、2012 年)
21
特化係数
付加価値額(百万円)
16,000
7
14,000
6
12,000
5
10,000
4
8,000
3
6,000
2
4,000
2,000
1
0
0
付加価値額(2012)
特化係数(2012)
出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」
図 2-7-6 燕市 卸売業、小売業の付加価値額と付加価値額特化係数
(企業単位、2012 年)
第 4 項 STEP3
産業マップにおける企業別花火図を用いて、燕市の主要な産業について中核企業候補の
抽出を行った結果を以下に記す。STEP1 及び STEP2 において選定された主要産業について、
中核企業候補の抽出を行った。
STEP1 及び STEP2 において特定した燕市の主要産業(金属製品製造業、鉄鋼業、はん用機
械器具製造業、生産用機械器具製造業、その他の卸売業)について、産業マップの企業別
花火図を用い、売上高、従業員数、コネクター・ハブ度、雇用貢献度、利益貢献度の観点
を総合的に踏まえ中核企業候補の抽出を行った。
①
金属製品製造業の中核企業候補抽出
金属製品製造業における中核企業候補抽出については、抽出条件を 2013 年の全産業、取
引関係は販売を対象とし売上高が 5 億円以上の企業とした。これにより、中核企業候補が
47 社抽出される。そのうち売上高規模では、10 億円以上の規模の企業が 12 社、従業員数
規模では、100 名以上の企業 3 社、50 名規模の企業 13 社、20 名規模以下の企業 31 社の存
在が確認される(表 3-1-1 参照)
。
22
表 3-1-1 金属製品製造業の中核企業候補
企業名
A社
B社
C社
D社
E社
F社
G社
H社
I社
J社
K社
L社
M社
N社
O社
P社
Q社
R社
S社
T社
U社
V社
W社
X社
Y社
Z社
a社
b社
c社
d社
e社
f社
g社
h社
i社
j社
k社
l社
m社
n社
o社
p社
q社
r社
s社
t社
u社
売上高順位 従業員数順位
31
32
24
47
7
45
36
11
34
4
40
1
21
33
12
38
15
8
3
46
19
16
17
2
5
20
44
25
13
35
18
22
26
29
14
6
22
9
28
41
37
10
30
42
39
43
27
45
10
16
41
11
29
31
6
44
2
39
1
12
24
20
31
13
3
5
38
13
36
41
21
4
27
28
18
45
31
23
39
25
18
17
15
9
8
26
41
31
37
7
47
30
21
31
コネ クター 度・
ハ フ ゙度( 50/50)
コネ クター 度100
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
16
20
27
21
14
19
18
4
26
3
17
1
25
9
12
10
6
15
28
22
7
11
13
2
35
8
29
24
5
47
30
38
36
40
33
32
39
41
23
37
42
46
34
43
31
45
44
ハ フ ゙度
100
2
3
1
5
8
6
12
22
7
24
18
26
9
28
29
32
34
30
13
23
39
36
41
42
15
44
27
35
45
4
31
16
25
10
33
37
19
11
46
40
17
14
43
20
47
21
38
雇用貢献度100
利益貢献度100
5
11
7
43
19
44
18
36
40
33
39
45
25
6
20
30
41
13
8
38
23
47
16
3
34
24
1
14
42
4
15
46
26
28
27
12
9
37
29
31
21
22
2
17
10
35
32
出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」
23
19
34
11
45
7
33
42
4
32
2
30
47
37
5
10
14
20
6
13
31
27
17
9
1
3
21
24
35
25
18
12
38
39
28
8
15
16
23
29
44
43
36
41
26
22
46
40
② 鉄鋼業の中核企業候補抽出
鉄鋼業における中核企業候補については、抽出条件を 2014 年の全産業、取引関係は販売
を対象とした。これにより、中核企業候補が 9 社抽出される。そのうち売上高規模が 100
億円規模の企業 1 社、10 億円規模の企業 1 社、5 億円規模の企業 3 社、1 億円規模の企業 4
社が所在する。従業員数規模では、秘匿の企業を除き 100 名規模の企業が 1 社であり、そ
の他の企業は 50 名以下である(表 3-1-2 参照)。
表 3-1-2 鉄鋼業の中核企業候補
企業名
A社
B社
C社
D社
E社
F社
G社
H社
I社
売上高順位 従業員数順位
5
1
6
7
2
3
9
4
7
2
1
6
8
3
4
7
5
9
コネ クター 度・
ハ フ ゙度( 50/50)
ハ フ ゙度
100
コネ クター 度100
1
2
3
4
5
6
7
8
9
2
1
3
4
5
7
6
8
9
3
4
5
7
6
1
9
2
8
雇用貢献度100
3
8
2
9
5
4
1
7
6
利益貢献度100
6
1
4
7
2
3
9
5
8
出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」
24
③ はん用機械器具製造業の中核企業候補抽出
はん用機械器具製造業における中核企業候補については、抽出条件を 2014 年の全産業、
取引関係は販売を対象とした。これにより、中核企業候補が 27 社抽出される。そのうち売
上高規模が 5 億円規模の企業は 2 社、1 億円規模の企業は 16 社、5,000 万円規模の企業は 6
社、1,000 万円規模の企業は 3 社所在する。従業員数規模では、秘匿の企業を除き、20 名
規模の企業が 5 社あり、その他の企業は 20 名以下である(表 3-1-3 参照)
。
表 3-1-3 はん用機械器具製造業の中核企業候補
企業名
A社
B社
C社
D社
E社
F社
G社
H社
I社
J社
K社
L社
M社
N社
O社
P社
Q社
R社
S社
T社
U社
V社
W社
X社
Y社
Z社
a社
コネクター 度・
ハ フ ゙度( 50/50)
売上高順位 従業員数順位
10
4
1
9
19
8
10
5
7
10
16
17
20
24
25
27
21
25
14
3
2
5
22
23
10
15
18
12
3
1
8
13
22
13
6
10
16
11
15
19
25
25
27
16
22
6
5
4
2
22
21
8
18
19
コネクター 度100
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
13
2
1
5
20
4
14
22
3
6
7
8
9
10
11
12
16
15
18
17
19
21
26
27
23
24
25
ハ フ ゙度
100
2
4
6
8
3
10
11
1
17
19
21
22
24
25
26
27
9
13
7
15
14
16
5
12
18
20
23
雇用貢献度100
15
1
18
14
16
24
9
17
20
21
4
2
27
12
22
23
7
25
13
5
6
8
26
11
19
10
3
利益貢献度100
4
10
1
13
19
5
9
12
6
15
18
7
20
23
25
26
27
24
16
2
3
11
21
22
14
17
8
出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」
25
④ 生産用機械器具製造業の中核企業候補抽出
生産用機械器具製造業における中核企業候補については、抽出条件を 2014 年の全産業、
取引関係は販売を対象とした。これにより、中核企業候補が 44 社抽出される。そのうち売
上高規模が 10 億円以上の企業は 4 社、
5 億円以上の企業は 3 社、
1 億円以上の企業は 24 社、
5,000 万円以上の企業は 9 社、1,000 万円以上の企業は 4 社所在する。従業員数規模では、
秘匿の企業を除き、100 名以上の企業が 2 社、20 名以上の企業が 9 社あり、その他の企業
は 20 名以下である(表 3-1-4 参照)
。
表 3-1-4 生産用機械器具製造業の中核企業候補
企業名
A社
B社
C社
D社
E社
F社
G社
H社
I社
J社
K社
L社
M社
N社
O社
P社
Q社
R社
S社
T社
U社
V社
W社
X社
Y社
Z社
a社
b社
c社
d社
e社
f社
g社
h社
i社
j社
k社
l社
m社
n社
o社
p社
q社
r社
売上高順位
28
20
42
6
32
14
18
11
1
20
5
30
12
26
13
8
9
4
2
14
16
17
29
33
35
40
20
7
3
35
10
31
41
25
33
23
23
35
18
35
27
39
43
44
従業員数順位
28
16
15
36
13
26
10
1
17
5
31
9
24
17
12
7
3
2
21
24
21
21
28
33
36
11
6
3
36
8
33
17
33
28
13
40
17
32
26
36
41
42
コネ クター 度・
ハ フ ゙度( 50/50)
コネ クター 度100
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
11
22
24
3
25
6
20
4
1
9
2
12
16
10
5
19
23
17
18
7
39
8
41
13
14
15
31
28
21
30
26
27
29
33
35
36
34
32
38
37
40
42
43
44
ハ フ ゙度
100
3
2
5
6
7
14
10
15
20
22
25
26
21
27
28
19
18
24
23
32
1
33
4
36
38
41
8
16
30
13
31
35
42
12
11
9
17
39
29
37
34
40
43
44
雇用貢献度100
38
6
43
1
40
31
29
8
13
19
36
9
2
35
16
3
14
15
10
17
4
27
22
32
23
30
18
26
11
37
28
39
24
34
33
20
7
5
12
41
21
42
44
25
利益貢献度100
29
22
40
13
11
16
20
15
4
23
44
43
5
27
8
9
6
12
1
17
18
7
30
32
35
38
21
3
2
36
14
31
39
26
33
25
24
10
19
34
28
37
41
42
出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」
26
⑤ その他の卸売業の中核企業候補抽出
その他卸売業における中核企業候補については、抽出条件を 2013 年の全産業、取引関係
は販売を対象とした。これにより、中核企業候補が 83 社抽出される。そのうち売上高では、
秘匿の企業を除き、売上高規模が 100 億円規模の企業 2 社、50 億円規模の企業 4 社、10 億
円規模の企業 10 社、5 億円規模の企業 13 社、1 億円規模の企業 38 社、5,000 万円規模の企
業 10 社、1,000 万円規模以下の企業 1 社が所在する。従業員数規模では、秘匿の企業を除
き、100 名超規模の企業 3 社、50 名規模の企業 5 社、20 名規模の企業 12 社、20 名以下の
企業 59 社となっている(表 3-1-5 参照)
。
27
表 3-1-5 その他の卸売業の中核企業候補(売上高上位 50 社)
企業名
A社
B社
C社
D社
E社
F社
G社
H社
I社
J社
K社
L社
M社
N社
O社
P社
Q社
R社
S社
T社
U社
V社
W社
X社
Y社
Z社
a社
b社
c社
d社
e社
f社
g社
h社
i社
j社
k社
l社
m社
n社
o社
p社
q社
r社
s社
t社
u社
v社
w社
x社
売上高順位
従業員数順位
18
25
29
39
41
45
45
49
50
43
26
9
8
44
19
2
16
31
23
27
35
22
3
4
15
1
36
11
10
47
48
5
40
14
7
21
17
13
42
6
28
12
20
24
30
32
33
34
37
37
19
20
28
35
28
35
43
43
43
28
7
5
48
8
2
15
39
17
25
28
23
3
4
15
1
28
14
10
26
39
6
35
18
9
11
21
13
43
12
22
39
48
34
23
43
35
39
26
33
コネ クター 度・
ハ フ ゙度( 50/50)
コネ クター 度100
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
3
4
7
17
22
29
30
35
36
25
5
48
50
44
45
2
9
13
47
42
41
40
14
46
19
1
43
6
8
10
11
12
15
16
28
ハ フ ゙度
100
2
5
6
7
8
11
13
14
15
19
20
17
22
10
25
27
30
32
21
24
35
34
37
41
33
44
45
29
23
36
18
47
49
50
28
48
46
38
9
43
1
3
4
-
雇用貢献度100
27
7
34
36
44
3
40
6
19
14
5
15
31
33
26
8
17
2
22
18
10
21
16
11
20
29
23
25
1
30
32
-
利益貢献度100
16
41
31
50
37
22
5
9
24
25
19
45
12
42
47
2
3
17
1
48
8
13
7
10
32
15
4
43
38
30
20
44
35
26
46
49
29
第 5 項 STEP4
① 目的地分析
燕市内への訪問について、訪問先への検索回数データを元に観光マップを用い目的地分
析を行う。検索条件を 2014 年平日とし、交通手段を自動車と公共交通それぞれに指定し分
析した。その結果、自動車による目的地検索の候補として、11 カ所抽出される。目的地の
上位三カ所は、金物製品の小売店、道の駅、寺社となっている。公共交通による目的地検
索では目的地は抽出されなかった(図 4-1-1 参照)
。
出典:株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」
図 4-1-1 自動車による訪問先と推定訪問数(2014 年、平日)
自動車による訪問先と推定訪問数(2014 年、平日)(図 4-1-1 参照)を元に上位 5 カ所
の訪問先について 2014 年 4 月から 2015 年 3 月までの検索数推移を分析する。その結果、
検索回数の最も多いストックバスターズは、5 月から検索回数が増加し 9 月に最大となって
いる。道の駅国上への検索回数は 5 月~9 月で増加する傾向にあるが、9 月以降は減少し 12
月から 2 月にかけて横ばいに推移する。ストックバスターズと道の駅国上を除く目的地で
も 10 月から 12 月にかけて検索回数が減少する傾向がみられる(図 4-1-2 参照)
。
出典:株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」
図 4-1-2 自動車による目的地検索ランキング(2014 年 4 月~2015 年 3 月、平日)
29
燕市の訪問について、
観光マップを用い目的地分析を行う。
検索条件を 2014 年休日とし、
交通手段を自動車と公共交通それぞれに指定し分析した。その結果、自動車による検索回
数の上位 3 カ所はストックバスターズと道の駅国上、吉田ふれあい広場である。また、休
日の目的地分析は、分析対象データが存在していない。燕市の目的地への訪問手段は、主
に自動車であることがわかる(図 4-1-3 参照)。
出典:株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」
図 4-1-3 自動車による訪問先と推定訪問数(2014 年、休日)
自動車による訪問先と推定訪問数(2014 年、休日)
(図 4-1-4 参照)を元に上位 5 カ所
の訪問先について 2014 年 4 月から 2015 年 3 月までの検索数推移を分析する。その結果、
ストックバスターズへの検索回数は 9 月にピークとなり、2 月に最も減少する。道の駅国上
は、7 月に検索回数のピークとなるが、8 月以降は減少していく傾向がみられる。両施設に
共通する変動として挙げられる特徴的な点は、1 月に検索回数が増加している点である(図
4-1-4 参照)
。
出典:株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」
図 4-1-4 自動車による目的地検索ランキング(2014 年 4 月~2015 年 3 月、休日)
30
② メッシュ分析(流動人口)
燕市内の流動人口について、月別、平日・休日別の流動人口推移をヒートマップで把握
し、任意の地域を選択し、流動人口の推移を時系列で把握する。
メッシュ分析(流動人口)の検索条件を 2014 年 10 月休日に設定し、ヒートマップから
流動人口が多いメッシュを把握した。これにより、ストックバスターズ以外の地点は、商
店が集積する場所であると同時に交通の要所にもなっている場所である(図 4-2-1 参照)。
北吉田
商業集積地
弥彦村
原信吉田店
吉田駅
ストック
バスターズ
イオン県央店
燕三条駅
三条市
出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」
図 4-2-1 燕市 メッシュ分析 流動人口(2014 年 10 月、休日)
燕市におけるメッシュ分析の流動人口(2014 年 6 月、休日)
(図 4-2-1 参照)を元に任意
の 4 地域を選択し、流動人口の推移を時系列で把握する。その結果、流動人口は、通年を
通じて大きく変動しないことがわかる。流動人口は、イオン県央店が最も多く、原信吉田
店周辺と北吉田地区周辺が同程度の流動人口となっている(図 4-2-2 参照)
。
31
出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」
図 4-2-2 燕市 流動人口の月別推移(2014 年、休日)
燕市における流動人口の月別推移(2014 年、休日)
(図 4-2-2 参照)を元に選択した 4 地
域について、2014 年 6 月における時間推移を把握する。その結果、イオン県央店において
午前中に流動人口が増加し続け、その後横ばい推移してから、20 時頃から減少しはじめる。
ストックバスターズ周辺における流動人口も 13 時頃にピークに達し、その後 15 時から流
動人口は減少する。そのほかの地点は、時間変動が少ない地点であることがわかる(図 4-2-3
参照)
。
出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」
図 4-2-3 燕市 流動人口の時間別推移(2014 年 6 月、休日)
燕市における流動人口の月別推移(2014 年、休日)
(図 4-2-2 参照)を元に選択した6地
域について、2014 年 11 月における時間推移を把握する。その結果、すべての地点で 11 時
から 14 時に流動人口のピークをもつ。平日と異なり原信吉田店周辺の流動人口は、14 時か
ら 18 時頃まで流動人口がほぼ横ばいで推移している。北吉田地区も 14時付近にピークと
なる(図 4-2-4 参照)。
32
出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」
図 4-2-4 燕市 流動人口の時間別推移(2014 年 11 月、休日)
③ From-to 分析
燕市における滞在人口を平日・休日別にどの地域からの滞在人口が多いかを都道府県
別・市区町村別に把握する。From-to 分析を 2014 年の平日、表示地域単位を市区町村単位・
都道府県単位にて選択して把握したところ、滞在人口の 98.8%は県内由来であり、そのう
ち、54%が燕市由来となっている。新潟県内からは、近隣市町村の三条市や新潟市、長岡
市などからの滞在人口が多くなっている。滞在人口の 1.1%は県外由来となっており、北海
道、長野県、群馬県からの訪問者が多くなっている(図 4-3-1 参照)
。
<都道府県単位>
県外
<市区町村単位>
県内
県外
出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」
図 4-3-1 燕市 滞在人口(2014 年、平日)
From-to 分析を 2014 年の休日、表示地域単位を市区町村単位・都道府県単位にて選択し
て把握したところ、市区町村単位で滞在人口よると、滞在人口の 98.8%は県内由来であり、
33
そのうち、59.3%が燕市由来となっている。新潟県内からは、平日と同様に近隣市町村の
三条市や新潟市、長岡市からの滞在人口が多くなっている。滞在人口の 1.1%は県外由来と
なっており、北海道、長野県、埼玉県からの滞在人口が多くなっている。平日とはことな
り近隣県である群馬県からの滞在人口が減少している点が特徴である(図 4-3-2 参照)
。
<市区町村単位>
<都道府県単位>
県外
県外
県内
出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」
図 4-3-2 燕市 滞在人口(2014 年、休日)
④ 滞在人口の推移(月別・時間別)
燕市の滞在人口と国勢調査人口を月別・時間別に比較する。滞在人口率の検索条件を 2014
年に設定したところ、燕市の滞在人口の月別推移(図 4-4-1 参照)では、平日の滞在人口
は 3 月に微増する傾向がみられる。休日の滞在人口をみると 7 月に微減する傾向がみられ
る。通年で休日よりも平日の滞在人口の方が多い傾向にあり、季節変動が少ないことがわ
かる。
出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」
図 4-4-1 燕市 滞在人口の月別推移(2014 年)
燕市の滞在人口の時間別推移(2014 年)では、平日の滞在人口は、5 時から 7 時にかけ
34
て増加した後、微減して横ばい推移し、17 時頃から減少する傾向がみられる。
休日の場合も、日中の滞在人口の数は平日より少ないが、時間別の動向は同様であり、7
時頃と 18 時ごろに滞在人口のピークとなる(図 4-4-2 参照)
。
出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」
図 4-4-2 燕市 滞在人口の時間別推移(2014 年)
⑤ STEP4 まとめ
メッシュ分析では、分水駅周辺や北吉田駅周辺、ストックバスターズ、イオン県央店が
マグネット施設となっている。マグネット施設の流動人口(時間帯別)を見ると、北吉田
駅周辺やストックバスターズ、イオン県央店は 13 時頃をピークに日中の人口が多くなって
いる。
滞在人口では、県内の近隣地域や北海道や長野県からの訪問者が多い点が特徴である。
休日の滞在人口は、14 万人(人口は 8 万人規模)となっている。滞在人口の地域外割合は、
平日 1.1%、休日 1.1%であり高いとは言えない。
第 6 項 新潟県燕市の定性分析
定量分析では把握が難しい点である「自治体の取組」や「中核企業候補が抱える課題」
などについては、ヒアリングなどの定性的な分析を実施し、それを踏まえた当該地域の特
徴・課題、政策的方向性は以下のとおり。
① 自治体の取組および中核企業候補の課題・ニーズ
燕市においては、金属製品製造業のブランド化や新分野への進出、販路開拓等に向けて
様々な取組みを実施している。
「つばめ東京オリンピック・パラリンピックプロジェクト」では、金属洋食器・ハウス
ウェアの産地として、
「東京オリンピック・パラリンピック」に貢献するため、官民一体と
なりプロジェクトを展開している。
「東京オリ・パラ首長連合」事業にも参加し、国内外に
広く燕産の優れた製品をPRすることで、産地産業のブラン力の強化を図っている。新分
野への進出では、「ジャパン・ツバメ・インダストリアル デザインコンクール」により、
デザイン振興に取り組んでいる。金属加工技術を活かして医療分野への参入支援も行われ
ている。また、中核企業候補からは地域企業との外部連携を増やしていきたいとの意向も
35
ある。
② 分析から導き出された燕市の特徴と課題
燕市においては、金属製品製造業とその他卸売業が地域を支える主要産業である。これ
らの産業における売上高上位かつ利益貢献度の高い企業は相互に取引関係があり、卸売業
が金属製品製造業の販売機能を担っていることが想定されることが明らかとなった。
両産業の市場動向をみると、どちらの産業も製造品出荷額・販売額が減少傾向にある。
近年の減少傾向は、下げ止まりの様子を呈しているが、両産業の発展には、さらなる施策
を検討することが課題である。
③ 政策的方向性
燕市における主要産業の支援施策立案にむけて、金属製品製造業と卸売業の関係性に着
目しヒアリングを実施することで、両業種を一体的に支援する施策を検討することが重要
である。両産業の中核企業に対して業態転換や販路開拓、新製品開発の支援を行うなどの
支援施策が想定される。
36