トレシーバ 注、基礎インスリン製剤で初めて、必要な場合に 注射

2016 年 9 月 30 日
PRESS-16-25
トレシーバ®注、基礎インスリン製剤で初めて、必要な場合に
注射タイミングの調節を可能とする「用法・用量」の承認を取得
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社(社長: オーレ ムルスコウ ベック、本社: 東京都千代田区)は 9 月
28 日、持効型溶解インスリンアナログ製剤 トレシーバ®注フレックスタッチ®、同ペンフィル®[一般名: イ
ンスリン デグルデク(遺伝子組換え)、以下トレシーバ®注]について、用法・用量の変更の承認を厚生労働
省より取得しました。これにより、トレシーバ®注は、やむを得ず注射時刻の調節が必要になった際にも、安
全性・有効性を損なわずに注射タイミングを調節することのできる唯一の基礎インスリンアナログ製剤とな
ります。
基礎インスリン療法において重要なことは、基礎インスリンを毎日一定の時刻に注射し、それを日々の決
まりごととして定着させることです。しかし、実際には多くの患者さんが日常の生活の中で、旅行、家族の面
倒を見る、シフト勤務などやむを得ない状況で注射時刻のずれを経験しています。そして日常的に起こりうる
注射時刻のずれは患者さんだけでなく医療従事者にとっても、インスリン治療における課題の一つでした。1
今回、国内において、トレシーバ®注の注射時刻をあらかじめ合意した注射時刻から±8 時間の範囲で
変更することを可能とした群(フレキシブル投与法群)と、注射時刻を固定した群とを比較する臨床試験
(NN1250-4060 試験)を実施し、フレキシブル投与法群においても安全性・有効性が損なわれないこと
が示されました。2 これを受け、昨年 11 月にトレシーバ®注において必要な場合に注射時刻の変更を可能
とする「用法・用量」の変更を申請し、この度、承認を取得しました。
NN1250-4060 試験を主導された東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 教授 門脇 孝
先生は次のように述べています。「今回実施した臨床試験では、より日常の実態に即した形で注射時刻の
調節をデザインしました。日常生活においては、主治医に指示された注射の時刻をうっかり忘れたり、いつもの
注射時刻に予定が入ったりすることは、誰にでも起こるやむを得ない事情です。今回得られたトレシーバ®注
の臨床試験結果ならびに『用法・用量』の改訂は、このような場合の不安を和らげ、安心して治療を続けて
もらえるエビデンスになります」
ノボ ノルディスク ファーマは、トレシーバ®注の適正使用を推進し、患者さんのさらなる QOL 向上を目
指します。
お問い合わせ先
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
100-0005
東京都千代田区丸の内 2-1-1
明治安田生命ビル
Tel: 03-6266-1700
Fax: 03-6266-1801
ウェブサイト:
www.novonordisk.co.jp
www.novonordisk.com
トレシーバ®注フレックスタッチ®添付文書の改訂箇所
【用法・用量】
通常、成人では、初期は 1 日 1 回 4~20 単位を皮下注射する。投与量は患者の状態に応じて適宜増減
する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常
1 日 4~80 単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。注射時刻は原則として
毎日一定とするが、必要な場合は注射時刻を変更できる。
通常、小児では、1 日 1 回皮下注射する。注射時刻は毎日一定とする。投与量は患者の状態に応じて適
宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量
は、通常 1 日 0.5~1.5 単位/kg である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
(2) 成人では、注射時刻は原則として毎日一定とするが、通常の注射時刻から変更する必要がある場合
は、血糖値の変動に注意しながら通常の注射時刻の前後 8 時間以内に注射時刻を変更し、その後は通
常の注射時刻に戻すよう指導すること。注射時刻の変更に際して投与間隔が短くなる場合は低血糖の発現
に注意するよう指導すること(「2. 重要な基本的注意」、【臨床成績】の項参照)。
トレシーバ®注(一般名 インスリン デグルデク)について
トレシーバ®注の有効成分であるインスリン デグルデクは、製剤中で 2 つのヘキサマー(六量体)から
なる安定した可溶性のダイヘキサマー(2 つの六量体が結合した複合体)として存在しています。皮下投与
後、可溶性の長く安定したマルチヘキサマー(多数の六量体が結合した複合体)を形成します。マルチヘキ
サマーからモノマー(単量体)が徐々に解離し、ゆっくりかつ持続的に血中へ移行することにより、長い作用
の持続化を実現します。トレシーバ®注は、1 日 1 回投与でより平坦でピークのない血糖降下作用を示し、
そ の 効 果 は 24 時 間 を 超 え て 持 続 し ま し た ( 日 本 : 26 時 間 超 、 海 外 : 42 時 間 超 * ) 。 ま た 、
トレシーバ®注は、Treat to Target**試験において、夜間低血糖の発現頻度を高めずに***、対照薬と同
程度の HbA1c 低下を達成しました。
トレシーバ®注は、1 日 1 回の投与で、夜間低血糖の発現頻度を高めずに***、良好な HbA1c の低下
が期待できる持効型溶解インスリンアナログ製剤です。
*
**
***
日本人被験者では 26 時間まで、外国人被験者では 42 時間まで作用持続時間を評価
新規のインスリン製剤群も対照薬群も同様の血糖値を目指した治療を行う試験。新規のインスリン製剤がもたらす治療の有用性は、
対照薬に対する非劣性(HbA1c)を検証した上で、低血糖の頻度および重症度などの項目により評価される。
弊社従来品(インスリン デテミル)との比較(第 3 相臨床試験)
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NN1250-4060 試験について 2
NN1250-4060 試験は、経口血糖降下薬の併用又は非併用下で持効型インスリンによる治療を受け
ている 2 型糖尿病患者における、トレシーバ®注を合意した注射時刻から±8 時間の範囲で変更すること
ができる群(フレキシブル投与群)と固定時刻に注射する群(固定時刻群)を比較する多施設、非盲検、無
作為割り付け、Treat to Target の 2×2 要因試験です。458 名の成人 2 型糖尿病患者を対象とし、観
察期間は 26 週間でした。
その結果、予定された注射時刻と実際の注射時刻の差が 2~4 時間又は 4~8 時間であった患者の割
合は、フレキシブル投与群ではそれぞれ 72.9%又は 47.6%、固定時刻群ではそれぞれ 47.6%又は
31.4%でした。HbA1c を指標とした血糖コントロールならびに安全性について、フレキシブル投与群と固
定時刻群との間に明らかな違いは認められませんでした。本試験により、やむを得ずトレシーバ ®注の注
射時刻を調節しても、安全性・有効性を損なわないことが確認されました。
参考文献
1. Peyrot M et al., Insulin adherence behaviours and barriers in the multinational Global Attitudes of Patients
and Physicians in Insulin Therapy study, Diabet Med 29(5):682-689, 2012
2. Kadowaki, T. et al., Efficacy and safety of once-daily insulindegludec dosed flexibly at convenient timesvs
fixed dosing at the same time each day ina Japanese cohort with type 2 diabetes: Arandomized, 26-week,
treat-to-target trial, J Diabetes Investig 7(5): 711-717, 2016
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は、デンマークに本社を置くグローバルヘルスケア企業であるノボ ノルディ
スク社の日本法人です。ノボ ノルディスク社はインスリンの発見から間もない 1923 年にインスリンの製造販売
を開始し、以来 90 年以上にわたり継続的な研究開発と世界の国々への安定供給を通じ、糖尿病ケアの革新を
リードしてきました。また、糖尿病領域における研究開発の歴史により培われた数々の強みを活かし、成長障害
や血友病など長期にわたり医薬品を必要とする疾患においても、その治療法の革新に取り組んでいます。ノボ
ノルディスク社は現在 75 カ国に約 42,300 人の社員を擁し、製品は 180 カ国以上で販売されています。日本
法人は 1980 年に設立されています。
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