無機化学 II 第 11 回課題 問 1.第 15 族元素のうち N,P,As,Sb の

無機化学 II 第 11 回課題
問 1.第 15 族元素のうち N,P,As,Sb の水素化物は,それぞれアンモニア(NH3),ホスフィン(PH3),アルシン
(AsH3),スチビン(SbH3)と呼ばれている.
(1) それぞれの融点および沸点を調べよ(0.5 点).
(2) アンモニアを除く 3 つの分子では,「周期表の下の方の元素からなる分子ほど融点も沸点も高い」という一
般的な傾向を示すが,アンモニアだけはこの傾向にのらず,軽い元素としては沸点・融点ともに異常に高い.こ
の理由を説明せよ(1 点).
問 2.窒素の水素化物として,ヒドラジンと呼ばれる化合物(H2N-NH2)が存在する.
この分子は強い還元力を示すことから,さまざまな反応やロケット燃料などとして利用されている.
(1) 「N2 が 1 分子と H2 が 2 分子」でいる状態と,「ヒドラジン 1 分子」となっている状態を比較すると,どちらの方
がどの程度エネルギーが低いか(=安定か)を結合エネルギーから推測せよ.
なお,結合解離エネルギーとしては以下の値を用いること(1 点).
各結合のおおよその結合解離エネルギー(結合を引きちぎって原子をバラバラにするのに必要なエネルギー)
N≡N 三重結合: 942 kJ/mol
H-H 単結合:
436 kJ/mol
N-H 単結合:
390 kJ/mol
N-N 単結合:
163 kJ/mol
(2) なぜそのような結果になるのか,原因を推測せよ(エネルギーが低い方の分子がなぜエネルギーが低くな
るのか?や,エネルギーが高い方の分子のエネルギーが高くなる原因を考えること)(0.5 点).