庄原市農業再生協議会水田フル活用ビジョン (PDFファイル)

庄原市農業再生協議会水田フル活用ビジョン
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地域の作物作付の現状、地域が抱える課題
本市の農業は、水稲を中心とした土地利用型農業を主体として、畜産・野菜との複合経営を進
めている。
水田利用においては、米の生産調整を実施した上で可能な限り水稲の作付けを行い、その他の
土地利用作物としては、大豆、麦、そば、飼料作物等の定着を図っている。
さらに、高収益型の「ほうれんそう」
「アスパラガス」
「青ねぎ」
「トマト」
「キク」
「だいこん」
「キャベツ」「エゴマ」等の作付けを推進している。
しかしながら、農業従事者の高齢化に伴う、将来の水田農業を担う農業者の減少により、不作
付地の拡大が進んでおり、作物作付面積の維持が課題となっている。こうした中、意欲ある経営
体や農業生産法人及び地域営農集団などの集落営農組織への利用集積を図るとともに、水田農業
の担い手の育成を急ぐ必要がある。
また、主食用米の需要が減少する中で、他の作物の作付けに転換を促進することで不作付地等
の拡大を防ぎ、水田面積の維持を図っていく必要がある。
2
推進体制、推進上の地区
(1)推進体制
水田農業の活性化及び米の需給調整について、庄原市農業再生協議会水田フル活用ビジョン
に基づき、庄原市農業再生協議会を中心に農業者はもとより関係機関・農業団体が一体となっ
て推進するものとする。
(2)推進上の地区
庄原市 (1)庄原・
(2)西城・
(3)東城・
(4)口和・
(5)高野・
(6)比和・
(7)総領の各地域
3
作物ごとの取組方針
庄原市内の約5,370ha(不作付地を含む)の水田について、適地適作を基本として、作物
生産の維持・拡大を図ることとする。また、農地中間管理機構を担い手への農用地の集積・集約
化を進める中核的な事業体として位置づけ、地域の担い手への農地利用集積を図る。
(1)主食用米
地域の生産条件にあった品種構成及び消費者動向に対応した良食味品種への作付誘導を図
り、生産履歴・検査・保管履歴の記帳・管理を徹底する。
さらに、エコファーマーの認定、
「安心!広島ブランド」の認証制度の活用及びJA米や特
別栽培米などの「こだわり米」栽培の促進を行うとともに、堆肥等を利用した土作り運動など
循環型農業・米作りの実践による特色ある米作りを推進する。
(2)非主食用米
ア 飼料用米
主食用米の需要減が見込まれる中、JA庄原はJA全農ひろしまを通じ、養鶏業者等
の畜産関係者を実需者とし増産要望の需要に対応するため、多収品種の導入による安定
多収を目指し、飼料用米の生産拡大を図る。
イ 加工用米
加工用米は、広島県内の酒、みそ等に需要があり、JA庄原はJA全農ひろしまを核
とする実需者との結び付きを強化し、生産拡大を図っていく。
ウ 飼料用稲(WCS 用稲)
主食用米の需要減が見込まれる中、主食用米の転作作物として推進を図り、耕畜連携
対策として広島県酪農業協同組合を実需者とし WCS 用稲の生産拡大を図る。
エ 米粉用米
県内の製粉会社を実需者として結び付きを強化し、契約に基づき現行の栽培面積を
維持する。
(3)飼料作物
地域の酪農や和牛飼育農家を実需者として、需要に応じた契約に基づき現行の栽培面積を
維持する。
(4)麦、大豆
麦については、地域内のパン業者との結び付きがあり消費需要に応じた取組を維持する。ま
た、大豆については、地域内外の加工食品(豆腐等)用として需要があり、実需者との契約に
基づき現行の栽培面積を維持する。
(5)そば、なたね
そばについては、地域内外でのそば製造用や焼酎及び県外の製粉会社等に需要がある。特に
地域特産としてそば店やイベント出店などに取り組み、そば消費活動も盛んで地域内での消費
も多い。また、なたねについては、搾油用として生産され需要に応じて実需者との契約に基づ
き、現行の栽培面積を維持する。
(6)園芸作物
「ほうれんそう」
「アスパラガス」
「青ねぎ」
「トマト」
「キク」
「だいこん」について、JA庄
原の園芸億産品振興品目に掲げ、生産部会等を中心に、栽培技術の講習会等を通じ、生産振興
を図る。その他の野菜、花き、果樹等については、産直市等販売作物として生産振興を図る。
また「キャベツ」
「エゴマ」は育成品目として位置付け、面積の拡大を図る。
(7)花木
地元産直市への販売や耕作放棄地、不作付地の発生防止のため、現行の栽培面積を維持する。
(8)景観形成・地力増進作物
景観の保全、地力増進及び耕作放棄地や不作付地の発生防止のため、現行の栽培面積を維持
する。
(9)不作付地の解消
交付金対象水田で改善可能な不作付地のうち60haについては、非主食用米、振興品目等
の作付けを誘導することにより、解消を図っていく。
4
作物ごとの作付予定面積
作物
平成 25 年度の作付面積
平成 28 年度の作付予定面積
平成 30 年度の目標作付面積
(ha)
(ha)
(ha)
主食用米
3,552.3
3,433
3,397
加工用米
27.8
83
83
米粉用米
9.5
10
10
飼料用米
0.0
92
100
13.6
120
140
9.3(4.1)
10
10
48.5(3.8)
49
49
飼料作物
528.5(60.0)
530
530
そば
148.3(21.8)
150
150
なたね
0.6
1
1
花木
3.7
4
4
景観形成・地力増進作物
90.1
91
91
その他地域振興作物
457.6
376
384
ほうれんそう
28.8
29
30
アスパラガス
13.2
15
20
青ねぎ
18.2
19
20
トマト
24.1
25
26
キク
21.8
22
23
だいこん
12.5
13
14
5.5
6
7
その他作物
333.5
247
244
計
4889.8
4,949
4,949
飼料用稲(WCS 用稲)
麦
大豆
エゴマ
*()の数値は二毛作の内面積
5
平成 28 年度に向けた取組及び目標
取組
対象作物
番号
取組
分類
※
指標
平成 25 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
(現状値)
(予定)
(目標値)
産地戦略枠の活用は県段階のみのため該当なし
※「分類」欄については、要綱(別紙 11)の2(5)のア、イ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。
(複数該当する場合には、ア、イ、ウのうち主たる取組に該当するものをいずれか 1 つ記入して下さい。)
ア
農業・農村の所得増加につながる作物生産の取組
イ
生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組
ウ
地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物
を生産する取組
6
担い手
(1)庄原市農業再生協議会水田フル活用ビジョンにおける「担い手」の要件について
地域の担い手を広く育成するという観点から、庄原市農業再生協議会水田フル活用ビジョン
における担い手は、水田を基盤として積極的・永続的な農業経営を行うことが見込まれる認定
農業者及びこれに順ずる農業者、集落法人及び地域営農集団、水田経営面積2.6ha以上の
農業者を中核的農業者として位置づける。