化学基礎・化学

2016(平成28)年度
Mスカラ入試
化学基礎・化学
[60 分]
注意 必要ならば,次の値を用いなさい。
原子量
H = 1.
0
C = 12
N = 14
O = 16
Na = 23
Al = 27
S = 32
Cl = 35.
5
Ca = 40
Br = 80
標準状態において 1 mol の気体が占める体積 22.4 L
2 = 1.
4
3 = 1.
7
5 = 2.
2
問題文中の体積の単位記号 L は,リットルを表す。
次の各設問の選択肢から最も適当なものを一つ選び,マークしなさい。
1
(1) 身の回りの現象や物質・製品に関する記述(ア)~(ウ)のうち,正しいものをすべ
1
て選んだものは, である。
(ア)
うがい薬に使われるヨウ素には,その気体を冷却すると,液体にならずに固体
になる性質がある。
(イ)
炭酸飲料をコップに入れて室温に放置すると,しだいに発泡しなくなる。これ
は,飲料中に溶解している二酸化炭素の量が減少するためである。
(ウ)
セッケンの洗浄力は硬水中で低下する。これは,セッケンがナトリウムイオン
と反応して水に溶けにくい塩をつくるためである。
① (ア)のみ
② (イ)のみ
③ (ウ)のみ
④ (ア),
(イ)
⑤ (ア),(ウ)
⑥ (イ),(ウ)
⑦ (ア),
(イ),
(ウ)
2
(2)
下線部の数値の大小関係として正しいものは, である。
(ア)
ヘリウム 1 mol に含まれる電子の数
(イ)
メタノール 1 mol に含まれる酸素原子の数
(ウ)
標準状態のアンモニア 22.
4 L に含まれる水素原子の数
① (ア)>(イ)>(ウ) ② (ア)>(ウ)>(イ)
③ (イ)>(ア)>(ウ) ④ (イ)>(ウ)>(ア)
⑤ (ウ)>(ア)>(イ) ⑥ (ウ)>(イ)>(ア)
1
3
(3)
次の下線をつけた原子の酸化数で 3 番目に大きいものは, である。
① HClO ② NH4+ ③ H2O2 ④ NaNO3 ⑤ NaH ⑥ MnO4-
(4)
酸,塩基,およびそれらの反応に関する次の記述(ア)~(ウ)のうち,正しいもの
4
をすべて選んだものは, である。
(ア)
0.
10 mol/L の硫酸 30 mL に,0.
20 mol/L の水酸化バリウム水溶液を加えていく
と,30 mL 加えたところで水溶液中のイオンの濃度の総和は最小になる。
(イ)
弱塩基を強酸で滴定するときには,メチルオレンジを指示薬として用いること
ができる。
(ウ) 希硫酸の電離度は,希塩酸の電離度の 2 倍である。
① (ア)のみ
② (イ)のみ
③ (ウ)のみ
④ (ア),(イ)
⑤ (ア)
,(ウ)
⑥ (イ),(ウ)
⑦ (ア),(イ),
(ウ)
2
(5)
次のグラフは,下の①~⑤のいずれかの水溶液を,白金電極を用いて電気分解した
とき,通電時間と各電極から発生する気体の体積の関係を表したものである。発生し
5
た気体は水と反応しないものとすると,この水溶液は, である。
体積
陰極
2v
陽極
v
0
通電時間
① 塩化ナトリウム水溶液 ② 塩化銅
(Ⅱ)
水溶液 ③ 硫酸銅
(Ⅱ)
水溶液
④ 硝酸銀水溶液 ⑤ 希硫酸
3
2
(1) 下線を示した化合物と,以下の反応により生じる金属含有生成物の間の,1 分子あ
6
たりの金属成分の重量比の変化の組み合わせとして最も適当なものは,
であ
る。
(ア)
セッコウを約 140 ℃に加熱する。
(イ)
炭酸水素ナトリウムを熱すると二酸化炭素が発生する。
(ア)
(イ)
①
大きくなる
大きくなる
②
大きくなる
変化しない
③
大きくなる
小さくなる
④
変化しない
大きくなる
⑤
変化しない
変化しない
⑥
変化しない
小さくなる
⑦
小さくなる
大きくなる
⑧
小さくなる
変化しない
⑨
小さくなる
小さくなる
(2)
以下の金属とイオンのうち,金属樹を形成するものの組み合わせとして最も適当な
7
ものは, である。
(ウ)
Pb,Zn2+
(ア)
Cu,Ag+ (イ) Zn,Cu2+ ① (ア)のみ
② (イ)のみ
③ (ウ)のみ
④ (ア)
,(イ)
⑤ (ア),
(ウ)
⑥ (イ),(ウ)
⑦ (ア)
,(イ),(ウ)
4
(3) 次の操作(ア)~
(ウ)で発生する常温・常圧で気体の成分のうち,酸素分子と反応
8
するものをすべて選んだものは, である。
(ア)
銅に濃硫酸を加えて加熱する。
(イ)
鉄触媒存在下,水素と窒素を高温・高圧条件で反応させる。
(ウ)
ギ酸に濃硫酸を加えて加熱する。
① (ア)のみ
② (イ)のみ
③ (ウ)のみ
④ (ア)
,(イ)
⑤ (ア),(ウ)
⑥ (イ),
(ウ)
⑦ (ア)
,(イ),(ウ)
(4) ケイ素,スズ,鉛のうち,次の記述(ア)
,(イ)に該当する元素の数の組み合わせ
9
として最も適当なものは, である。
(ア) 両性元素である。
(イ) 原子は価電子を 4 個もつ。
(ア)
(イ)
①
1
1
②
1
2
③
1
3
④
2
1
⑤
2
2
⑥
2
3
⑦
3
1
⑧
3
2
⑨
3
3
5
10
(5) 亜鉛の単体や化合物に関する次の記述①~⑤のうち,正しいものは,
であ
る。
① 単体は酸と強塩基のどちらとも速やかに反応する。
② 水酸化物は,酸性の水溶液には不溶だが,強塩基性の水溶液には可溶である。
③ 水酸化物の沈殿に過剰のアンモニア水を加えると,無色の水溶液となる。
④ 亜鉛イオンを含む弱塩基性の水溶液に硫化水素を吹き込むと,黒色の沈殿が生じ
る。
⑤ 単体は乾電池の負極や合金の原料,ブリキなどに用いられる。
11
(6)
炭素の同素体と,その特徴の組み合わせとして正しいものは, である。
(ア)
黒色不透明の粉末で,電気伝導性を示さない。
(イ)
多数の炭素原子がすべて共有結合で結びついた無色の結晶。
(ウ)
共有結合で作られた平面が層状に重なり合っている。
(ア)
(イ)
(ウ)
①
黒鉛
ダイヤモンド
フラーレン
②
黒鉛
フラーレン
ダイヤモンド
③
ダイヤモンド
黒鉛
フラーレン
④
ダイヤモンド
フラーレン
黒鉛
⑤
フラーレン
黒鉛
ダイヤモンド
⑥
フラーレン
ダイヤモンド
黒鉛
6
3
(1) 次のうち,フェノール(C6H5OH)と 1-オクタノール[CH(CH
3
2)
7 OH]のいずれに
12
もあてはまる性質は, である。
① 塩化鉄(Ⅲ)水溶液で紫色を呈する。
② 水溶液は中性を示す。
③ 酸化するとケトンを生じる。
④ 無水酢酸と反応してエステルを生じる。
⑤ 水酸化ナトリウムと反応して塩を生成する。
(2)
クメンを酸素で酸化したのち,希硫酸を触媒として分解すると,フェノールと
13
が生成する。
①
CH3CH2CHO
②
CH3CH2COOH
O
③
H3C
④
CH3CH2CH3
⑤
H3C CH
CH2
C
CH3
OH
⑥
H3C
C
H
CH3
(3)
分子式 C10HxO2 で示される有機化合物がある。この化合物 84 mg を完全燃焼させた
14
ところ,72 mg の水が生じた。この分子式中の水素原子の数 x は, である。
① 12 ② 14 ③ 16 ④ 18 ⑤ 20 ⑥ 22
7
(4)
エタン,エチレン(エテン),ベンゼンについて,各分子の炭素原子間の結合距離が
15
長い順に並べたものは, である。
① エタン > エチレン > ベンゼン
② エタン > ベンゼン > エチレン
③ エチレン > エタン > ベンゼン
④ エチレン > ベンゼン > エタン
⑤ ベンゼン > エタン > エチレン
⑥ ベンゼン > エチレン > エタン
(5) 触媒存在下で水素を付加させたとき,不斉炭素原子をもつ化合物を生成するのは,
16
である。
H3CH2C
①
③
C
C
H3C CH
CH3
H3CH2C
C
C
H
H3CH2C
⑤
CH3
②
CH3
CH2CH3
④
C
H3CH2C
H
C
C
H3CH2C
H
H3C CH
CH3
C
H
H3C
H
C
H3CH2C
C
⑥
H
H3CH2CH2C
H3C
8
CH2CH3
H
C
C
CH2CH3
H
(6)
以下の反応のうち,付加反応,置換反応のいずれにも分類されないものは, 17
である。
① 鉄を触媒として,ベンゼンと塩素を反応させる。
② フェノールの水溶液に臭素水を加えると,白色沈殿が生じる。
③ エチレンを臭素水に通すと,溶液が無色になる。
④ ベンゼンに紫外線を当てながら,塩素を反応させる。
⑤ エタノールと濃硫酸の混合物を約 170 ℃に加熱する。
⑥ 白金を触媒として,ベンゼンを高圧の水素と反応させる。
(7)
サリチル酸とトルエンのそれぞれ 6.
9 g を完全に燃焼させたとき,生成する二酸化
18
炭素の質量の比は である。
① 1:1 ② 1:2 ③ 2:1 ④ 3:1 ⑤ 1:3
⑥ 2:3 ⑦ 3:2 ⑧ 4:1 ⑨ 1:4
9
4
(1)
0.
010 mol/L のタリウム
(Ⅰ)イオン,0.
020 mol/L の鉛(Ⅱ)イオン,濃度が未知の銀
イオンの 3 種類のイオンを含む溶液に対し,塩化ナトリウム水溶液を少しずつ加えた
ところ,塩化物イオンの濃度が 6.
0×10-9 mol/L に達したときに塩化銀が沈殿し始め,
塩化ナトリウム水溶液を加え続けると,さらに沈殿が生成した。このことに関する次
19
の記述(ア)~(ウ)の正誤の組み合わせとして正しいものは, である。
2
(mol/L)
,塩化
ただし,それぞれの溶解度積は,塩化タリウム(Ⅰ)TlCl 1.
5×10-4
3
2
2×10-5(mol/L)
,塩化銀 AgCl 1.
8×10-10
(mol/L)
とする。
鉛
(Ⅱ)
PbCl2 1.
(ア)
含まれていた銀イオンの濃度は 0.
030 mol/L である。
(イ)
塩化銀に続いて沈殿したのは塩化タリウム(Ⅰ)
である。
(ウ) 塩化鉛(Ⅱ)の沈殿が生成するのに必要な塩化物イオン濃度は 6.
0×10-4 mol/L
である。
(ア)
(イ)
(ウ)
①
正
正
正
②
正
正
誤
③
正
誤
正
④
正
誤
誤
⑤
誤
正
正
⑥
誤
正
誤
⑦
誤
誤
正
⑧
誤
誤
誤
10
(2) 以下の(ア)
~(ウ)の熱化学方程式で示される反応が平衡状態にあるときに括弧内
20
の操作をした場合,その反応が進む方向の組み合わせとして適当なものは, で
ある。
+ 3H(気)
= 2NH(気)
+ 92 kJ
(ア)
N(気)
2
2
3
(温度一定で圧力を高くする)
+ I(気)
= 2HI(気)+ 53 kJ
(イ)
H(気)
2
2
(圧力一定で温度を高くする)
= 2NO(気)
- 57 kJ
(ウ) N2O(気)
4
2
(温 度も体積も一定に保ちながら
アルゴンを加える)
(ア)
(イ)
(ウ)
①
左へ移動
右へ移動
移動しない
②
左へ移動
左へ移動
右へ移動
③
左へ移動
右へ移動
左へ移動
④
右へ移動
左へ移動
移動しない
⑤
右へ移動
右へ移動
左へ移動
⑥
右へ移動
左へ移動
右へ移動
⑦
移動しない
右へ移動
移動しない
⑧
移動しない
左へ移動
右へ移動
⑨
移動しない
右へ移動
左へ移動
11
(3)
塩化ナトリウムのエネルギー図における A~C の組み合わせとして適当なものは,
21
である。
+
+ Cl
(気)+ e-
Na(気)
B
A
+
+ Cl-
(気)
Na(気)
化学エネルギー
Na(気)+ Cl
(気)
1
Na(気)+ Cl
(気)
2
2
1
(気)
Na(固)+ Cl
2
2
C
NaCl
(固)
A
B
C
①
電子親和力
イオン化エネルギー
格子エネルギー
②
電子親和力
格子エネルギー
イオン化エネルギー
③
イオン化エネルギー
電子親和力
格子エネルギー
④
イオン化エネルギー
格子エネルギー
電子親和力
⑤
格子エネルギー
電子親和力
イオン化エネルギー
⑥
格子エネルギー
イオン化エネルギー
電子親和力
12
(4) 次の(ア)
~(ウ)のうち,気体分子どうしの反応において,温度を上げると反応速
22
度が上昇する理由をすべて選んだものは, である。
(ア)
活性化エネルギーが小さくなるため。
(イ)
反応する分子が解離する割合が減少するため。
(ウ)
活性化エネルギー以上の運動エネルギーをもつ分子の割合が増えるため。
① (ア)のみ
② (イ)のみ
③ (ウ)のみ
④ (ア),(イ)
⑤ (ア)
,(ウ)
⑥ (イ),
(ウ)
⑦ (ア),(イ),
(ウ)
(5)
物質 A,B,C からなる次の可逆反応がある。
A+B ⇄ C
A と B,それぞれ 0.
20 mol,0.
50 mol を同一体積に保って反応させた。このときの
-1
であるとし,A,B,C それぞれの物質量の変化を
平衡定数 K = 2.
0×1016(mol/L)
23
示したグラフとして最も適切なものは, である。
②
0.5
0.4
B
〔mol〕0.3
0.1
0
0.5
④
0.4
0.2
0.2
A
0
時間
B
0.4
C
0.2
A
0.1
0
0
0.5
〔mol〕0.3
C
0.1
物質量
物質量
B
0.2
A
0
時間
⑥
〔mol〕0.3
B
0
0.5
0.4
C
0.1
C
時間
0.5
〔mol〕0.3
0
⑤
0
時間
〔mol〕0.3
0.1
A
0
B
0.4
C
0.1
物質量
物質量
③
B
0.4
0.2
A
0
0.5
〔mol〕0.3
C
0.2
物質量
物質量
①
A
0
0
時間
13
時間
(6) 初濃度 0.
0020 mol/L である 1 価の酸の水溶液を調製した。平衡状態に達したとき
24
pH 3.
0 であった。平衡状態における水素イオン濃度は, mol/L
である。
0 × 10-3 ③ 5.
0 × 10-3
① 1.
0 × 10-3 ② 3.
④ 1.
0 × 10-2 ⑤ 3.
0 × 10-2 ⑥ 5.
0 × 10-2
14