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21. Sep. 2016
Vol.101/16
チーム一丸の努力で 919 ハイブリッドが勝利を収める
FIA 世界耐久選手権(WEC)、LMP1、第 6 戦、オースティン(アメリカ)
、決勝
ポルシェ AG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)のワーク
スドライバー、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーラン
ド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組が駆る 919 ハイブリッドは、真夏を思わせる
陽気のテキサス州オースティンで行われた世界耐久選手権 2016 シリーズ第 6 戦において勝利
しました。3 番グリッドからスタートした現チャンピオンチームであるこの 3 名は、7 月のニ
ュルブルクリンク戦から 3 戦連続での優勝を果たしたことになります。もう 1 台の 919 ハイ
ブリッドをドライブした今年のル・マン ウィナー、ロマン・デュマ(フランス)/ニール・
ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は、5 番グリッドから 4 位入賞し、ドライバ
ーズ選手権では引き続きリードを保っています。
気温 35 度というドライバーとメカニックに過酷なコンディションのもと、現地時間の午後 5
時にレースはスタートしました。太陽が沈み気温が下がるにつれて、919 ハイブリッドはその
実力を発揮します。素晴らしいピット戦略にも助けられ、レースが中盤に差し掛かるころ、ベ
ルンハルト/ハートレー/ウェバーは後続に差をつけてトップに立ちます。
今回の勝利は 2014 年にデビューした 919 ハイブリッドにとって 12 勝目となり、そのうち 7
勝がベルンハルト/ハートレー/ウェバー組によるものです。ポルシェはマニュファクチュア
ラー部門で 238 ポイントを獲得し、アウディ(同 185)、トヨタ(同 137)をリードしていま
す。ドライバー部門ではデュマ/ジャニ/リーブ組が 37.5 ポイント差でトップに立ち、続く
アウディのトリオをリードしています。
カーナンバー1 のレース展開:
マーク・ウェバーはスタート直後に 3 位から 2 位に上がりますが、少ししてアウディの 2 台
に先行を許します。28 周後に 3 番手のままピットインしたウェバーはブレンドン・ハートレ
ーに代わります。4 位でコースに戻ったハートレーはトヨタのアンソニー・デビッドソンとの
バトルを制し、3 位のポジションを取り戻しました。続いてティモ・ベルンハルトが 58 周目
にコースに入りましたが、フルコースイエロー(FCY)が提示されたため 76 周目にピットに呼び
戻され、短いスティントを終えました。再び 919 ハイブリッドに乗り込んだウェバーの 2 度
目のスティントも FCY により僅か 18 周で終了し、95 周目でステアリングを託されたハート
レーは 3 位で走行を続けます。カーナンバー8 のアウディのピットストップが長引いたことに
より、ハートレーは 2 位に浮上。122 周目、このレース 3 度目の FCY は、カーナンバー1 の
ポルシェにとって最高のタイミングとなり、ベルンハルトはトップでコースインします。133
周目にはカーナンバー7のアウディのクラッシュにより、FCY が掲出されました。ベルンハル
トはウェバーへ代わりますが、165 周目のピットインでそれまでと同様にタイヤ交換を行った
後、ベルンハルトがコースに戻りトップでチェッカーを受けました。
カーナンバー2 のレース展開:
ロマン・デュマはスタートからほどなくしてトヨタのマイク・コンウェイを抜き 4 位になり
ます。しかし 4 周目、もう一台のトヨタに乗るセバスチャン・ブエミにパスされ再び 5 位に
戻りました。
28 周目にコースインしたニール・ジャニが 35 周目にデビッドソンを攻略します。
57 周目、919 ハイブリッドに乗り込んだマーク・リーブは 4 位で走行を続けますが、76 周目
の FCY でピットに呼び戻され、デュマと交代します。その後の FCY の最中である 94 周目にデ
ュマはジャニへと代わりますが、スローパンクチャーのため 112 周目に想定外のピットスト
ップを行います。
コックピットに留まったジャニはアウディのトラブルにより 4 位に浮上し、
134 ラップを終えた時点でリーブへ、162 ラップ後にデュマへと繋ぎます。デュマはこの日 2
度目のスローパンクチャーにみまわれたため、レース終了 12 分前にタイヤ交換のためにピッ
トへ戻りますが、4 位をキープしたままフィニッシュしました。
レース後のコメント:
LMP1 担当副社長フリッツ・エンツィンガー:「週末が始まって以来、高い気温が我々に厳し
い事は分かっていました。それでも状況をうまくマネージメントして勝つことが出来ました。
残り 3 戦で 2 つのタイトルを連覇するという目標も現実味を帯びてきました。間もなく日本
に向かいますが、我々に有利な涼しい気候に期待しています。今はテキサスに来ているクルー、
そしてヴァイザッハにいるスタッフ全員にありがとうと伝えたいです。チャンピオンシップ獲
得に向けて、また一つ階段を上がったと思うと、とても良い気分です。富士でのレースに向け
て労を惜しまずに準備を進めます」
。
チーム監督アンドレア・ザイドル:
「クルー全員による素晴らしい努力に感謝し、勝利を祝福
します。レース序盤の路面温度が高かった頃、アウディよりペースは劣っていました。ミスを
犯さなかったドライバー、素早いピット作業、完璧な戦略と信頼性の高いテクノロジーといっ
た全ての要素が組み合わさって、優勝することが出来ました。厳しいレースだったのは間違い
ありません。カーナンバー2 は早い段階でフロントのダウンフォースを失い、優勝するチャン
スが無くなりましたが、ポイントを獲得し 2 つのタイトル連覇という最大の目標に近づく事
が出来ました。次戦までの 3 週間を残り 3 レースの準備に充てたいと思います」
。
ポルシェ 919 ハイブリッド(カーナンバー1)のドライバーのコメント
ティモ・ベルンハルト(35 歳、ドイツ)
:
「3 連勝を飾れて嬉しい限りです。シーズン序盤は
我々にとって厳しいレースが続きましたが、今日もミスやトラブルがなくフィニッシュまで走
り切りました。始めのスティントは日が沈む頃だったので視界も悪く難しかったのですが、レ
ースが進み涼しくなるにつれ我々のペースは良くなって行きました。アウディとギャップを詰
めたところで出た FCY のタイミングが私たちのピットインと重なったのもラッキーでした」。
ブレンドン・ハートレー(26 歳、ニュージーランド)
: 「レースは順調そのものでした。ス
タートの高い気温でアウディが有利なのは明らかでしたが、あきらめずに戦い勝つことが出来
ました。暗くなってからのペースは互角だったと言えます。FCY 時の戦略が上手く行きました」
。
マーク・ウェバー(40 歳、オーストラリア)
:
「フェアなバトルが繰り広げられたタフなレー
スでした。ティモとブレンドンは見事な走りを見せてくれました。スタートしてすぐに良いリ
ズムを掴みました。中盤まで状況が変わることはなく、2 台のアウディが速いペースでトップ
を走り続けたのは驚く事ではありません。我々はクリーンなレースでチャンスを待ち、しかる
べき時が来たらプッシュしなければいけない事も分かっていました。しかしアウディにトラブ
ルが起き、FCY にも助けられました。暑い中、クルーはピットストップで素晴らしい仕事をし
てくれました」
。
ポルシェ 919 ハイブリッド(カーナンバー2)のドライバーのコメント
ロマン・デュマ(38 歳、フランス)
:
「スタートを担当した最初のスティントでは気温が高く、
スリックタイヤでウェットを走っているような感覚でした。次のスティントではトラフィック
に阻まれました。全体では 2 度のスローパンクチャーと 1 度のノーズカウル交換でレースを
失いました。ポイントを獲得したと言う意味ではポルシェにとって良いレースでしたが、私た
ちの車両にとってはそうとは言えません。ル・マンでは幸運にも助けられて勝利した分を支払
っているのかも知れませんね。でも、そんな状況もこれで終わるでしょう」
。
ニール・ジャニ(32 歳、スイス):
「最初のスティントでトヨタとバトルを楽しみ、オーバー
テイクも出来ました。しかし様々なカテゴリーのレースが行われ違う種類のラバーが残ってい
たため、グリップに悩まされました。いくつかの場面ではドライブすることさえも難しく、ア
ンダーステアは厳しいものでした。理由は分かりませんが、フロントのダウンフォースを失っ
ていたのです。ノーズカウルを交換した後、幾らかは良くなりました。私はスローパンクチャ
ーで時間をロスするなど、全くツキがないレースでした」。
マルク・リーブ(36 歳、ドイツ):
「最初のスティントではアンダーステアで時間を失いまし
た。フロントカウルを代えたおかげでラバーをピックアップせずに済んだ次のスティントはア
ンダーステアも消えて、だいぶ良くなりました。ユーズドとニューを混ぜて履いたスティント
でも 919 ハイブリッドは素晴らしい走りを見せてくれました。今日は我々の日ではありませ
んでしたが、919 ハイブリッドは高温下でもその高い信頼性を証明しました。
始めのスティントは日が落ち始めた頃だったので、コックピットの温度も問題ありませんでし
た」
。
ポルシェが 911 RSR で参戦する GTE-Am クラスではカスタマーチームである KCMG を駆るポ
ルシェのワークスドライバー、ウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)/クリスティアン・リード(ド
イツ)/ジョエル・カマティアス(スイス)組が 2 位に入り、前戦メキシコシティでの 3 位
に続いて表彰台に登りました。
GTE-Pro クラスを 911RSR で戦うデンプシープロトンレーシングのポルシェ ワークスドライ
バーコンビ、リヒャルト・リーツ(オーストリア)とミカエル・クリステンセン(デンマーク)
はトラブルなくレースを走り切りましたが、6 位フィニッシュとなりました。
<本件に関する読者からのお問い合わせ先>
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