経済数学 (7/22) の略解 今日は, ラグランジュの未定乗数法の演習と, 未定乗数法の経済学への応用につい て学習しました. 問題 14.1 の解答例. (1) x2 + xy + y 2 = 1 ⇐⇒ x2 + xy + y 2 − 1 = 0 に注意し, f (x, y) = xy, g(x, y) = x2 + xy + y 2 − 1, L(x, y; λ) = f (x, y) + λg(x, y) = xy + λ(x2 + xy + y 2 − 1) とおく. L(x, y; λ) の一階偏導関数を計算すると, Lx (x, y; λ) = y + λ(2x + y), Ly (x, y; λ) = x + λ(x + 2y), Lλ (x, y; λ) = x2 + xy + y 2 − 1 だから, Lx (x, y; λ) = 0 (I) y + λ(2x + y) = 0 ⇐⇒ x + λ(x + 2y) = 0 2 x + xy + y 2 = 1. Ly (x, y; λ) = 0 Lλ (x, y; λ) = 0 λ を消去するため, (第一式)×(x + 2y)−(第二式)×(2x + y) を計算して, y(x + 2y) − x(2x + y) = 0. これを整理して y 2 = x2 , 故に y = ±x が成り立つ. これを第三式に代 入する. y = x のとき 3x2 = 1 だから x = ± √13 . y = x だったので, ( (x, y) = 1 1 √ ,√ 3 3 ) ( ) 1 1 −√ , −√ 3 3 , となる. y = −x のとき連立方程式の第三式から x2 = 1, 故に x = ±1. y = −x だったので, (x, y) = (1, −1), (−1, 1) となる. 次に gx (x, y) = 2x + y, gy (x, y) = x + 2y より, gx (x, y) = 0 (II) gy (x, y) = 0 g(x, y) = 0 ⇐⇒ 1 2x + y = 0 x + 2y = 0 x2 + xy + y 2 = 1. (第一式)×2−(第二式) より, 3x = 0, つまり x = 0 を得る. これを第一式に代入して, y = 0. ところが x = y = 0 は第三式を満たさない. 故に, (II) には解がない. 以上より, g(x, y) = 0 の下, f (x, y) が最大値・最小値を取り得るのは, ( ) ( ) 1 1 1 1 (x, y) = √ , √ , −√ , −√ , (1, −1), (−1, 1). 3 3 3 3 これらを f (x, y) = xy に代入してみると, ( ) ( ) 1 1 1 1 1 f √ ,√ = f −√ , −√ = , 3 3 3 3 3 f (1, −1) = f (−1, 1) = −1. この中で一番大きい 13 が最大値, 一番小さい −1 が最小値である. 以上より, x2 + xy + y 2 = 1 の下, xy は • (x, y) = ( √13 , √13 ) および (− √13 , − √13 ) のとき最大値 31 , • (x, y) = (1, −1) および (−1, 1) のとき最小値 −1 を取る. 問題 14.2 の略解. 第一財の量を x, 第二財の量を y だけ購入すると必要な費用は 2x + 5y となる. 予算は 100 だから, 制約条件は, x ≥ 0, y ≥ 0, 2x + 5y ≤ 100 となる. この制約下で u(x, y) = x2 y 3 を最大化したい. つまり, 問題は, max x2 y 3 s.t. x ≥ 0, y ≥ 0, 2x + 5y ≤ 100 となる. プリントの例題 (26∼27 ページ) と同様の考察をすると, max x2 y 3 s.t. x ≥ 0, y ≥ 0, 2x + 5y = 100 (1) を解けば十分である. ラグランジュ関数は L(x, y; λ) = x2 y 3 + λ(2x + 5y − 100) で与 えられる. 未定乗数法でこの問題を解くと, (x, y) = (20, 12) のとき最大値 691200 を 取ることが分かる (詳細略). 第 1 財の価格は 2, 第 2 財の価格は 5 だったので, 第 1 財 に予算 20 × 2 = 40, 第 2 財に予算 12 × 5 = 60 だけ振り分けるのが最善である. 2
© Copyright 2024 ExpyDoc