消化管粘膜癌(胃・⾷道)の内視鏡⼀括切除術 消化管表在癌の内視鏡治療にあたって、内視鏡治療が適切な病変を適切に診断し治療できているか、を反映する。 たとえば「胃・適応外」はそもそも外科治療がなされるべき病変で、諸事情ありやむなく内視鏡治療を選択したと考え られ、断端陰性率が低くとも仕⽅がない。その数が少なくキープされていれば診断は適切になされていると考えられ る。⼀⽅で適応内・適応拡⼤病変は可能な限り完全切除がなされるべきで、件数と断端陰性率とも、より⾼みを⽬指す べきである。 胃・適応拡⼤ 胃・適応内 H27年度(N=56) 98.2% 平成26年度 100.0% 80.0% 90.0% 100.0% H27年度(N=15) 平成26年度 80.0% 0.0% 平成26年度 0.0% 0.0% 10.0% 20.0% 80.0% 92.9% 平成26年度 100.0% 80.0% 90.0% 平成27年度(N=4) 93.1% 90.0% 100.0% 100.0% ⼗⼆指腸 86.4% 平成26年度 90.0% H27年度(N=14) ⼤腸 H27年度(N=44) 83.3% ⾷道 胃・適応外 H27年度(N=2) 100.0% 100.0% 平成26年度 30.0% 50.0% 33.3% 40.0% 50.0% 60.0% 当院値の定義・算出方法 分⼦: 断端陰性切除件数 分⺟:全ESD施⾏件数(N) 規約に基づき、胃は適応内(分化型粘膜癌・2cm以内)、適応拡⼤(潰瘍瘢痕を伴わない分化型・⼤きさ問わず、潰瘍瘢痕を合併する分化 癌・3cm以内、潰瘍瘢痕を合併しない未分化型粘膜癌・2cm以内)、適応外(それ以外)に分けて検討する。ほか⾷道、⼗⼆指腸、⼤腸 ※グラフ中のN数は分⺟の値を⽰しています。 解説(コメント) 消化管表在癌の内視鏡治療にあたって、内視鏡治療が適切な病変を適切に診断し治療できているか、を反映する。 たとえば「胃・適応外」はそもそも外科治療がなされるべき病変で、諸事情ありやむなく内視鏡治療を選択したと考え られ、断端陰性率が低くとも仕⽅がない。その数が少なくキープされていれば診断は適切になされていると考えらる。 ⼀⽅で適応内・適応拡⼤病変は可能な限り完全切除がなされるべきで、件数と断端陰性率ともより⾼みを⽬指すべき、 となる。以上の理由により、本年も1年単位の集計としている。 改善策について 昨年と⽐較してほぼ全領域で断端陰性切除率は向上しており、適応外治療はごく少ないと考える。⼤腸病変は件数が急 増しており、困難症例も多く、治療時間や態勢を⼗分確保する(時間に追われて治療をしない)必要がある。偶発症が 多く、全国先進施設では全⾝⿇酔下で⼿術室での治療が主流となりつつある⼗⼆指腸病変については、今後全国の流れ に追随すべきと考え、態勢整備が望まれる。 ⽂責:消化器内科主任部⻑ 吉村 ⼤輔
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