定例記者会見の概要

定例記者会見の概要
1.日
時
平成28年9月1日(月)10時30分~11時30分
2.場
所
本庁舎3階
3.出席者
第一会議室
<報道機関>
①朝日新聞社南相馬支局 (南相馬記者クラブ会員)
②福島民友新聞社相双支社(南相馬記者クラブ会員)
③福島民報社南相馬支社 (南相馬記者クラブ会員)
④河北新報社相馬支局
(南相馬記者クラブ会員)
⑤毎日新聞社南相馬通信部 (南相馬記者クラブ会員)
⑥みなみそうまチャンネル
⑦南相馬ひばりエフエム
⑧共同通信社 福島支局
計
8
社
< 市側 >
①市長
②副市長
③教育長
⑥復興企画部長
⑦市民生活部長
⑨経済部長
⑩建設部長
⑫小高区役所長
⑬鹿島区役所長
⑮復興企画部理事
計
15人
(司会進行)秘書課長
(会議記録)秘書課広報係
-1-
④直轄理事
⑤総務部長
⑧健康福祉部長
⑪総合病院事務部長
⑭教育委員会事務局長
【市長会見】
市政報告について
皆さんおはようございます。
9 月の定例記者会見ということで、前回の定例記者会見からの出来事、9 月議
会に向けた対応、そして今月行われる様々な行事の予定について報告をいたし
ます。
まず、8 月 29 日、30 日に襲来しました台風 10 号についてですが、幸いにし
て市内で大きな被害は出ませんでした。
気象庁より発表された情報に基づき、市として被害が出ないよう、先行して
避難所を開設しました。
先行避難所開設後に、多くの市民から避難の要望が寄せられたことから、避
難所を追加する対策も取りました。
幸いにして被害が出なかったことから、避難所は台風通過後、早々に閉鎖す
る運びとなりました。
8 月の大きな出来事の一つとして、ペンドルトン市との姉妹都市締結に基づく
協定の内容変更ということで、私は初めてペンドルトン市を訪問し、調印して
きました。
8 月 5 日から 10 日まで 4 泊 6 日の日程で訪米しました。その結果として、内
容はお互いに高校生同士がホームステイしながら交流するという形に、ラウン
ドアップ期間は、ペンドルトン市が非常に忙しい時期だという事で、夏休み期
間に相互に交流するという内容に変更してきました。
8 月 25 日には脳卒中センターが仮オープンしました。
すでに記者の皆さんに報道で取り上げていただきましたが、本オープンにつ
いては、来年の 2 月を予定していますので、改めて地域の基幹病院また、二次
救急病院としての役割を果たすために努力して参ります。
加えまして、内閣改造が行われまして、8 月 22 日には長沢広明復興副大臣、8
月 26 日には山本公一環境大臣が来庁されました。
長沢復興副大臣につきましては、前若松復興副大臣の任務を継承すると同時
に、懸命に南相馬市の解除後の対応についても支援すると言う言葉を頂きまし
た。
山本環境大臣につきましては、南相馬市の除染推進と、中間貯蔵施設への運
搬を順調に行うこと、また低レベル放射性物質の再利用について当市が努力し
ていることを評価いただきました。
また、8 月 29 日には、福島県知事と共に世耕経済産業大臣に対して、放射性
廃棄物の県外での処分を求める要望の申し入れを行ってきましたので、報告と
して申し上げます。
避難指示解除後の小高区の状況については、日々、変化していると言っても
過言ではありません。
8 月 26 日、27 日に復旧・復興に係る市民説明会を行いましたが、その際にも
市民の皆様から生活していく上での再除染の問題ですとか、せっかく診療所が
開設されたにも関わらず、薬局が整備されておらず不便であるとか、大型スー
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パー設置の問題であるとか、新聞の戸配の問題であるとか、具体的な問題を出
していただきましたので、市としても次回の市民説明会開催までには、回答を
すべく積極的に努力すると申し上げてきたところです。
また、市民からどれぐらいの住民が帰ってきているのかとか、限界集落にな
るのではというような声も出されましたが、8 月 26 日現在の安否情報システム
登録者数は 938 人となっています。
警察の調査では、もう少しいるという話もありますが、現時点で安否情報シ
ステムに登録されている方が 938 人で、割合では全体の 8.8%となります。
一時的にと言いますか、日中だけ自宅に戻ってらっしゃる方を含めれば、相
当数の方が、いらっしゃるのではないかと思われます。
市民説明会で出された課題等については、市として努力を重ねて参りますし、
今後、議会においても、対応すべく予算等について、しっかり計上しながら、
議会の皆さんの協力を得て、復興の加速化を図って参りたいと思っています。
9 月 7 日から開会となる 9 月議会においては、補正予算を相当規模上げていま
すけれども、その中でも区域の再生と、南相馬チャンネルのアンテナの増設、
つまりは避難先で見られていた南相馬チャンネルが避難先から帰還したら視聴
できないことから、視聴エリアを拡大して欲しいということが、当初から求め
られていました。
国との調整を図り、理解が得られたことから、今回予算を計上してエリア拡
大に努めるということであります。
教育施設の再開にあたっては、既に小学校の人工芝化であるとか、幼稚園の
修繕であるとか小高区に住むにあたり、また教育施設再開にあたって更に整備
が必要なものについて手当てしているところです。
既に記者の皆さんにお知らせしていますが、帰還された方や高齢者、そして
若者の定住をも含めた対策として、鹿島区で整備を進めているパークゴルフ場
が、10 月 15 日にオープンを迎えます。記者の皆さんには取材をお願いいたしま
す。
また、本日は防災の日になりますが、市では防災訓練を 9 月 25 日に予定して
います。
今年度の防災訓練は小高区をメイン会場として行います。
メイン会場は、小高区小高商業高校となりますが、鹿島区万葉ふれあいセン
ターや、原町区原町第二小学校でも同時並行して訓練をすることとしておりま
すので、お知らせ致します。
加えまして、震災直後より支援いただいている静岡県牧之原市との災害時相
互連携協定を 9 月 27 日に締結することとなりました。
これは、相互に交流も深まっており、協定を結ぶことにより、さらに交流が
加速化するし幅も広がるということで牧之原市の西原市長とも、意見が一致し
ております。
また、市民説明会の中でも周知しましたが、東京電力福島第一原子力発電所
における廃炉汚染水対策の取組状況に関する説明会を設けてほしいという当初
からの要望に応じて、9 月 3 日に経産省エネルギー庁と東京電力の主催により説
明会を開催します。この説明会については私も同席いたします。
-3-
さらに昨年に引き続き、9 月 3 日みちのく鹿島球場で、2016 年イースタンリ
ーグ公式戦プロ野球楽天イーグルス対千葉ロッテマリーンズの試合を開催しま
す。
翌 9 月 4 日は、第 2 回響きあうブラス&コーラスコンサートが夢ハットにて開
催されます。原町高校吹奏楽部、原町第一中学校吹奏楽部やマーチングバンド、
さらには東京佼成ウインドオーケストラ金管五重奏が出場するコンサートとな
っております
以上、報告を兼ねて申し上げました。その他、各部からの報告は各部長より
報告いたします。
【各部からの報告】
●総務部
・第3回南相馬市議会定例会市長提出議案について説明
●復興企画部
・南相馬市の避難指示区域別の世帯数と人口について説明
・南相馬市総合防災訓練の実施について説明
・静岡県牧之原市との災害相互援助協定の締結について説明
・福島第一原子力発電所における廃炉・汚染水対策の取組状況
に関する説明会の開催について説明
●市民生活部
・第2回響きあうブラス&コーラスコンサートの開催について説明
・東北楽天ゴールデンイーグルス vs 千葉ロッテマリーンズの開催について
説明
●経済部
・平成28年度ペンドルトン市訪問について説明
【質疑応答】
質問 1:
小高区商業施設整備事業についてですが、こちらは市が設置を行うという話
でしたが、具体的な内容や概要を教えてください
回答 1:小高区役所長
小高区商業施設整備事業ですが、いわゆるスーパーの整備です。
予算額は 7,239 千円を計上しまして、基本設計と地質調査を行う内容となっ
ています。
これまでの市民説明会や座談会等で、そういった施設が欲しいという声に応
えるものです。
生活の利便性を高め、帰還意欲の向上を図ります。
運営形態については公設民営を予定しており、経営等については候補事業者
-4-
と水面下で協議を進めているところです。
質問2:
避難指示区域の人口の点で確認させてください。447 世帯 938 人というのは避
難指示解除後に戻った世帯(人員)という事で考えてよろしいのでしょうか。
その上で、解除から約 1 か月半が経過して、市長はどんな印象をお持ちなの
か伺います。
回答2:市長
準備宿泊と特例宿泊を合わせると概ね 1 年以上経っているのですが、その間
に準備登録宿泊者は 2,000 人を超えていました。
しかし、解除後に集計した人数は 938 人でした。
先程、率にして 8.8%と申し上げましたが、多いか少ないかということで言え
ば、解除した他の自治体と比べれば多いのではないかと思います。
しかし、住民の立場から見ればまだまだという風に思っています。
私個人としては、戻ろうとしている人たちも増えてきているのではないかと
思います。
すぐには戻れないという声が市民説明会でもあったように、家を建てるにも 2
年待ちと言われてなかなか進めないことや、様々な事情がありますので、現在
938 人が多いか少ないかという数字については、よく皆さんここまで戻ってくだ
さったという思いでありますし、前回 3,000 人を年度内の目標にと申しました
が、これに向かっては、来年 4 月には小・中学校、高校が再開されます。そう
すると合わせておおよそ 1,000 人とは言いませんが 800 人程度の小・中、高校
生が学校に通学しますので、そこに住む小・中高校生は全てとは言えませんが、
小高区内での活性化という点では賑わいが倍増するのではないかと思っていま
す。
当時、震災直後の南相馬市で、子供達が全くいなくなった状況から、緊急時
避難準備区域が解除される前に除染を行い、学校を再開し、学校が再開してか
ら子供達の姿を見て元気が出てきたということを考えれば、小高区の皆さんに
とっては小・中学校、高校の再開というのが、ある意味で大きな弾みになるの
ではと感じておりますし、商店街についても、子供達が買い物をして、食事も
取るでしょうから、そういう意味では、商売をされている人たちに対しても活
性化に繋がると思います。
大型店舗やスーパーの問題についても、我々が急ぎ準備をしているのは、帰
還した人達に対してもですが、来年度にはさらに購買が伸びるだろうと予測さ
れますので、準備を急いでいるところです。
付け加えて申し上げれば、エンガワ商店街の購買単価が徐々に上がってきて
います。
来年度は、子供たちの帰還や現状の帰還者の状況も含めて、段階が上がって
行くのではないかと期待しているところです。
質問3:
避難指示区域別の世帯数と人口について、ニューカマーと言うか新規に入っ
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てくる人達の数はその数に含まれるのでしょうか。
回答3:市長
今のところは入っていませんが、東京電力も小高区に事務所を開設しました。
東京電力をはじめとする事業者の皆さんからは、小高区内で住める場所をなん
とか提供して欲しいという要望もありますので、我々を通じてそういった住環
境を整備して、空き家・空き地バンクとの連携も含めて提供できるような状況
を作り出していきたいと思っています。
質問4:
除染の作業員の宿舎や、そういった関連事業者の宿舎は小高区内にあります
か。数も分かれば教えて下さい。
回答4:市民生活部長
小高区内に宿舎として登録している建物はございません。今後は登録される
ことも想定されます。
質問5:
市内で 1 世帯、帰宅困難区域に指定された世帯の方がいらっしゃいますが、
その扱いについて国にどんな要望を出しましたか。
回答5:市長
国が言っている帰宅困難区域の問題は浪江より南の地域についてであり、南
相馬市と状況が違います。
と申しますのは、最初から帰宅困難区域を設定された一世帯については、震
災後早い段階で、市内で転居されています。
帰宅困難区域のほとんどは山林地帯なのです。
山林の除染をしっかり進めていただくことと、他の自治体での拠点整備を進
める事は、当然、自治体の要望でもありますから、我々としては住んでいる南
相馬市、そしてスマートインターチェンジのアクセスの問題であるとか、先程
申し上げたような生活環境で問題のある、要するに戻ってきたからこそ発生し
た課題について、国が責任を持ち積極的な対応をして欲しいと要望を出してい
ます。
小高区は幸い、避難指示解除準備区域が拠点といえば拠点だった訳で、他の
自治体との関係で言えば、この違いは大きいと思います。
国に対しては、他の自治体の要望はそれぞれに受け入れて欲しいし、本市の
ように、解除した自治体については、現在抱えている問題と、先程申し上げた
交通インフラの問題も含めた整備についての対応をしてほしいと要望していま
す。
質問6:
今後、立ち入りできない状況が、今後十数年、あるいはどれ位になるか判ら
ないが続いていくと思います。その区域に立ち入れない状況をどう思いますか。
回答6:市長
立ち入れない状況と言いますか、市として除染は進めて欲しいと言っている
-6-
わけで、どの自治体も拠点だけの除染でいいとは言ってないのです。当初は除
染をしないという話でしたが、帰宅困難区域の除染を積極的にした上で、事故
以前の環境を取り戻す作業に着手していただきたいと思います。
質問7:
商業施設について時間軸と規模感についてわかれば教えてください。
人口については、帰還率ということで 8.8%という数字が出ましたが、これは
フォーマットがあるのかどうかわかりませんが、3.11 時点の約 12,000 人を元に
するともう少し帰還率としては下がるのではないでしょうか。
その時の帰還率というのは、28 年 8 月段階の住民登録数で数えるのが適切と
お考えなのでしょうか。
回答7:市長
後の質問よりお答えしますが、3.11 時点の数を元にするかというところです
が 3.11 時点の人口を分母とすると非常に混乱がおきます。と言うのは、震災や
津波で亡くなられた方 636 人と、関連死の 486 人を合わせると 1,122 人となり
ます。
社会減としての状況を含めると、合わせて約 5,000 人となります。つまり約
71,500 人から約 5,000 人引いた数字が、現在の分母の数となるわけです。
亡くなられた方たちを帰還したという扱いにする訳にはいきませんので、こ
ういったことも含めて考えなければならないわけです。
現在は 12,000 人弱の分母となるわけですが、これには転出した方も入ってい
ます。
亡くなられた方だけではなく、転出した人も含めて帰還を促す訳にはいかな
いので、現実的には現在の住基上の人数から帰還した人数を出した方が現実だ
ろうと言うことで、8.8%という数字を出しています。
最初の質問については、市民からスーパーを設置してもらいたいと言われて
続けています。
皆さんもご存じの原町区大町マルシェも徐々に売上が伸びています。
1 日の販売額が概ね 30 万という目標に近づいています。
大町マルシェの規模は買い物に不便がないという状況で、小高区のエンガワ
商店と異なります。
市としては、大町マルシェの規模感を少し大きくした程度で、当面は十分で
はないかと考えています。
例えば小高区のダイユーエイトを、そのままの規模で再開したところで、住
民がいないわけですから、経営する事業者にとっては辛いことだと思います。
市として、スーパーとしての機能を備える現実的な対応をしていきたいと考
えていますし、コンビニ等の民間業者の動きもあるようです。
そうすると、そういった民間業者が店舗展開を始めると、スーパーとのダブ
ルブッキングのような状態も考えられますから、ミスマッチが発生しないよう
に、経済部と小高区役所で調整を重ね規模感を考えて対応していきます。
質問8:
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コンプリートなものではないということですか。
回答8:市長
コンプリートはされていません。
質問9:
時間軸としては、いつ頃になりますか。
回答9:市長
時間軸としては、市民説明会では来年 2 月の説明会の際に答えを出したいと
発言したように、そこまでに答えを出せるように努力をしているという所です。
形を作るということではありません。
質問10:
オープンはいつ頃ですか。
回答10:市長
オープンは早急にしたいと考えています。
質問11:
では、そこもコンプリートではないということですか。
回答11:市長
業者との交渉もしているのですが、結局は人員が確保できないのです。
要は働き手です。公設とするのはいいのですが、どこの業者も働き手を確保
できないという点が一番の問題です。これはコンビニも同じです。
働き手を確保できれば、それほど時間はかからずオープンできるのですが、
そこが確実に確保できないところに事業者の一番の悩みがあるのです。
質問12:
そもそも、その山の難しさは、商圏人口よりも労働力確保と言う事ですか。
商圏人口 3,000 人が必要とおっしゃいましたが、そうではないということでし
ょうか。
回答12:市長
現時点での最大の問題点は、従業員の確保です。
我々が商業展開する上で、最低限公共事業的な発想で展開したいと考えていま
す。要は、エンガワ商店をもっと大きくしたいと考えていますので、問題点は
従業員の確保となります。
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