第124回 金融業務能力検定(2016年9月11日実施) 《模範解答》 ・法務上級 ※配点は、特に記載のない限り、公表しておりません。また、配点・試験の内容に関す るお問合せには、お答えできません。 ※合格発表は、10月24日の予定です。 一般社団法人 金融財政事情研究会 検定センター 〈合格基準〉100 点満点で 60 点以上 【第1問】(10 点) 《問1》 4) 《問2》 2) 《問3》[解答例] ① 隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。 ② ・結論 有効である。 ・理由 意思表示の到達主義を定めた民法 97 条は任意規定であり、当事者間の合意により これと異なる特約をした場合、その特約が優先され、また、普通預金規定では、 一般に、届出事項の変更につき、預金者に届出義務を課したうえで預金者がこの 義務に違反した場合の免責を定める等しており、本問のような特約も有効と解さ れるため。 【第2問】(10 点) 《問4》 4) 《問5》 3) 《問6》[解答例] ① 反対債権により相殺予定 ② 最終的に訂正はしているものの、最初に行った陳述は過失により事実に反する陳述 を行ったものであるから、それによって債権者に損害が生じた場合、その損害につ いて、X銀行は損害賠償責任を問われることがある。 1 【第3問】(10 点) 《問7》 1) 《問8》 2) 《問9》[解答例] ① 「取締役会承認等不存在」を理由とする不渡は第2号不渡事由に該当する。 ② 当該約束手形の振出につき取締役会の承認を受けていなかったことのほか、当該手 形はB社からその取締役Cに宛てて振り出されたものであり、かつ、その振出につ き取締役会の承認がなかったことについてX銀行が悪意であったこと。 【第4問】(10 点) 《問10》 3) 《問11》 2) 《問12》[解答例] ・結論 請求できない。 ・理由 BからCへの手形の譲渡は隠れた取立委任裏書に該当するが、隠れた取立委任裏書の 目的は取立委任にあるので、裏書人と被裏書人の関係では、BはCに対して担保責任 を負わない。 【第5問】(10点) 《問13》 4) 《問14》 1) 《問15》[解答例] ① 預金等と誤認すること。 ② ・預金等ではないこと ・預金保険の対象とはならないこと ・元本の返済が保証されていないこと 2 【第6問】(10 点) 《問16》 1) 《問17》 4) 《問18》[解答例] ・結論 2回目に貸し付けた 1,000 万円の貸付債権 ・理由 銀行にとっては、無担保の貸付債権よりも有担保の貸付債権のほうが回収可能性が高 いため、相殺に際しては、まず無担保の貸付債権を相殺の自働債権として、有担保の 貸付債権を残しておくほうが有利である。 【第7問】(10 点) 《問19》 4) 《問20》 3) 《問21》[解答例] ① 時効中断の相対的効力 ② ・主たる債務者に対する時効の中断は、すべての保証人に対して効力を生じる。 ・連帯保証人に対する請求は、主たる債務者に対しても時効中断の効力を生じる。 【第8問】(10点) 《問22》 4) 《問23》 2) 《問24》[解答例] ① 普通抵当権では、残存元本および利息・損害金の(満期となった)最後の2年分に ついてのみ優先弁済権があるが、根抵当権では、利息・損害金についての(満期と なった)最後の2年分という制限はなく、残存元本および利息・損害金を合わせて 極度額まで優先弁済権がある。 ② ・結論 1億円 ・理由 根抵当権における極度額の定めは、単に優先弁済権の範囲にとどまらず、根抵当 権者の目的物に対する換価権能の限度を画するものであるから。 3 【第9問】(10点) 《問25》 3) 《問26》 3) 《問27》[解答例] ① 各テナントからA社に賃料が支払われる前に、賃料債権の差押えをする必要がある。 ② ・結論 物上代位することができる。 ・理由 債権譲渡は、物上代位権行使の要件である「払渡し又は引渡し」に含まれず、ま た、抵当権は、債権譲渡より前に登記され、第三者に対する対抗要件を具備して いることから、銀行の物上代位権が優先するとされるため。 【第10問】(10点) 《問28》 2) 《問29》 4) 《問30》[解答例] ① 別除権とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき抵当権等を有 する者がこれらの権利の目的である財産について、破産手続によらないで行使する ことができる権利のことである。 ② ・別除権の目的である財産 ・別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額 4
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