鹿 病 防 第 2 5 号 平成28年9月13日 各関係機関の長 殿 鹿児島県病害虫防除所長 平成28年度技術情報第14号(カンキツ類の黒点病)について(送付) カンキツ類の黒点病の発生が,過去10年間で最も多くなっています。秋雨により後期感染のしや すい時期のため,枯れ枝のせん除や薬剤散布等の適切な管理に努めてください。 平成28年度技術情報第14号 1 対象害虫 黒点病 2 対象作物 カンキツ類 3 発生地域 県本土・熊毛 4 発 生 量 多 5 情報の根拠 (1)8月の調査で発生ほ場率65%(平年33%)発病果率7.1%(平年2.9%)と平年の約2倍高い。 (2)鹿児島地方気象台が9月8日に発表した向こう1ヶ月の気象予報によると,九州南部の降水 量は平年より多いと予想されており,黒点病の感染に好適な条件が見込まれ,今後増加するこ とが懸念される。 発病果率 発生ほ場率 発病果率 本年 平年 本年 前年 平年 50 100 発 80 生 ほ 60 場 率 40 % 20 7月 8月 9月 10月 80 40 60 30 40 20 10 20 10 0 0 発 生 ほ 場 率 % 10月 発 病 果 率 % 0 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 黒点病の発生ほ場率と発病果率 (果実,県本土,熊毛) 400 本年 300 前年 200 平年 ※地域平均平年比は, 100 ( % 10月 50 黒点病の発生ほ場率と発病果率 (果実,県本土・熊毛) 降 水 量 の 平 年 比 8月 100 40 発 病 30 果 率 20 % 0 発生ほ場率 8月 天候監視のための指 0 上旬 中旬 6月 下旬 上旬 中旬 7月 下旬 上旬 中旬 下旬 8月 ) 九州南部地域の降水量の平年比 上旬 中旬 9月 下旬 上旬 中旬 10月 下旬 標。地域内の各気象 官署の平年比を平均 (気象庁) 6 防除上注意すべき事項 (1)伝染源は枯れ枝で,果実の感染は落花直後から収穫期までの主に梅雨期と秋雨の頃に一定時 間以上濡れていることで起こる(28℃で8時間以上,20℃で12時間以上)ため,枯れ枝を可能な 限りせん除し,園外へ持ち出して処分する。 (2)本菌は主枝や幹に発生する樹脂病や貯蔵果実に発生する軸腐病も引き起こす。 (3)薬剤の残効は降雨量と散布後日数の影響を受けるため,次回の散布は累積降水量250~300mm を目安に行う。ただし,累積降水量がこれより少なくても1ヶ月程度経過したら次の散布を行う。
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