平成 28 年度茨城県農業総合センター流動研究員研究課題 1.研究課題名 「ミズナ周年栽培圃場における立枯れ症の発生実態の解明と土壌消毒効果の実証」 2.研究の背景・目的 本県は全国第 1 位のミズナ(キョウナ)産地であるが,周年栽培(年 5~7 作)で 連作される圃場では立枯れ症の発生により減収を招いている。特に夏季における栽培 で被害が大きく,夏季の出荷量を維持するのに苦慮している。そこで,周年栽培のミ ズナ現地圃場で発生する立枯れ症の発生消長および原因病害虫を明らかにするとと もに,症状の主原因となる病害虫に対する春~夏季の還元型太陽熱土壌消毒(以下, 「土壌消毒」という。 )の防除効果を明らかにする。 3.研究内容 (1)現地圃場において,立枯れ症の発生推移を調査し,発生実態を解明する。また, 植物病理学的手法を用いた微生物の分離・同定,並びに病原性検定により原因病害 虫を解明する。 (2)所内圃場において,春~夏季における土壌消毒の防除効果を解明するため,処理 後の作付けごとの立枯れ症の発生程度及び立枯れ症の原因の一つである萎凋病菌 (Fusarium oxysporum f. sp. conglutinans)の菌量の推移を調査する。なお,菌 量は直接定量することが困難なため,萎凋病菌の硝酸塩利用能力を欠損させた株 (nit 変異株) を, 選択培地を用いて間接的に定量する平板希釈法により調査する。 (3)現地圃場において,土壌消毒の防除効果を実証するため,処理後の作付けごとの 立枯れ症の発生程度および病原菌の菌量の推移を調査する。なお,菌量の調査にあ たり,予め,ポット試験により土壌中に含まれる病原菌の菌量と播種したミズナの 発病程度の関係を明らかにして,発病程度から病原菌の菌量を簡易に推定できる生 物検定法を開発し,この方法を用いて土壌消毒の持続効果を評価する。 4.研究期間 平成 28 年度~30 年度 5.試験研究の年次計画 ミズナの立枯れ症対策 細目課題 (1)立枯れ症の発生実態の解明 (2)春~夏季における土壌消毒 の防除効果の解明(所内) (3)土壌消毒の防除効果の実証 (現地) 試験研究年度 28 29 ○ ○ ○ ○ 細目課題の研究内容 30 ○ ・立枯れ症の発生推移及び植物病理学 的手法を用いた原因病害虫の解明 ・土壌消毒後の立枯れ症の発生程度及 び病原菌量の推移の調査による防除 効果の解明 ・土壌消毒後の作付けごとの立枯れ症 の発生程度の調査及び生物検定法の 開発とこれを用いた菌量推移の調査 による土壌消毒の持続効果の評価 6.必要とされる実験技能及び知識 植物病理学に関する知識と植物病原菌の実験に関する技能
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