睡眠と覚醒の状態から傾眠の A 氏が適切な睡眠を掴むまで ~排泄と睡眠リズムの相関関係~ (筆頭演者)木村久雄 介護福祉士 (共著者)谷口慎一郎 介護福祉士 介護老人福祉施設 新いなば幸朋苑 【はじめに】不眠の原因は多様であり、適した対処が必要である。傾眠の利用 者に眠りスキャンを用い、睡眠と覚醒の状態を調査、排泄ケアを見直し夜間の 睡眠時間を増加し生活意欲の向上へ繋げる試みを実践した。 【方法及び結果】A 氏は、夜間に独語・体動がみられ、昼間は傾眠で食事がす すまない日が続き、原因を探るため睡眠/覚醒リズムをモニターした。夜間の 0 時から朝方までの覚醒が 5 日間、0 時から 3 時までの覚醒が 3 日間確認でき た。原因はパッド内に排尿が見られた事と上下肢湿疹の痒みであった。パッド 内の排尿を減少するため、ゆりりんで膀胱の蓄尿量・排泄量・残尿量を測定し トイレ案内時間とパッド交換時間を見直した。湿疹には、就寝前の軟膏塗布を 励行した。排泄との相関関係を確認するためノム・ダス・ハカル定時測定と眠 りスキャンの結果から、①トイレ案内後の入眠を妨げないようトイレに座る時 間を 5 分間とする②19 時・23 時・2 時に膀胱内蓄尿量が多いためパッド交換を 実施するとした。改善したケア効果を確認するため、再度眠りスキャンで睡眠 状態をモニターした結果、夜間の体動が減少し睡眠効果率が 63%から 79%と 増加、夜間良眠できたことで昼食の摂取量が増加した。 【まとめ】本症例で排泄ケアは睡眠リズムと関係深いことが示唆された。認知 症利用者の睡眠リズムを掴むことは容易でなく、データを活用し利用者に合っ た支援を実践することが重要であると考える。
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