車輪・レール間の粘着 アルストムが初の SRS 方式の架線レスシステムを

車輪・レール間の粘着
原題:Kraftschluss
Rad/Schiene
●著者・所属:Dieter Jaenichen ; ドレスデン工科大学 , 軌道・車両研究部・教授 , ドイツ
●誌名:EI: Eisenbahningenieur Vol.66 No.12(2015-12) pp.20-24
●言語:独語 ●原文中図:7 ●表:0
車両のブレーキは車輪・レール間の摩擦と深く関連する
状態と湿潤状態のレールにおける、制輪子ブレーキ方式
システムであり、摩擦により生じる粘着力に大きな影響
の車両とディスクブレーキ方式の車両における粘着力の
を受ける。粘着力は、車輪やレールの形状と寸法、接触
ばらつき状況を示している。また、確率密度関数的な特
面における相対的な動き、接触面間に存在する中間膜の
性を有する車輪・レール間の粘着力と滑りの関係も示され
特性などによって、利用限界値は大きく変化する。一般
ている。粘着力の改善のための撒砂には速度上の制約が
的な車両のブレーキとしては、制輪子、ディスクおよび
ある。これら多くの課題を有する車輪・レール間の粘着問
電気方式があるが、欧州技術仕様 TSI LOC&PAS では 30 ∼
題解決には、最近の摩擦関連の知識を基礎としたミクロ
350km/h の領域で運行する機関車や旅客車の粘着係数を
とマクロ的立場に立った接触メカニズムや接触面の中間
0.15 としており、特殊な運行条件や制動機能付き車輪が
膜の化学的特性に関する研究、ならびに不利な気象条件
車
少ない場合は 0.13 ∼ 0.17、電気油圧式ブレーキに対して
下でも適切なブレーキ距離を確保するための研究などを
両
は DIN EN16185-1 では 0.2 以下としている。SNCF は乾燥
より深めていく必要がる。
SNCF の調査研究にもとづく速度と粘着係数のばらつき領域
確率密度関数的な特性を有する車輪・レール間の滑りと粘着力
出典 EI: Eisenbahningenieur
出典 EI: Eisenbahningenieur
アルストムが初の SRS 方式の架線レスシステムを受注
原題:Alstom
wins its first SRS order
●誌名:MRI: Metro Report International Vol.29 No.4(2015-12) p.46
●言語:英語 ●原文中図:1 ●表:0
ニースの 2 番目のトラムで、アルストムの SRS(静止型
充電システム)が採用されることが決まった。同社は APS
方式による架線レストラムを既に 354 編成納入している。
SRS は運転中に連続的に充電する APS と異なり、停車中
に車両の集電靴を介してスーパーキャパシタに充電する。
そのため充電電力は APS より大きいので、車両側の機器
は大型化するが、地上設備費は少なくて済む。アルスト
ムは、線区の状況により両方式を使い分けて売り込む方
針である。営業開始は 2018 年の予定である。
アルストムは 2015 年初めのミラノでの UITP(国際公共交通連合)の展示
会で SRS システムを展示した
出典 MRI: Metro Report International
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World Railway Technology 2016.4