The Daily NNA中国総合版【CHINA Edition】 第04895号

[14]The Daily NNA 中国総合版【CHINA Edition】 第 04895 号
2016 年(平成 28 年)5 月 10 日(火)
従業員に対する金銭処分の合法性
規律違反の場合
第 128 回(執筆担当:厳静安)
一部の企業は「従業員手帳」など社内規則を制定す
る過程で、特定の状況において規律違反従業員に罰金
を科すことができると規定しています。このような規
定は合法でしょうか?
国務院が 1982 年に公布した「企業従業員の賞罰条
例」第 12 条は、「従業員に対する行政処分を、警告、
過失記録、重過失記録、降格、免職、留用観察、解雇
に区分けする。前記行政処分を科すと同時に、一括性
の罰金を科すことができる。」と規定していました。し
かし、本条例は 2008 年に廃止されたため、現在企業が
従業員に対し行政処罰を科す法律依拠はありません。
また、罰金という言葉は強い行政介入的な特徴を有し、
現代社会の従業員と企業は市場において平等な地位の
主体であるという精神に適さないため、企業は社内規
則の中に「罰金」という言葉を使うことを避けるべき
です。
では、企業は規律違反従業員にいかなる金銭的な処
分も科すことができないのかというと、そうではなく、
企業はその所在地の地方法規または規則に厳格に基づ
き処理するものとし、多くの地方では、規律違反従業
員に対し「賃金控除」できると認めています。但し、
例外もあります。 <筆者紹介>
労働法チーム担当パートナー:陳軼凡、王林柱、董
輝、翁維維、袁凱、諸韜韜、孫海萍
上海労働法チーム:紀樺・厳静安・徐開元・殷利
華・紀悦穎・朱誉鳴・黄翼ミン
北京労働法チーム:盧偉・饒春紅・許文実
広州労働法チーム:陸雅麗
世澤法律事務所は北京・上海・広州・香港・東京に
拠点を展開。主な業務分野は、外商直接投資および
M&A、企業日常法務、労働問題などが挙げられま
す。
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