人類最凶の敵!「蚊」撃退大作戦!

《印刷用》ガッテン!:人類最凶の敵!「蚊」撃退大作戦!
NHK総合テレビ 毎週水曜日・午後7時30分から放送中
http://www.nhk.or.jp/gatten/
人類最凶の敵!「蚊」撃退大作戦!
2016年08月31日放送
今回の番組について
「かゆい!」「うるさい!」。これからの時期、極めつきに煩わしい「蚊」
を撃退するにはどうすればいいのでしょうか?
実は今、世界中で蚊の撲滅作戦が進んでいます。その理由は、デング熱や日
本脳炎などを感染させ、毎年100万人以上が蚊によって命を落としている
から。
そこでガッテンは、蚊を本気で撃退するワザを世界中からかき集めました!
ビルゲイツが5兆円を投じて開発した超ハイテクマシーンから、ティッシュ
1枚で驚きの効果を発揮する超ウラ技まで。
さらには市販の「虫除け剤」の落とし穴と本当に効果的な使い方も!
蚊に刺されないためのワザの数々、是非、以下のお役立ち情報をご覧下さ
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い。
今回のお役立ち情報
蚊の活動はこれからが本番!
実は、蚊の活動がもっとも盛んになる気温は25∼30℃(だから真夏は朝
晩よく活動します)。少し過ごしやすくなってくる9月∼10月が、蚊に対
する対策が一番必要な時期なんです!
日本国内でも、蚊による感染症の危険
世界ではマラリアやデング熱など、蚊が運ぶ様々な感染症で、毎年100万
人が死亡しているといわれています。日本でも近年デング熱やジカ熱の感染
者 が出て大きなニュースになりましたが、実はほかにも要注意の病気があり
ます。それは「日本脳炎」。蚊が運ぶウイルスで感染し、発症すると死亡率
が4割にも なる恐ろしい病気です。
最近は国内での死亡例は減ってきていますが、山口大学 共同獣医学部の前田
健教授が全国の家庭で飼われているペットの血液を調査したところ、全国平
均で4割ものペットがウイルスに感染していることが分かりまし た。ペット
からウィルスを受け取った蚊に刺されると、こうした感染症をうつされる可
能性があることを知っておきましょう。
蚊に刺されやすい人のカギは「足の常在菌」!
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蚊に刺されやすい妹を助けたいと、独自に研究を行ってきた京都教育大学附
属高校2年の田上大喜(たがみだいき)くん(16)。妹のいったい何に惹
かれて蚊が集まるのかを様々な実験で調べたところ、靴下に蚊が反応し、盛
んに血を吸おうとする行動を起こすということを発見しました。
さらに田上君は、多くの人の足の「常在菌(じょうざいきん※)」を培養し
てみました。すると蚊に刺されやすい人とそうでない人とでは常在菌の種類
が大きく異なっていることをつきとめました。蚊に刺されやすい人は足の
『常在菌の種類が非常に多い(多様性が高い)』ことが分かったのです!
専門家によると、人間が鼻でかぎ分けられるいわゆる「匂い」とは別に、一
部の常在菌が出す脂肪酸などの化学物質や、その割合が『蚊を興奮させ、血
を吸う行動をひきおこす』のではないか、ということです。
【※常在菌=健康な人の皮膚に必ず存在する菌。それ自体はまったく体に害
を与えるものではない。いわゆる腸内細菌のように、人によって菌の種類や
数の割合が違う】
蚊に刺されないワザは「足裏を拭く」
蚊に刺されやすい理由が、足の菌にあるのなら、その菌をきれいに除菌して
しまえば、蚊にさされにくくなるのではないか?
そこで田上君のアドバイスで妹さんがアルコールをつけたティッシュで、足
首から下をよく拭いてみたところ、驚くべき効果がありました!
蚊が多い裏山に5分間いたところ、何もしなかったときは81か所も刺され
たのに、足を消毒した場合は、刺された数が3分の1に減ったのです。
効果が期待できるのは数時間。蚊がいる場所に出かける直前に足を消毒すれ
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ば、蚊に非常に刺されにくくなります。
※石鹸で足の指の間などを洗うだけでも効果はあります
※消毒の効果がどのくらい続くのかは、人によって大きく違うと考えられま
す
自然番組スタッフ直伝!「ハッカ油」の効果
世界中の秘境で過酷な撮影を行うNHKの自然番組班では、長年蚊に悩まさ
れ続けたスタッフの間である裏ワザが伝わっていました。それが足や手、首
筋に「ハッカ油」をつける、というもの。ハッカ油の独特の香りが、蚊をよ
せつけなくする効果があるのです。
ハッカ油は打ち身やねんざの薬として、どこの薬局でも売られていま
す。
直に塗るのではなく、薄めてスプレーするのが効果的です。
(例:精製水90ml、消毒用アルコール10ml、ハッカ油
20∼30滴)
※揮発しやすく、効果が続く時間が短いので、スプレーを持ち歩いてこまめ
に使うことをオススメします。
市販の蚊よけ剤を賢く使おう!
いわゆる「虫よけ」として市販されているものは、大きく3種類に分けられ
ます。
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1. 「いやがる香り」・・・「ハッカ油」などをはじめ、「シトロネラ」
「ユーカリ」「レモングラス」などのハーブや、「ヒノキ油」など。蚊
が強い香りを嫌がって近寄らなくなる。薬品ではないので、比較的体に
優しい一方、効果の持続時間が短めなので、こまめに使うとよい。
2. 「殺虫」・・・蚊取り線香に代表されるよ うな、虫を直接殺す作用があ
る薬剤。直接衣服にかけるタイプ、軒先につるすタイプ、衣服自体に成
分を練りこんであるタイプなど様々ある。成分としては「ピ レスロイ
ド」「トランスフルトリン」など。殺虫剤なので皮膚に直接かけること
は避ける。
3. 「目隠し」・・・一番数多く売られているタイプ。成分は「ディート」
や「イカリジン」など。皮膚に塗ることで蚊のセンサーを騙し、塗った
部分をヒトだと分からないようにしてしまう効果がある。ただ、効き目
のある範囲が極めてせまく、塗り残しがあるとその場所を狙って刺され
てしまう。手で塗り伸ばすなどの工夫が必要。持続時間が4∼6時間と
長く、きちんと使えば効果が非常に高い。
※「虫よけ」は必ず使用上の注意をよく読んで使いましょう。
※特に「殺虫」タイプを体にかけてしまうケースが増えています。殺虫成分
の「ピレスロイド」「トランスフルトリン」などの表示がある商品は、絶対
に皮膚にかけないように注意しましょう!
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