アスター基本情報

1731 年にカトリック教の神父ダンカルピーユによりタネが中国からフランス
の植物園に送られ、最初の育種が始まりました。その後ドイツへ、アメリカへ
と渡り、日本に渡来したのは江戸時代と言われています。
現在は1輪の大輪系アスター「シャギー」も登場し日々進化しています。
今回はこの「アスター」のソコをお伝えします。
― アスターのポイント ―
① 定植から採花まで
2か月
基本作型は4月に播種し、5月~6月ごろ定植、7~8月採花
現在、技術革新のため周年栽培が可能
② どう乗り越える?連作障害の壁
③ 葉姿 しっかり下葉が処理されているか(輸送中の蒸れ防止!)
アスター基本情報
原産地:中国東部
カリステフスの意味は「美しい王冠」
科:キク科
下図で比較してもアスター属より
属:カリステフス属※
王冠のような形をしていますね。
和名:エゾギク
※以前はアスター属に含まれていましたが、現在はカリステフス属に分類されています。
アスター属の原産地は北アメリカと異なります。
アスター属に含まれるのは「クジャクソウ」
「ミヤコワスレ」
「友禅菊」など。
カリステフス属
アスター属
市場ではアスターと呼ばれる。
市場ではアスターとは呼ばれない。
アスター栽培現場
作型(北部産地の栽培例)
1月
2月
3月
4月
5月
6月
播種
無摘心
定植
採花
播種
無摘心電照 定植
電照
採花
播種
定植
摘心電照
摘心
電照
採花
7月
1
8月
9月
10月
11月
12月
2
1
2
1
2
現在、栽培技術革新により周年栽培が可能になり、市場にも周年出荷いただいています。
短日期の栽培、採花では草丈をとるために 16 時間以上の長日処理が必要なため電照を行います。
長短日植物
多くの植物と異なり、アスターは長短日植物で開花のためには長日条件・短日条件両方を必要とします。
開花に両条件必要とは、光に敏感なんですね。
花芽形成
花芽発達
2つの条件
長日条件
短日条件
条件
が揃って
開花!
大田花き
長日条件・短日条件とは
長日条件・・・・連続した暗期が一定時間(限界暗期)より短くなる条件
長日植物とは長日条件で花芽が形成される植物のこと
日が当たる時間が伸びてきたぞ。
開花しよう。
(春咲きする植物に多い:
アブラナなど)
短日条件・・・・連続した暗期が一定時間(限界暗期)より長くなる条件
短日植物とは短日条件で花芽が形成される植物のこと
日が当たる時間が短くなってきたぞ。
開花しよう。
(秋咲きする植物に多い:キク、コスモスなど)
どう乗り越える?連作障害の壁
連作障害とは
アスターは連作障害を引き起こします。
同じ場所で同じ植物を連続して、繰り返し
育てると生育が悪くなり、病害などの障害
を引き起こす現象を指します。
健全個体
罹病個体(萎縮病)
フザリウム菌
個体
同じ場所で連作することにより土壌糸状菌であるフザリウム菌が発生し、萎縮病を引き起こします。
フザリウム菌は土壌中で生息する菌ですので土を使わない栽培が研究されてきました。
そこで!
福岡県田川市で実施されているのは水耕栽培!
土を使わない栽培
フザリウム菌
土ではなく、アクアフォームを基盤とした
アクアフォーム溶液栽培が実施されています。
アクアフォームとは吸水性スポンジを砕いたよう
なもので土と違い無機質な物質です。
これではフザリウム菌も生息できないため
連作障害を乗り越えられますね!
施設内土足厳禁
下葉処理
ただし、水耕栽培は栄養たっぷりな溶液を使用するため病原菌が入ることは厳禁!
病害・蒸れの防止に下葉を処理し、栽培施設の中は土足厳禁など細心の注意を払って栽培されています。
年間の入荷量の推移
80%
70%
60%
50%
40%
松本シリーズ
30%
アレンジメントアスター
20%
10%
0%
大輪系アスターはお盆の時期に向けての出荷がメインですね。
アスターチェックポイント!
葉姿
アスターにおいて問題が発生するとしたら葉。
当社でもアスターが返品される理由として葉に関するクレームが
ここ 3 年でもトップです。
アスターは下葉の処理が重要となります。
それは、花よりも葉から悪くなる性質があるからです。
下葉がしっかり処理されていると
輸送中の蒸れ防止にもなります!
下葉すっきり
また、葉姿で気を付けてほしいのはサビ病・・・
葉にオレンジ色のぼつぼつがあれば
それはサビ病を罹病しています。
雨滴などで飛散し胞子が伝染し感染します。
防除としては雨除け栽培の実施や、密植をさけ
風通しのよい栽培環境の形成が考えられます。
お店でも下葉が生け水に浸からないよう下葉を処理すると、蒸れや病気の防止になります。
主な産地
茨城県
福岡県
大分県
千葉県
長野県
熊本県
アスターの種類
アレンジメントアスター
ステラスカーレット
ステラトップブルー
ココットベリー
エゾアスター
あずみスカーレット
松本トップパープル
松本サーモン
※ほんの一例です。
様々なバリエーションを持ち利用方法が広がりつつあります。
王冠の意味を持つアスター、アレンジメントアスターで花冠を作ってみても素敵ですよね。
<参考文献・画像引用>
宇田明 桐生進 著 「花屋さんが知っておきたい花の小事典」
産地ウンチク探検隊 http://www.otakaki.co.jp/blog/place/archives/2007/09/
主婦の友社 「四季の花便利帳」
(株)大田花き
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