ナノテク分野の超遠心分離法アプリケーション 卓上型超遠心機 Optima MAX-XP ゼータ電位 粒度分布測定装置 DelsaNano ナノテクノロジー分野の研究においては、金属コロイド、インク、カーボンナノチューブなどの合成されたナノ粒子の 正確なサイズを知ることが重要な鍵を握りますが、そのサイズの測定方法としては動的光散乱法(光子相関法)が しばしば用いられます。 その動的光散乱法において正確な測定を行うためには、粒子を単分散する必要があり、その目的のために超遠心 分離法は非常に有効な手段です。 今回の実験では超遠心分離法により大きなナノ粒子は沈降させ、より小さなナノ粒子のみを上清サンプルとして 分離して、そのサンプルをゼータ電位 粒度分布測定装置 DelsaNano で測定することにより、正確な粒子サイズを 求めました。 【使用装置】 1.卓上型超遠心機 OptimaTM MAX-XP (ベックマン・コールター社製) ・ 最高回転数 : 150,000rpm ・ 最大遠心力 : 1,019,000g ・ 使用ロータ : TLA-110 ・ 使用チューブ : 肉厚 PC チューブ 2.ゼータ電位 粒度分布測定装置 DelsaTMNano (ベックマン・コールター社製) ・ 測定範囲 : 0.6nm~7μm ・ 測定原理 : 動的光散乱法(光子相間法) 【使用標準粒子】 ・ Duke Scientific Corporation 社製 20nm 標準ラテックス粒子 ・ ベックマン・コールター社製 100nm 標準ラテックス粒子 【測定手順と結果】 ① 20nm と 100nm の標準粒子を、2mL のイオン交換水が 入ったセルに加えて、DelsaNano で測定しました。 20nm と 100nm のピークのほかに、400nm 付近に 凝集のピークが測定されました。 ② 次に、上記サンプルを遠心チューブに移して、固定 角ロータ TLA110 を用いて 30,000rpm(48,900g)で 10 分間遠心後、上清を DelsaNano で測定しました。 400nm 付近の凝集物は取り除かれ、さらに 100nm の 粒子は少し遠心沈降しています。 ③ 同様に 36,000rpm(70,400g)で 10 分間遠心後、 上清 を DelsaNano で測定しました。 100nm の粒子はさらに遠心沈降しています。 ④ 同様に、43,000rpm(100,400g)で 10 分間遠心後、上清 を DelsaNano で測定しました。 100nm の粒子は完全に取り除かれています。 PCF50-0710
© Copyright 2024 ExpyDoc