麻酔関連偶発症 最近の麻酔の傾向

Up to Date 2016
麻酔関連偶発症
最近の麻酔の傾向
最近の麻酔の傾向
2014年
麻酔科管理件数
3110例
全身麻酔
2631例
全身麻酔のみ
2226例
吸入麻酔
1468例
完全静脈麻酔
758例
全身麻酔硬膜外麻酔併用 405例
吸入麻酔
308例
完全静脈麻酔
97例
最近の麻酔の傾向
2014年
麻酔科管理件数
3110例
局所麻酔のみ
479例
硬膜外麻酔
279例
脊髄くも膜下麻酔
25例
硬膜外併用脊髄くも膜下麻酔 175例
2014年麻酔種類の割合
2000年
全身麻酔
85%
77%
全身麻酔のみ
72%
53%
吸入麻酔
(66%)(87%)
完全静脈麻酔
(34%)(13%)
全身麻酔硬膜外麻酔併用
13%
24%
吸入麻酔
(76%)(87%)
完全静脈麻酔
(24%)(13%)
局所麻酔
15%
23%
硬膜外麻酔
9%
14%
せき髄くも膜下麻酔
1%
8%
硬膜外併用せき髄くも膜下麻酔 5%
1%
全身麻酔で最近使用頻度の高いアルチバを中
心に麻酔方法を調べた
アルチバ(レミフェンタニル)はエステラーゼによ
る分解が早いため短時間作用性で持続静注
で使用する合成麻薬、2007年より使用
他に使用の多い麻酔薬
セボフルレン 吸入麻酔薬
プロポフール 短時間作用性静脈麻酔薬
フェンタニル 合成麻薬
2014年連続1000症例での検討
(心臓外科、脳外科を除く)
全身麻酔のみ
アルチバ使用
全身麻酔+硬膜外麻酔
アルチバ使用
671
579(86%)
163
112(69%)
硬膜外麻酔
せき髄くも膜下麻酔
脊麻硬麻併用
81
7
78
各科の手術で麻酔法に違いはあるか
セボフルランかプロポフォールか
おのおのの薬でアルチバの使用頻度は
硬膜外を併用する場合、セボフレン、プロポフォ
ール、アルチバの使用頻度は変わるのか
耳 鼻 科
全身麻酔
56
アルチバ使用
73%
セボフルレン
46(82%)
アルチバ使用
70%
プロポフォール
10(18%)
アルチバ使用
90%
消 化 器 外 科
全身麻酔のみ
133(73%)
アルチバ使用
90%
セボフルレン
111(83%)
アルチバ使用
93%
プロポフォール
22(17%)
アルチバ使用
86%
硬膜外併用
49(27%)
アルチバ使用
90%
セボフルレン
40(82%)
アルチバ使用
90%
プロポフォール
9(18%)
アルチバ使用
89%
呼 吸 器 外 科
全身麻酔のみ
75(78%)
アルチバ使用
85%
セボフルレン
36(48%)
アルチバ使用
86%
プロポフォール
39(52%)
アルチバ使用
85%
硬膜外併用
21(22%)
アルチバ使用
95%
セボフルレン
10(48%)
アルチバ使用
100%
プロポフォール
11(52%)
アルチバ使用
91%
整 形 外 科
全身麻酔のみ
203(85%)
アルチバ使用
93%
セボフルレン
64(32%)
アルチバ使用
81%
プロポフォール
139(68%)
アルチバ使用
99%
硬膜外併用
35(15%)
アルチバ使用
40%
セボフルレン
26(74%)
アルチバ使用
31%
プロポフォール
9(26%)
アルチバ使用
67%
泌 尿 器 科
全身麻酔のみ
140(63%)
アルチバ使用
83%
セボフルレン
132(94%)
アルチバ使用
82%
プロポフォール
8(6%)
アルチバ使用
100%
硬膜外併用
11(5%)
アルチバ使用
83%
セボフルレン
9(83%)
アルチバ使用
78%
プロポフォール
2(18%)
アルチバ使用
100%
婦 人 科
(帝切を除く)
全身麻酔のみ
61(54%)
アルチバ使用
80%
セボフルレン
39(64%)
アルチバ使用
77%
プロポフォール
22(36%)
アルチバ使用
86%
硬膜外併用
47(41%)
アルチバ使用
53%
セボフルレン
27(57%)
アルチバ使用
44%
プロポフォール
20(43%)
アルチバ使用
65%
ま と め 1
偶発症調査から、原因の一番は術前からの合併症で、
麻酔が原因の症例は少ない。
偶発症発生率、死亡率とも減少傾向である。
当科での麻酔の傾向に関しては、脊麻、硬膜外麻酔は、
全身麻酔との併用も含め減ってきている。その要因と
して鏡視下手術の増加と抗凝固療法、抗血小板薬使
用の増加が考えられる。
アルチバの使用頻度は80%以上であり、完全静脈麻酔
の増加の一因と思われる。
ま と め 2
科による特徴
消化器外科は硬膜外併用はやや多く、アルチバ使用
は平均的で、プロポフォールはやや少ない。
呼吸器外科はアルチバの使用は多く、プロポフォール
の使用も多い。
婦人科では硬膜外の併用が多く、その場合アルチバ
の使用が減る。プロポフォールの使用は多い。
泌尿器科は硬膜外併用は少ない。プロポフォールの
使用は少ない。局麻のみでは、硬膜外が多い。
整形外科は脊椎手術で術中検査のためプロポフォー
ル、アルチバがほぼ全例である。その他で硬膜外を
併用するとアルチバの使用が減る。