l National Tire Research Center (NTRC) ユーザ事例紹介 タイヤ設計の変革 MTS の新しいFlat-Trac LTR タイヤ荷重&モーメント試験システムにより、制御 されたラボ環境でこれまで到達可能だった限界をはるかに超えたタイヤ試験を 実現 お客様のチャレンジ バージニア州オールトンに拠点を持つ National Tire Research Center (以下 NTRC) は、世 界中の自動車メーカ、 タイヤメーカの開発者に対し、 自社が広範囲/高次元のタイヤ試験 装置を保有し、開発サポート能力があることをアピールしています。NTRCの設備管理統括 ディレクタ Jonathan Darab氏は、NTRCは試験装置と室内試験手法を有し、 タイヤ開発者 が解ききれない課題を処理する提案が可能、 と説明しています。Darab氏はこの試験装置 と試験手法が将来のタイヤ試験と車両モデルの開発に大きなインパクトを与えるであろう とコメントしています。 Daraba氏は、 「かつて、 バイアスタイヤからラジアルタイヤにかわった時のインパクトと同じく らいのインパクトがある。 」 と言っています。 「今回の新しい試験装置と試験手法は、 タイヤ開 発技術においてまさに大きな飛躍と言える。 これはまさに私たちが望んでいたものだ。 」 とコ メントしています。 左から:Ryan Quinn 氏、Frank Della Pia 氏、 Jonathan Darab 氏、Kevin Kefauver 氏 「NTRCとMTSは一つのチームになって 働いた。MTSとともに科学領域での解明 に取り組み、 まさに正しい結論を導きだし た、かけがえのない経験となった。 」 National Tire Research Center 南バージニア車両モーションラボ エグゼクティブ ディレクター Frank Della Pia 氏 NTRCが新たなタイヤ開発技術を手にいれる為には、現在世の中に存在しない設備を取り入 れる必要がありました。特にその設備は正突を避ける為のダブルレーンチェンジなど、幅広 いさまざまな操縦条件やイベントを再現できる必要がありました。車両ロールオーバーによ り引き起こされるタイヤ挙動は、FMVSS 126標準試験をパスすることと同じことでした。 FMVSS 126は、 車両重量10,000ポンド以下の車(乗用車、 商用車)すべてに電子制御スタビリ ティコントロールを採用することを求めているのと同じでした。 「これまでFMVSS 126を実施できる試験装置は世の中にありませんでした。 」 とDarab氏は説 明してくれました。 「新たに設計したタイヤがFMVSS 126をパスできるかどうかを確認するた めには、既存の類似タイヤのデータからその性能を推測するしかありませんでした。新設計 タイヤがFMVSS 126を95%確証をもってでパスできるようになったと考えています。かつて のやり方では80%程度でした。 」 (Darab氏) MTS ソリューション FMVSS No.126で求められる挙動は、OEMに深刻な状況をもたらしていました。OEMは周波 数レベルで確かにそれを避けることができる車両チューニングをしなければなりませんで した。 これは実車評価に加えてバーチャルモデルでの評価を増加させることになっていま した。OEMに選択肢はありませんでした。FMVSS 126をパスできなかった車両は開発費に おいて負担を抱えることになり、市場においてブランドイメージに傷をうけることにつなが ります。 これらがNTRCがFMVSS126をパスする為の新たな試験装置及び新しい試験手法の 開発に取り組んだ背景にありました。 NTRCはMTSをパートナーに指名しました。MTSは30年以上ものフラットベルトでのタイヤ フォース&モーメント試験装置の経験をもっていました。 この伝説的な実績により、NTRCは ごく自然にMTSをパートナーに指名しました。NTRCとMTSで新試験装置の用途、機能につ be certain. ユーザ事例紹介 いて議論を重ねた装置要求仕様を作り上げ、 それに基づいてMTSはFlatTrac LTReを設計/ 製作しました。FlatTrac LTReには広範囲の試 験機能と先端的なバーチャル開発をサポート する機能がもりこまれています。 Darab氏はFlatTracLTReの機能/性能について 「FMVSS 126を含めて世の中にある乗用車 とライトトラックにより引き起こされる車両挙 動を再現できる装置であり、 これを達成する 為に90° /秒のスリップ角能力と38° /秒のキャ ンバ角能力を持たせた。世の中にある95%の 乗用車とライトトラックを試験できる装置に した。 」 と説明しています。 従来のフラットベルト試験装置から大きく変 わった点は、 スピンドルドライブに永久磁石 を用いた電気モータを採用したことでした。 この電気モータは、高密度のトルクパワーの 実現、高範囲の周波数あるいは車両速度での 加速トルクおよび減速トルクの実現、 さらに 上下、前後、左右の三軸において30,000N負 荷以内での試験を可能にしました。 その他の特徴として、LTRe専用のウォーター ベアリングを開発・採用したこと、 ロードウェ イ用二次電気モータの配置が挙げられます。 新開発のウォーターベアリングは、LTReの全 ての試験レンジでベルトを平坦な状態に保ち ます。二次ロードウェイ用二次電気モータは、 モータースポーツ競技車両のコーナーリング 挙動を再現すべく、 ロードウェイを320km/h まで加速させます。 l エムティエスジャパン株式会社 〒130-0013 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル 8階 Tel: 03-6658-0903 Fax: 03-6658-0906 E-mail: [email protected] Internet: www.mts.com/japan Flat-Trac LTRe は、電気式スピンドル トルク ドライブが特徴で、高密度のトルクパワーの実現、高範囲の周波数ある いは車両速度での加速トルクおよび減速トルクの実現、 さらに上下、前後、左右の三軸において30,000N負荷以内 での試験を可能にします。 お客様のメリット FlatTrac LTReの機能/性能により、OEMとタ これらの背景/環境において、FlatTrac LTRe イヤメーカーは幅広いレンジ(周波数、速度、 システムを完成車両モデルと直列につない 負荷)の試験が可能になります。既存の評価 で運用することができます。完成車両の挙動 手法、既存の試験装置を超えたところでの開 に対し、FlatTrac LTReは実際のタイヤ応答を 発が可能になります。 「我々は全く新しいジャンルの試験を作り上 返すことができ、完成車モデルの精度を向上 させます。 げてきている。 」 とNTRCのエグゼクティブ ディ Darab氏は、 「OEMの開発チームがNTRCを訪 レクター Frank Della Pia 氏はコメントしてい 問されるのであれば、完成車両無しで完成車 ます。 さらに、 「NTRCでも類をみない装置であ についたタイヤの試験を行うことができるで る。OEM、 タイヤメーカーが新たな開発を望む しょうか。 これまで2日間で潜在誤差広比率 のであれば、NTRCがお手伝できることをアピ 20%程度の試験を行っていたのと同じ時間 ールしたい。 まさにタイヤ開発技術の革新と言 で、数千通りのシミュレーションを行うことが える。 」 とコメントしています。 出来ます。 」 とコメントしています。 タイヤ開発者にとって最も重要なことは、過 LTReの導入、運転は良好な結果となりまし 去に到達できなかった試験条件を制御され た。Della Pia氏は「NTRCとMTS、二つのチーム た試験室内で実現できることです。OEMは新 が協力しあってこの装置を作り上げた。 」 と言 たな試みをする必要がなくなるだけでなく、 っています。 タイヤとその他のコンポーネントを組み合わ せたハイブリッド シミュレーション試験、 ある いはハードウェア イン ザ ループ試験を行う ことが出来るようになります。 Della Pia氏は「NTRCとMTSは一つのチーム になって働いた。MTSとともに科学領域での 解明に取り組み、 まさに正しい結論を導きだ した、かけがえのない経験となった。」 と感想 を述べています。 ISO 9001 Certified QMS ©2012 MTS Systems Corporation 100-269-566 NTRC Printed in U.S.A. 10/12 MTS は米国 MTS Systems Corporation の登録商標で す。 この商標は他の国でも保護されている場合があり ます。RTM No. 211177.
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