Gulfstream Aerospace Corporation ユーザ事例紹介 離陸準備完了 MTS のサポートにより、大手航空機メーカーが、その主力製品である ビジネス ジェットのフライト制御の最適化を実現します。 お客様の課題 最終決定を行う重役がニューヨークからドバイ、 ロンドンからブエノスアイレスへ と飛び回る場合、Gulfstream G650® ほど迅速に移動できるビジネス ジェットはあ りません。広々としたキャビンを備えたこの超高速機は、ビジネス航空の秀逸性 の基準を引き上げるものです。同機は、乗客 8 名と乗務員 4 名を定員とし、最高速 度マッハ 0.925 で最大 7000 海里の区間を直航します。 G650 ジェットによる安全かつ円滑な飛行を確実なものにするために、Gulfstream Aerospace Corporation では、 「アイアン バード」試験システムを導入しています。 これは、 さまざまな運航状態での飛行制御、油圧、電気系統、着陸ギアを厳格に評 価するために、実際の航空機を再現すべく厳密な位置関係と正確な寸法で作成 した構造模型です。 「アイアン バード試験装置は、 社内で設 計したシステムのように感じられます。当 社の G650 機の成功に対する MTS の貢 献は誇るべきものです。 」 Gulfstream Aerospace Corporation 先端設計研究ラボ マネージャ Dave Powell 氏 パイロットがジェットのフライ バイ ワイヤー (FBW) 制御を操作するインタラクテ ィブ方式の試験を用いることを Gulfstream が決定して以来、 その評価が複雑さを 増しています。 この方式の試験では人間の瞬発的なコマンドも用いるため、実際 の離陸、空中操縦、着陸におそらく最も忠実なシミュレーションが可能になります。 しかし、 そのためには、飛行装置の 12 種の全翼面に動的かつリアルタイムの可 変力を正確に加えることのできる試験システムが必要になります。 このプロジェクトの主任技術者である Jim Moriarty 氏は、 「G650 の計器を試験す るためにはリアルタイムのシミュレーションが極めて重要です。 というのも、G650 は FBW 制御を搭載した当社初の機種であるためです。実際にフライト コマンド を受信したときに、航空機がどのように作動するのか的確に把握する必要があり ます」 と、述べています。 アイアン バードは地上にあっても、 その方向舵、安定板、 その他の制御翼面が飛 行中と同じように作動します。試験システムは、正確な荷重や変位を生じさせる 必要があります。 ごくわずかな誤りでも試験結果を歪めたり、飛行システムのハー ドウェアや制御翼面にダメージを与えたりする恐れがあるためです。Gulfstream は、試験を行ううえで、同社の飛行制御ソフトウェアと相互作用が可能なシステム を統合できるパートナーを探し始めました。 「当社では、 このプロセスで、 自社のソフトウェアと荷重システムのソフトウェアの 統合を特注しなければならないことはわかっていました。 ラボ内でハードウェア の最新機能の操作を容易にすることが可能であることなど、技術面の相当の知識 を備えたパートナーを探していたところ、 その理想的な候補として MTS が浮上し てきたのです」 と、Gulfstream の試験ラボ マネージャである Dave Powell 氏。 be certain. ユーザ事例紹介 MT S ソリューション 試験における Gulfstream チームの野 心的な目標達成をサポートするため に、MTSでは、制御翼面がどのように変化 しているのかを検出し、電子インターフ ェースを介してこうした変化を計測する カスタマイズの制御スキームを考案しま した。 この試験ソリューションでは、 デー タを基に、パイロットがシミュレーション でどのような指示を出しているのかを予 測し、続いて、エラーのリスクを最小限に して正確な荷重を動的に加えます。 荷重負荷には、モデル 244 油圧アクチ ュエータ 11 基と、 ジェットの水平尾翼 用に電気アクチュエータ 1 基を使用し ます。Gulfstream では、 アイアン バー ド システムにダメージを与えないよ うに、MTS アクティブ ロード アボート (ALA) システムを採用しています。 これ は、エラーの閾値を上回った場合に、 シ ステムにかかっているすべての油圧エネ ルギーを一斉に取り除くものです。 「当社では今回初めて、 アイアン バード を使ったインタラクティブ方式で新型機 を設計しましたが、初飛行を前に満足の いく設計になっています。 アイアン バー ドにより、機体にどのような力がかかる のかを、安全で、効率的で、費用効率の 高いやり方で把握できます。以前は空中 で行っていた試験を地上で実施していま す。試験の現場も素晴らしいものです。航 空機のオーナーや FAA の担当者をここ に連れて来ることもありますが、皆関心し て帰っていきます」 と、Moriarty 氏は述べ ています。 エムティエスジャパン株式会社 〒130-0013 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル8階 Tel: 03-6658-0903 Fax: 03-6658-0906 E-mail: [email protected] Internet: www.mts.com/japan ISO 9001 Certified QMS ©2010 MTS Systems Corporation 100-243-663 Gulfstream Printed in U.S.A. 11/10 お 客 様 が 得 たメリット MTS のソリューションにより、Gulfstream は、初飛行前のラボ内で、動的な負荷追 従性を備えたアイアン バード試験環境 を作り出しています。 アイアン バード開発の主任エンジニア である Walter Dumas 氏は次のように 述べています。 「当社の主な目的の 1 つ が、 リグの機能に制限を設けないことで した。 その結果、思いどおりのシミュレー ションをプログラムできるようになって います。各翼面にリアルタイムで正確な 空力負荷をかける MTSの システムには 全幅の信頼を置いています。 このシステ ムにより、飛行制御のハードウェアやソ フトウェアのシステムの性能試験を行う ことができ、 また、他の部品とも簡単に 統合できます。 このすべてが、 これらの画 期的な最新技術の妥当性を実証してい ます。 」 「アイアン バード試験システムは、G650 の初飛行の成功に大きな役割を果たし ました。当社が 2009 年に実施したテス ト飛行では、飛行制御システムを徹底的 に調査し、改善の余地のある部位を特 定しました。当社のエンジニアリング チ ームとサプライヤの協力により、潜在的 な問題を事前に修正することができま した。当機は運航初日から期待どおりの 性能を発揮するものと確信しています」 と、Powell 氏は語っています。 MTS のチームと Gulfstream のチームの 円滑な協力関係は、順調な統合に欠か せないものでした。MTS のソフトウェア エンジニアは、Gulfstream のラボに出向 いて作業をし、 その後も電話で対応し続 けました。MTS のエンジニアは、 このプ ロジェクトの設計開発、統合、遂行、研修 の各段階に参加し、技術サポートを続け ています。 MTS 技術の導入により、同社のラボで は、 その最先端の飛行制御試験が加速 「MTS との取り組みは貴重な体験でし されています。試験が速やかに完了する た。MTS の担当者は、必要なときにはい ため、効率性が向上し、G650 の予定ど つでも電話一本ですぐ応じてくれまし おりの運航開始に向けて順調なペース た。 フィールド サービス チームは対応が で開発作業が進んでいます。2008 年に 機敏で、彼らの仕事ぶりには目を見張る その開発が発表された G650 は、2009 ものがありました。 そのため、 アイアン バ 年 11 月に初飛行を済ませ、同年 12 月 ード試験装置は、社内で設計したシステ から飛行試験を開始しています。現 ムのように感じられます。当社の G650 在、Gulfstream では G650 の試験機体を 機の成功に対する MTS の貢献は誇るべ 増やしながら、2011 年内に FAA および きものです。当社はその素晴らしさを認 ASA の認可を受け、2012 年の運航開始 識しています」 と、Powell 氏は語ってい を目指しています。 ます。 MTS は米国内における MTS Systems Corporation の 登録商標です。 これは他の国でも保護されている場合 があります。RTM No. 211177.
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