遺伝子解析システム Application Information No.2 CEQ / GeXP T-RFLP法を用いた微生物群集の 迅速プロファイリング 微生物群集の解析方法の 1 つに、T-RFLP(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphisms)法があります。 この方法は、微生物群集から直接 GenomicDNA を抽出し、16S rRNA 遺伝子等の保存性の高い領域を PCR で 増幅し、制限酵素処理を行った後、キャピラリーシーケンサーを用いてフラグメント解析を行うだけであり、微生 物群集の菌種数の変化や相対的な微生物量をプロファイリングすることが可能です。現在、臨床サンプルや 食品サンプル、土壌や廃水等の環境由来サンプル等の様々な試料の解析に用いられています。 ベックマン・コールター社の遺伝子解析システム CEQTM シリーズは、8 サンプルの同時解析が可能です。さらに、 測定開始までのセッティングが短時間で行え、T-RFLP 解析に最適なパフォーマンスを発揮します。 解析例) 微生物群からのゲノム抽出 ① 市販のゲノム抽出キット等を用い、微生物群集から genomicDNA を抽出・精製します。一部試料では、抽出 効率に差が生じることがありますので、各種試料に応じた最適な抽出方法を用いることをお薦めします。 蛍光標識プライマーによる PCR 反応 ① BeckmanDye で蛍光標識したユニバーサルプライマーを用いて、ターゲットとなる rDNA 領域を増幅します。 必要に応じて、プライマーに最適なサイクルコンディションを設定します。 ※標識プライマーの合成につきましては、シグマアルドリッチジャパン社にお問い合わせください。 代表的なプライマー配列 16S rDNA ユニバーサルプライマー 27F:5’-AGAGTTTGATCCTGGCTCAG 800R:5’-TACCAGGGTATCTAATCC ② アガロースゲルで PCR 産物が単一であることを確認し、PCR 産物を市販のキット等を用いて未反応のプラ イマー等を除去します。得られた PCR 産物の濃度を、分光光度計等で測定します。 制限酵素による PCR 産物 ① 4-base cutter 制限酵素を用いて PCR 産物を切断します。使用する酵素に応じた処理時間や温度を設定 してください。反応終了後、熱処理を加え酵素を不活性化してください。 制限酵素の例 HaeⅢ、HhaⅠ、MnⅡ、MspⅠ ② 切断断片を、エタノール沈殿を用いて精製します。 切断断片の泳動およびフラグメント解析 ① 最適なシグナル強度を得るために、切断断片およびサイズスタンダードを適宜希釈します。 ② 専用の泳動メソッドを用いて断片を泳動し、フラグメント解析ソフトウエアを用いてエレクトロフェログラムを 得ます。 エレクトロフェログラムの解析例 遺伝子解析システム CEQ シリーズの特長 定評のあるベックマン・コールター社のキャピラリー電気泳動技術と、レーザ蛍光 解析技術を応用し、また、最新のソフトウエアパッケージを搭載する CEQ シリーズ 遺伝子解析システムは、DNA シークエンスの決定から STR、AFLP® などのフラグメン ト解析まで、幅広いアプリケーションを 1 台のシステム、1 種類のキャピラリー、そして 1 つのソフトウエアでこなすマルチパーパス"オールインワン"システムです。 また、 8 チャンネルを同時に処理できるこのシステムではマイクロプレートをサンプル容器 に使用するため取り扱いが容易で、かつ自動化に適しています。 これ1台で、研究室で必要なほとんどの遺伝子解析をこなすことができます。 Beckman Coulter、Beckman Coulter ロゴおよび CEQ は、Beckman Coulter, Inc.の商標です。 AFLP は Keygene N.V.の登録商標です。 AI-C-002_0802a
© Copyright 2024 ExpyDoc