建設材料施工学 小テスト 2016 年 7 月 28 日 鉄筋コンクリートの塩害および鋼材腐食のメカニズムと損傷の特徴を説明しなさい. コンクリート中はアルカリ性で pH が高く(約 13),鋼材表面に不動態皮膜(不働態被膜)とよば れる緻密な酸化膜が形成されているため,一般に腐食は生じない.塩化物イオンがコンクリート中に 浸透し,鋼材表面でその濃度が上昇すると,pH が高くても不動態皮膜の一部が破壊されてそこから腐 食が開始する.腐食が発生する塩化物イオン濃度は,コンクリートの品質や環境によって異なるが, 一般に 1.2~2.5kg/m3 といわれている. 鋼は腐食すると体積が約 3 倍に膨張するため,この膨張圧によって鋼材周辺のコンクリートに引張 応力が発生しひび割れが生じる.このひび割れを通して塩化物イオン,酸素,水が浸入し,腐食をさ らに促進することになる.塩害のひび割れは鋼材に沿って発生し,腐食が進行するとひび割れ幅が大 きくなりかぶりコンクリートのはく離,はく落が生じ,最終的には鋼材の断面積が減少し,安全性の 低下から構造物の崩壊に至る場合もある. 7/28 学生番号: 氏 名: 解答例はこちら http://www.civil.kyutech.ac.jp/pub/hibino/index.htm
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