掲載日 2016年8月1日 日本経済新聞朝刊 19ページ 許諾番号 30049978 からないなら、配当として払 投資家が飛びついている様子 当利回りは4%を超えるが、 日本の一部大手銀行株の配 価をいっそう押し上げよう。 う。借りた株の買い戻しが株 売りに耐えられなくなるだろ は株価上昇で痛手を負い、空 すれば、海外ヘッジファンド 日本株の配当利回りが上昇 アウトパフォームしている。 資信託︵REIT︶は大きく が注目されており、不動産投 とや、配当性向 倍政権が企業に増配を迫るこ 増配への後押しとして、安 の信認も向上するだろう。 産価値も上昇し、日本経済へ を与えられる。日本国内の資 政政策よりはるかに強い印象 を世界に示せれば、金融・財 た形でガバナンス向上の加速 きく進歩してきたが、こうし ガバナンス︵企業統治︶は大 近年、日本のコーポレート 益率︵ROE︶も上昇する。 有益ではないか。自己資本利 も配当性向水準は銀行にとっ 回る。配当を2倍に増やして ら銀行の配当性向は 預金金利をマイナス圏へ誘導 景気対策を実施し、利下げで るなら、多額の税金を投じて もし増配に代わる案を考え 指数の導入も考えられる。 当欄は投稿や寄稿を通じて読者の参考になる意見を紹介します。〒 − 東京都千 代田区大手町1−3−7日本経済新聞社東京本社「私見卓見」係またはka i s e t s u@nex . n i kke i . c omまで。原則 字程度。住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記。添付ファ イルはご遠慮下さい。趣旨は変えずに手を加えることがあります。電子版にも掲載します。 先を求める機関投資家には特 はない。背景にはマイナス金 柄のみで構成した新たな株価 て十分に許容範囲内だろう。 %以上の銘 利が銀行収益を圧迫すること 日本の主要上場企業で余分 配路線を進む方が、より有益 するということになろう。増 ほとんどないと言っていい。 で、簡単ではないだろうか。 なキャッシュが必要な会社は 本業での使い道が本当に見つ %を下 への懸念がある。ただ、これ 日 興 ア セット マ ネ ジ メ ン ト チ ー フ・ に当てはまるかもしれない。 い 出 し た 方 が 自 社 に と っ て グローバル・ストラテジスト︵在米国︶ ジョン・ヴェイル こうした証左として高配当株 ︵そして日本全体にとっても︶ 増させることだ。 日本企業の配当性向が成熟 国にふさわしい水準に達すれ ば、株式市場は即座に反応す るだろう。日本の配当性向は 平均 %程度だが、欧州の多 くの成熟国において適正とさ れる水準は %だ。 配当を株価で割った配当利 回りが今の2%程度では、変 動の大きい株式投資に難色を 示す投資家もいよう。だが4 %なら見過ごせない向きも多 いはずだ。個人投資家はもち ろん、収益を確保できる投資 日本経済の信認、 私見卓見 配当増が高める OPINION 日経平均株価を早期に上昇 基調に乗せるための最善策は 日本企業が速やかに配当を倍 もっと簡単な解決策がある。 出動でも、 経済改革でもない。 債務をさらに拡大させる財政 追加利下げでも、日本の国家 OPINION 私見卓見 OPINION 私見卓見 OPINION 私見 卓見
© Copyright 2024 ExpyDoc