こちら - 多元計算解剖学

多元計算解学 NEWS LETTER
第 6号
多元計算解学
News Letter
2016/04
第 2 年度の研究成果が発表される
特集 国際シンポジウム開催
国際シンポジウム開催
行うためのアプローチについて,
脳神経血管の例を挙げてご講演
第 2 回多元計算解剖学国際シ
ンポジウムが開催されました
特別講演
いただきました。多元計算解剖
学に深く関係する内容で,多元
特別講演にはイギリスの
情報とそれらを効果的に統合さ
文部科学省科学研究費補助金
Sheffield 大学より Prof. Frangi
新学術領域研究「多元計算解剖
をお招きしました。Prof. Frangi
学」がスタートして 1 年半が経過
はヨーロッパ 12 か国から 28 の
しました。2015 年度の締めくく
施設が参加したプロジェクト,
2015 年度の研究活動報告を
りとして,第 2 回多元計算解剖学
@neurIST を牽引されました。こ
行いました
国際シンポジウムが名古屋大学
のプロジェクトは,診断から治
東山キャンパス野依記念学術交
療までのトータルケア,パーソ
各研究班が主に 2015 年度の研
流館にて開催され,それぞれの
ナルケアを目指し,分散された
究成果について口述発表を行い
計画班/公募班が約 1 年半/1 年
膨大な医療データを統合するた
ました。計画班 9 グループはそれ
で得た成果と今後の展望につい
めの IT 基盤を作り上げることを
ぞれ 20 分ずつ,公募班 31 グル
て,口述発表とポスター発表を
目的としました。脳動脈瘤の破
ープは 10 分ずつで盛りだくさん
行いました。各テーマについて
裂リスク評価や治療の最適化の
の内容でした。2014 年度はプロ
活発な議論が交わされ,領域全
ため,計算画像学,計算生理学
ジェクトがスタートして間もな
体としての研究の進捗状況,ワ
を軸とした総合的サポートシス
い時点での報告であり,4 年半の
ーキンググループ活動や研究班
テムの開発に尽力されました。
研究計画が主な内容でしたが,2
間の共同研究などの協力体制に
特別講演では,これらの経験を
年目の昨年度は本格的に研究を
ついて確認しました。また,昨
もとに,膨大な医療情報~医用
スタートさせ,それぞれ期待さ
秋に新規に採択された国際活動
画像や生体計測,信号・画像解
れた,または期待以上の成果が
支援班についても,報告が行わ
析,形態情報解析~の統合の重
得られたようでした。プロジェ
れました。
要性についてと,これを実際に
クトの成功に向けて,残る課題
せるための計算モデルの重要性
について再確認させられました。
への今後の取り組みについても
2
多元計算解学 NEWS LETTER | 第 6 号
活発な意見交換がされ,今後の
全体的に高評価をいただきま
成果が期待できる内容でした。
した!
報告には,話題のディープラニ
ングを用いた研究発表も何件か
シンポジウムには本プロジェ
みられ,諮問委員の先生方も非
クトの 5 名の諮問委員の先生方に
常に興味を持たれていたようで, ご参加いただきました。それぞ
れの先生に各班の研究成果につ
熱心に質問されていました。
いてとプロジェクト全体につい
また,各班によるポスター発
て講評をしていただきました。
表も行われました。計画班は最
各研究班については,多くの班
大 5 枚と希望により PC デモ,公
が“高評価”をいただきました。プ
募班は 1 枚のポスターを用意し,
ロジェクト全体のとりまとめや
コーヒーブレイクを兼ねたポス
調整についても,高く評価され
ター閲覧時間に,閲覧者の質問
ました。そのうえで 40 件にもな
などに答え,より詳細な議論を
る各プロジェクトの関連性や多
交わしました。
元軸での統合性をより明確に示
夜は少しリラックスして
すことが要求されました。また,
懇親会
長い一日目が終わり,少しリ
ラックスして翌日のための英気
を養うために,また議論したり
なかった参加者のために,懇親
会が開かれました。野依記念学
写真3 招待講演の様子
全ての先生が国際的な共同研究
の重要性について言及されまし
た。
2016 年度も引き続きプロジェク
トの成功に向けて励みたいと思
写真4 招待講演者 Prof. Frangi
います。
術交流館 1F にて行われ,特別講
演の Frangi 先生や評価委員の先
生方にもご参加いただきました。
約 2 時間和やかな雰囲気の中,料
理と雑談を楽しみました。
名古屋大学基盤センター見学
写真 1 領域代表による概要解説
二日目は 2 回に分けて,名古屋
編集 事務局補佐 松岩
大学基盤センターの見学ツアー
が組まれました。コーヒーブレ
イクの時間を利用して希望者が
参加し,センター長である森健
策先生の研究室をはじめ,スー
パーコンピューターなどを見学
させていただきました。また,
A02-1 班による研究デモも行わ
れました。
執筆 岐阜大学 村松 藤田
写真 2 会場の様子