「生体分子分析法に関する最近の進展」の 企画と編集にあたって

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オレオサイエンス 第 16 巻第 8 号(2016)
特集序言
「生体分子分析法に関する最近の進展」の
企画と編集にあたって
白 井 展 也
(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門)
分析技術の進展に伴い,これまで解明の難しかった生体内反応の研究ができるようになりました。特に,こ
れまで切り込むことが難しかった光学異性体の研究についても,分析技術の発展に伴い,研究を進め易くなり
つつあります。また,機能性の研究では,生体内酸化への関心から,抗酸化能について,様々な検討が行われ,
その過程でいくつかの抗酸化能の評価法が開発されてきました。本特集では,光学異性体の分離と抗酸化能の
評価法について進展が見られたことから,これらを中心に最近の生体分子分析法について,取り上げてみまし
た。
高砂香料工業株式会社の矢口善博先生には「超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を用いた香料化合物の
光学分割と赤外円二色性(VCD)を利用した絶対立体配置の決定」のタイトルで,香気成分の基礎的なこと
から構造決定に新たな展開が期待できる VCD 法について分かりやすく解説していただきました。株式会社ダ
イセルの大西 敦先生には「多糖誘導体系キラル固定相による光学異性体分離の進展」のタイトルで,光学異
性体の分離に関する基礎から最新の知見まで分かりやすく解説していただきました。また,国立研究開発法人
農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門の石川祐子先生には,「妥当性確認された食品の抗酸化能評価
法について」のタイトルで,近年話題の ORAC 法を中心に,食品の抗酸化能の評価法について分かりやすく
解説していただくとともに,妥当性の検討状況などについて報告していただきました。これらの総説が,生体
内における光学異性体の役割の解明と抗酸化能の研究の発展につながれば幸いです。
最後に,執筆いただいた各先生方には,ご多忙のなか,本特集にご理解をいただき,快く執筆をお引き受け
いただき,厚く御礼申し上げます。
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