第6章 産前産後休業終了時改定

第6章
1
産前産後休業終了時改定
産前産後休業終了時改定とは
産前産後休業を終了した組合員が、産前産後休業の終了後に当該休業に係る 3 歳未満の子を養育する
場合で、勤務時間の短縮等により報酬が低下した場合は、組合に申出を行うことにより、標準報酬を改定するこ
とができます。この改定を「産前産後休業終了時改定」といいます。
改定された標準報酬は、産前産後休業の終了日の翌日から起算して 2 月を経過した日の属する
月の翌月からその年の 8 月 31 日(7 月から 12 月までのいずれかの月から改定されたものについ
ては、翌年の 8 月 31 日)までの適用となります。(法第 43 条第 14 項、第 15 項、厚年法第 23 条
の 3)
※
産前産後休業終了後、育児休業の承認を受けずに職場に復帰し、復帰後の勤務形態が育児短
時間勤務等により報酬が低下するケース等が該当する。
* 「子を養育する場合」については、第 5 章「1 育児休業終了時改定とは」を参照のこと。
(1)対象者
産前産後休業(注 1)を終了した組合員で、当該産前産後休業を終了した日において当該産前産
後休業に係る子を養育する場合で、組合に申出(注 2)をした者が対象となる。
ただし、産前産後休業終了日の翌日に育児休業等を開始している組合員は、産前産後休業終了
時改定の対象とならない。(法第 43 条第 14 項)
注1
産前産後休業
出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前 42 日(多胎妊娠の場
合は 98 日)から出産の日後 56 日までの間において勤務に服さないこと(妊娠又は出産に関する事由
を理由として勤務に服さない場合に限る。)をいう。(法第 43 条第 14 項、参考:労働基準法第 65
条)
注2
「標準報酬産前産後休業終了時改定申出書」による組合員からの申出が必要となる。
(留意点)
① 申出が遅れた場合は、厚生年金の取扱いに準じ、産前産後休業が終了した日から 2 年間は遡
及を認める。
② 地方公務員の育児休業等に関する法律第 10 条に規定する「育児短時間勤務」や同法第 19 条
に規定する「部分休業」により給与が減額されて支給される場合等を想定しているが、他の要
因により報酬が低下した場合でも申出を行うことにより産前産後休業終了時改定を行うこと
ができる。
なお、復帰後に復職時調整等により報酬が上がった場合も、産前産後休業終了時改定の対
象となる。
③
産前産後休業終了時改定の申出を行わなかった者について、随時改定の要件に該当する場合
(固定的給与の変動があった場合、育児短時間勤務などへの勤務形態の変更があった場合等)
は随時改定の対象となる。
第6章 産前産後休業終了時改定
-1-
(2)算定基礎月
産前産後休業終了時改定の算定基礎月は、産前産後休業が終了した日の翌日が属する月以後の
3 月間(産前産後休業を終了した日の翌日において継続して継続した組合員であった期間に限る
ものとする。)である。(法第 43 条第 14 項)
(3)報酬月額の算定方法
算定基礎月に受けた報酬の総額を、その期間の月数で除して得た額を「報酬月額」として、標
準報酬を決定する。ただし、算定基礎月のうち、「支払基礎日数」が 17 日未満である月の報酬
は除いて算定する。(法第 43 条第 14 項)
(留意点)
① 産前産後休業終了時の翌日の属する月以後 3 月間の報酬の平均額により算定した標準報酬
の等級が、現在の標準報酬の等級と比べて 1 等級以上の差があるときに改定する。
② 算定基礎月の 3 月間に「報酬の全部が支給されない場合」である日の属する月がある場合は、
当該月の支払基礎日数が 17 日以上であれば、算定基礎月に含める。
「報酬の一部が支給されない場合」である日の属する月がある場合は、支払基礎日数にかか
わらず、当該月は除いて算定する。
* 育児短時間勤務により勤務を要する日数が 17 日未満とされた者の場合の取扱いは、第 1 章
「3 報酬月額の算定に含める報酬」(2)を参照。
◇ 産前産後休業終了時改定のイメージ
第6章 産前産後休業終了時改定
-2-
2
特別な算定方法(保険者算定)
組合員の報酬月額の算定が困難であるときや著しく不当であるときは、同様の職務に従事する
職員の報酬月額その他の事情を考慮して共済組合が適当と認めて算定する額をその組合員の報酬
月額として標準報酬月額を決定することになります。(法第 43 条第 16 項)
3
産前産後休業終了時改定の見直し
産前産後休業終了時改定が行われた後に、発令誤りや手当等を遡及して支給すべきことが判明
し、当該産前産後休業終了時改定の算定基礎月における報酬が誤っていた場合は、支給すべきで
あった正しい報酬の額により再計算し、当該産前産後休業終了時改定の標準報酬を見直します。
※ 再計算の結果、従前標準報酬(当該産前産後休業終了時改定の直前の標準報酬)の等級と再
計算による標準報酬の等級との差が1等級以上生じなくなった場合は、当該産前産後休業終了
時改定を取り消すことになる。
(留意点)
① 給与改定が遡及して行われた場合は、差額が支給された時点で随時改定に該当するか算定
する。(第1章参照)したがって、産前産後休業終了時改定の見直しは行わない。
② 給与改定が遡及して行われた後に、更に支給誤りや遡及して申出があった等の理由により、
遡及して産前産後休業終了時改定の標準報酬を見直す場合や、遡及して産前産後休業終了時改
定を行う場合の算定基礎月となる各月の報酬は、給与改定後の報酬により算定して差し支えな
い。
例:H28.10 月に産前産後休業終了時改定が実施されており、H28.12 月に H28.4 月に遡及する
給与改定の実施後、H29.2 月に H28.9 月の報酬の額が誤っていたことが判明した場合、正
しい 9 月の報酬月額により改めて産前産後休業終了時改定の算定することになるが、給
料月額等を算定する場合は、給与改定後の額になる。
第6章 産前産後休業終了時改定
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4
産前産後休業終了時改定の事務処理
(1)組合員の申出
「標準報酬産前産後休業終了時改定申出書」に所属所長の証明を受けて、組合に提出する。
(施行規程第 101 条の 2 第 5 項、第 101 条の 4 第 2 項)
(2)給与支給機関の事務処理
① 組合から申出があった旨の連絡を受けたのち、当該申出を行った組合員が受けた報酬を固定
的給与・非固定的給与に区分し、これを基に報酬月額の算定・標準報酬等級表への当てはめを
行い、「標準報酬産前産後休業終了時改定基礎届」又は当該基礎届に係るデータを共済組合に
提出する。(施行規程第 101 条の 2 第 5 項)
なお、データにより提出する場合は紙による基礎届の提出の必要はない。
② 併せて、組合における標準報酬の決定を待たずに、掛金等の徴収及び組合員への標準報酬の
通知を行う。
③ 組合から基礎届に係るデータについて誤りの連絡があった場合は、当該データの訂正を行い、
再度、誤りのあった組合員に係る基礎届又は当初提出した当該基礎届に係るデータで修正後の
ものを組合に提出する。
④ 組合から標準報酬の決定の連絡を受けたのち、誤りのあった組合員に対して、すでに通知し
た標準報酬の訂正を行い、次回の掛金徴収時に誤った分の掛金等を追徴・返戻を行う。
(3)組合の事務処理
①
給与支給機関へ申出があった旨の連絡を行う。
② 組合は、給与支給機関から提供された基礎届に係るデータを組合員情報管理システムに取
り込み、標準報酬の等級及び月額のチェックを行う。
③
チェックの結果、誤りがあった場合は、エラーリストにより給与支給機関に修正を依頼
する。
④
給与支給機関から提供された修正後の基礎届に係るデータを、再度、組合員情報管理シス
テムに取り込み、標準報酬の等級及び月額のチェックを行う。
⑤
標準報酬の決定を行い、給与支給機関へ決定の連絡を行う。
第6章 産前産後休業終了時改定
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◇ 産前産後休業終了時改定の事務の流れ
第6章 産前産後休業終了時改定
-5-
標準報酬産前産後休業終了時改定申出書
(フリガナ)
申出者氏名
申 出 者
生年月日
所 属 所
職
昭和
平成
年
月
日
組合員証
記号番号
名
休業開始日
産前産後休業
承認期間
平成
年
休業終了日(復職日の前日)
月
日
平成
年
(フリガナ)
氏
名
産前産後休業
に係る子
月
日
男
性 別
生年月日
平成
産前産後休業終了前の標準報酬
等
年
月
級
級
女
日
月
額
千円
地方公務員等共済組合法第43条第14項の規定により、産前産後休業終了日の翌日が属する月以後
3月間に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬を改定するこ
との希望を申し出ます。
公立学校共済組合○○支部長 様
平成
年
月
日
住
所
氏
名
職
名
氏
名
申出者
㊞
上記の記載事項は、事実と相違ないものと認めます。
平成
年
月
日
所属所長
備
考
㊞
「産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3月間」とは、産前産後休業終了日の翌日において継続して組合
員であった期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月がある場合、その月
は産前産後休業終了時改定の算定に使用しません。
共済組合
記 入 欄
標準報酬改定月
改定後標準報酬
平成
年
月
級
固定的給与
千円
第6章 産前産後休業終了時改定
-6-
非固定的給与
円
円
第6章 産前産後休業終了時改定
-7-
⑪
③
⑪
③
⑪
③
⑪
③
⑪
③
支部コード
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
平成 年 月
退
厚
短
退
厚
⑰
⑯
⑮
⑭
⑬
⑫
⑰
⑯
⑮
⑭
退
厚
短
退
厚
⑫
短
⑬
級
級
級
⑥
級
級
級
⑥
級
⑯
退
⑰
⑮
級
級
⑥
級
級
級
⑥
級
級
級
⑥
従前の標準報酬等級 / 月額
⑥
基礎届種類
厚
⑭
⑫
短
⑬
⑰
⑯
⑮
⑭
⑬
⑫
⑰
⑯
⑮
⑭
⑫
短
⑬
⑰
⑫
~
組合員番号
⑪ 従前の適用年月
③
共済組合コード
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
⑳
⑲
⑱
⑳
⑲
⑱
⑳
⑲
⑱
⑳
⑲
⑱
⑳
⑲
⑱
⑳
⑲
⑱
㉔
④
㉓
月 ㉓
月 ㉒
月 ㉑
月 ㉓
月 ㉒
月 ㉑
月 ㉓
月 ㉒
月 ㉑
月 ㉓
月 ㉒
月 ㉑
月 ㉓
月 ㉒
日 ㉖
日 ㉕
日 ㉔
④
日 ㉖
日 ㉕
日 ㉔
④
日 ㉖
日 ㉕
日 ㉔
④
日 ㉖
日 ㉕
日 ㉔
④
日 ㉖
日 ㉕
日 ㉔
④
㉖
㉒ 支払基礎日数 ㉕
㉑
月 ㉑
算定基礎月
組合員氏名
共済組合名 / 支部名
みなし
17日
性別
㉙
㉘
㉗
⑤
㉙
㉘
㉗
⑤
㉙
㉘
㉗
⑤
㉙
㉘
㉗
⑤
㉙
㉘
㉗
⑤
㉙
㉘
㉗
⑤
平成
平成
平成
平成
平成
⑦
㉜
㉛
㉚
⑦
⑦
⑦
⑦
⑦
円 ㉜
円 ㉛
円 ㉚
年 月 日
円 ㉜
円 ㉛
円 ㉚
年 月 日
円 ㉜
円 ㉛
円 ㉚
年 月 日
円 ㉜
円 ㉛
円 ㉚
年 月 日
円 ㉜
円 ㉛
円 ㉚
年 月 日
固定的給与
生年月日
所属所名
平成
平成
平成
平成
平成
⑧
㉟
㉞
㉝
⑧
⑧
⑧
⑧
⑧
円 ㉟
円 ㉞
円 ㉝
年 月 日
円 ㉟
円 ㉞
円 ㉝
年 月 日
円 ㉟
円 ㉞
円 ㉝
年 月 日
円 ㉟
円 ㉞
円 ㉝
年 月 日
円 ㉟
円 ㉞
円 ㉝
年 月 日
非固定的給与
適用年月日
平成
平成
平成
平成
平成
㊱
㊳
㊲
㊱
㊱
㊳
㊱
㊳
㊱
㊳
㊱
㊳
円
㊳
円 ㊲
円
年 月 日
円
円 ㊲
円
年 月 日
円
円 ㊲
円
年 月 日
円
円 ㊲
円
年 月 日
円
円 ㊲
円
年 月 日
合 計
事由発生年月日
標準報酬産前産後休業 終了 時改 定基 礎届
修正平均額
平 均 額
報酬の総額
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
退
厚
短
退
厚
厚
㊻
㊺
㊹
㊸
㊷
㊶
⑨
㊻
㊺
㊹
㊸
退
厚
短
退
厚
㊶
短
㊷
⑨
㊺
退
㊻
㊹
㊸
㊶
短
㊷
⑨
㊻
㊺
㊹
㊸
㊷
㊶
⑨
㊻
㊺
㊹
㊸
㊶
短
㊷
⑨
㊻
㊶
~
㊴
㊴
㊴
㊴
㊴
級
級
級
級
級
級
級
級
級
級
級
級
級
級
級
㊵
㊵
㊵
㊵
㊵
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
円
千
改定事由コード
標準報酬等級 / 月額
⑨ 処理区分 ㊴ 算定コード ㊵
平 成
㊿ 退
㊾ 厚
㊽ 介
㊼ 短
㊿ 退
㊾ 厚
㊽ 介
㊼ 短
㊿ 退
㊾ 厚
㊽ 介
㊼ 短
㊿ 退
㊾ 厚
㊽ 介
㊼ 短
㊿ 退
㊾ 厚
㊽ 介
㊼ 短
㊿
㊾
㊽
㊼
年
掛 金 額
月
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
日