線形代数演習 I 小テスト 担当:古宇田 悠哉 平成 28 年 7 月 20 日実施 学籍番号 氏名 ( 問題 行列 1 2 ) −2 −4 が定める R2 から R2 への線形写像を f とおく.次の問いに答えよ. (1) f は全射でも単射でもないことを示せ. (2) f の核を求めよ. 線形代数学演習 I 古宇田 悠哉 平成 28 年 7 月 20 日配布 11 同値関係 • 集合 X に対し,直積集合 X × X の部分集合 R のことを X 上の関係とよぶ.x, y ∈ X が (x, y) ∈ R をみたすとき,x と y は関係 R を満たすといい,xRy と表す. • 集合 X 上の関係 ∼ が次の性質を満たすとき,この関係 ∼ を X 上の同値関係とよぶ. 1. x ∼ x (反射律) 2. x ∼ y ならば y ∼ x (対称律) 3. x ∼ y かつ y ∼ z ならば x ∼ z (推移律) • ∼ を集合 X 上の同値関係とする.X の元 x, y が x ∼ y を満たすとき,x と y は同値であると いう.X の元 x と同値な X の要素全体の集合 C(x) := {y ∈ X | x ∼ y} を x の同値類とよぶ. • n 次正方行列全体の集合を Mn (R) と表す.A ∈ Mn (R) に対し,AX = XA = E を満 たす行列 が存在するとき,X を A の逆行列とよび,A−1 と表す.ただし, X ∈ Mn (R) 1 0 E := . .. 0 1 .. . ··· .. . .. . ··· 0 0 0 .. . である.(これを (n 次) 単位行列とよぶ).A の逆行列が存在すると 0 1 き,A は正則であるという. 黒板発表用問題 1. R 上に次のように定められた関係 R が反射律,対称律,推移律を満たすか確かめよ. (1) xRy ⇔ x≤y (2) xRy ⇔ |x − y| ≤ 1 (3) xRy ⇔ |x − y| = 1 2. ∼ を集合 X 上の同値関係とする.x ∈ C(y) ならば,C(x) = C(y) であり,逆に x ∈ / C(y) な らば,C(x) ∩ C(y) = ∅ が成り立つことを示せ. (ヒント:「x ∈ C(x)」,「x ∈ C(y) ならば,y ∈ C(x)」が成り立つ.) 3. X, Y を集合とし,f : X → Y を写像とする.X 上の関係 ∼ を次で定める: x ∼ y ⇔ f (x) = f (y). (1) ∼ は X 上の同値関係であることを示せ. (2) f が単射であるとき,X の同値類の集合から,X への全単射を構成せよ. (3) f が全射であるとき,X の同値類の集合から,Y への全単射を構成せよ. 4. Mn (R) 上の関係 ∼ を次で定める: A ∼ B ⇔ ある正則行列 P ∈ Mn (R) が存在し,B = P −1 AP と表される. (1) ∼ は Mn (R) 上の同値関係であることを示せ. (2) n = 2 とする.A ∼ B であるとき,det A = det B が成り立つことを示せ.(コメント:実 は,一般の n 次正方行列 A に対しても行列式 det A が定義されて,同じことが成り立つ.) a1n .. . ∈ Mn (R) に対し,tr A := a11 + a22 + · · · + ann とお an1 · · · ann く.(これを行列 A のトレースとよぶ.) a11 . 5. n 次正方行列 A = .. ··· .. . (1) A, B ∈ Mn (R) に対して,tr (AB) = tr (BA) が成り立つことを示せ. (2) Mn (R) 上の同値関係 ∼ を問題 4 と同じものとする.A ∼ B であるとき,tr A = tr B が成 り立つことを示せ.
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