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薬事情報センターに寄せられた県民・医療従事者からの相談事例
(2016 年5月)
【相互作用】
Q:メチコバールTM、ムコダインTM、ペオンTMを服用中の患者。クラビットTMとの相互作用は?
(歯科医師)
A:ニューキノロン系抗菌薬のクラビットTMには痙攣誘発作用があり、ペオンTM(ザルトプロフェ
ン)はその作用を増強する可能性があるため併用注意。セフェム系、ペニシリン系、マクロラ
イド系抗菌薬は、相互作用の問題はない。
Q:タムスロシン、バイアスピリンTM、パリエットTM、タナトリルTM、ネオーラルTM、センノシ
ド、アダラートTML、エディロールTM、プレドニンTM、エチゾラム、酸化マグネシウム、ゾ
ルピデムを服用中の患者。フロモックスTM、ロキソニンTMとの相互作用は?(歯科医師)
A:パリエットTMを消化性潰瘍治療の目的で使用していれば、ロキソニンTMは禁忌。
バイアスピリンTMとロキソニンTMは、出血傾向の増大、腎機能低下の可能性があり併用注意。
タナトリルTMとロキソニンTMは、降圧作用減弱、腎機能悪化の可能性があり併用注意。
ネオーラルTMとロキソニンTMは、腎障害、高カリウム血症の可能性があり併用注意。
消化器症状に注意する。
Q:センノシド、ジェイゾロフトTM、デパスTM、ミオリラークTM、リボトリールTM、ゾルピデ
ム、フルニトラゼパム、クエチアピンを服用中の患者。フロモックスTM、ボルタレンTMとの相
互作用は?(歯科医師)
A:ジェイゾロフトTMとボルタレンTMは、異常出血(鼻出血、胃腸出血、血尿等)が起こる可能性
があり併用注意。
Q:メイアクトTM、テグレトールTM、フェノバルビタールを服用中の患者。アセトアミノフェンと
の相互作用は?(歯科医師)
A:テグレトールTM、フェノバルビタールとアセトアミノフェンは慎重投与。テグレトールTMとフ
ェノバルビタールの長期連用は肝薬物代謝酵素を誘導するため、アセトアミノフェンの代謝が
促進され血中濃度が低下し作用が減弱する可能性がある。また肝毒性をもつ N-アセチル-p-ベ
ンゾキノンイミンへの代謝が促進されるため、肝障害が生じる可能性がある。
【適正使用】
Q:セフゾンTMを服用中。ルナベルTMを一緒に飲んで問題ないか?(県民)
A:セフゾンTMの腸内細菌への作用から、ルナベルTMの効果が減弱し不正出血の発現の可能性があ
る。
Q:ゼチーアTM、バイアスピリンTM、サイトテックTM、クレストールTM、セロケンTM、ウラリッ
トTM、ミカルディスTM、アロチームTM、バイミカードTM、ガスターTM、カリメートTM、ビオ
フェルミンTMを服用中の患者。フロモックスTM、ロキソニンTMとの相互作用は?(歯科医
師)
A:サイトテックTMは「NSAIDs による長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍」で使用され
るため、ロキソニンTMは禁忌。
カリメートTMは急性および慢性腎不全時に使用されるため、フロモックスTMは患者の腎機能に
応じて以下のように減量する。
Ccr>50mL/min:減量なし、10mL/min<Ccr<50mL/min:1回 100mg 1 日 2 回、
Ccr<10mL/min:1 回 100mg 1 日 1 回
【副作用防止】
Q:プラザキサTM服用中の患者。抜歯は可能か?(歯科医師)
A:適正に投与されコントロール良好であれば、出血に注意しながら継続下で抜歯できる。プラザ
キサTMの血中濃度のピーク時(Tmax:4時間)の抜歯は避けたほうがよい。
Q:ボノテオTM(50)を服用中。糖尿病がある。抜歯は可能か?(歯科医師)
A:糖尿病は、ボノテオTM(50)服用中の抜歯による顎骨壊死発生のリスク因子である。処方医と
相談して抜歯前3ヶ月の服用が中止可能か検討する。