NCI、民間企業との間で締結したデータ共有契約によりゲノム

日本学術振興会ワシントン研究連絡センター
NCI、民間企業との間で締結したデータ共有契約によりゲノムデータ・
コモンズで利用可能なリソースが劇的に増加(6 月 29 日)
国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)傘下の国立がん研究所(National
Cancer Institute:NCI)は 6 月 29 日、がん患者のゲノム・プロファイルを作成した分
子情報会社のファウンデーション・メディシン社(Foundation Medicine, Inc.:FMI)
との間で、データ共有契約を締結したことを発表した。
NCI は、研究者間でゲノム及び臨床データ共有を促進するために、統一データシステ
ムのゲノムデータ・コモンズ(Genomic Data Commons:GDC)を最近立ち上げたとこ
ろで、本契約の締結により、GDC で利用可能なリソースが劇的に増加することになる。
GDC を立ち上げた時点では、「がんゲノム・アトラス(The Cancer Genome Atlas:
TCGA)」や、その小児版の「効果的な治療開発のために治療として応用可能な研究
(Therapeutically Applicable Research to Generate Effective Treatments)」などとい
った既存の NCI の大規模プログラムから約 1 万 4,500 人分の患者データの活用が可能と
なったが、FMI 社が構築したゲノム・プロファイル分析データ「ファウンデーション・
ワン(FoundationOne)」を活用することにより、更に成人患者 1 万 8,000 人分のデータ
利用が可能となる。
なお、FMI 社から提供されたゲノム情報を利用できるのは、NIH データアクセス委員
会(NIH Data Access Committee)から許可を受けた研究者に限定される。
National Institutes of Health, Significant expansion of data available in the Genomic
Data Commons
https://www.nih.gov/news-events/news-releases/significant-expansion-data-availablegenomic-data-commons