景気循環研究所 嶋中雄二の景気サイクル最前線 No.40 2016 年 7 月 22 日 「いま日銀に期待される金融政策」に関する8つの論点 ~20 兆円規模の経済対策と連動した 20 兆円の量的・質的金融緩和の追加で、アベノミクスの原点回帰へ~ はじめに 7 月 28 日、29 日に予定されている日銀の金融政策決定会合を前に、様々な情報や推測、ア イディア、見解が出てきている。そこで、本稿では、いま日銀に期待したい金融政策をテーマ に、箇条書きで恐縮ながら、①景気の現状、②物価の動向、③原油価格と円レートの影響、④ 期待インフレ率の動向、⑤マイナス金利政策の功罪、⑥GDP600 兆円達成に向けての金融政策、 ⑦名目 GDP 目標達成のための方法論、⑧「20 兆-20 兆」の同時政策発動、の 8 つの論点に分 けて私見を論じてみたい。 軒並み低下した期待インフレ率とマイナス金利の功罪 1. 景気の現状 中国景気の失速に加え、熊本地震や円高もあり、日本の景気は英国の EU 離脱 決定(6 月 24 日)以前から足踏みが続いており、日銀短観 6 月調査で、中小企業・製造業の業 況判断 DI(「良い」-「悪い」)はマイナス 5 となった。景気動向指数(CI・一致指数)も足踏み しており、明確な景気浮揚には金融・財政の両面からの支援が不可欠である(図 1、表 1、図 2)。 図 1.業況判断DI(製造業の大企業と中小企業)の推移 (「良い」-「悪い」、%ポイント) 60 業況判断DI (大企業・製造業) 40 25 26 (04/9) (06/12) 予測 17 (14/3) 20 0 -20 -40 -60 業況判断DI(中小企業・製造業) -80 75 80 85 90 95 00 05 10 15 (年、四半期) (注) は景気後退期(内閣府調べ)。2003 年 12 月調査以前と 2004 年 3 月調査以降の計数は連続しない。 (資料)日本銀行「企業短期経済観測調査」より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 1 表 1.日銀短観・業況判断DI 【大企業】 【中小企業】 製造業 年 前年差 非製造業 【全規模合計・全産業】 製造業 非製造業 年 全産業 年 【大企業】予実差 製造業 非製造業 実績 12 13 14 15 16 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 予 -4 -1 -3 -12 -8 4 12 16 17 12 13 12 12 15 12 12 6 6 -10 8 -5 -8 -4 5 15 28 25 8 1 -4 -5 3 -1 0 -6 -9 5 8 8 4 6 12 14 20 24 19 13 16 19 23 25 25 22 19 6 -6 17 12 13 14 15 16 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 -10 -12 -14 -18 -19 -14 -9 1 4 1 -1 1 1 0 0 0 -4 -5 -11 -9 -9 -11 -8 -4 -1 4 8 2 0 -1 3 4 3 5 4 0 -7 -4 9月 予 12 13 14 15 16 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 予 -6 -4 -6 -9 -8 -2 2 8 12 7 4 5 7 7 8 9 7 4 -7 -8 -8 -15 -15 -6 -2 6 10 6 4 6 5 4 5 4 1 0 -5 -3 -3 -6 -2 1 5 9 14 8 5 4 9 10 10 13 11 8 2 -2 4 12 13 14 15 16 予測 【営業利益(製造業)】 製造業 年 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 予測 -4 -1 -3 -12 -8 4 12 16 17 12 13 12 12 15 12 12 6 6 -5 -3 1 -3 -10 -1 10 11 14 8 15 13 9 10 16 10 7 3 9月 年 前年比 実-予 1 2 -4 -9 2 5 2 5 3 4 -2 -1 3 5 -4 2 -1 3 12 1-3 4-6 7-9 10-12 13 1-3 4-6 7-9 10-12 14 1-3 4-6 7-9 10-12 15 1-3 4-6 7-9 10-12 16 1-3 -7.0 11.0 -9.9 -0.9 31.6 35.3 45.0 69.1 28.8 -5.0 6.6 3.2 -7.8 23.4 9.7 -7.7 -15.6 (資料)財務省 「法人企業統計調査」 6 (注)16 年 9 月のデータは予測値。 (資料)日本銀行「企業短期経済観測調査」より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 図2.景気動向指数(CI・一致指数)の推移 (10年=100) (前年差、ポイント) 125 30 一致指数(前年差) (右目盛) 120 指数 前月差 前年差 2015 10 105 0 100 -10 95 一致指数 (左目盛) 90 -20 85 -30 80 75 -40 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 7ヵ月後方 5 6 7 8 9 10 11 12 2016 1 2 3 4 5 111.7 112.9 112.5 111.9 111.4 112.8 111.5 110.6 111.8 110.0 110.2 112.0 110.5 -1.6 1.2 -0.4 -0.6 -0.5 1.4 -1.3 -0.9 1.2 -1.8 0.2 1.8 -1.5 -1.2 1.3 0.4 1.0 -0.9 0.3 -0.1 -2.1 -2.3 -2.5 -0.9 -1.3 -1.2 -0.27 0.60 -0.27 0.07 -0.50 0.14 -0.13 -0.27 -0.33 -0.50 -0.13 0.06 0.17 (年、月) (注) は景気後退期(内閣府調べ)。 (資料)内閣府『景気動向指数』 2. 物価の動向 5 月のコア CPI は、前年比マイナス 0.4%、日銀版コアコア CPI も 5 月は 0.8% と鈍化している。直近の日経 CPINow(日次)も低迷し、SRI 一橋大学消費者購買価格指数(週 次)は、前年割れが続く。国内需要デフレーターは 15 年 7-9 月期以降、3 四半期連続でマイナ スとなり、しかもその幅は拡大し、16 年 1-3 月期はマイナス 0.5%に達した。7 月発表の日銀 「展望レポート」の物価見通しは、下方修正が避けられないだろう(図 3、4、5)。 図3.消費者物価指数の基調的な変動 (前年比、%) 総合(除く生鮮食品・エネルギー)の0.8%の上昇のうち 食料(除く生鮮食品・酒類)の押し上げ寄与は0.3%pt 3 2 2010年基準 1 16/5 0.8 15/12 1.3 14/4 1.5 0.6 0 ▲0.4 -1 総合(除く生鮮食品・エネルギー=日銀版コアコア) 総合(除く食料・エネルギー=米国式コア) -2 総合(除く生鮮食品) -3 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年、月次) (注)総合(除く生鮮食品・エネルギー)は日本銀行調査統計局算出。 (資料)日本銀行「金融経済月報」、総務省「消費者物価指数」をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 2 DI 指数 移動平均値 移動平均値 の前月差 の前月差 20 115 110 3ヵ月後方 -0.11 0.19 -0.03 -0.31 -0.16 0.24 -0.26 -0.16 -0.15 -0.36 -0.24 0.08 -0.33 45.0 90.0 20.0 45.0 30.0 65.0 50.0 30.0 40.0 30.0 40.0 44.4 62.5 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 図4.日経CPINow、SRI一橋大学消費者購買価格指数の推移 (%) (%) 4 4.0 日 経CPINow(日次、 7日 後方移 動平均 ) 3 3.0 2 2.0 1 1.0 0 0.0 -1 -1.0 -2 -2.0 SRI一 橋大学 消費者 購買価 格指数 (週 次) -3 07 08 09 10 11 12 13 14 15 -3.0 16 (注)日経 CPINow の 15 年までは日経・東大日次物価指数。 (資料)東大日次物価プロジェクト、ナウキャスト資料、一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構 「SRI 一橋大学消費者購買指数」などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 図5.デフレーターの推移 (前年比、%) 3.4 3.0 2.6 2.2 1.8 1.4 1.0 0.6 0.2 -0.2 -0.6 -1.0 -1.4 -1.8 -2.2 -2.6 -3.0 国内需要デフレーター GDPデフレーター 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年、四半期) (注) は景気後退期(内閣府調べ)。 (資料)内閣府『国民経済計算』 3. 原油価格と円レートの影響 ガソリン価格は上がらず、コア CPI のブレーキ役になってい る。また、これまでの円高は、今後日銀版コアコア CPI の前年比を一段と押し下げる方向に作 用するだろう(図 6、7)。 図6.ガソリン価格とコアCPIの関係 (前年比、%) (前年比、%) 40 コアCPI(月次、右 目盛) 30 3 インフレ目標 2 16年5月 -0.4% 1 20 10 0 0 -10 -1 ガソリン価格(週次、左目盛) -20 16年7月19日 -15.2 (122.7円/㍑) -30 -40 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (注)コア CPI は消費税の影響を除く。ガソリン価格は全国店頭レギュラーガソリン。 (資料)資源エネルギー庁「石油製品価格調査」、総務省「消費者物価指数」をもとに 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 3 16 (年、月) -2 -3 図7.円レート水準と日銀版コアコアCPI(前年比)の推移 (前年比、%) (10年=100) 2.0 60 円レート・名目実効為替レート指数(右逆目盛) 1.5 70 1.0 80 0.5 0.0 90 -0.5 円安 100 -1.0 110 消費者物価・生鮮食品・ エネルギーを除く総合(左目盛) (日銀版コアコアCPI) -1.5 -2.0 2005 円高 120 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (年、月) (注)消費者物価は、05 年が 00 年基準、06~10 年が 05 年基準、11 年以降が 10 年基準。 (資料)日本銀行「名目実効為替レート指数」、「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」などをもとに 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 4. 期待インフレ率の動向 消費者、企業、市場の期待インフレ率がすべて悪化している。バ ックワード・ルッキングな期待形成が優勢な現状では、当面、期待インフレ率の改善は望めな いと考えられる(図 8、9、10、11、12、13)。 5 図8.消費者の期待インフレ率の推移 (前年比、%) 08/7 3.6 4 期待インフレ率(1年後) 14/3 3.2 11/4 2.3 08/8 2.4 3 14/11 3.1 (16/6) 1.7 14/6 2.7 2 14/4 1.5 1 11/8 0.2 全国 (16/5) -0.4 0 -1 消費者物価指数 (生鮮食品を除く総合) -2 全国 (16/6) 東京 -0.5 東 京都区 部 -3 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年、月次) (注)期待インフレ率は「消費動向調査」をもとにした加重平均値(一般世帯ベース、当研究所試算値)。 加重平均は、「-5%以上低下」を-5%、「-5%~-2%低下」を-3.5%、「-2%未満低下」を-1%、 「2%未満上昇」を+1%、「2%~5%上昇」を+3.5%、「5%以上上昇」を+5%と仮定して計算。 12 年 7 月から、調査方法を訪問留置調査から郵送調査に変更。14 年 2Q 以降は消費税の影響を除くベース。 (資料)総務省、内閣府資料をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 図9.物価モニター調査による期待インフレ率と消費者物価の推移 (%) 1.2 1.1 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 -0.5 -0.6 14.10 14年12月 2.33 15年2月 2.15 (%) 2.5 4月 6月 7月 2.03 1.992.04 5月 1.89 全国・コア消費者物価 前年比(左目盛) 15.1 2.4 1年後の期待インフレ率 (右目盛) 8月 1.86 2.3 2.2 2.1 2.0 1.9 9月 1.80 10月 1.6711月12月16年1月 3月 1.561.58 1.60 2月 1.51 1.51 6月 1.16 都区部・コア消費者物価 前年比(左目盛) 4 7 10 16.1 1.8 1.7 4月 1.60 5月 1.47 4 1.6 1.5 1.4 7月速 1.04 7 1.3 1.2 1.1 1.0 0.9 (年、月) (注)期待インフレ率は物価モニター調査をもとに算出。「-5%超」、「-5%程度」は-5%、 「-4%程度」は-4%、「-3%程度」は-3%、「-2%程度」は-2%、「-1%程度」は-1%、「変わらない」は 0%、 「+1%程度」は 1%、「2%程度」は 2%、「3%程度」は 3%、「4%程度」は 4%、「5%程度」、「5%超」 は 5%のインフレ率をそれぞれ予想しているとして計算。 (資料)消費者庁「物価モニター調査」、総務省「消費者物価指数」などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券 景気循環研究所 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 4 図 10.期待インフレ率とCPI前年比(除く生鮮食品・エネルギー)の推移 2.4 (前年比、%) (前年比、%) 1.8 0.9 期待インフレ率(今後1年間) (四半期、右目盛) 1.2 1.2 0.6 0.6 0.3 0.0 0.0 -0.6 -0.3 -0.6 -1.2 消費者物価指数(除く生鮮食品・エネルギー) (月次、左目盛) -1.8 -0.9 -1.2 -2.4 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注)期待インフレ率は修正カールソン・パーキン法を用いて当研究所が算出。消費者物価指数(除く生鮮食品・ エネルギー、10 年以前は 05 年基準、11 年以降は 10 年基準)は日銀算出。 (資料)総務省「消費者物価指数」、日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」をもとに三菱 UFJ モルガン・ スタンレー証券景気循環研究所作成 図11.金融市場の期待インフレ率と消費者物価上昇率の推移 (%) 2.5 ブレーク・イーブン・インフレ率(日次) 2.0 1.5 14/4/2 1.30 インフレ・スワップ金利(日次) 13/5/27 1.04 1.0 14/11/6 1.252 14/10/28 14/5/29 1.01 1.038 14/10/28 0.88 12/4/2 0.46 0.5 14/6/5 1.41 13/9/20 0.52 0.0 15/7/6 1.39 7/21 0.38 15/1/19 0.72 14/12/17 0.32 13/2/25 0.12 7/21 0.04 消費者物価指数の前年比 (生鮮食品を除く総合、月次) 12/11/12 -0.19 -0.5 15/5/7 1.15 -1.0 12 13 14 15 (年) 16 (注)ブレーク・イーブン・インフレ率は「10 年債利回り-10 年物価連動債利回り」、インフレ・スワップ金利は 「5 年先スタートの 5 年物」。消費者物価指数の 14 年 2Q 以降は消費税の影響を除くベース。 (資料)Bloomberg、総務省資料をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 2.0 図 12.企業経営者の期待インフレ率が低下 (前年比、%) 1.8 1.7 1.7 1.7 1.7 1.6 1.6 1.5 1.5 1年後 1.7 1.6 1.6 1.6 1.6 1.5 1.4 5年後 1.6 1.5 1.4 3年後 1.5 1.4 1.4 1.4 1.4 1.3 1.2 1.2 1.2 1.1 1.1 1.1 1.0 1.0 0.8 0.8 0.7 0.6 14年3月調査 6月調査 9月調査 12月調査 15年3月調査 6月調査 (注)物価全般の見通し(全規模企業・全産業ベース)。 (資料)日銀「短観」をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 5 9月調査 12月調査 16年3月調査 6月調査 図13.期待インフレ率の前年差と過去のインフレ率の変動の寄与 (%) 3 バックワード・ルッキングな期待形成が6割強(63%)で、 フォワード・ルッキングな期待形成が4割弱(37%) 2 期待インフレ率前年差 1 0 ‐1 その他の寄与 ‐2 ‐3 過去のインフレ率の変動の寄与 ‐4 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年、四半期) (注)期待インフレ率はコア消費者物価(生鮮食品を除く総合)の 1 年間の予想、四半期ベース、 直近は 16 年 4-6 月期。過去のインフレ率の寄与は以下の形式の推計式を推計し、算出 期待インフレ率(1 年間)=α+β1×1 四半期前・インフレ率(コア消費者物価前年比) +β2×期待インフレ率(3~10 年、コア消費者物価,) +γ×1 四半期前・GDP ギャップ (β1+β2=1、GDP ギャップは当研究所推計) (資料)QUICK、総務省、内閣府資料などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券 景気循環研究所作成 5. マイナス金利政策の功罪 マイナス金利政策による成果の 1 つは、金融政策の機能を 3 つ の次元に拡大し、市場に対し、緩和に限界がないと思わせたことであろう。もう 1 つは、近い 将来、住宅に続き設備の資金需要を刺激すると推測されることである。弊害は、量の拡大の可 能性が狭まったと誤解させたことに加え、24 年振りの長短逆イールドを引き起こし、金融機関 の収益と株価に対し、より大幅なマイナス金利を実施中の欧州以上ともいえる打撃を与えたこ とだ。マイナス金利による資金需要の増大がまだ明確には見られない中、円高・株安が進行し たこともネガティブな要素になろう。為替と株価には、やはり量的拡大が効く。一方、マイナ ス金利政策に伴なう現状の名目貸出金利水準は、日銀が重視する「自然利子率」を既に十分に 下回っていると考えられる。マイナス金利については、今夏以降、住宅投資に効果が見込まれ るが、この上、間接金融に及ぼす副作用を軽視して、実質金利を「自然利子率」を下回る水準 に無理に引き下げる必要はないと考えられる(図 14、表 2、図 15、16、表 3、図 17、18)。 図 14.3つの次元で追加緩和可能(新・金融「3本の矢」 ) 量 Quantity (⇒為替と株に大きく影響) 質 Quality マイナス金利 Negative interest rate (資料)日本銀行資料より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 6 表2.日銀の金融政策の推移 2013年4月4日 量を伴なう緩和 2014年10月31日 量を伴なう緩和 (円安・株高への効果) 「量的・質的金融緩和」の導入を決定 (マネタリーベース・コントロールの採 用・長期国債買入れの拡大と年限長 期化・ETF、J-REITの買入れの拡 大(全員一致)、「量的・質的金融緩 和」の継続(賛成8反対1))。 〇 追加金融緩和(賛成5、反対4)。マネ タリーベースを年間80兆円に。資産 買入れ額の拡大および長期国債買 入れの平均残存年限の長期化(賛 成5、反対4)。 〇 2015年12月18日 現状維持(賛成8、反対1)。QQEを補 × 完するための諸措置を導入。 量を伴なわず 「マイナス金利付き量的・質的金融緩 和」を導入(賛成5、反対4)。 2016年1月29日 量を伴なわず × (資料)日本銀行より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 図15.10年国債利回り、コールレート、長短金利差の推移 (%ポイント) (%) (%ポイント) (%) 2.0 1.0 10 コールレート無担保 翌日物(右目盛) 12 10年国債利回り (右目盛) 1.8 8 0.8 1.6 0.6 10 6 10年国債利回り (右目盛) 8 1.4 0.4 1.2 4 コールレート無担保 翌日物(右目盛) 1.0 0.2 0.0 6 2 0.8 2016年2月は1992年 3月以来のマイナスに 0.6 4 0 2 -2 0 -4 -0.4 0.4 -0.6 0.2 10年国債利回り―コールレート(左目盛) -6 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 -0.8 10年国債利回り ―コールレート (左目盛) 0.0 -2 -0.2 -1.0 -0.4 -1.2 13 (年、月) -0.2 14 15 16 (年、月) (注)月中平均、10 年債利回りの 1997 年以前は月末値。直近は、16 年 7 月(1-21 日)。 (資料)日本銀行、日本証券業協会、日本相互証券資料などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 図 16.ドイツ連邦10年国債利回り、ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)、長短金利差の推移 (%ポイント) (%) (%ポイント) 18 12 4.0 10 3.5 (%) 2.0 EONIA(右目盛) 16 独10年国債利回り (右目盛) 1.5 14 8 12 独10年国債利回り (右目盛) 3.0 1.0 6 10 2.5 8 4 6 2 4 0.5 EONIA(右目盛) 2.0 0.0 1.5 -0.5 0 2 -2 1.0 0 -2 -4 0.5 -6 0.0 -1.0 独10年国債利回り ―EONIA (左目盛) -1.5 独10年国債利回り―EONIA(左目盛) -4 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 (年、月) -2.0 13 14 (注)月中平均、短期金利の 98 年以前は LIBOR3 カ月。直近は、16 年 7 月(1-21 日)。 (資料)Bloomberg などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 7 15 16 (年、日次) 表3.ヴィクセル理論と日銀理論の相違 図 17.マイナス金利は、今夏以降、住宅投資に効果 ○K.ヴィクセルの「累積的過程」 (1898年) インフレ=貨幣利子率<自然利子率 増加 30 (%ポイント) = 20 名目金利 ○日銀理論 金融緩和=実質金利<自然利子率 (≒インフレ) (年率・兆円) 資金需要判断D.I. 住宅ローン(左目盛) マイナス金利 14 0 13 12 GDP住宅投資(右目盛) -20 減少 -30 11 10 10 11 12 13 14 15 16 (年、四半期) (注)資金需要判断 D.I.は当研究所季節調整値。GDP 住宅投資は実質ベース。 (資料)日本銀行「主要銀行貸出動向アンケート調査」、 内閣府「四半期別 GDP 速報」をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券 景気循環研究所作成 図 18.利子率ギャップと設備投資の伸び (%) (%) 12 20 10 18 貸出約定平均金利(左目盛) 16 8 14 6 12 4 10 2 総資産利払い前利益率(左目盛 ) 実質ベース 2005年基準 0 8 6 -2 4 -4 2 -6 0 -8 -2 利子率ギャップ(右目盛) -10 -4 40 -12 -6 30 実質設備投資前年比(左目盛) 20 10 0 -10 -20 -30 68 72 76 80 84 88 92 96 00 04 08 12 16 (年、四半期) (注)総資産利払い前利益率は、総需要デフレーター、民間固定資本形成デフレーターをもとに実質化。 (資料)財務省、内閣府、日本銀行資料などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 名目GDP600 兆円目標とマネタリーベース 6. GDP600 兆円達成に向けての金融政策 15 10 -10 (注 1)実質金利=名目金利-インフレ率(I.フィッシャー、1911 年) (注 2)インフレ率=期待インフレ率、とすれば、 実質金利=名目金利-期待インフレ率(M.フリードマン、1970 年) (資料)三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 16 現在までの量的拡大の成果は非常に大きい。マネタ リーベースの増加は、1 年半のタイムラグで着実に名目 GDP を拡大。2020 年度下期に名目 GDP600 兆円の目標を達成するには、19 年度上期までにマネタリーベース(平残)を 676 兆円(15 年 度下期 354 兆円)に拡大させることが必要だ(年率 92 兆円増、20.3%増)。現在のように名 目 GDP に足踏みが見られる時こそ、追加緩和が必要な時なのではあるまいか(図 19、20、21)。 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 8 図 19.1年半前のマネタリーベースの後を追う名目GDP (修正マッカラム・ルールによる推定) 136 (トレンド=100) (トレンド=100) 118 116 132 ●名目GDP(トレント゛除去後)のマネタリーベース(同、6四半期ラグ)に対する 長期的な弾性値(β)は0.11(推計期間:83年1-3月期~12年10-12月期) 128 114 ●必要マネタリーベース増減率(6四半期前) =名目GDPのトレンド成長率-流通速度のトレンド変動率 +(1/β)×( 名目GDP成長率目標-名目GDPのトレンド成長率) 124 120 112 110 108 116 112 106 名目GDP(四半期、右目盛) 108 104 104 102 100 100 98 96 マネタリーベース (1年半先行、月次、左目盛) 92 96 94 88 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 17 (年) (注)マネタリーベース、名目 GDP は、実額のトレンドを 100 として計算。トレント゛は HP フィルターにより抽出。 (資料)内閣府、日本銀行資料をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所 図20.マネタリーベース(平残)の推移 (兆円) 1000 20年度下期 名目GDP600兆円 達成には、 19年度上期までにマネタリーベースを 676兆円に拡大させることが必要に (年率92兆円増、 20.3%増) 500 19年度上期 676兆円 15年度下期 354兆円 100 ( 年度半 期) 50 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 (注)名目 GDP(トレンド除去後)のマネタリーベース(同、3 半期前)の変動に対する弾性値 (0.09、 92 年度上期~15 年度上期)をもとに推計 (資料)日本銀行、内閣府資料をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 (兆円) 図21.名目GDPの推移 520 510 名目GDP 500 490 480 黒田バズーカⅡ 470 460 12 13 14 15 16 (年、四半期) 名目成長率が徐々に高まり、15年1~3月期に前年比3%となり、その後も3%成長を 続ける経路 (資料)内閣府資料をもとに三菱UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 9 7. 名目 GDP 目標達成のための方法論 金融緩和・財政出動・成長戦略(規制緩和)の 3 本の 矢を同時に発射することが重要。それが、本来の「アベノミクス」である。広い意味では、一 種の「ヘリコプター・マネー」政策と解釈できなくもない「積極財政政策と量的金融緩和政策 の同時発動」は、実は、過去にも実施されたことがある。「長引くデフレと円高の克服」を目 的とした 12 年度補正(13 年 2 月成立)の経済対策関連費 10.3 兆円と併せた量的・質的金融緩 和による「2 年で 2 倍」のマネタリーベースの増大(13 年 4 月)はその典型であり、アベノミク スの原点ともなっている(表 4、5、6、7、8、図 22、23)。 表4.G20共同声明(2月27日) 表5.アベノミクスの旧「3本の矢」 ・成長や金融の安定化を目指し「金融・財政・構造改革という すべての政策手段を用いる」。 ・機動的に財政政策を実施する。 ・新興国からの資金流出を防ぐための規制を検討する。 ・「通貨安競争」を回避する。 共通 ①大胆な金融緩和 ②機動的な財政出動 ③民間投資を喚起する成長戦略 (資料)ロイター、日本経済新聞等各種報道より三菱 UFJ モルガン・ スタンレー証券景気循環研究所作成 (資料)三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 表7.12年度補正予算:13年2月26日成立 表6.伊勢志摩サミット首脳宣言の骨子 ○ ○ ○ ○ ○ 日本経済再生に向けた緊急経済対策 (13年1月発表) 世界経済の新たな危機回避へ政策総動員 下方リスクが高まる。英国のEU離脱はさらなる深刻なリスク 機動的な財政戦略と果断な構造改革を進める テロ対策は各国の能力構築を支援 中国の進出を念頭に東シナ海・南シナ海の状況を懸念。海 での法の支配の3原則を確認 国の財政支出 (資料)日本経済新聞(16 年 5 月 28 日付け) 復興・防災対策 3.8兆円 成長による 富の創出 暮らしの安心・ 地域活性化 3.1兆円 経済対策関連合計 10 .3 兆円 3.1兆円 (資料)内閣府資料、報道などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券 景気循環研究所作成 図22. 公共投資・水準の推移 表8.想定される16年度経済対策の規模と内訳 (年率兆円) 25 経済対策 名目 財源 24 子育て支援、家計負担の軽減 23 1.4兆円 税収上振れ 1.0兆円 3.0兆円 前年度剰余金の繰入 0.5兆円 1.3兆円 公債金 ( 建設国債) ( 財投債・ 財投機関債) (定額給付金、プレミアム付き商品券、待機児童 解消に向けた保育士の待遇改善など) 22 インフラ整備、中小企業対策 21 (リニア中央新幹線の全線開業前倒し、整備 新幹線の建設、農産物の輸出拡大に向けた 環境整備、英進出企業の拠点変更など) 実質 インバウンド対策 20 (クルーズ船が発着できる港湾の整備) 19 2012 13 14 15 16 (年、四半期) (資料)内閣府資料をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券 景気循環研究所作成 災害復旧・防災対策 (平成28年熊本地震を受けた防災事業) 財政投融資 (インフラ整備、保育・介護分野) (英EU離脱に対応したドル融資) 3.3兆円 (民間資金) 6 .0 兆円 (政府融資) 5 .0 兆円 7.5兆円 ( 1 .5兆円) ( 6 .0兆円) 補正予算 : 9.0兆円 補正予算に民間資金と政府系金融 機関の融資をあわせた総事業規模 20.0兆円 (注)17 年度以降の事業も盛り込まれている。 (資料)各種報道資料をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 10 図23.16年度補正予算と財源の想定 12 (兆円) 10.2 前年度の剰余金 5.5 6 4 0 9.0 税収の上振れ 8 2 予測 補正予算の財源合計 10 その他(公債金など) 2.8 2.0 3.1 3.3 2.0 2.2 2.3 1.7 1.9 2013 2014 2015 0.5 1.0 0.3 -2 2012 2016(年度) (注)2016 年度は当研究所の予測。剰余金は復興財源を含む。 (資料)財務省資料より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 8. 「20 兆-20 兆」の同時政策発動 7 月 28 日、29 日の金融政策決定会合で打ち出されるべ きだと思われる措置は、総額 20 兆円規模の経済対策と同額の 20 兆円の量的・質的金融緩和の 追加(長期国債 10 兆円、地方債 4 兆円、政府関係機関債 2 兆円、ETF3 兆円、J-REIT1200 億円) である。日銀の黒田総裁は、ヘリマネ政策の実施について中央銀行の独立性を踏まえ、「必要 性も可能性もない」と発言しているが、この「20 兆-20 兆」の発動は、ヘリマネと解釈する 必要はなく、むしろアベノミクスの 2 本の矢(大胆な金融緩和と機動的な財政出動)の協働で ある。なお、現時点では、金融機関収益をスクイーズするマイナス金利の深堀りや、その影響 を中立化しようとする貸出支援基金のマイナス金利化は、いざという時の「伝家の宝刀」として 温存しておくべきだろう(表 9、図 24)。 表9.日銀の買入対象となりうる資産 残高 日銀保有分 (兆円) (兆円) (%) 955.0 328.3 34.4 社 債 72.1 3.1 4.3 地方債 76.0 長期国債 - 社債並みで 3.5兆円 3.3兆円 公募地方債 58.9 - 政府関係機関債 78.4 -社債並みで - 財投機関債 ETF J-REIT 34.6 - 3.6兆円 3.4兆円 【 参考】 追 加緩和 20兆 円 の ケース ↓ 10.0兆円 1.5兆円 4.0兆円 2.0兆円 - 15.0 8.7 58.3 3.7 0.3 8.7 1.5兆円 3.0兆円 1200億円 600億円 (注 1)残高は 16 年 3 月末時点(ETF と J-REIT は 16 年 6 月末時点)、日銀保有分は 16 年 7 月 20 日時点。 (注 2)地方債と政府関係機関債は、時価ベース。但し、内訳の公募地方債と財投機関債は簿価ベース。 政府関係機関債には政府保証債や地方公共団体金融機構債などを含む。 (資料)日本銀行「資金循環勘定」、「営業毎旬報告」、日本証券業協会「公社債発行額・償還額等」、 投資信託協会 「契約型公募投資信託の資産増減状況」をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 11 図24.GDP600兆円目標とアベノミクスの旧「3本の矢」 名目GDP目標 ( 600兆円) 異 次 元 の 金 融 緩 和 、 を関国 購債債 を 入 E 中 T 心 F に J 地 l 方 R 債 E I 財 T 投 等機 、 、 、 追 加 緩 和 の 規 模 は 20 兆 円 ? 成 長 戦 略 民 間 投 資 を 刺 激 す る 積 極 的 な 財 政 出 動 同時発動 「 ヘリマネ」政策に近似するが、 実はアベノミクス 「 ヘリ コプター・マネー」(ヘリマネ)の定義 政府が財政出動の拡大を意図して、償還の 必要のない永久国債を発行し、日銀がこれ を直接引き受けること、な ど複数あり。 自民党の安倍晋三総裁は、2012年11月17 日、熊本市内の講演で「建設国債をできれ ば日銀に全部買ってもらうという買いオペを してもらうことによって、新しいマネーが強制 的に市場に出ていく」と発言した。 一 部 の 財 源 は 建 設 国 債 発 行 経 済 対 策 の 規 模 は 20 兆 円 ? 日銀の黒田東彦総裁は21日、英国放送協 会(BBC)ラジオ番組で、財政支出を日銀が 直接手当てするヘリコプター・マネー政策に ついて「必要性も可能性もない」とし、大型 の経済対策にあわせて同様の政策を実施 するとの市場の一部観測を否定した。 (資料)日本経済新聞(2016年7月21日付け) (資料)東京新聞(2012年12月2日付け) (資料)三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成 (以上) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所 東京都千代田区大手町 1-9-2 大手町フィナンシャルシティグランキューブ 参与 景気循環研究所長 嶋中 雄二 03-6627-5130 [email protected] 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 12 本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。本 資料で直接あるいは間接に採り上げられている有価証券は、価格の変動や、発行者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価 の変化、金利・為替の変動などにより投資元本を割り込むリスクがあります。ここに示したすべての内容は、当社の現時点での判断を示している に過ぎません。本資料は、お客様への情報提供のみを目的としたものであり、特定の有価証券の売買あるいは特定の証券取引の勧誘を目的と したものではありません。本資料にて言及されている投資やサービスはお客様に適切なものであるとは限りません。また、投資等に関するアドバ イスを含んでおりません。当社は、本資料の論旨と一致しない他のレポートを発行している、或いは今後発行する場合があります。本資料でイン ターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自身のアドレスが記載されている場合を除き、ウェッブサイト等の内容について当 社は一切責任を負いません。本資料の利用に際してはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合があります。当社および関係会社は、 本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品について、買いまたは売りのポジションを有している場合が あり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、当社および関係会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、 その他サービスを提供し、かつ同サービスの勧誘を行う場合があります。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の役員(会社法に規定する取締役、執行役、監査役又はこれらに準ずる者をいう)が、以下の会社の役員 を兼任しております:三菱UFJフィナンシャル・グループ、カブドットコム証券、三菱倉庫。 債券取引には別途手数料はかかりません。手数料相当額はお客様にご提示申し上げる価格に含まれております。 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承諾なく、本資料の全部もしくは一部を引用または複製、 転送等により使用することを禁じます。 c 2016 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved. Copyright ◯ 〒100-8127 東京都千代田区大手町 1-9-2 大手町フィナンシャルシティグランキューブ 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社 景気循 環研究所 (商号) 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2336 号 (加入協会) 日本証券業協会・一般社団法人金融先物取引業協会・一般社団法人日本投資顧問業協会・一般社団法人第二種金融商品取 引業協会 本資料は、英国において同国the Prudential Regulation Authorityとthe Financial Conduct Authorityの監督下にあるMitsubishi UFJ Securities International plcが配布致します。また、米国においては、Mitsubishi UFJ Securities (USA),Inc.が配布致します。 巻末に重要なお知らせを記載、ご参照下さい。 13
© Copyright 2024 ExpyDoc