証券アナリストに当社に対する評価を伺いました。

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証券アナリストインタビュー
証券アナリストに当社に対する評価を伺いました。
規模の拡大に向けて、良いタイミングで「攻め」に転じる
双日は前中期経営計画期間までは投資をやや抑制していましたが、2015年4月にスター
トした「中期経営計画 2017」では成長に向けた投資の積極化を明言しています。資源市
場が活況であった2000年代に投資を推し進めた他商社と比べると、投資の歴史が異なる
といえるでしょう。会社の 守り の部署である財経部門ご出身の佐藤社長がこのような判断
をされたことは、それなりの勝算があってのことだと思います。投資の実行はタイミングが重
要であり、攻める時期としてこのタイミングを選ばれたことを高く評価しています。
投資を抑制したことにより、双日は他商社と比較して事業ポートフォリオ(取り組む事業)
が少ない状態です。逆にいうと、規模の拡大ができるステージにあり、今後は ROA・ROE
を引き上げていくために、事業規模も拡大していく方針とみています。投資を成功させるた
めには、自社の強みや知見を活かした事業を選ぶことが必要ですが、非資源関連を強化
していくということは、佐藤社長の中で「双日のコアコンピタンス(強み)は非資源にある」と
考えているのだと思います。現中期経営計画 3カ年の投資額目標 3,000 億円に対し、初年
度実績は 710 億円となりましたが、2017 年3月期以降には大きな期待をしています。
永野 雅幸
三菱 UFJ モルガン・スタンレー
証券株式会社
エクイティリサーチ部
シニアアナリスト
1999 年から Citigroup 証券
株 式 会 社、2004 年 か ら J.P.
Morgan証券株式会社、2009
年からドイツ証券株式会社に
勤務。アナリスト歴は 20 年を
数える。
2013 年、三菱 UFJ モルガン・
スタンレー証券株式会社に
入社。シニアアナリスト(現
職)として商社業界を担当。
長年にわたり商社セクター
を担当、商社業界に精通して
おり、市場からの信頼も厚い
トップアナリストのひとり。
「商社業界の流れを変える存在」となることに期待
事業投資を行う際のリスクマネジメントは非常に重要です。しかし、投資の実行を決定す
る際のプロセスにも限界はあると感じており、投資を実行した後の経過のチェックや評価の
仕組みづくりが大事なのではないかと考えています。双日がこれから投資を積極化するに
あたって、その点の強化にもぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。
取り巻く事業環境が変化していく中で、どのように新しい事業やビジネスモデルを創出す
るか、ということが商社業界全体に求められています。双日に
ついては、
「柔軟性が高く個性的な社員が活躍する闊達な
企業」という印象を持っています。投資を積極化する時代を
選べたメリットを十分に活かしていけば、商社業界の流れを
変える存在にもなり得るのではないかと考えています。
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