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さぴあ
ヨ コ の ヒ ン ト
(2016年8月)
タ
テ
の
ヒ
ン
ト
前月号の解答と解説
人工知能(AI)とは、人間の知能に似た機能を備えたコンピューターシステムのこと。難
しい計算をしたり、外国語を日本語に訳したり、ことばを検索したりするだけでなく、みず
から「学習」し、次に何が起こるか「推理」し、何が合理的なやり方なのか「判断」します。
今年 3 月、囲碁 AI「アルファ碁」が世界最強棋士の一人に 4 勝 1 敗で圧勝しましたが、これも、
過去の膨大な棋譜(対局での手順を一つひとつ記録したもの)を覚えたうえで、囲碁 AI 同士
での対戦によって学習し、相手が石を置く場所を推理しながら、勝つために有利と思われる
場所を短時間で判断して、最善と思われる手を打ち続けた結果です。
こうした機能は「ディープラーニング(深い学習)」と呼ばれるもので、最近は、苦手だっ
た画像認識の分野にも広がっています。たとえば、画像を読み取らせるだけで、それがイヌ
なのか、それともネコなのか、多少珍種でもコンピューター自身が判断できるようになりま
した。ロボットの運動能力も急速に高まっており、5 年後くらいには簡単な料理や掃除なら
できるようになるともいわれています。いずれは、AI を備えたロボットが、画像から質の良
い牛肉を選び、色や匂いなどで焼き加減を判断しながら、おいしいステーキを焼く、といっ
たこともできるようになるのではないでしょうか。
このため、現在、人間がやっている仕事の一部を AI やロボットが代行するようになると考
えられています。「10 ∼ 20 年後には、現在、日本国内で働く人の約半分が就いている職業は、
AI やロボットが取って代わることができるようになる」という研究結果もあります。たくさ
んの人が失業することになるのでしょうか。そんな心配もありますが、歴史を振り返ると、
人間は機械に任せられることは機械に任せ、少しずつ高度な仕事をするようになっています。
AI を使った新しい産業が生まれるかもしれません。皆さんも知恵を絞って、良いアイデアを
出してください。