全国の河川を対象とした河道内植生の分布特性と成立要因および河道

全国の河川を対象とした河道内植生の
分布特性と成立要因および河道掘削後の変化
●内藤太輔(【公財】リバーフロント研究所)
金縄健一(国土交通省 大臣官房監察官室)
福永和久(鹿児島県 土木部河川課)
今村史子(日本工営株式会社 中央研究所)
萱場祐一(【国研】土木研究所 河川生態チーム)
①河道内植生の分布特性と比高,水際距離の
特徴
●比高、水際距離からみた植生分布の特徴
●セグメントによる植生の分布特性の違い
●ヤナギ林,ハリエンジュ林,竹林の分布特性の違い
②掘削後に優占する植生と成立要因との
関係性
●豊川の掘削事例
●揖斐川の掘削事例
●低比高帯の優占植生と掘削後の植生の関係性
●比高、水際距離からみた植生分布の特徴
利根川上流
0
比高 (m)
10
比高 (m)
0
10
水際距離 (m)
100
200
自然裸地
3000
比高 (m)
0
10
0
ヤナギ林
3000
水際距離 (m)
100
200
300
一年生草本
単子葉草本
多年生広葉草本
0
豊川
水際距離 (m)
100
200
水際距離 (m)
100
200
3000
単子葉草本
水際距離 (m)
100
200
300 0
ヤナギ林
人工物・耕作地等
水際距離 (m)
300
100
200
植林地(竹林)
●セグメントによる植生の分布特性の違い
比高
2-1
20%
40%
60%
~10m
~8m
~6m
~4m
~2m
~0m
80%
100%
セグメント1
0%
20%
40%
60%
80%
100%
80%
60%
40%
20%
0%
100%
100%
80%
60%
40%
20%
0%
~10m
~8m
~6m
~4m
~2m
~0m
出現率
比高
セグメント
2-2
水際距離別
出現率
~10m
~8m
~6m
~4m
~2m
~0m
0%
セグメント
100%
80%
60%
40%
20%
0%
出現率
比高
セグメント
1
比高別
0%
20%
●自然裸地
40%
60%
出現率
80%
100%
●1年生草本 ●多年生草本
●植林(竹林)
水際距離
●単子葉草本 ●ヤナギ高木・低木林
●植林地(その他)_ハリエンジュを含む
●広葉樹林 ●その他
石狩川水系
セグメント2-1
●ハリエンジュ林※
利根川水系
セグメント1
比高 (m)
●ヤナギ林
比高 (m)
●ヤナギ林,ハリエンジュ林,竹林の分布特性の違い
●竹林
吉野川水系
セグメント2-1
●出現率
比高 (m)
※植林(その他)で抽出
30%~ ●出現率
0
10
水際距離 (m)
100
200
0
10
0
10
0
20~30% ●出現率
10~20%
比高 (m)
10
10
比高 (m)
0
比高 (m)
0
0
0
10
10
比高 (m)
2006
2010
10
比高 (m)
2002
2005 掘削
【凡例】
自然裸地
一年生草本群落
単子葉草本群落
水際距離 (m)
0
100 200
10
比高 (m)
●豊川の掘削事例
0
その他の単子葉草本群落
多年生広葉草本群落
ヤナギ高木・低木林
植林地(竹林)
植林地(その他)
落葉広葉樹林
0
その他の低木林
人工物・耕作地等
0
水際距離 (m)
100
●植林(竹林)
●一年生草本
●単子葉草本
200
2012
比高 (m)
【凡例】
自然裸地
一年生草本群落
単子葉草本群落
10
0
0
10
10
比高 (m)
2007
比高 (m)
2005 掘削
比高 (m)
水際距離 (m)
0
100
200
10
0
10
10
0
その他の単子葉草本群落
多年生広葉草本群落
ヤナギ高木・低木林
0
0
比高 (m)
2002
比高 (m)
●揖斐川の掘削事例
植林地(竹林)
植林地(その他)
落葉広葉樹林
0
その他の低木林
人工物・耕作地等
水際距離 (m)
100
●多年生広葉草本
●自然裸地
●ヤナギ林
200
●低比高帯の優占植生と掘削後の植生の関係性
比高1m以下の
セグメント
優占植生
2-1
2-2
該当掘削
事例数
掘削後の優占種
自然裸地
草本類
ヤナギ
箇所数
割合
箇所数
割合
箇所数
割合
自然裸地
8
2
25%
3
38%
3
38%
草本
5
1
20%
4
80%
0
0%
ヤナギ
3
1
33%
2
67%
0
0%
自然裸地
1
1
100%
0
0%
0
0%
草本
6
0
0%
5
83%
1
17%
ヤナギ
7
1
14%
0
0%
6
86%
まとめ
・セグメント、地域によって比高,水際距離による植生の分布特性は異なった.
・主な樹林化の対象となるヤナギ,ハリエンジュ,竹林の分布特性は比高で明確
に異なった.
・3m以上の高い比高で出現率が高いハリエンジュ,竹林については切下げによ
り抑制される可能性が示唆された.
・セグメント2-2では,掘削後の優占植生は,該当セグメントの比高1m以下の低
比高帯の優占植生となる可能性が示された.
・掘削後の植生を予測する技術の一つとして、セグメントごとに低比高帯の
優占植生を把握することが有効と考えられる。
・必要なデータセットは、水国植生図、横断測量、距離標データで既存
のものが活用できる。