学研アソシエ主催高校教育フォーラム2016 2016年8月6日(土) エビデンスベースで生徒の学習と成長を可視化する 溝上 慎一 (京都大学高等教育研究開発推進センター/教育学研究科) http://smizok.net/ E-mail [email protected] 43(50) 1 興味があればお読みください 溝上慎一 (2014). アクティブラーニングと教授学習パラダイ ムの転換 東信堂 アクティブラーニングを理論的・実践的に包括的に概説した著書。 第1章:アクティブラーニングとは 第2章:なぜアクティブラーニングか (教えるから学ぶへ、情報・知識リテラシー) 第3章:さまざまなアク ティブラーニング型授業(ピアインストラクション、LTD話し合い学習法、 PBLなど) 第4章:アクティブラーニング型授業の質を高めるための 工夫(ディープ・アクティブラーニング、授業外学習、逆向き設計、反転 授業) 第5章 揺れる教授学習観(ラーニングピラミッドの功罪など) 溝上慎一監修 (2016年3月新刊) 『アクティブラーニング・シリーズ全7巻』(東信堂) ・第1巻 アクティブラーニングの技法・授業デザイン (安永悟・関田一彦・水野正朗編) ・第2巻 アクティブラーニングとしてのPBLと探究的な学習 (溝上慎一・成田秀夫編) ・第3巻 アクティブラーニングの評価(松下佳代・石井英真編) ・第4巻 高等学校におけるアクティブラーニング:理論編(溝上慎一編) ・第5巻 高等学校におけるアクティブラーニング:事例編(溝上慎一編) ・第6巻 アクティブラーニングをどう始めるか(成田秀夫著) ・第7巻 失敗事例から学ぶ大学でのアクティブラーニング(亀倉正彦著) 各巻の詳細はこちら(http://smizok.net/ALflier03-2016.pdf) (このチラシにある申込書を使えば、全巻セッ11,800円が10,000円で購入できます) CONTENTS ①学生調査・トランジション調査の成果 ②大学生の学びと成長を支援する エビデンスベース(IR)の教育改革 ③高校でのエビデンスベースの教育改革 1 3 CONTENTS ①学生調査・トランジション調査の成果 ②大学生の学びと成長を支援する エビデンスベース(IR)の教育改革 ③高校でのエビデンスベースの教育改革 * 4 古くから「キャリア形成と学業の架橋」をテーマに~隔世の感 京都大学・電通育英会主催 『大学生のキャリア意識調査』(Since 2007) *現在東京大学も共催 学研アソシエ主催 『高校教育フォーラム』(Since 2011) *2011‐2012年は大学生研究フォーラムと共催 *以前は学研教育みらい主催 ↑学生の学びとキャリア形成をテーマに・・・ 『大学生研究フォーラム』(Since 2008) 1 5 大学生活タイプ(一週間の過ごし方)の割合 1.000 .800 .600 .400 自主学習 .200 ひとりの娯楽活動 .000 課外活動・対人関係 ‐.200 ‐.400 ‐.600 ‐.800 タイプ1 n=540 (20.4%) タイプ2 n=1,028 (38.8%) タイプ3 n=619 (23.3%) タイプ4 n=465 (17.5%) 59.2%の学生(タイプ1+タイプ2)は課外活動・対人関係が弱い 2 6 Reference: 保田江美・溝上慎一 (2014). 初期キャリア以降の探究-「大学時代のキャリア見通し」と「企業におけるキャリアとパフォーマンス」を中心に 中 原淳・溝上慎一編 活躍する組織人の探究-大学から企業へのトランジション- 東京大学出版会 pp.139‐173. 大学生活タイプ×資質・能力 忍耐強く継続して物事に取り組む 力 競争心 知的面での自信 チャレンジ精神 創造性 他人との協調性 時間を有効に利用する能力 コンピュータ・インターネットの操作 能力 数理的な能力 プレゼンテーション能力 文章表現能力 リーダーシップ能力 問題解決能力 外国語での口頭と筆記によるコミュニ ケーション能力 日本語での口頭と筆記によるコミュニ ケーション能力 対話の能力 起業家精神 市民性と倫理的責任感 情報の管理能力と技術 分析を通しての批判的思考力 競争心 忍耐強く継続して物事に取り組む 力 知的面での自信 チャレンジ精神 創造性 他人との協調性 時間を有効に利用する能力 コンピュータ・ インターネットの操作 能力 数理的な能力 プレゼンテーション能力 文章表現能力 リーダーシップ能力 問題解決能力 外国語での口頭と筆記によるコミュ ニケーション能力 日本語での口頭と筆記によるコミュ ニケーション能力 対話の能力 起業家精神 市民性と倫理的責任感 情報の管理能力と技術 分析を通しての批判的思考力 専門外にわたる幅広い教養 将来の職業に専門的知識を生かす 応用力 専門分野で研究するための基礎的 な学力と技術 (1) まったく 身につかなかった 専門外にわたる幅広い教養 2.60 タイプ2 1.80 大学生活 タイプ 2.40 2.20 タイプ1 2.00 タイプ2 タイプ3 大学生活タイプ1, 2 1.80 大学生活タイプ4 将来の職業に専門的知識を生かす 応用力 2.80 タイプ1 大学生活タイプ1, 2 2.00 タイプ4 a. 授業で身につけた資質・能力 専門分野で研究するための基礎的 な学力と技術 3.00 大学生活 タイプ 2.20 タイプ4 1.60 大学生活タイプ3 3.20 7 b. 授業外で身につけた資質・能力 2 3.40 (4) かなり 身についた 3.00 タイプ3 1.60 大学生活タイプ3 3.20 (4) かなり 身についた 2.80 2.60 2.40 二つのライフ(Future Life+Present LIfe) 二つのライフ(将来の見通しと理解実行) 文科系 26.7 理科系 36.2 18.9 39.4 8.8 11.4 28.3 30.2 見通しあり・理解実行 文理科系 23.1 42.5 7.5 26.9 見通しあり・理解不実行 見通しあり・不理解 医療系 48.5 全体 26.2 0% 20% 37.1 37.1 40% 9.4 60% 5.4 9.0 見通しなし 27.3 80% 100% 大半の学生は将来と日常が接続していない 2 8 二つのライフ×資質・能力 2.80 見通しなし 1.80 競争心 忍耐強く継続して物事に取り組む 力 知的面での自信 チャレンジ精神 創造性 他人との協調性 時間を有効に利用する能力 コンピュータ・ インターネットの操作 能力 数理的な能力 プレゼンテーション能力 2.00 見通しなし 見通しあり不理解 見通しあり理解不実行 見通しあり・理解実行 文章表現能力 リーダーシップ能力 問題解決能力 見通しなし 1.80 見通しなし 見通しあり不理解 見通しあり理解不実行 見通しあり・理解実行 外国語での口頭と筆記によるコミュニ ケーション能力 2.40 日本語での口頭と筆記によるコミュニ ケーション能力 対話の能力 起業家精神 市民性と倫理的責任感 情報の管理能力と技術 分析を通しての批判的思考力 2.60 競争心 忍耐強く継続して物事に取り組む 力 知的面での自信 チャレンジ精神 創造性 他人との協調性 時間を有効に利用する能力 コンピュータ・ インターネットの操作 能力 数理的な能力 プレゼンテーション能力 文章表現能力 リーダーシップ能力 問題解決能力 外国語での口頭と筆記によるコミュニ ケーション能力 日本語での口頭と筆記によるコミュニ ケーション能力 対話の能力 起業家精神 市民性と倫理的責任感 情報の管理能力と技術 分析を通しての批判的思考力 専門外にわたる幅広い教養 将来の職業に専門的知識を生かす 応用力 専門分野で研究するための基礎的 な学力と技術 (1) まったく 身につかなかった 専門外にわたる幅広い教養 2.80 9 b. 授業外で身につけた資質・能力 1 3.00 見通しあり・理解実行 3.00 a. 授業で身につけた資質・能力 将来の職業に専門的知識を生かす 応用力 1.60 専門分野で研究するための基礎的 な学力と技術 1.60 見通しあり・理解実行 3.20 (4) かなり 身についた 3.20 (4) かなり 身についた 2.60 2.40 2.20 2.00 2.20 二つのライフは学習動機に影響を及ぼす (『大学生のキャリア意識調査2007』) あてはまる (4) 3.50 3.15 3.04 3.00 2.71 2.65 2.52 2.50 あてはまらな 2.00 い(1) 2.36 欲自 は分 高で 思 いは う 方学 だ習 と意 2.40 2.26 に自 方学分 だ習で と しは 思て積 う い極 る的 (A)理解実行 (B)理解不実行 (C)不理解 (D)見通しなし * 一要因分散分析の結果、「授業学習」「授業外学習」「自主学習」すべてにおいて1%水準 以上の有意差が見られた(順に、F (3, 1830)=4.01, p<.01、F (3, 1830)=15.60, p<.001、F (3, 1830)=62.32, p<.001)。多重比較の結果、「授業学習」(C>D)、「授業外学習」(A>B, C>D)、「自 主学習」(A>B, C>D)であった。 2 10 二つのライフとアクティブラーニング型授業への参加 (『大学生のキャリア意識調査2010』) 一年生の 理解実行 12.5 8.3 79.2 4年生11月に4年間を 振り返って 理解不実行 15.7 37.3 47.1 月 積極的に受講 11 どちらとも言えない 不理解 見通しなし 0% 1 10% 20% 23.7 47.4 28.9 30% 40% 50% 受講しなかった 29.4 35.3 35.3 60% 70% 80% 90% 100% 11 いつから将来の見通しを考えていた? (『大学生のキャリア意識調査2010』) 見通しあり・理解実行 21.8 34.2 16.7 10.4 16.3 0.6 中学生以前から 高校1・2年生頃 見通しあり・理解不実行 19.0 32.1 18.8 9.0 19 2 大学受験期(浪人を含む) 見通しあり・不理解 12.2 30.3 20.2 11.1 22.4 3.8 大学に入学した頃 最近 見通しなし 5.4 15.6 0% 13.1 5.9 20% 40% 21.6 38.4 60% 80% 将来の仕事や人生設計はま だ考えていない 100% (*) χ2検定の結果、0.1%水準で有意差あり(χ2 (15)=744.246, p<.001) 「理解実行」は見通しを中高生から考えている 2 12 1年生が4年生になってどうなっている?(医療系は除く) 理解実行 一年生の 65.2 理解不実行 月 11 34.7 不理解 6.3 30.4 36.7 4.3 28.6 68.8 4年生11月に4年間を 振り返って 4年間より理解実行 25 3年生で一気により理解実行 4年間より見通しなし 見通しなし 13.2 0% 2 39.5 20% 40% 47.4 60% 80% 100% Slide13 『大学生のキャリア意識調査』(Since2007)より明らかとなったこと(作業&仮説) 学生の学びと成長(student learning and development)の「成長指 標」としての(昨今施策で言うところの)資質・能力の設定 授業外学習と対人関係・コミュニケーションが成長の要因として キャリア形成(二つのライフ)が学習にも影響を及ぼし、かつ成長 の要因としても 学び成長する大学生のキャリア形成は中学あるいは高校1・2年か ら始まっている? 二つのライフは大学4年間で変わりにくい? 2 14 Reference: 保田江美・溝上慎一 (2014). 初期キャリア以降の探究-「大学時代のキャリア見通し」と「企業におけるキャリアとパフォーマンス」を中心に 中 原淳・溝上慎一編 活躍する組織人の探究-大学から企業へのトランジション- 東京大学出版会 pp.139‐173. 社会人調査(25~39歳対象):学校(高校・大学)から職業へのトランジション調査 構造方程式モデル ・ふり返り調査の限界はあるが、 ほぼ仮説通りの結果 ・キャリア、学習、対人関係の重要性 3 Reference: 保田江美・溝上慎一 (2014). 初期キャリア以降の探究-「大学時代のキャリア見通し」と「企業におけるキャリアとパフォーマンス」を中心に 中 原淳・溝上慎一編 活躍する組織人の探究-大学から企業へのトランジション- 東京大学出版会 pp.139‐173. 「学校と社会をつなぐ調査」(Since 2013年) (通称:10年トランジション調査) 共催:京都大学高等教育研究開発推進センター 河合塾教育イノベーション本部 1 • 目的:高校2年生から約10年の追跡調査をおこない、学校での学習や日 常生活の過ごし方が、大学での学びや社会に出てからの仕事や人生の 過ごし方にどのような影響を及ぼすかを検討する。 • 実施概要:大学進学率約7‐8割以上の高校(河合塾の資料より全国約 1,500校の生徒を対象)を調査対象の母集団として設定し、全国都道府県 の教育委員会、高校に協力を要請して実施。教室での配布、インターネッ ト、郵送等で、 165,687名の高校生に調査票への回答を求め、結果、 45,311名が回答(27.6%回答率)。 • 調査実施の流れ: 16 通称「10年トランジション調査」2時点目成果報告会 (定員250名) 京都大学・河合塾主催 2016年9月24日(土)@キャンパスプラザ京都 溝上慎一 (責任編集) 京都大学高等教 育研究開発推進センター・河合塾 (編) (2015). どんな高校生が大学、社会で成 長するのか-「学校と社会をつなぐ調 査」からわかった伸びる高校生のタイプ - 学事出版 京都大学でのウェブサイト http://www.highedu.kyoto‐u.ac.jp/trans/ 1 17 7つの生徒タイプが多様な高校生の見方を提供する 3.500 部活動タイプ 2.500 交友通信タイプ 行事不参加タイプ 1.500 進学先を卒業後どのような仕事 をしたいか見通しを持っている 進学準備を始めている 進学先についてよく考 えている 自分に見どころがあると思 う 一人でいるほうが気持ちが落ち 着く 悩み事を相談する友だちがいる 初対面の人とすぐ友だちになる 将来海外で仕事をしたい 将来海外の大学や学校に行きたい ボランティア活動 に参加してきた 学校行事に積極的に参加する 授業の内容を理解している 規則正しい生活を送っている マンガ・ 雑誌を読む 読書をする( マンガ・ 雑誌 を除 く) ゲームをする 友だちと電話、LINE、メール交 換、ツイッター、SNSなど 友だちと遊ぶ 授業以外の学習時間 部活動 マンガ・ 雑誌を読む キャリア意識 自尊感情 友だち関係 (休日の活動時間) (平日の活動時間) 読書をする( マンガ・ 雑誌 を除 く) ゲームをする 友だちと電話、LINE、メール交 換、ツイッター 、SNSなど 友だちと遊ぶ 授業以外の学習時間 部活動 ‐1.500 ゲーム傾向タイプ 一人で過ごすことを好み、対人 関係や自己肯定感が十分い発 達していない。キャリア意識が 低い。 読書マンガ傾向タイプ 2.000 18 3 3.000 1.000 ( 標準化) 得点 ‐1.000 勉学そこそこタイプ 授業外学習をおこない、キャリア 意識が高い。対人関係や自己肯 定感が発達している 勉学タイプ クラスタ分析(K‐means法) 4.000 0.500 0.000 ‐0.500 行事不参加タイプ 社会の問題に対して分析したり考えたりする ことができる リーダーシップをとることができる 図書館やインターネットを利用して必要な情報 を得たり、わからないことを調べたりすること ができる 他の人と議論することができる 自分の言葉で文章を書くことができる 人前で発表をすることができる 他の人と協力して物事に取り組める コンピュータやインターネットを操作することが できる 時間を有効に使うことができる 新しいアイディアを得たり発見することができ る 困難なことでもチャレンジすることができる 人の話を聞くことができる 自分とは異なる意見や価値を尊重することがで きる 人に対して思いやりを持つことができる 忍耐強く物事に取り組むことができる 異文化や世界に関心を持つことができる 自分を客観的に理解することができる ゲーム傾向タイプ 計画や目標を立てて日々を過ごすことができ る 19 2 部活動タイプ 読書マンガ傾向タイプ、ゲーム 傾向タイプ、行事不参加タイプ 2.50 読書マンガ傾向タイプ (1)伸びていない 勉学タイプ 3.00 交友通信タイプ 2.00 勉学タイプ、勉学そこそこタイプ 4.50 (5)伸びた 4.00 3.50 勉学そこそこタイプ 図 生徒タイプと資質・能力との関連 ・「他の人と議論することができる」「人前で発表することができる」は、対人関係が得 意くらいでは身につかない。学習(アクティブラーニング)との深い関連性。 ・「異文化や世界に関心を持つ」も学習と関連。 半数の者は高校から大学にかけて資質・能力は変わらない 京都大学・河合塾「通称10年トランジション調査」より速報 変化無し群(全体の60.2%) 成 長 群(全体の23.3%) 6.7% 13.6% 79.7% (4.2%) (8.5%) (49.6%) 中群 (N=1,068) 低群 (N=682) 0% 16.9% 27.2% 56.0% (3.9%) (6.3%) (12.9%) 29.3% 32.0% 38.7% (4.3%) (4.7%) (5.7%) 10% 20% 30% 大学1年生時 低群 40% 50% 大学1年生時 中群 60% 70% 高校2年生時 21.0% 中群 (N=1,582) 0% 10% 25.2% (8.6%) 58.9% 29.5% 11.2% (21.9%) (10.9%) (4.1%) 50% 大学1年生時 中群 60% 70% 80% 大学1年生時 高群 27.7% 36.5% 35.8% (8.2%) (10.8%) (10.6%) 10% 43.7% 35.3% 21.0% (10.6%) (8.5%) (5.1%) 20% 30% 90% 100% 40% 50% 大学1年生時 中群 60% 70% 9.6% 中群 (N=1,850) 34.3% 90% 変化無し群(全体の51.3%) 成 長 群(全体の24.4%) (18.8%) 24.3% 46.9% 28.8% (9.7%) (18.8%) (11.5%) 10% 100% 56.1% (11.5%) 低群 (N=1,231) 0% 80% 大学1年生時 高群 ・コミュニケーション・リーダーシップ力(N=4,627) (3.2%) 42.1% 大学1年生時 低群 0% (12.9%) (14.4%) 40% (26.5%) 低群 (N=1,119) 高群 (N=1,546) 32.7% 30% 57.4% (12.9%) 大学1年生時 低群 (11.2%) 20% 28.0% (6.7%) 中群 (N=1,374) 100% 44.8% (9.9%) 低群 (N=1,711) 14.6% 変化無し群(全体の49.2%) 成 長 群(全体の23.6%) 34.3% (6.1%) 90% 高群 (N=2,134) 大学1年生時 高群 計画実行力(N=4,627) 高群 (N=1,334) 80% 高校2年生時 高校2年生時 高群 (N=2,875) 変化無し群(全体の47.9%) 成 長 群(全体の24.2%) 社会・文化探究心(N=4,627) 高校2年生時 他者理解力(N=4,625) 51.5% 37.0% 11.5% (13.7%) (9.8%) (3.1%) 20% 大学1年生時 低群 30% 40% 50% 大学1年生時 中群 60% 70% 80% 90% 100% 大学1年生時 高群 「変化無し群」を高→高、中→中、低→低とすると、変化無し群は全体の47‐60%であっ た。これより、高校2年生の時の資質・能力は変化しにくいことが明らかとなった。また、 「成長群」を低→中or高、中→高とすると、成長群は全体の23‐24%であった。 3 20 2時点目成果の1つ(速報) 構造方程式モデル 仮説通りの結果 キャリア、学習、対人関係の重要性 R2=.12 R2=.12 .32 キャ リア 意識(T1) 二つのライフ(T2) .20 主体的な 学習態度(T2) .06 他者理解力(T1) 社会文化探究心(T1) R2=.20 他者理解力(T2) .30 .31 .08 .05 .30 .12 計画実行力(T1) コ ミュ ニケーション ・リー ダーシップ 力(T1) R2=.26 .10 社会文化探究心(T2) .30 -.05 .15 R2=.30 計画実行力(T2) .28 .08 .06 .05 .21 .23 .08 .13 R2=.31 .07 コ ミュ ニケーション ・リー ダーシップ 力(T2) .41 .05 R2=.00 .21 成績(T2) .23 R2=.00 授業外学習時間(T2) .09 R2=.16 アク ティブラ ーニング外化(T2) 1時点目(2013年) 高校2年生(11‐12月) 3 2時点目(2015年) 大学1年生(11‐12月) CONTENTS ①学生調査・トランジション調査の成果 ②大学生の学びと成長を支援する エビデンスベース(IR)の教育改革 ③高校でのエビデンスベースの教育改革 * 22 京大生の就職希望者の就職活動結果 2011年調査 4年生11月 現在も就職活動中 7.6 第一志望の就職先 であり、満足のいく就 職先である 0.6 3.8 26.5 内定をとり、就職活 動を終了した 就職活動を断念し た、中止した、延期 した 66.0 42.4 53.2 第一志望の就職先 ではないが、満足の いく就職先である 第一志望の就職先 であるが、満足のい かない就職先である 第一志望の就職先 でなく、満足のいか ない就職先である 総合人間学部 文学部 8.5 0% 17.8 66.7 15.6 13.2 75.5 20% 40% 60% 80% 現在も就職活動中 内定をとり、就職活動を終了 した 30.0 70.0 経済学部 11.3 2 23.4 68.1 教育学部 法学部 25.0 75.0 100% 就職活動を断念した、中止し た、延期した 参考 京都大学FD研究検討委員会・高等教育研究開発推進 センター『京都大学自学自習等学生の学習生活実態調査報 告書』2013年3月 http://www.fd.kyoto‐u.ac.jp/resource/2013jigaku.pdf 23 京都大学の事例 (8) 21時間以上 1 7.00 参考 京都大学FD研究検討委員会・高等教育研究開発推進センター『京都大 学自学自習等学生の学習生活実態調査報告書』2013年3月 6.00 http://www.fd.kyoto‐u.ac.jp/resource/2013jigaku.pdf 5.00 4.00 3.00 京大生 2.00 全国 通学にかかる時間 新聞を読む マンガや雑誌を読む 娯楽のための本( 小説・ 一般書な ど、マンガや雑誌を除く) を読む 勉強のための本( 新書や専門書な ど) を読む 6.00 5.00 授業学習 授業外学習 4.00 自主学習 3.00 2.00 1.00 タイプ1 授業外+自主学習 ゲーム( ゲーム機・ コンピュータ ゲーム・ オンラインゲーム)をする ↑平均で見れば、自学自習を謳う京大生の 学習はなんとも・・・ 7.00 (1) 全然ない インターネットサーフィンをす る (8) 21時間以上 8.00 テレビをみている 家庭教師や塾の講師以外のア ルバイトをする 家庭教師や塾の講師のアルバ イトをする コンパや懇親会に参加する クラブ・ サークル活動をする 友だちと交際する 授業とは関係のない勉強を自 主的にする 授業に関する勉強( 予習や復 習、宿題・ 課題など) をする 1.00 大学で授業や実験に参加する (1) 全然ない n=833 (30.9%) 約2‐3h/w タイプ2 タイプ3 タイプ4 n=899 (33.3%) 約1.5h/w n=432 (16.0%) 約12‐17h/w n=535 (19.8%) 約8‐12h/w n=2,728 (100.0%) ←自学自習をおこなう京大生(19.8%)に対 して、授業外学習を中心に学習する一群 の学生の発見(16.0%) 24 大阪府立大学の事例 4.0 (8) 20時間以上 8.00 r=.806** 3.5 ( G P A 7.00 3.0 6.00 2.5 5.00 授業学習1年 3 年 2.0 前 期 終 1.5 了 時 1.0 授業学習3年 授業外学習1年 4.00 授業外学習3年 3.00 (1) 全然ない ) 2.00 タイプ1 0.5 0.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 GPA( 1年前期終了時) 3.0 3.5 4.0 n=632 工学部 生命環境科学部(獣医学科以外) 生命環境科学部(獣医学科) 理学部 経済学部 人間社会学部 看護学部 総合リハビリテーション学部 全体 タイプ2 タイプ1 166 (61.3) 48 (78.7) 7 (28.0) 40 (55.6) 43 (79.6) 49 (96.1) 12 (57.1) 34 (63.0) 399 (65.5) タイプ3 タイプ2 29 (10.7) 6 (09.8) 5 (20.0) 12 (16.7) 0 (00.0) 0 (00.0) 0 (00.0) 0 (00.0) 52 (08.5) タイプ3 76 (28.0) 7 (11.5) 13 (52.0) 20 (27.8) 11 (20.4) 2 (03.9) 9 (42.9) 20 (37.0) 158 (25.9) 合計 271 (100.0) 61 (100.0) 25 (100.0) 72 (100.0) 54 (100.0) 51 (100.0) 21 (100.0) 54 (100.0) 609 (100.0) ・初年次ゼミナール(2012年度~)への影響 ・学習時間や学習行動等さまざまな変数とGPAとの関連のなさ ☞「授業を欠席しない」「居眠りしない」とは相関が見られる ☞GPAが学習目標に直結していない 1 Reference: 溝上慎一「経験や勘からデータ重視へと教学改善を跳躍させるIR」(進研アド 『Between』2013年10‐11月号) 25 CONTENTS ①学生調査・トランジション調査の成果 ②大学生の学びと成長を支援する エビデンスベース(IR)の教育改革 ③高校でのエビデンスベースの教育改革 * 26 桐蔭学園でのエビデンスベースの教育改革のモデルづくり 河合塾「学びみらいPASS」を毎年高1・高2に実施。成長を追跡 100% 10.5 90% 21.9 9.7 80% 13.4 28.1 11.3 39.3 30.7 60% 10.4 23.4 9.6 40% 14.2 2.2 20.6 2.7 3.7 26.2 6.7 18.7 14.8 10.4 17.0 3.7 12.6 13.5 9.3 17.1 18.3 交友通信タイプ 21.6 読書マンガ傾向タイプ ゲーム傾向タイプ 1.5 2.5 行事不参加タイプ 17.6 女子部 男子部 6.2 × 2013 2013 2013 2 7.2 1.0 中等教育 2015年度実施(高1) 部活動タイプ 12.3 5.2 女子普通科 女子理数科 7.0 男子普通科 男子理数科 中等教育学校 6.7 3.7 勉学タイプ 7.5 14.1 10.8 37.1 12.6 10% 0% 24.4 ○ 勉学ほどほどタイプ 8.1 50% 12.6 生徒タイプ 17.5 14.2 10.4 20% ←まずは、学科ごとの状況 35.2 43.2 アセスメント 10.7 10.9 70% 30% 18.1 この「ゲーム傾向タイプ」の 2013年度実施(高2) 多さは全国ワーストの近い。 要生活指導 27 ベネッセ「進研模試」高1の10月 (点) 65 60 得 55 点 数学 40 国語 ゲーム傾向タイプ 読書マンガ傾向タイプ 交友通信タイプ 部活動タイプ 勉学 学ほ そど こそ こタ タイ イプ プ 勉 ほど 勉学タイプ △ ○ 行事不参加タイプ 45 28 2 進研模試総合 50 英語 河合塾「学びみらいPASS」 http://www.kawaijuku.jp/news/shousai.php?uktk_no=000062817 ■「ジェネリックスキル」を測る PROG‐H(プログ) 社会で求められる「汎用的な能力」(=ジェネリックスキル)を測定するテスト です。 「知識を活用して問題を解決する力」であるリテラシーと、「経験を積むことで 身についた行動特性」であるコンピテンシーを測定します。(※既に年間10万 人以上の大学生が受験している「PROGテスト」をベースとして高校生向けに 開発。大学生版と共通尺度で測定しているため、高校~大学における能力 の成長が把握出来ます。) ■「教科学力」を測る Kei‐SAT(ケイ‐サット) 項目反応理論(IRT)に基づき、教科学力(英語・数学・日本語)のスコアを段 階評価に換算して提示します。実施時期・受験者集団・出題内容に左右され ない、全学年共通の学力指標で、学力伸長を正確に把握できます。 ■「キャリア意識(興味・関心)」を測る R‐CAP for teens (アール‐キャップ) *R‐CAP for teens は㈱リアセックの開発商品です。 学問適性、職業適性、キャリア意識に関するアセスメントです。客観的に自身 を知る手がかりになると同時に、キャリア意識を高める機会ともなります。 ■「学習・生活パターン」を測る 1 LEADS(リーズ) 日々の時間の使い方、友人関係、進学・就職意識など、日ごろの学習・ 生活実態を把握するためのセルフチェックツールです。 生徒タイプの特徴を把握し、生徒指導に役立てることができます。 生徒タイプ 29 学びみらいPASS「PROG」テスト(課題発見力) 1 河合塾「学びみらいPASS」を毎年高1・高2に実施。成長を追跡 30 学びみらいPASS「PROG」テスト(対人基礎力) 1 河合塾「学びみらいPASS」を毎年高1・高2に実施。成長を追跡 31 教員へのアンケート調査 不安の高い項目同士の相関係数を見ると… プロジェクタ操作 プロジェクタ操作 iPad操作 ALによる指導法変更 ALによる指導法変更 3 iPad操作 プロジェクタ使用頻度(低) プロジェクタ操作 ALの知識理解不足 ALによる授業進度遅れ 0.750 0.613 0.750 0.783 0.716 32 ご清聴有り難うございました CONTENTS ①学生調査・トランジション調査の成果 ②大学生の学びと成長を支援する エビデンスベース(IR)の教育改革 ③高校でのエビデンスベースの教育改革 * 33 興味があればお読みください 溝上慎一 (2014). アクティブラーニングと教授学習パラダイ ムの転換 東信堂 アクティブラーニングを理論的・実践的に包括的に概説した著書。 第1章:アクティブラーニングとは 第2章:なぜアクティブラーニングか (教えるから学ぶへ、情報・知識リテラシー) 第3章:さまざまなアク ティブラーニング型授業(ピアインストラクション、LTD話し合い学習 法、PBLなど) 第4章:アクティブラーニング型授業の質を高めるため の工夫(ディープ・アクティブラーニング、授業外学習、逆向き設計、反 転授業) 第5章 揺れる教授学習観(ラーニングピラミッドの功罪な ど) 溝上慎一監修 (2016年3月新刊) 『アクティブラーニング・シリーズ全7巻』(東信堂) ・第1巻 アクティブラーニングの技法・授業デザイン (安永悟・関田一彦・水野正朗編) ・第2巻 アクティブラーニングとしてのPBLと探究的な学習 (溝上慎一・成田秀夫編) ・第3巻 アクティブラーニングの評価(松下佳代・石井英真編) ・第4巻 高等学校におけるアクティブラーニング:理論編(溝上慎一編) ・第5巻 高等学校におけるアクティブラーニング:事例編(溝上慎一編) ・第6巻 アクティブラーニングをどう始めるか(成田秀夫著) ・第7巻 失敗事例から学ぶ大学でのアクティブラーニング(亀倉正彦著) 各巻の詳細はこちら(http://smizok.net/ALflier03-2016.pdf) (このチラシにある申込書を使えば、全巻セッ11,800円が10,000円で購入できます) チューリップMLを作りました 中学高校に関するイベントや研究会の案内を受け取る、あるいは自由 に投稿できるチューリップMLを作りました。 全国の中学高校関係者に配信されます。 情報を欲しい方、発信したい方はメンバー登録の上、どうぞご利用下さ い。 http://kyoto‐u.s‐coop.net/tulip/index.html 桐蔭学園の「授業見学」のご案内 ◆桐蔭学園はAL型授業向上を目指して、外部からの授業見学をいつでも受け 付けています。見学したい方は下記にご連絡下さい。 担当: 佐藤透([email protected]) 11/12‐13:桐蔭学園「アクティブラーニング公開研究会2016」 11/12(土) 午後 ・中学高校の授業20科目公開授業+検討会 ・探究的な学習の発表会 ・講評 数学:川添充(大阪府立大学教授) ◆ 古典:吉野朋美(中央大学教授) 11/13(日)9:00~ ・基調講演 森朋子(関西大学教授) ◆ 「アクティブラーニング型授業としての反転授業 -「わかったつもり」を「わかった」へ-」 ・全国の事例報告 郡司直孝(北海道教育大学附属函館中学校) (社会科) 三好達夫(大阪府立四条畷高校)(理科) 山田英雄(かえつ有明中学校・高等学校)(サイエンス科) 瓜生純子(福岡県教育センター) (福岡県立学校 新たな学びプロジェクト) ・総括講演 溝上慎一(京都大学教授) ・参加者同士の交流を兼ねたリフレクションセッションもあります 参加定員600名。会場:桐蔭学園 http://toin.ac.jp/ ご案内は、チューリップML(前のスライド)でいたします。 講師プロフィール http://smizok.net/ 1970年1月生まれ。大阪府立茨木高校卒業。神戸 大学教育学部卒業、1996年京都大学高等教育教 授システム開発センター助手、2000年講師、2003 年京都大学高等教育研究開発推進センター准教 授。2014年より教授(現在に至る)。大学院教育学 研究科兼任。教育アセスメント室長。京都大学博 士(教育学)。 日本青年心理学会常任理事、大学教育学会常任理事、『青年心理学研究』編集委 員、『大学教育学会誌』編集委員、“Journal of Adolescence”Editorial Board委員、公 益財団法人電通育英会大学生調査アドバイザー、学校法人桐蔭学園教育顧問ほ か、大学のAP委員、高校のSGH/SSH指導委員など。日本青年心理学会学会賞受 賞。 専門は、青年心理学(現代青年期、自己・アイデンティティ形成、自己の分権化)と高 等教育(学習と成長パラダイム、アクティブラーニング、学校から仕事・社会へのトラ ンジションなど)。著書に『自己形成の心理学-他者の森をかけ抜けて自己になる』 (2008世界思想社、単著)、『現代青年期の心理学-適応から自己形成の時代へ -』(2010有斐閣選書、単著)、『大学生の学び・入門-大学での勉強は役に立つ! -』(2006有斐閣アルマ、単著)、『高校・大学から仕事へのトランジション-変容する 能力・アイデンティティと教育-』(2014ナカニシヤ出版、編著)、『活躍する組織人の 探究-大学から企業へのトランジション-』(2014東京大学出版会、編著)、『アクティ ブラーニングと教授学習パラダイムの転換』(2014東信堂、単著)など多数。
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