NIH 諮問委員会、がん治療増強を目的とした臨床試験での

日本学術振興会ワシントン研究連絡センター
NIH 諮問委員会、がん治療増強を目的とした臨床試験での CRISPR 利用を
容認(6 月 22 日)
国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)諮問委員会は 6 月 21 日、CRISPR
(クリスパー(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat:CRISPR))
と呼ばれる反復クラスターをがん治療増強のために使用することを容認した。こうした遺
伝子編集は、がん治療を改善し、がん及び人体の免疫システムに対する脆弱性を除去する
可能性がある。
CRISPR が臨床試験に導入されるのは今回が初めてで、がん治療に有効か否かを検証
するのではなく、人体への使用が安全か否かを検証する小規模の試験となる。
本臨床試験の経費は、ナップスター社(Napster)共同創業者の一人でフェイスブック
社(Facebook)元社長でもあるショーン・パーカー氏(Sean Parker)が 2 億 5,000 万
ドルを投じて今年 4 月に設立した免疫療法財団からの助成によって賄われる。同試験で使
用するゲノム編集された細胞はペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)が作
成し、患者の募集・治験は、カリフォルニア州及びテキサス州に所在するセンターにおい
て行われる。研究者らは、黒色腫・肉腫・骨髄腫の患者 18 人から T 細胞を取り除き、①
がん細胞を発見してそれを標的とするよう T 細胞に指示、
②T 細胞のたんぱく質の除去、
③防御目的での遺伝子除去、という 3 種類の CRISPR 編集を行うという。
Scientific American, First CRISPR Human Clinical Trial Gets a Green Light from the
U.S.
http://www.scientificamerican.com/article/first-crispr-human-clinical-trial-gets-a-gree
n-light-from-the-u-s/