7・彼岸花と金木犀 秋の季節の花というと私がすぐに思い出すのは

7・彼岸花と金木犀
秋の季節の花というと私がすぐに思い出すのは、彼岸花と金木犀です。彼岸花は9月23
日近辺に正確に咲く。朱色の花です。その正確なのには驚きます。昼と夜の長さが丁度同
じなのが9月23日です。それを目掛けて咲き、あっと言う間に終わります。季節の端境
を示す時計みたいなものです。きっぱりと秋が来たと言いたくなります。この日を境に秋
の衣服にかえる人が多いと思います。気温も昼間30度ではなくなります。ああ、秋だ、
暑さとはしばらくさようならと言います。夏の暑さが極端だと思うのは年齢のせいなので
しょうか。あるいは、地球温暖化のせいなのでしょうか。彼岸花が秋の境を告げる花とす
ると、秋を目と鼻で実感させるのが金木犀です。金木犀は沢山の小さな花からできていま
す。黄金色自身が人の目を引きます。秋というと、かえでが代表的です。寒暖の差が激し
くなると、葉が緑から赤へと変化します。その色彩の変化は緑から黄、黄から赤へと木の
種類によって違います。ここで強調したいのは、色彩の変化はあっても、かえでは匂いが
ないことです。ところが金木犀は匂いが強い花です。花が咲くと一斉に匂いがでます。匂
いもいい匂いと言ってよいと思います。私の好きな匂いです。匂いの強い花は蜂が集まり
ます。暑くもなく、寒くもない、まさに秋の最中に、満月の月のあかりのように、際立っ
た黄金色と個性的な匂いで秋の豊穣を楽しませてくれます。良い匂いの花を代表するのは
金木犀、沈丁花、ジャスミン、くちなしではないでしょうか。沈丁花は春、くちなしは初
夏です。ジャスミンは春夏の花で乾燥するとジャスミン茶になります。満開時の匂いはあ
たり一面に匂います。くちなしは梅雨時に白い花が咲きます。この匂いは強く、昆虫か集
まってきます。蟻も集まってきます。くちなしの花はかなりの大きさで、直径五~十セン
チメートルでしょうか。彼岸花と金木犀は秋の代表的な花といえないかもしれませんが、
私の好きな花です。彼岸花は秋という季節を告知、金木犀は秋という季節の豊穣への招待
という意味で、私には代表的な花です。