公益社団法人神奈川県薬剤師会による薬剤師認定制度認証機構(CPC)の認 証の取得について 1.経緯 近年、国民の多様化した要望は、医療のみならず福祉、保健衛生にも大きな変化をもたら し、薬剤師には薬物療法や地域保健活動の担い手として、その役割を果たすことが求められ ている。そのため、薬剤師が生涯の学習を通じて研鑽を積むことは、付託された専門職とし ての責務といえる。またその研鑽が広く国民から見える形で行われる必要性も高い。 そこで本会は医療・薬学技術の進歩、及び医療ニーズの変化に伴う知識・技術・態度の修 得を図るとともに、水準の高い業務の実践に対応した薬剤師を育成・認定することにより、 県民の公衆衛生の向上および増進に寄与することを目的として、県独自の生涯学習認定制 度を平成 23 年よりスタートさせた。 初めての認定取得薬剤師数は広報不足もあり、7 名と少なかったが、翌年度以降は 11 名、 23 名、58 名と順調に増加している。また本制度の特徴である薬剤師倫理研修会への参加、 及び地域保健活動実習は他にはない研修内容であることから、研修会の参加者や認定取得 者からは評価される制度となってきた。 そのような中、平成 26~27 年は、薬歴未記載問題や無資格調剤が取りざたされ、薬剤師 の倫理観が問われることとなり、倫理教育の必要性が叫ばれた。さらに平成 28 年度の調剤 報酬改訂より新たに認められた「かかりつけ薬剤師」の資格には地域医療活動への取り組み が必須とされた。これら2つのことから本会の生涯学習制度は時代の求めに沿うものであ ったことが示された。 一方、「かかりつけ薬剤師」のもう一つの資格である「薬剤師認定制度認証機構が認証し ている研修認定制度等の研修認定を取得していること」を満たすために、本制度のCPC認 証取得の可能性に関する質問を平成 28 年 3 月の臨時総会で多くの地域より頂戴した。 そこでCPC認証取得は会員からの大きな要望ととらえ、生涯学習委員会、及び常務理事 会等で 4 月より検討を続けてきた。今回は中間報告を行うとともに、認証取得について意見 を募るものである。 2.CPC認証取得後の認定制度の概要 (1)生涯学習委員会組織 1)生涯学習委員会内に「研修企画・運営小委員会」及び「認定薬剤師認定小委員会」 を設置する。 2)組織・業務分担表 a 【委員会運営図:当日配布】 生涯学習委員会の所管事業 ① 本制度の運営の大綱及び方針に関する事項 ② 本制度による事業の予算及び決算に関する事項 ③ 認定薬剤師認定小委員会及び研修企画・運営小委員会の管理に関する事 項 ④ 本制度による支援事業の計画及び運営に関する事項 ⑤ その他、委員会の運営上必要と認めた事項 b 研修企画・運営小委員会の所管事業 ① 本会開催の学術講演会、各種研修会等の企画・立案及び運営に関する事項 ② カリキュラムの編成に関する事項 ③ 研修計記録・自己評価報告書の作成に関する事項 ④ 本会の関係諸団体との協力に関する事項 ⑤ 研修単位数の判定に関する事項 ⑥ 単位シールの発行に関する事項 ⑦ 研修企画・運営小委員会の予算及び決算に関する事項 ⑧ その他、委員会の運営上必要と認めた事項 c 認定薬剤師認定小委員会の所管事業 ① 研修単位数の判定に関する事項 ② 認定薬剤師の認定及び更新の審査に関する事項 ③ 認定薬剤師認定小委員会の予算及び決算に関する事項 ④ その他、委員会の運営上必要と認めた事項 (2)認定薬剤師の取得の流れ 添付資料1 受講者の申請手順書 添付資料2 県薬研修会開催予定一覧 3.CPC認証取得のメリット (1)県内で開催される研修会に参加することで認定薬剤師を取得できる。 (2)会員であれば参加費はほぼ無料となり、申請費用だけで認定薬剤師となることがで きる。 また更新も同様である。 (3)本制度は地域保健活動を必須としていることから、本制度による認定薬剤師は調剤 報酬上の「かかりつけ薬剤師」の資格取得をしていることを意味している。 また本会あるいは地域薬剤師会においては地域保健活動の機会が多い。 4.CPC認証申請までの流れ 添付資料3 申請までの流れ 5.目標数(認定薬剤師数) 申請・承認までの期間、及び過渡的申請が認められるか否かで数字は大きく異なる。 ① 9 月申請、5 か月後(29 年 1 月)に承認+過渡的申請了承の場合 ② 3 月総会まで検討、4 月申請 9 月承認+過渡的申請了承の場合 ③ 9 月申請、5 か月後(29 年 1 月)に承認+過渡的申請が否定された場合 ④ 3 月総会まで検討、4 月申請 9 月承認+過渡的申請が否定された場合 28 年度 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 ① 30 60 120 240+30 480+55 ② 0 30 50 100 200+30 ③ 0 30 50 100 200+30 ④ 0 0 30 50 100 6.今後の問題点(事業の継続的な運営に関する問題点) (1)経費 【予算書:当日配布】 (2)生涯学習委員会 委員の増員 現状 7 名に加えて大学教員、病院薬剤師を 3~5 名は必要となる。 (3)事務局の業務量増 (4)共益事業経費増による公益事業とのバランス (5)日本薬剤師会 JPALS との関係 JPALS CL4、5 は日本薬剤師研修センターの認定薬剤師として認められることが 決定した。 (6)5 団体(日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、日本医療薬学会、日本薬学会、日本薬 剤師研修センター)による確認試験との関係 ・県薬会員の確認試験受験機会の損失となる。 (7)メーカー共催の研修の取り扱い ・利益相反について明確にする。 ・内容により、これまで認められていたものが不可となる可能性がある。 (8)会員に対して ・研修制度の複雑化:どの認定を取得すべきか迷う ・研修機会:根岸での研修会だけでは、取得しづらい ・広報 どのように取得するのか、県薬認定薬剤師の意味などを会員に対して十分、説 明しなければ、薬剤師研修センターの認定の方が簡単との理由で、県薬のもの が選択されない。 ・その他 今年度中にCPC認証取得できなかった場合、かかりつけ薬剤師の資格は他の プロバイダーで取得することになる。その後、新たに認定薬剤師を取得しよう と思う人はいるのか。 7.地域・職域薬剤師会にお願いしたいこと (1)研修計画(年度単位)の策定 (2)広報
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