CSRとコンプライアンス ~従業員のSNS個人利用の注意喚起~

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CSRとコンプライアンス ~従業員のSNS個人利用の注意喚起~
昨今、テレビや新聞などでの企業不祥事に関する報道に合わせて、
「CSR」や「コンプライアンス」という言葉を目にする機会が増えたのではないでしょうか。企業
不祥事が起きると、当該企業への社会的制裁が加えられるのは勿論、同業界の他企業に対しても社会の目は厳しくなります。
「CSR」とは企業が継続的に発展するとともに価値を高めていくために、また「コンプライアンス」は不祥事が起きない社内体制をつくり、社会から信頼を得ていく
ために必要不可欠なことがらです。これらを理解し、日頃から「CSR」と「コンプライアンス」を意識した事業活動を進めましょう。
そこで今回は、
「CSR」と「コンプライアンス」について一般的に言われていることをお伝えするとともに、昨今社会で多く発生している身近なリスク「従業員のSN
S個人利用」における注意についてお話ししてまいります。
1.
CSRとは
【CSRとコンプライアンスについて】
「CSR」とは、
「Corporate Social Responsibility」の略であり、直訳では「企業の社会的責任」とされます。
言い換えると、
「企業が社会の一員として社会に果たすべき役割と責任」となります。
では、企業が「CSR」に取組むことで目指すものは何でしょうか。
それは、
「 経済」
「環境」
「社会」の3つの価値のバランスを取りながら、幅広い範囲の役割と責任を果たすことによって、企業自身の理念の実現と持続的な成長を
目指すための取組みです。
<経済> 企業が収益を上げることで従業員を雇用し、生活を守る
<環境> 環境対策を十分に行いながら、商品・製品やサービスを生み出す
<社会> 地域社会に貢献する
<参考>
<CSRの定義(日本経団連)
>
倫理的側面に十分配慮しつつ、優れた商品・サービスを創出することで、社会の発展に貢献する。
また、企業と社会の発展が密接に関係していることを認識したうえで、経済、環境、社会の側面を総合的に捉えて事業活動を展開し、持続可能な社会の創造に資する。
2.
コンプライアンスとは
「コンプライアンス(compliance)」の直訳は「法令遵守」ですが、守るべきものは「法令」をはじめとする「法律」
「各種規程」
「ルール」といった成文化されている
ものだけではなく、成文化されていない「倫理的・道徳的な価値観」
「マナー」
「社会人としての常識や良識」も対象としています。
たとえば、どんなに企業が社会のためになる素晴らしい取組みをしていても、また従業員が1万人と多くいたとしても、その中でたった一つの社会の信頼を裏切る
過ち、またたったひとりが行った不適切な言動などの不祥事により経営ができなくなる、という可能性はなくなりません。この可能性を極力ゼロに近づけるために、
社内において「コンプライアンス」の徹底を推し進めなければならないのです。
従業員が「コンプライアンス」の意識を持ち、徹底することが大切です。
【コンプライアンス意識の醸成 自問自答4つのポイント】
1.
あなたのその言動は、会社の経営理念に反していませんか
2.
あなたのその言動は、法律はもちろん広く社会常識に反していませんか
3.
あなたのその言動は、家族や友人に見られて恥ずかしくありませんか
4.
あなたのその言動は、あなたとして信念をもって実行するものですか
3.CSRとコンプライアンスの関係性
「CSR」と「コンプライアンス」についてそれぞれ説明してまいりましたが、この両者は密接に関係しています。
「コンプライアンス」は、
「CSR」活動を推進するうえで
のベースとなるものであり、企業が社会の中で受け入れられるために徹底すべき「社会的規範」と言えるものです。
法令
各種規程など
コンプライアンス
CSR
22 HRS news 2016 July
★法令、各種規程
法令や各種規程を守らなければ、企業は存
続できません。
★コンプライアンス
成文化されていない社会的モラルも含め、
守らなければ企業は社会から受け入れられ
ません。
★CSR
「経済」「環境」「社会」のためとなる活動を
推進していかなければ企業は持続的に発展
できません。
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【従業員のSNS個人利用の注意喚起】
近年、個人のSNSでの情報漏えいが社会的問題になるケースが増えています。お客様の情報や勤務中の出来事をSNSに投稿することにより、個人情報や企業秘
密情報の流出など、本人の悪意がなくても結果的に大きな企業リスクとなる場合があります。従業員の不用意なSNSへの投稿が発端で、企業の存続の危機に陥ら
ないよう、十分な教育と注意が必要です。
※SNS
(ソーシャル・ネットワーク・サービス)
とは、
Twitter、
Facebook、
b
l
og、
YouTubeなど、人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型のWebサ
イトのこと
1.
事故事例
これまで社会ではさまざまなSNSの投稿を起因とする事件が起きています。ひとつの投稿内容で、なかには企業のイメージダウンや価値毀損など大きな影響を
受けた事例もあります。以下に有名な事例を記載します。
◇従業員による事例
・ホテル従業員によるスポーツ選手の宿泊情報掲載
・スポーツ用品店従業員による契約選手の婚約者への中傷
・社員の自社品の過剰宣伝
・飲食店従業員が食品保存用冷蔵庫に入った画像を投稿
2.
SNS利用上の注意点
従業員の個人でのSNS利用を会社として禁止するのは困難です。だからこそ、一定の「使用ルール」を守って使うように教育することが大切です。
以下の注意点を参照に従業員のSNS個人利用について注意喚起することをお勧めします。
①仕事で知り得たことは投稿しない
→多くの企業では「売上」などといった業績は社外秘なのではないでしょうか。またお客様に関する情報は、どんなに有名なかたであっても、
「 個人情報保護」の観
点から、投稿してはいけません。仕事に関することを投稿する場合は、
「既に公開されている情報」のみを使用しましょう。
②自社を持ち上げ、他社を批判しない
→自らの所属を隠して、自社の製品・サービスの過剰な宣伝や、他社・他者の誹謗中傷は、
「 悪質な口コミ」と同意であり、やめましょう。意図していなくても、このよ
うに受け取られないように、表現に気をつけましょう。
③プライバシーの毀損に注意
→発言・投稿する際は、他人のプライバシーや個人情報に関わる内容が含まれていないか充分注意してください。
◆Check!! 「職場なう」の写真投稿で大事件に発展
職場の休憩中など、息抜きに何気なく投稿したことが、思わぬ事故に発展することもあります。
ある自治体の職員がSNSへ投稿した写真に起因する情報漏えい事件がありました。
これは、投稿された文章の内容には問題になるものではなかったのですが、一緒に投稿された写真のなかに、固定資産税の申告書が写り込んでいた
のです。また機密情報が写り込んだ写真が、投稿から発覚まで3週間近く一般公開されていたという、時間の長さも問題を大きくした原因でした。
写真の投稿には、①肖像権やプライバシー侵害に繋がる可能性のある人の映り込み、②背景などに「機密情報」が紛れているかもしれない、③GPS
機能付データ写真だけでなく、背景に移り込んだ表札、電柱の住所などから居場所がばれてしまい自身のプライバシーが侵される、なども考えられま
す。写真の投稿には十分注意しましょう。
3.
企業価値の毀損につながりかねない投稿の具体例
@社外秘情報の流出につながる内容
・今日の売上○○円!
!
・○月に□□ってお店が開きます! … 社外発表前の場合、社外秘流出
@個人情報保護に触れる内容
・今、
うちの店に○○(有名人)が来てる! … 許可なしの場合、プライバシー侵害
・この人、
うちの常連様!
(顔写真掲載) … 許可なしの場合、プライバシー侵害
@コンプライアンスに触れる内容
・飲み会楽しかった!自転車で帰ります。 … 飲酒運転。お酒飲んでいなくても「飲酒運転」と勘違いされます。
・お店の商品こっそり盗んでやったぜ! … 窃盗は犯罪です。
・
(未成年者が)先輩たちと飲み会! …未成年者の投稿の場合、本人は飲んでいなくても「未成年者飲酒」を疑われる内容。
@企業のイメージダウンや品格を疑われる内容
・今日も暇だった! ・今日のお客さんうるさかった!
・他社のビール、美味しくない! ・居酒屋○○○、行ってきたけどたいしたことなかった!
HRS news 2016 July 23