「里山資本主義の道のり」①

里山資本主義の道のり
- 新たな関係性づくり -
岡山県真庭市
地域概要
-平成17年3月、勝山町、落合町、湯原町、久世町、美甘村、
川上村、八束村、中和村、北房町の9町村が合併して誕生
-人口約47,400人 面積828.43平方キロ
-林業・商業・工業 (森林率81%、うち人工林率61%)
-出雲街道に面し、古くから交通の要衝
-3カ所の原木市場、1カ所の製品市場、1カ所の木材集積基地
-平成18年 「バイオマスタウン構想」 公表
ー地域で何をつくるか・・・自治の精神、産業は手段
真庭市の地域振興
持続可能な
地域産業の形成
未来遺産である
森林資源の保全
1.真庭地域等の山間部から排出される木質系資源を活用して、
広域的な産業連携を図る。
2.真庭地域内の自然資源で、生活が結ばれた実感を共有し、
地域の誇りを創出する。
3.構想推進に必要な各種の研究開発を産学官連携で推進し、
情報と人材の集積を図る。
真庭の歩み
第1期
勉強会
若手経営者
を中心に
「21世紀の
真庭塾」
結成
「2010年
真庭人の1日」
1992年
第2期
部会活動
第3期
調査研究
開発
第4期
地域ぐるみ
の実践段階
まちづくり部会
ひなまつり
まちなみ保存
ゼロエミッショ
ン部会
木質副産物
活用の取り組み
1998年
木質資源活用産業
クラスター構想
産業づくりと
地域づくりの連携
バイオマス発電
木片コンクリート
ひのきの猫砂
バイオマスタウン
構想策定
NEDO実験事業
バイオマスツアー
真庭
2000年
2003年
2010年 真庭人の1日
西暦2010年、秋。
私、造り酒屋の均ちゃんですが、私の酒蔵
では、10年ほど前から、タンクを洗う洗剤
に、環境負荷の低い、砂糖を原料とした
ものを使っている。
そんな私も、今年60歳代になり、最近では
少し耳も遠くなってきた。それでも、真庭の川
のせせらぎは、なぜか鮮明に聞こえる。
そして、元気のいい子供たちの楽しそうな
声も聞こえる。
子供たちに人気なのは、冬季の温水プー
ルである。これには地元製材業の自家発
電による電気と蒸気が使われている・・・・・
山から町へ
バイオマス
循環系の落とし穴
米
稲作
発酵した良質
有機質肥料
(40年前、会社設立→5年で倒産)
廃棄物
としての
稲ワラ
リグニン分解酵素
シメジの種菌
シメジ栽培
鶏糞・堆肥カス
焼却煙が公害化
(昭和40年代後半)
シメジ
牛が消化できる飼料
地鶏
肉牛肥育
牛肉
地鶏肥育
牛糞
オガクズ
鶏のエサ
オガクズ(消臭)
農業
堆肥
ミミズ+
堆肥
ミミズ養殖
廃棄物
ミミズ
ミミズの糞
(盆栽の最高級肥料)
変質物
販売商品
学び・癒し
森林整備
教育
健康利用
森
主伐材・間伐材
CO2吸収
(J-VER)
林地残材等
製材所
集積基地
製材・加工
粉砕・加工
木材
樹皮・木片
プレナー屑等
チップ・ペレット
木粉等
木材利用
エネルギー利用
マテリアル利用
建材・家具など
バイオマス発電
ボイラー燃料
エタノールなど
製紙・ボード
木片コンクリート
木質プラスチック
猫砂など
燃焼
C02削減(国内クレジット等)
新技術
新素材・エネルギーの事業化
バ
イ
オ
マ
ス
の
安
定
供
給
林地残材・切り捨て間伐材の
搬出と買い取り
○流通量データマップ(H23年度実績)
チップ流通拠点
ペレット流通拠点
蒜山振興局
ペレット利用 : 26t/年
チップ利用施設
ペレット利用施設
樹皮利用施設
銘建工業㈱
ペレット販売 : 12,000t/年
樹皮利用 : 2,500t/年
(自社発生利用分を除く)
資源収集中継土場
月田総合集積基地
チップ製造 : 1,200t/年
ペレット利用箇所
①ふれあい会館 : 21t/年
②水夢 : 115t/年
③清友農園 : 18t/年
④百楽苑 : 40t/年
⑤矢谷農園 : 5t/年
⑥西山農園 : 5t/年
⑦西村農園 : 31t/年
⑧田中農園 : 15t/年
クリーンセンターまにわ
チップ利用 : 3t/年
①
② ③④
⑤
⑥
⑧
真庭バイオマス集積基地
丸太仕入 : 16,000t/年
チップ販売 : 9,400t/年
樹皮販売 : 2,500t/年
⑦
計 : 250t/年
ランデス㈱
チップ利用 : 1,000t/年
10km
※流通量データのため製材所等での自社利用分は除く
市役所本庁舎(見込み)
チップ利用 : 140t/年
ペレット利用 : 70t/年
バイオマスエネルギー利活用導入設備一覧
(平成23年6月1日 現在)
目的
設備名(導入数)
用途(箇所数)
発電
発電用蒸気ボイラ(1)
自社利用・売電(1)
熱利用
蒸気ボイラ(11)
木材乾燥(10)
コンクリート製品養生(1)
温水ボイラ(10)
温泉、プールの加温(2)
ビニールハウスの加温(5)
施設冷暖房(3)
ストーブ(約130)
民家、事務所等の暖房(ペレット100、薪30)
チップ燃料購入利用箇所:2箇所
⇒ WEBカメラ活用による効率流通が実現
ペレット燃料購入利用箇所:10箇所(ストーブは除く)
⇒ 拠点が少数のためバルク車からダンプ車及びフレコン輸送とし、関係者で輸送
樹皮燃料購入利用箇所:1箇所
地域エネルギー自給に向けて
◆地域内エネルギー自給率11.6%
◆石油代替量約15,000kl/年を達成 →
重油を90円/klと想定すると、年間14億円以上地消
◆CO2削減量約40,000t-co2/年を達成
・地域外購入→地域内生産消費
関係者の連携による、配送システム確立とエネルギーの自給
・木質バイオマス活用→森林資源の見直し
林業の活性化と山村の再生(年間5億円が山に)