調 査 速 報 浜銀総合研究所 調査部 産業調査室 2016.8.1 国内新車販売統計(2016年7月) 注目点は「国内生産900万台割れ」へ:潮目が変わった米市場の縮小リスクに要警戒 ○7月新車販売(SAAR)は前月比 1.0%増の 471 万台:6か月連続の年率 500 万台割れ ・8月1日発表の7月の国内新車販売台数(登録車+軽自動車、貨物車含む)は前年同月比 2.2%減と3か月連続の減少となった。季調済年率換算値(X-12-ARIMA にて当社試算、以 下 SAAR)でみた7月の販売台数は前月比 1.0%増の 471 万台となったが、4∼7月平均 SAAR は 472 万台と 15 年度実績(494 万台)を下回り、内需低迷が続いている(図表1) 。 ・内訳をみると、7月の乗用車(登録車+軽)販売台数の SAAR は前月比 2.2%増の 392 万 台となった(図表2) 。このうち、登録乗用車は同 0.3%増の 277 万台とほぼ横ばいで推移 した(図表3) 。一方、軽乗用車の販売台数(SAAR)は前月比 7.2%増の 115 万台と4か 月ぶりに増加したが低水準のままである(図表4) 。 ・貨物車(普通+小型トラック)販売台数の7月の SAAR は前月比 0.1%減の 43 万台とほぼ 横ばいの推移となった。貨物車の販売も 16 年に入ってから一進一退の不安定な動きが続 き、力強さに欠けている(図表5) 。 ・業界の注目点は「国内販売 500 万台割れ」から「国内生産 900 万台割れ」へと移ろう。6 月の国内生産の SAAR は前月比 0.3%増の 901 万台と辛うじて 900 万台を維持したが、16 年上期(1∼6月)の平均 SAAR は 892 万台となった。米国現地時間 7 月 28 日に米 Ford Motor は、下期の市場環境が厳しくなるとして、16 年の米国市場の新車販売見通しを下方 修正した。これまで右肩上がりを続けていた同国新車市場の潮目が変わった可能性が高く、 同国向け輸出の下振れ懸念が高まっている。 ・鉱工業指数をみると、6月の生産は3か月ぶりに増加した。在庫は2か月連続の増加と なったが、健全な水準である。7月以降は、三菱自動車水島製作所の稼働再開や、昨年度 末のサプライヤー工場爆破に伴う一部メーカーの生産停止及び熊本地震による稼働停止 の挽回生産が国内生産を後押しするが、前述のように、内外需の低迷が厳しいことから、 国内生産への下方圧力が強い状況は今後も続くことが予想される。 ・中古乗用車の6月の輸出台数 図表1 国内新車販売(SAAR)は 500 万台割れ続く (SAAR)をみると、3か月後方 新車販売台数(登録車+軽自動車、貨物車含む) 季調済、千台 前年同月比、% 移動平均でみるトレンドは軟調 100 7,000 6,500 16年7月SAAR 471万台 80 なままである。輸出金額は前年同 前月比+1.0% 60 6,000 月比 27.2%減と4か月連続の大 40 5,500 幅減となった。中古車輸出市場を 20 5,000 取り巻く環境は依然厳しいが、6 0 4,500 -20 4,000 月に反転増加したスリランカ向 -40 3,500 け中古軽乗用車輸出と、復調した 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) -60 3,000 前年同月比(右軸) シンガポール向け輸出の今後の -80 2,500 . 動向には要注目である。 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会より作成 1 図表2 乗用車販売(SAAR)は前月比 2.2%増 図表3 登録乗用車販売は前月比ほぼ横ばい 乗用車新車販売台数(登録車+軽) 登録乗用車新車販売台数 季調済、千台 6,500 6,000 前年同月比、% 季調済、千台 16年7月SAAR 392万台 前月比+2.2% 5,500 120 4,500 100 4,000 80 5,000 60 4,500 40 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 80 16年7月SAAR 277万台 前月比+0.3% 3,500 20 2,500 20 0 2,000 0 -20 1,500 -20 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 前年同月比(右軸) 1,000 -40 -60 500 -80 . . 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車販売協会連合会より作成 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車販売協会連合会及び全国軽自動車協会連合会より作成 図表5 貨物車販売は横ばい推移で勢いに欠ける 図表4 軽乗用車が4か月ぶり増加も依然低水準 季調済、千台 3,000 軽乗用車販売台数 2,500 前年同月比、% 80 16年7月SAAR 115万台 前月比+7.2% 60 2,000 40 1,500 20 1,000 0 季調済、千台 500 0 前年同月比、% 100 80 400 60 300 40 16年7月SAAR 43万台 前月比▲0.1% 20 250 -20 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 前年同月比(右軸) 貨物車販売台数 450 350 500 60 40 -60 1,500 100 3,000 -40 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 前年同月比(右軸) 前年同月比、% 200 -40 150 . 0 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) -20 -40 . 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 全国軽自動車協会連合会より作成 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車販売協会連合会より作成 2 ○業界の注目点は「国内販売 500 万台割れ」から「国内生産 900 万台割れ」へ ・7月 29 日に自工会から発表された6月の国内自動車生産台数は、前年同月比 1.0%減の 80.4 万台と2か月ぶりの前年割れとなった(図表6) 。なお、2014 年7月以降、前年超え を記録したのはわずか3か月だけとなっている。国内生産の6月の SAAR は前月比 0.3% 増の 901 万台とかろうじて 900 万台をキープしているが、3か月後方移動平均値でみるト レンドは減少基調が続いている。国内自動車生産の「空洞化」は着々と進行していると言 えよう。 ・2016 年上期(1∼6月)の国内生産の平均 SAAR は 892 万台、16 年度第1四半期(4∼ 6月)は 882 万台と、いずれも年率 900 万台を下回っている。 ・前述のように国内需要の低迷が続き、後述するように、主要仕向地である米国新車市場の 縮小傾向が続くことによって、輸出の下振れ懸念が高まっていることから、16 暦年そして 16 年度と国内生産が 900 万台を下回る可能性が意識され始めると考える。ちなみに、国内 生産が 900 万台を下回った場合、暦年ベースと年度ベースそれぞれで 2011 年以来5年ぶ りとなる。 ・7月以降の国内生産は、三菱自動車の水島製作所の稼働再開や、一部完成車メーカーにお けるサプライヤー工場爆発及び熊本地震による生産停止の挽回生産が後押しになる見通 しだ。しかし、内需低迷と米国向けを中心とした輸出需要の下振れリスクが高まっている ことに要警戒である。 図表6 国内生産 900 万台割れに現実味 国内四輪車生産台数 前年同月比、% 100 16年6月SAAR 901万台 前月比+0.3% 80 16年1∼6月平均SAAR 892万台 16年4∼6月平均SAAR 882万台 60 季調済、千台 11,500 11,000 10,500 10,000 40 9,500 20 9,000 0 8,500 -20 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 8,000 SAARの3か月後方移動平均値(左軸) -40 7,500 前年同月比(右軸) -60 -80 7,000 . 2010年 11 12 13 14 15 16 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 日本自動車工業会のデータより作成 3 ○内外需の低迷が続き、生産は盛り上がりに欠ける展開が続こう ・鉱工業指数(速報値)を見ると、6月の乗用車の生産は3か月ぶりに増加となった。また 6月の在庫は2か月連続の増加となった。在庫循環図上では(注)、5月に続き6月も乗用車 生産は「意図せざる在庫減局面」にあり、在庫水準は健全である(図表7) 。もっとも、 三菱自動車の燃費データ不正問題で稼働停止となっていた同社水島製作所の生産が7月 2日に再開した一方、前述の通り内需低迷が続き、後述のように輸出の減速懸念が高まっ ている、といった逆風が強いことから、7月以降の乗用車の生産は盛り上がりに欠ける展 開が予想される。 ・図表8∼10 では鉱工業指数から、普通、小型、軽乗用車別の各指数(生産、出荷、在庫) の推移と在庫循環図を示している。6月の普通乗用車の在庫(季調値)は2か月連続の増 加となった。生産活動は「在庫積み増し局面」から「意図せざる在庫減局面」へと逆戻り した。内外需低迷で生産に対する下方圧力は強まっている。 ・6月の小型乗用車の在庫も2か月連続の増加となったが、在庫循環図上は6月も5月に続 いて「意図せざる在庫減局面」となり、同セグメントの在庫水準も健全である。 ・三菱自動車水島製作所の稼働停止が続き、低迷している軽乗用車の生産は6月も前月比で 減少した。水島製作所の稼働停止は4月に始まっていたことから、5月から6月にかけて の減産は、他メーカー含めて軽自動車需要の減少に合わせて減産したことを意味し、同市 場の厳しい需要環境を物語っている。減産継続に伴い、在庫は4か月連続の減少となった。 生産は「意図せざる在庫減局面」に止まっており、在庫水準は適正である。もっとも、7 月は水島製作所が稼働を再開することと、需要低迷により在庫が再び増加するリスクが依 然として高いことから、在庫循環図上では過剰在庫は払しょくされたものの、先行きは予 断を許さない状況が続くと予想する。 (注)新モデルが発売されるタイミングで乗用車の出荷と在庫は大きく振れるため、各月の出荷・在庫(原数値)を3か月後方移動平均で均 してから前年同月比と比較し、それぞれ変化率を X-軸(出荷)と Y-軸(在庫)でプロットしている。 図表7 6月の生産は3か月ぶりに増加 季調済、2010年平均 140 乗用車の在庫循環図 鉱工業指数の推移:乗用車 80 在庫積み上がり局面 60 ︵ ︵ 在 庫 120 3 か 月 後 方 移 動 平 均 -80 値 100 80 ︶ ︶ ・ 前 年 同 月 比 % 60 生産 出荷 在庫 . 40 2011 2012 2013 2014 2015 2010年 注: 赤いマーカーは各年の1月実績。 出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成 2016 40 20 在 庫 調 0 整 -60 -40 -20 0 局 2009年1月 面 -20 20 40 60 在 庫 積 み 増 80 し 局 面 -40 -60 直近月 (2016年6月) 意図せざる在庫減局面 -80 出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比% 注: 2014年実績値は□(黄色)、15年は○(赤)、16年は◇(緑)でハイライト。 出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成 4 図表8 普通乗用車の生産は「在庫積み増し局面」から「意図せざる在庫減局面」に逆戻り 鉱工業指数の推移:普通乗用車 普通乗用車の在庫循環図 季調済、2010年平均=100 120 20 在庫積み上がり局面 ︵ 在 庫 2011年1月 3 か 月 後 方 在 移 庫 動 調 平 均 -20 整 局 値 100 80 ︶ ・ 前 年 同 月 比 % 60 生産 出荷 在庫 直近月 (2016年6月) 0 0 面 40 在 庫 積 み 増 20 し 局 面 . 意図せざる在庫減局面 2010年 2011 2012 2013 2014 2015 -20 出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比% 2016 注: 2014年実績値は□(黄色)、15年は○(赤)、16年は◇(緑)でハイライト。 出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成 注: 赤いマーカーは各年の1月実績。 出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成 図表9 小型乗用車は引き続き「意図せざる在庫減局面」 鉱工業指数の推移:小型乗用車 小型乗用車の在庫循環図 季調済、2010年平均=100 200 100 在庫積み上がり局面 出荷 在 在 庫 庫 3 3 か か 月 月 後 後 方 方 移 移 動 動 平 平 均-100 均 値 値 在庫 ︵ ︵ 生産 180 160 140 ︶ ︶ 120 ・・ 前 前 年 年 同 同 月 月 比 比 % % 100 80 在 庫 調 整 局 面 在 庫 積 み 増 し 局 面 0 0 100 直近月 (2016年6月) 意図せざる在庫減局面 60 -100 出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比% 注: 2014年実績値は□(黄色)、15年は○(赤)、16年は◇(緑)でハイライト。 出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成 . 40 2010年 2011 2012 2013 2014 2015 2016 注: 赤いマーカーは各年の1月実績。 出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成 図表 10 軽乗用車も「意図せざる在庫減局面」が続くが、需要低迷続き楽観は禁物 鉱工業指数の推移:軽乗用車 軽乗用車の在庫循環図 季調済、2010年平均=100 100 400 在庫積み上がり局面 在 庫 ︵ 360 3 か 月 後 方 移 動 平 均-100 値 320 280 240 生産 出荷 在庫 ︶ 200 ・ 前 年 同 月 比 % 160 120 80 50 在 庫 調 整 局 面 0 -50 0 50 在 庫 積 み 増 し 局 面 100 -50 直近月 (2016年6月) 意図せざる在庫減局面 . 40 2010年 2011 2012 2013 2014 2015 -100 出荷(3か月後方移動平均値)・前年同月比% 注: 2014年実績値は□(黄色)、15年は○(赤)、16年は◇(緑)でハイライト。 出所:経済産業省「鉱工業指数」を基に浜銀総合研究所が作成 2016 注: 赤いマーカーは各年の1月実績。 出所: 経済産業省「鉱工業指数」より浜銀総合研究所が作成 5 ○6月新車乗用車輸出は前月比横ばいも減少トレンドが続く:米国向け減速が響く ・7月 28 日に公表された6月の乗用車輸出台数(軽乗用車と中古車を除く)は SAAR で前 月比 0.1%増の 378 万台とほぼ横ばいとなった(図表 11) 。主要仕向地別では(図表 12) 、 当月は米国向けの輸出(SAAR)が減少したことが足かせとなった。 ・日本にとって最大の輸出先である米国の新車販売台数(SAAR)は、6月に前月比 1.5%減 の 1,692 万台(当社試算)と節目である 1,700 万台を割り込んだ(図表 13) 。3か月後方 移動平均値でみるトレンドは、15 年終盤に頭打ちした状況から抜け出せないままである。 ・なお、長らく拡大基調にあった米国新車市場はいよいよ「潮目が変わった」可能性が高く、 今後の動向は今まで以上に要警戒だ。日本時間7月 29 日未明(現地時間 28 日)に発表さ れた米 Ford Motor の 2016 年第2四半期決算では、同社は 16 年下半期の需要環境が厳しく なると見て、同年の米国新車販売見通しを下方修正した。大手の一角が悲観シナリオを描 き始めた米国自動車市場の減速が今後も続く可能性は高く、同国向けの輸出がこの先、一 段と切り上がって、輸出の大きな押し上げ要因になると期待するのは難しい状況だ。 ・米国に次ぐ主要仕向け地である欧州では、6月の販売台数は前月比 1.1%減少と2か月連 続の減少となった(図表 14) 。3か月後方移動平均値でみるトレンドは高位で推移してい るものの、一進一退が続いている。6月の欧州向けの輸出は大幅増となったが、このとこ ろ、不安定な動きが続いており、今後、上向いていくと予想するのは難しい。 ・最後に、中国の6月の乗用車小売台数は2か月連続で前年同月比2桁増と堅調であった (図表 15) 。しかし、流通在庫が急増し過剰感が強まっている。乗用車販売台数(生産台 数に近い工場出荷ベース)に目を向けると、6月の SAAR は前月比 0.2%増となり、3か 月後方移動平均値で見るトレンドも上向いている(図表 16) 。もっとも、流通在庫が急増 していることから、7月以降に在庫削減の為の減産が行われる可能性が否定できず、同国 向け輸出台数が増加し続けると期待することも禁物である。 ・以上のように、主要自動車市場において、日本からの乗用車輸出に対する下押し要因が存 在するため、7月以降も輸出への下押し圧力が強い状況が続くと予想される。 図表 11 6月の乗用車輸出(SAAR)は前月比横ばい:減少トレンドが続く 季調済、千台 5,000 新車乗用車輸出台数:全国 前年同月比、% 100 16年6月SAAR 378万台 前月比+0.1% 4,500 80 60 40 4,000 20 3,500 0 -20 3,000 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 2,500 12年 399万台 前年比+8.6% 13年 391万台 前年比▲1.9% 14年 372万台 前年比▲4.8% -40 -60 -80 15年 387万台 前年比+4.1% 2,000 . -100 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 6 図表 12 米国向け新車乗用車輸出台数(SAAR)が減少 ・ 米国向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 2,000 1,500 前年同月比、% 80 500 12年 167万台 前年比+19% 13年 170万台 前年比+2% 14年 151万 前年比▲11% SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 700 40 600 40 500 20 400 0 0 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) -20 300 -20 -40 200 -40 -60 100 15年 158万台 前年比+4% 0 前年同月比、% 16年6月SAAR57万台 80 前月比+19.2% 60 60 16年6月SAAR 153万台 前月比▲4.2% 20 1,000 EU圏(28か国)向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 800 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 12年 40万台 前年比▲24% 13年 37万台 前年比▲7% 14年 45万台 前年比+23% -60 15年 51万台 前年比+12% 0 -80 -80 . . 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 中東向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 600 500 SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 季調済、千台 前年同月比、% 80 500 60 40 400 450 豪州向け新車乗用車輸出台数 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 前年同月比、% 80 16年6月SAAR 30万台 前月比+1.8% 60 400 40 350 20 300 20 300 0 250 0 200 -20 200 -40 150 100 16年6月SAAR 37万台 前月比+7.2% 12年 36万台 前年比+26% 13年 41万台 前年比+13% 14年 43万台 前年比+5% -60 15年 50万台 前年比+15% 0 50 14 15 300 40 250 20 200 0 150 -20 100 -40 13年 18万台 前年比+3% 14年 22万台 前年比+22% -60 15年 17万台 前年比▲21% 0 14年 29万台 前年比▲10% -60 15年 31万台 前年比+4% -80 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 中国向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 前年同月比、% 400 80 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 16年6月SAAR 20万台 前月比+11.9% SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 350 60 前年同月比(右軸) 12年 17万台 前年比▲12% 13年 33万台 前年比▲10% . 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 50 12年 36万台 前年比+19% 0 . 13 -40 100 -80 12 -20 ASEAN向け新車乗用車輸出台数 季調済、千台 前年同月比、% 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 120 16年6月SAAR 6万台 80 100 SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 前月比±0.0% 60 40 80 20 0 60 -20 40 -40 20 -80 . 12年 7.4万台 前年比×1.3 13年 5.2万台 前年比▲30% 14年 5.0万台 前年比▲5% -60 15年 5.7万台 前年比+16% -80 0 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 . 12 13 14 15 16 2011年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: ノックダウンを除く。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 7 図表 13 米国新車販売は頭打ちの状況続く 季調済、百万台 図表 19 米国新車販売台数 前年同月比、% 14 欧州乗用車市場は一進一退が続く 40 18 30 17 20 16 10 15 0 -10 14 16年6月SAAR 1,692万台 前月比▲1.5% -20 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) -40 13 12 11 10 9 -30 -50 -60 . 09 10 11 12 13 14 15 16 2007年 08 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: Autodata、Bloombergのデータより作成 図表 14 欧州新車販売は高水準も2か月連続の減少 EU27か国乗用車新車登録台数 前年同月比、% 16年6月SAAR 1,482万台 30 前月比▲1.1% 季調済、百万台 16 14 20 12 10 10 0 8 -10 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 6 4 -20 -30 . 2008年 09 10 11 12 13 14 15 16 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 欧州自動車工業会(ACEA)のデータより作成 図表 15 小売堅調も中国の乗用車流通在庫は急増 VIA指数 中国:在庫早期警戒指数(VIA)と乗用車小売台数の推移 図表 16 乗用車販売は増加基調 季調済、百万台 前年同月比、% 75 50 70 40 65 30 60 20 55 10 50 0 45 -10 40 26 24 22 20 18 16 14 12 10 8 6 -20 35 VIA:在庫早期警戒指数(左軸) -30 30 乗用車小売台数前年同月比(右軸) -40 25 -50 . . 2013年 14 15 前年同月比、% 中国乗用車販売台数 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 2013年 1,793万台 前年比+16% 16年6月SAAR 2,277万台 前月比+0.2% 2014年 1,970万台 前年比+10% 2015年 2,111万台 前年比+7% . 16 11 12 13 14 15 16 2010年 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: 工場出荷ベース。 注3: SAARは米センサス局法X-12-ARIMAにて浜銀総合研究所が試算。 出所: 中国汽車工業協会(CAAM)のデータより作成 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: 乗用車小売台数は微型バン(軽自動車バン)を除く。 注3: VIAは50を下回る場合がディーラーでの在庫水準が適正、50を上回る場合が在庫過多。 出所: 中国汽車流通協会(CADA)、全国乗用車市場信息連席会(CPCA)データより浜銀総合研究所作成 8 70 60 50 40 30 20 10 0 -10 -20 -30 . ○6月中古乗用車輸出台数(SAAR)は5か月ぶり増加もトレンドは軟調続く ・国内流通業者に注目されている中古乗用車の輸出市場に目を向けると、6月の中古車輸出 台数は前年同月比 9.6%減と4か月連続の前年割れとなった。SAAR は前月比 3.8%増の 94 万台と5か月ぶりに増加したが、3か月後方移動平均でみるトレンドは軟調なままであ る(図表 17) 。同月の中古乗用車の輸出金額も前年同月比 27.2%減と4か月連続の大幅減 となり、中古車輸出市場を取り巻く環境は極めて厳しい状況が続いている(図表 18) 。 ・6月の中古乗用車輸出台数を主要仕向地別で見ると、強弱まちまちだが、特筆すべきは ニュージーランド向けの増加が続き、アフリカ向け(主要6か国合算)輸出を初めて上回っ たことである。また、アラブ首長国連邦(UAE)向け及びシンガポール向けが増加した一 方で、アフリカ向けの減少が依然として続いている(図表 19) 。 ・中古車流通業者の間で高成長市場として注目されてきたスリランカ向けの6月の輸出台 数(SAAR)は前月比 25.6%増の 1.8 万台と6か月ぶりに増加に転じた(図表 20) 。5月 27 日に輸入自動車に対する関税が見直され、多くの主要輸入車種の関税が再度引き上げと なったが、関税が引き下げられた中古軽乗用車の輸出台数が大幅増となった(図表 21) 。 同国向け輸出市場は、現地通貨安やマクロ景気悪化の逆風に晒され厳しい状況が続いてい るが、軽乗用車輸出の動向は、日本の軽市場に影響を与えているだけに要注目である。 ・スリランカに代わって高単価車両の輸出先として期待されているシンガポール向けの6 月の輸出台数(SAAR)は、前月比 63.0%増の 2.7 万台と復調した(図表 22) 。同国では 自動車所有権証(COE: Certificate of Entitlement)の発行数が増加しており、自動車の買い 替え需要が盛り上がっているものの(注)、本年3月以降に輸出台数が大きく落ち込んだ背景 には、シンガポール当局の港湾ないし車両登録の処理能力が限界に達していたために、新 車・中古車登録待ちの車両が港湾に滞留していたことがある。これにより、日本からの中 古車の船積みが遅れていたが、6月は正常化したものと思われる。シンガポールでは自動 車需要は引き続き旺盛であるため、同国向けの中古車輸出台数の動向に加え、同市場での ビジネス拡大を狙う中古車流通業者の動きにも注目したい。 (注)COE の詳細及び買い替え需要発生との関係性は、下記リンク先の「国内新車販売統計(2016 年2月) 」ページ 10∼11 を参照されたい。 https://www.yokohama-ri.co.jp/html/report/pdf/shinsha1602.pdf 図表 17 6月中古乗用車輸出台数(SAAR)は5か月ぶりの増加もトレンドは軟調 中古乗用車輸出台数の推移 季調済、万台 140 120 前年同月比、% 80 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) SAARの3か月後方移動平均値(左軸) 前年同月比(右軸) 16年6月 SAAR 94万台 前月比+3.8% 60 100 40 80 20 60 0 40 -20 20 11年 70.0万台 前年比+4.1% 12年 83.1万台 前年比+18.7% 13年 94.8万台 14年 106.0万台 前年比+14.1% 前年比+11.8% -40 15年 102.2万台 前年比▲3.2% 0 -60 . 2011年 12 13 14 15 . 16 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 9 図表 18 6月の輸出金額は4か月連続の大幅減 中古乗用車輸出金額の推移 億円 前年同月比、% 800 80 輸出金額 前年同月比(右軸) 16年6月446億円 前年同月比▲27.2% 700 60 600 40 500 20 400 0 300 -20 200 -40 11年 3,529億円 12年 3,933億円 前年比+2.2% 前年比+11.4% 13年 4,959億円 14年 6,013億円 前年比+26.1% 前年比+21.2% 15年 6,614億円 前年比+10.0% 100 -60 . 12 2011年 13 14 15 . 16 注: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 出所: 財務省「貿易統計」より浜銀総合研究所が作成 図表 19 ニュージーランド向け輸出が減少続くアフリカ主要地域向けを追い抜く 仕向地別中古乗用車輸出台数の推移 季調済、万台 ロシア(16年6月SAAR 4.2万台) ニュージーランド(14.0万台) 25 ミャンマー(6.1万台) アラブ首長国連邦(12.3万台) チリ(6.7万台) アフリカ南部・東部6か国(12.6万台) スリランカ(1.8万台) シンガポール(2.7万台) バングラデシュ(1.9万台) 20 15 10 5 0 . 2011年 12 13 14 15 . 16 注: アフリカ南部3か国:南アフリカ、モザンビーク、ザンビア、東部3か国:ケニア、タンザニア、ウガンダ。 注: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 図表 20 スリランカ向けは6か月ぶりに増加 季調済、千台 80 70 スリランカ向け中古乗用車輸出台数とFOB平均価格の推移 図表 21 スリランカ向け中古軽乗用車輸出が大幅増 台 千円/台 3,000 5,000 16年6月 SAAR 1.8万台 前月比+25.6% FOB平均価格(右軸) 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 4,500 2,500 60 2,000 50 140 その他地域向け輸出台数(左軸) スリランカ向け輸出台数(左軸) スリランカ向けFOB平均単価(右軸) 120 100 3,500 3,000 12年 0.7万台 前年比▲74.1% 40 80 1,500 2,500 60 2,000 30 1,000 20 10 4,000 中古軽乗用車輸出台数とスリランカ向けFOB平均単価の推移 万円 500 11年 2.7万台 前年比+20.3% 15年 5.2万台 13年 1.7万台 14年 3.2万台 前年比×1.4% 前年比+90.5% 前年比+62.1% 0 . 12 13 14 15 40 1,000 20 500 0 2011年 1,500 0 . 0 . 16 2012 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 13 14 15 16 注1: スリランカ向けFOB平均単価が計算できない月は輸出台数が0台であった。 出所: 財務省「貿易統計」を基に浜銀総合研究所が作成 10 図表 22 シンガポール向け輸出が復調 シンガポール向け中古乗用車輸出台数とFOB平均価格の推移 季調済、千台 80 70 FOB平均価格(右軸) 季節調整済年率換算値:SAAR(左軸) 千円/台 4,000 3,500 16年6月 SAAR 2.7万台 前月比+63.0% 60 3,000 2,500 50 2,000 40 15年 14,885台 前年比4.2倍 30 20 11年 1,403台 12年 996台 前年比▲1.1% 前年比▲29.0% 13年 1,186台 前年比+19.1% 1,500 1,000 14年 2,857台 前年比1.4倍 500 10 0 0 . 2011年 12 13 14 15 . 16 注1: 赤塗りマーカーは各年の1月実績値。 注2: SAARは米国センサス局法X-12-ARIMAを用いて浜銀総合研究所が試算。 出所: 財務省「貿易統計」より作成 担当:調査部 産業調査室 深尾三四郎 Tel: 045-225-2375 Email: [email protected] 本レポートの目的は情報の提供であり、売買の勧誘ではありません。本レポートに記載されている情報は、浜銀総合研究所・調査部が 信頼できると考える情報源に基づいたものですが、その正確性、完全性を保証するものではありません。 11
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