MTXの説明文書

MTX(リウマトレックス、メトレート、メソトレキセート)内服について
1 MXT は1週間に1日(ないし2日に分けての)内服です。
たとえば3錠を内服する場合、朝食後2錠-夕食後1錠 のようになります。
5錠以上であれば2日に分けてもかまいません(初日:朝食後2錠-夕食後1錠、
翌日:朝食後2錠 など)
6錠などの量でも、まとめて初日の朝食後に内服しても問題ありませんが、
患者さんによっては一度にまとめてしまうと「胸やけ」
「むかつき」などが出るこ
とがあるので分けて内服していただいてます。
(これらの症状がでなければまとめ
てもかまいません)
厳密に7日毎にならなくても大丈夫です。
毎週日曜日に内服すると決めていて、なんらかの事情で飲めなかった場合は
翌日にずらしても問題ありません。また、翌週から月曜にずらしていく必要もあ
りません。決められた量を週1回内服するために曜日を(大雑把に)決めている
だけです。
2 MTX を内服する多くの患者さんで出る軽度の副作用について
MTX を内服するとほとんどの患者さんが、内服した日に「胸やけ」「軽いむ
かつき」、内服した当日あるいは翌日の「倦怠感」を感じます。また、「口内炎」
もできることが多いです。ただし、これらの症状は内服を続けるうちに徐々に体
が慣れてくることで出にくくなります。
3 MTX の重篤な副作用について
MTX では「血球減少(血液中の白血球や血小板が減ります。)」「間質性肺炎
(アレルギーででる肺炎です。ばい菌による肺炎とは異なります。)」
「肝障害」が
大きな副作用です。
ただし、出現しても MTX の内服中止によってほとんどの患者さんで治ります。
入院しなければならないような副作用の出現は、稀です。
一般的に関節リウマチの治療で使用することのある「ステロイド」
「免疫抑制
剤」
「抗リウマチ薬」の中でも、特別危険な薬剤ではありません(副作用の出現率
自体はほぼ同等です)
。
「肝障害」は非常にゆっくりと出現する副作用で、時々行う採血でチェック
しておりますので、あまり問題になりません。3 ヶ月に 1 回の採血で見つかった場
合でも、十分に対処が可能です。
「血球減少」
「間質性肺炎」には患者さん自身で自覚できる「前兆」がありま
す。
「高熱」
「強い咳」
「多発(4 つ以上)する口内炎」が、これにあたります。
「高熱」
「強い咳」は風邪引きやインフルエンザとの区別がつきにくいかもしれません。
しかし、
「高熱」「強い咳」がでた場合は、MTX のせいかも知れないと思って、1
週間休薬していただいて結構です。軽い咳や微熱は、前兆と捉える必要がないこ
とがほとんどです(結果として風邪であった、ということがほとんどです)
。あく
までも「高熱」と「強い咳」が前兆だと思ってください。「口内炎」も多発する場
合が、前兆だと思ってください。1~2 個は、上記にもお書きしたように、MTX
を内服する多くの患者さんにでる症状です。
4 体調不良時の内服について
いろいろな原因で体調不良が生じることがあると思います。風邪やインフル
エンザといった感染症は、関節リウマチの有無にか関わらず、健康な人でも時に
はかかってしまいます。このような「体調不良」の際には、MTX は休薬していた
だいて結構です。1〜2週間の休薬期間があっても、その後体調不良が改善して
から再度飲み始めれば問題ありません。
判断に迷った場合は、お電話をいただいても結構です。