情 報 基 盤 工 学 科

工学部
情報基盤工学科 概要
情 報 ・ 通 信 分 野 の エンジニ ア に 求 められる専 門 スキ ル
工 学 部
情 報 を 伝える
インターネットや通話など、日常
ではさまざまな情報が飛び交って
情 報 を 守る
います。これらの情報を確実に、そ
アンケートや顧客情報などの膨
して早く伝えるネットワークを作るの
大なデータから、どんな製品が求
は通信系エンジニアの役目です。
情 報 基 盤 工 学 科
情 報 を 創る
個人情報やネットバンキングなど、
大切な情報は守らなければなりま
められているのかを見極める。製
せん。情報系のエンジニアは、セ
品開発の現場にも、情報系エンジ
キュリティのプロとして、さまざまな
ニアが求められています。
職場で必要とされています。
情 報 基 盤 工 学 科
データ解析・人工知能・情報セキュリティ・
ビッグデータ・通信ネットワークなど情報・通信技術を学び
3 つ の 分 野 を バ ラ ン ス よく 学 ぶ
広く社会で活躍できる人材を育成します
データ解析
■理念・目的
社会基盤となる情報・通信工学技術を発展させ、人類の福祉に応用するという工学の使命
に基づき、これらの原理を数学の基礎から徹底して学び、変化の激しい ICT(Information
Communication Technology) 分野において未来を切り拓くことのできる技術者を育てます
通信ネットワーク
情報セキュリティ
モバイル通信、ワイヤレスシステム、セ
ネットワーク構築や、秘密を守る暗号技
人工知能や統計解析の技術を充実した
ンサーネットワーク。情報社会を支える情
術など、情報セキュリティ技術を基礎から
演習で身につけ、データ解析のプロをめ
報通信技術を、多くの実験・実習で習得。
じっくり学び、情報セキュリティスペシャリ
ざします。
通信・ネットワークエンジニアをめざします。
ストをめざします。
インターネットが産み出すビッグデータ。
■教育目標
1. 工学の使命と技術者倫理の重要性を認識し、情報・通信技術が社会に及ぼす影響を多面的に理解する
能力を有する人材の育成。
2. 技術者として必要とされる基礎的能力とともに、情報・通信技術への専門的適応力を有する人材の育成。
3. 情報・通信技術の基本原理を理解し、これらのシステムを運用・開発し、応用できる能力を有する人材
の育成。
4. 情報・通信工学に係る様々な課題について、それを理解し解決する方法を提案できる能力を有する人材
の育成。
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東北学院大学2017-第二版.indb 78-79
先生からの
先生からの
先生からの
メッセージ
メッセージ
メッセージ
会話のできるロボットからドローンの自動操
防災情報からSNSまで、もっと速く、確実
ネットショッピングからマイナンバーまで、大
縦まで、幅広い応用が期待される人工知能
に。人と人とをつなぐ技術を一緒に勉強して
切な情報を守りたい ! 一緒にセキュリティの
を一緒に勉強しませんか。
みませんか。
勉強をしませんか。
郷古 学 教授
川又 憲 教授
林 優一 准教授
担当科目:人工知能
担当科目:通信工学基礎演習
担当科目:インターネット工学
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工学部
情報基盤工学科の学びと進 路
高 性 能ノート P C を使 用した
演 習重 視 のカリキュラム
教員一覧
グループワークで仲間と学習
想 定され る 進 路
淡野 照義 教授 [スペクトルシミュレーション
研究室]
石上 忍 教授
グループワーク専用の講義室を完備。プ
ログラム開発やディスカッションなどさまざまな
償貸与します。多くの講義で活用することは
講義で使用します。講義時間外には、仲間
もちろん、自宅やカフェでも自由に使用する
と一緒に、勉強や実験などに自由に利用す
ことができます。また、キャンパス内では無
ることができます。
線 LANサービスを提供しています。
※一部時間制限があります。
神永 正博 教授 [応用数理研究室]
川又 憲 教授
[電子応用システム研究室]
郷古 学 教授
[人工知能研究室]
第 1 級陸上特殊無線技士
電気通信主任技術者(一部科目試験免除)
NTT データ、NTT 東日本、東北インテリジェント通信、富士通ネットワークソリューションズ、東
芝デジタルメディアエンジニアリング、NTTコムウェア、ニッセイ情報テクノロジー、東北インフォ
鈴木 利則 教授 [ワイヤレス情報通信研究室]
メーションシステムズ、日立情報システムズ、東北システムズサポート、東北電子計算センター、
嶺岸 茂樹 教授 [基礎情報通信工学]
エムティサービス東日本、NEC ネットイノベーション、NEC ネッツエスアイ、ケーヒンエレクトロニ
山田 顕 教授
クス、エフサス、その他多数
情 報 工 学の知 識 を活かして
林 優一 准教授 [サイバーフィジカルシステム
研究室]
吉川 英機 准教授 [符号理論研究室]
※実際の講義室で撮影しています。
(学生は他学科の学生です)
専 門 教 育 カリキ ュラ ム
1 年次
大学での学びに必要な学習スキル
と、2年生から始まる専門科目を学
ぶために必要な基礎力を着実に修
得します。また、職業意識も早期か
ら高めていきます。
2 年次
豊富な演習系科目を通じ、専門的
な知識を修得します。またグループ
ワークを通じ、エンジニアに必要な
チーム連携による問題解決スキル
を身につけます。
必修科目
学部共通専門科目
必修科目
情報基盤工学基礎科目群
物理学Ⅰ
微分積分学Ⅰ•Ⅱ
線形代数学
プログラミング基礎
工学総合演習Ⅰ
自然科学実験ファンダメンタルズ
物理学Ⅱ
微分方程式
フーリエ解析
情報数理演習Ⅰ(線形代数学)
情報数理演習Ⅱ(微分積分学Ⅰ)
情報数理演習Ⅲ(微分積分学Ⅱ)
応用線形代数学
応用線形代数学演習
確率統計学演習
情報数学
情報数学演習
必修科目
情報工学科目群
学科専門科目
情報工学基礎
必修科目
通信工学科目群
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多くの講義でPCを使用し、エンジ
ニアとして必要な実践的技術を修
得します。また、卒業後の進路イ
メージを描くことで、就職に向けた
準備を始めます。
工業英語
学外見学
4 年次
これまでに学んだ専門知識を活
かし、各教員が運営する研究室で、
研究に取り組み、エンジニアとして
社会に飛び立つための準備を行い
ます。
卒業研究Ⅰ•Ⅱ
インターンシップ
キャリア・デザイン
情報理論
情報理論演習
最適化法
符号理論
信号処理工学
アルゴリズム論
アルゴリズム論演習
ソフトウェア開発演習Ⅰ
データサイエンス
データサイエンス演習
ソフトウェア開発演習Ⅱ
ディジタル回路設計
センサネットワーク工学
人工知能
情報セキュリティ工学
通信工学基礎Ⅰ
情報通信工学
通信システム工学
インターネット工学
インターネット工学演習
電気電子計測
通信工学基礎Ⅱ•Ⅲ
通信工学基礎演習
3 年次
工学総合演習Ⅱ
ジュニアセミナー
確率統計学
プログラミング応用
海外研究Ⅰ•Ⅱ
電磁波工学
情報通信工学実験Ⅰ•Ⅱ
第 3 級海上特殊無線技士
■ 工学部からの情報・通信系主 な 就職実績 (2011 年度~ 2013 年度)
木村 敏幸 准教授 [情報インタラクション研究室]
※写真はイメージです。
教育職員免許状【高等学校一種 : 工業】
は、多くの企業が本学の情報工学系卒業生の採用を希望しています。
志子田 有光 教授 [計測情報工学研究室]
[超音波工学]
■ 取得可能な資格(予定)
信分野で広く活躍しています。また、2015 年 1 月に実施した民間企業アンケート調査で
情 報 基 盤 工 学 科
入学者全員に高性能ノートパソコンを無
[情報通信システム研究室]
加藤 和夫 教授 [生体情報工学研究室]
50 年以上の歴史を持つ東北学院大学工学部の卒業生は、すでにさまざまな情報・通
工 学 部
学 び の サ ポ ート
工
学
部
の
卒 業 生
イ ン タ
ビ ュ ー
N T T コムウェア株式会社
総務人事部 人事部門 勤務
竹川 真人さん
2008 年 3 月
工学部 物理情報工学科
(現・電子工学科)卒業
近い将来、大規模なシス
テム 開 発 をプロジ ェクト
リー ダ ーとし て 指 揮し た
いという目 標を 持 っ て い
ます
シミュレーション工学
オペレーティングシステム論
大学生活での学び、経験を活かせる未来がここに
東北学院大学は学びたいこと、やりたいことができる環境が整っています。私も大好きな
情報工学の勉強をがんばってきました。また学生会の執行委員としてイベントの企画・運
営にも携わりました。そんなステップを活かせる未来として選んだのが今の会社です。現在
情報通信法規
教養教育科目、外国語科目、保健体育科目、教職等に関する科目は、110 ページをご覧ください。
はシステム開発を離れ、人事部門で仕事をしていますが、また開発の現場に戻り、近い将
来、大規模なシステム開発をプロジェクトリーダーとして指揮したいという目標を持っていま
す。皆さんも4 年間の大学生活のなかで可能性を広げ、自分らしい未来をつかんでください。
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工学部
情報基盤工学科の研究力
電子応用システム研究室
情報通信システム研究室
情報インタラクション研究室
IC カードや ICタグで利用されている暗
号技術と暗号の秘密鍵をハードウェアや
暗号の特性を利用して、いかに盗み出す
かを研究し、あらかじめ防衛技術を開発
していくことで安全安心な情報化社会を
支援しています。
(神永 正博 教授)
電子回路の動作に伴って、周囲には微
弱な電磁波が発生します。この電磁界変
動を詳細に測定および分析することで、電
子システムの動作状態を確認したり誤作動
を起こしたときの原因を探ることができます。
当研究室ではこのような電磁波をとらえる技
術を駆使して、高性能化する電子システム
の開発や設計のための基礎データを提供
しています。
(川又 憲 教授)
携帯電話もディジタル、テレビ放送もディ
ジタル、もちろんコンピュータはディジタル
符号で計算、いまやディジタル技術無しで
は何も語れない時代です。今後より一層重
要となるディジタル通信の品質維持・向上
をめざし、その評価技術を研究しています。
(石上 忍 教授)
これまでのマルチメディアシステムは使
い勝手が悪いため、専門家でないと上手
に扱えませんでした。本研究室では大画
面テレビに対応した立体音響システムや
個人用の立体音場再生システムを用いて、
誰でも上手に扱えるマルチメディアシステ
ムを開発しています。
※研究室名は全て仮称です。
GIS を用いた情報の
可視化による震災復興支援
被災自治体における、復興計画や防
災 情 報 等の情 報をGoogle Earth 上 で
表現することによって、震災復興に向け
ての支援を目指しています。
「 ICカードの暗号技術、攻撃と防御の研究 」ICカード
の動作電力から秘密鍵を取り出す。
ESD(静電気放電)に伴うインパルス電流を電子システムに注入
し、電子システム周辺の電磁界変動を測定している様子。これを
解析することで、システムの電磁ノイズへの耐力を評価します。
このグラフは、近年省エネ家電の一つとして急速に普
及しつつあるLED電球からの電磁雑音によって妨害を
受けた地上デジタル放送を『振幅確率分布』というパラ
メータを用いて通信品質評価を行った例です。
通信に使われるミリ波よりも高周波のテ
ラヘルツ光による分光実験により得られた
物質のスペクトルを、分子動力学法により
シミュレートし、アボガドロ数程度のビッグ
データとしての原子系の情報を分析します。
(淡野 照義 教授)
歩行者エージェント・
シミュレーションの研究
避難シミュレーションとして、情報技術
の面から地域の防災計画に役立てるなど
の研究を行っています。様々な場面での
人の行動や、行動を表現するためのアル
ゴリズムを研究し、プログラミング開発を
行います。
脳波信号の時間周波数解析と
信号源推定
計測情報工学研究室
東北学院大学2017-第二版.indb 82-83
(加藤 和夫 教授)
生体情報工学研究室
暗号プログラムを実装したマイコンへの攻撃法(マイコンをわざと誤動作させ、秘密情報を
抜き出す技術)に関する研究を行っています。攻撃法を研究すれば、守る技術がわかります。
また、暗号関連研究として、パズル解法ロボットの開発なども行っています。
生体を対象とした情報の計測、ノイズの除去による生体情報の抽出、さまざまな信号解析
といった最先端の情報工学的な視点に基づいた研究を行っています。
さらには大脳の高次機能などの人間のさまざまな機能の解明、医工学への応用にも取り
組んでいます。
人工知能研究室
符号理論研究室
サイバーフィジカルシステム研究室
人間とともに暮らしながら、さまざまなお
願いに応じてくれるロボットがいてくれたら、
素晴らしいとは思いませんか? 本研究室で
は、自分で考え、練習して、できなかった
仕事が少しずつできるようになる、学習型
のロボットの研究をしています。
(郷古 学 教授)
情報の破損を自動修復する機能を持つ
誤り訂正符号は、高品質な情報伝送や情
報記憶のサービスを提供するために不可
欠な基盤技術の一つです。ここでは快適
な情報ネットワーク社会を実現するための
符号の構成法や性能評価とその応用につ
いて研究を行っています。
(吉川 英機 准教授)
本研究室では、サイバーフィジカルシス
テムに接続された多種多様な端末からネッ
トワーク経由で収集されるデータを用いて
社会システム・サービス最適化を行う際に
必要となるセキュリティ技術・ネットワーキン
グ技術ついて研究開発しています。
(林 優一 准教授)
超イオン導電ガラス中のイオン伝導シミュレーション
我々の周りには携帯電話や無線
LANなどが送受する電波が飛び
交っています。写真はISM帯の電
波強度とその時間変化を表してい
ます。
(鈴木 利則 教授)
ワイヤレス情報通信研究室
人工知能技術を使ってヒューマノイドロボットの制御実験を行い
ます。
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(志子田 有光 教授)
大画面テレビに対応した立体音響システム。どこにいても画面
上の物体(UFO、星、ボール)から音が鳴っているように聞こ
えます。
スペクトルシミュレーション研究室
パターン認識技術や、パズルの解法理
論は暗号技術の研究にも応用されてい
る。写真は、ルービックキューブを解く
ロボット。
立体の全体形状推定
コンピュータグラフィックと数値計算を駆
使して、立体物の一部から全体の形を推
測する技術の研究をしています。例えば
土器のかけらから、土器全体をイメージす
ることなどにも応用します。
(木村 敏幸 准教授)
情 報 基 盤 工 学 科
活 き る
最 先 端
の 研 究
応用数理研究室
工 学 部
情報・通信系分野に
絵入りQRコードで誤り訂正符号の機能が試せます。
情報通信機器に求められる物理セキュリティを評価する
システムの開発や複雑化するネットワークの管理支援シ
ステムの開発を行っています。
どんな場合でも素早く確実に情報を伝える無線システム
や、飛び交う電波を分析することで人の混雑度や機器の位
置を推定する手法などを研究しています。また、近年急激
に増加している通信トラヒックに対処するため、高効率な無
線通信方式なども研究しています。
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